がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
機動戦士ガンダムUC 4巻
 やーっと読み終わった。こういうのは細々と読んでもわけがわからなくなるんで、一気に読まないとダメですね。なので時間が出来たときしか読み進めることが出来ず。

 だいぶ話が動いてきていい感じなんですが、よくよく考えると小さなネオジオン残党とネェル・アーガマの戦いでしかないんで、規模的には0083みたいなものなんですよね。それにしては色々壮大なテーマが絡んでいるので、そうは見えなかったりしますが。

 主人公が敵側の拠点に連れて行かれるというのはガンダム的には斬新なはずなんですが、なぜかあまり斬新さを感じません。何故だろう…と思ったらクロスボーンガンダムが近いことをやってたからなんですね。まぁ、もともとありがちなシチュエーションではありますが。

 一方でリディ君は輸送艦から脱走してネェルアーガマに戻ってからも敵前逃亡さえ考えているというとんでもない暴走ぶり。いくらミネバに惚れたからとはいえ、そこまでやるキャラだったとは…。エリートがキレると怖いってことかね。
 なんとなく、リディは福井氏のパーソナリティを反映したキャラに見えます。主人公とかぶっているように見えるっていうのはそういうところなのかなと。主人公と作り手の分身、という構図はアムロとシャアに似ているんですが、それを初めから味方同士でやったということになるのでしょうか。
 ヒロインを一時的にでも奪ってしまうあたりも実に主人公食いなんですが、そこまで彼がいい役を与えられる理由が分からないんですね。いや設定的にはラプラス事件で死んだ首相の家計っていう意味があるんでしょうけど、そういう背景が主人公であるバナージに匹敵するものをもっているのがなんとも。実は敵味方に分かれちゃったりするんだろうか。

 フル・フロンタルはどうも素顔もシャアそのもののようですね。クローンの類であることは間違いなさそうです。「今は自分を器と定義している」とか、そういう台詞がそれっぽいですし。つーことはやっぱりクルーゼなんだよなぁ。さすがに世界を憎悪しているって所までかぶらせて欲しくはないんだけど、ラプラスの箱ってのを考えると凄くそれっぽくて困ります。
 アンジェロは女性向けキャラなんだろうか。たまに男か女か分からなくなるんだよなこの人。ちょっと狙いすぎな気がしないでもない。

 人間だけが神を持つ、という言葉は嫌いではないです。だけどガンダムとはあんまり関係ない言葉であるような気がしないでもないなぁ。こういう哲学的な部分の文章は面白いのですが、やはり富野監督にはこの点では及ばないかなというのが正直な感想です。福井氏の方が描写にリアリティがあるんですけどね。富野さんは良くも悪くも観念の人だからな。

 ネェル・アーガマのハイメガ粒子砲を使用したビリヤード作戦というのは結構いいなと思います。戦艦の設定を生かしつつも、ガンダムっぽい大作戦を少数で展開すると言うのがいい味出してるなと。発射時の台詞なんかもいい感じです。こういうのは映像化したらすごく燃えそう。
 燃えるといえば、やはりバナージとリディの男同士の会話でしょうか。「男と見込んだ。オードリーを頼みます」という台詞はちょっとカッコよすぎでしょう。その前の「それは、やらなければならないことか?それとも、君がやりたいことか?」というのも凄くいい。でもそれまでのバナージの描写に比べると急にカッコよく物分りが良くなってしまって、なんだか主人公ではない気がしてしまいました。ここだけ切り取ると凄くいいシーンなんですが、話全体で見ると少し浮いているような気も。
 このシーンは挿絵もいい感じでした。安彦氏ではなくなってしまいましたが、別に気にならないです。つーか安彦氏の絵はそんなに好きではないんですよね…。絵柄が今までと違いすぎる、というのはありますが、下手に安彦氏に似せても仕方ないし。つーか途中で変えるなら初めから安彦氏に描かせるなと言いたいんですが、よほど不測の事態だったんでしょうか。

 マリーダとバナージの戦いは…なんか申し訳程度の心の通わせ方だったんで、改めて戦っても微妙な感じでしたね。最後のシーンはどっかで似た感じなのがあったなと思ったら、クスコ・アルがちょうど同じ感じだったことを思い出しました。
 なんだかなー、強化人間はとりあえず悲劇のキャラにしとけって感じがして微妙でした。同じ生き残りのプルシリーズを必死に救おうとしたこっちの作品の方がよっぽど好きですよ、自分としては。まぁ、かませ犬かメインヒロインかという違いはあるんでしょうけども。結局マリーダといううキャラクターは映像作品とのリンクのためだけに出たような気がしないでもないです。
 つーか多分無理と分かってるなら貴重な強化人間をここで消費するなよフロンタル。あとクシャトリャってよく袖付きで維持できたよなと思います。あんなでかいのでワンオフは大変だったろうに。ここは普通にヤクト・ドーガのカスタムとかの方が合理的だったような気はします。それじゃつまんないんだろうけど。

 メカニック面で言えば、NT-Dのニュータイプ検知システムっていうのはまさにF91につなげようとしてますね。まぁサイコフレーム展開状態はフェース・オープンに通じるものがありますし、考えてますねぇという感じです。裏の機能、ファンネル乗っ取りはともかく対ニュータイプシステムってEXAMですか…いや本質はだいぶ違うんだろうけど(EXAMはオールドタイプがニュータイプを裁くシステムですが、NT-Dは強化人間がニュータイプを裁くシステムですからね)、どうも発想にオリジナリティが…まぁなにをやっても何かとかぶってしまうくらいガンダム世界は肥大化してしまったのかもしれませんが…
 つーかやっぱりEXAMとNT-Dを繋げてみろよっていうオタクへの挑戦状なんですかねぇ。EXAM自体がオカルトじみた不明瞭なものなので難しいと思いますが…まぁそういうのは設定を作った千葉氏の管轄ですな。SEED、OOだけじゃなくユニコーンの外伝も千葉氏に作ってもらうと(笑)って無責任ですね。
 ネオジオン側だとアイザックだのガザだのシャアのネオジオンにはいなかったMSがちらほら。ガザDが砲台代わりというのはちょっと新鮮でしたね。ガザCは元々アクシズの防衛用兵器だったのかな~。それを攻撃用に転じさせたのがガ・ゾウムと。
 デルタプラスはやたら高性能機として描かれていましたが、この時代のギラ・ズールとかと比較してそんなに凄い機体なのかなぁ。リ・ガズィとどっこいどっこいの性能でしょ、多分。

 とまぁ、こんな感じですが全巻よりは内容が詰まってて面白い内容だったと思います。ちょっと説明描写が多すぎるような気もしますが、人間模様もしっかり描いているし。
 でもこれ、どういうテーマの作品なんですかねぇ。いまいち作品の色というのが見えてこないのですが。福井ガンダム、ということに尽きるのか。
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>人間だけが神を持つ、という言葉は嫌いではないです。だけどガンダムとはあんまり関係ない言葉であるような気がしないでもないなぁ。

富野さんがブッディズム系の思想をベースにガンダムを描いているので、神という話を持ち込むと世界観に違和感がでてしまうんですよね(笑)

神という絶対者の思想は「個と個を分離する超越者」としての描き方に偏りがちになるので、ニュータイプの描き方がエスパーっぽくなってしまうのではないかと。
ですが、ニュータイプの「共感」とか「共有」というのは仏教哲学にある「同苦(同じ苦しみを感じる)」とか「異体同心」という思想に近いと感じるので、その辺りがUCの違和感にならなければいいな……と思っています(^^)
2008/06/17 (火) 00:13:27 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
#主人公が敵側の拠点に連れて行かれるというのはガンダム的には斬新なはずなんですが、なぜかあまり斬新さを感じません。

一応ツッコミです。

Vのウッソ…マケドニア
Wのヒイロ…月面基地
Xのガロード…ゾンダーエプタ
映像作品でもそれなりにありますね。
2008/06/17 (火) 08:48:37 | URL | くっきーもんすたー #tBF1tvso[ 編集 ]
>陰鏡さん
あーそうか、違和感の正体はそれですね。
富野小説だとかなり仏教的な考え方してますもんね。
ニュータイプは悟りを開くことに近いとかなんとか。
UCは教会出したりとどちらかというと西洋的な考え方が強いのかなと思う部分があります。
ただ富野作品はちょっと東洋に偏っていたような部分もあるんで、
そのあたりは別の視点と捉えればいいのかなとも思ったりします。

>くっきーもんすたーさん
そうか、言葉が足りなかったですね。
敵側の拠点に連れて行かれて、かつ敵側の人間と心を通わせる、というのが斬新だったと思ったのです。
SEEDのキラは元々ラクスと既知の仲ですし、
未知の敵側の人間といきなり普通に会話できる立場になるというのは珍しいかな?と感じました。
2008/06/17 (火) 19:30:57 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
あー、そーいや昔「HJJサイコミュ」ってのを考えたコトありました。
敵サイコミュに侵入し、邪魔し、乗っ取るってヤツ。攻殻機動隊見て、電脳戦ばりのサイコミュ戦ってのを考えましてね。
2008/06/17 (火) 23:50:08 | URL | 叡天 #-[ 編集 ]
陰鏡
どうなんでしょうか<偏り
西洋哲学が行き詰まりを迎え、東洋哲学、それも仏教哲学の研究が盛んになりつつある今、宇宙世紀としてブッディズムベースの方がマッチしてるような感じがします!(b^ー°)

個に縛られている具合が、なんともオールドタイプっぽくて(汗)<西洋哲学
2008/06/18 (水) 12:26:03 | URL | #nL6A2.tM[ 編集 ]
>叡天さん
プルとプルツーが戦ったときに乗っ取ってたっていう説もありましたねぇ。
そのあたりは強化人間物語が一番先鋭化してましたが…

>陰鏡さん
んー、今のブームが宇宙世紀に繋がるかはまた別の話だと思います。
切り口として東洋の方が斬新なのは間違いないですけどね。
2008/06/18 (水) 20:33:09 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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