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ガンダムネタだけを語るブログです。
小説版 機動戦士Zガンダム 第一章 カミーユ・ビダン 前編
 すでに既読の作品ではありますが、富野監督がZガンダムの世界設定に触れている唯一の資料であると思うので、その観点でもう一度読んで見ようと思います。
 今まで散々Zガンダムは詰めるべき所を詰めていない、何故そうなったかという部分がないと言ってきましたが、果たして小説版においてもそうだったか、ということの確認のためでもあります。結構再評価できる部分は多いです。

 長すぎるので半分に切ります。
○Part1 ジャブローの鳥
 ブライトのテンプテーションが、ジャブローからやってきたエマ達ティターンズをグリーンノアへ運ぼうとするところまでの話。
 ブライトも、それ以外のクルーも、ガルダの管制官も含めてティターンズが嫌われているという描写になっています。エマも「綺麗だけどとっつきにくくて好きにはなれなそうな女」という感じに描かれているのがちょっと新鮮かも。ヴィジュアル次第ではツンデレ属性が与えられてもおかしくないキャラなんですけどねぇ(笑)
 テンプテーションはガルダから発進しているようです。ガルダ自体はジャブローから発進しているのでしょう。このガルダがネームシップなのかは断定できません。
 ティターンズについての説明が、「ジオンの残党狩り部隊」ではなく、「エレズム主義者を取り締まるための部隊」となっているのがなんとも。

○Part2 グラナダのシャア
 グラナダにいるシャアが、ブレックスの待つスウィートウォーターに行くことを決意するまでの話。ここの冒頭のキグナンとの会話はPS版ZガンダムのOPアニメにも使われているんですよね~。
 シャアは、ティターンズが動きを見せた(どんな動きなのかは明確ではありませんが、エマ達がグリーンノアに向かっていることと繋がっているようです)ことを知って、スウィートウォーターへ行くことにします。その情報を提供したのが「36補給部隊のハンク大尉」だそうで、シャアもそれを聞いて信用できる男だといっています。補給部隊にエゥーゴのシンパがいるってことですね。
 なんと、シャアは「グラナダ基地所属の連邦軍大尉」ということになっているそうです。アポリーやロベルトとはこの後初めて知り合うことになりますから、彼だけがグラナダ所属ということに。そこからアーガマに合流するというのは脱走扱いなんですかねぇ。
 シャアはアムロが「ニュータイプ能力を仲間を守るためという狭い範囲でしか使わなかった」ことに不満を感じていたと説明されています。シャアは優れた能力を持つ者はその力を世のため人のために使うべきだと信じている感じですね。逆シャアなんかを見ても。
 シャアが地球圏に戻ってきた理由は「逃亡生活のまま朽ちることは、シャアの本意ではなかった。再起をするにしろ、しないにしろ、地球圏の状況を知らないで暮らすのは、シャアの本性が許さなかった」と説明されています。とりあえず逃げてきたけど隠れっぱなしは嫌だから変装して外に出てきたよ、というところが実情なのでしょう。
 連邦政府の高官達は元ジオンといった差別はせずに、スペースノイド全体を差別していたと説明しています。これは多分、一年戦争以前から差別意識があったからということなのではないでしょうか。ジオンが蜂起して「ほらみろ、やっぱりスペースノイドはダメだ」って思ったんでしょうかね。
 シャアがブレックスと接触したのは終戦後の3年目(0083年?)で、それから4年間で「地球連邦の宇宙軍の間に」具体的な反地球連邦政府派の動きが始まったとしています。エゥーゴの母体は連邦宇宙軍で間違いなさそうです。
 エゥーゴの拠点はサイド1とサイド2だそうです。30バンチ事件やコロニーレーザーなど何かと標的になっていますね。
 連邦政府は反連邦組織をわざと刺激して、一気にウミを出そうという魂胆だったとしています。これは作中のティターンズのやり方から見てもそんな感じはしますね。ただこの辺はジャミトフの目的とは必ずしも重なっていないように思います。ジーン・コリニーあたりがこういう目的を持っていたのかな?

○Part3 君は、少年なの?
 カミーユと両親の会話から始まります。口うるさく、生真面目で神経質な母親と、寡黙だが何を考えているのか分からない父親という印象を与えています。また、カミーユが地球育ちであることはここで明言されています。「地球にはいつ帰れるのさ」と言って両親を困らせるのがカミーユだったようです。
 カミーユの通っている学校は、技術系の軍属エリートの子供が入る学校だったそうです。いわゆるエリートコースの通過点だったようで。そう考えると、サイド7は富裕層が多かったのかもしれませんね。7年前にもヤシマ家とかマス家の令嬢が住んでたんだし。
 カミーユは、やはり外見も少女っぽいと周囲に思われているようです。その美しさが教師には好印象を与え、クラスメートからは「石の少女」と揶揄されていたとか。基本的に、クラスでは孤立している感じですね。
 ここから先はTV版とほぼ同じ流れ。部活をサボったカミーユが、ファに追いかけられながら空港に向かい、ジェリドと出会って殴りつける…というくだりです。

○Part4 スウィート・ウォーター
 シャアがスウィート・ウォーターに到着し、世界観の説明がある短いパート。
 スウィートウォーターはコロニー建造用の衛星だったそうです。ドーナツ型になっていて、その穴の中にコロニーが入っていた感じでしょうか。この辺は逆シャアにおけるスウィートウォーターとは全く別物ですね。ここは「現代の感覚で言えば南極基地のようなもの」と例えられているのですが、うーん、そこは富野監督の書き方からすると「旧世紀で言えば」と書くところのような気がします。まぁ細かい突っ込みですが。
 ジャミトフはフリー・メーソンの復活に命を賭けていると言われる人物と説明されています。これはそういわれているだけで、実際そうなのかは怪しいところなんでしょうけど、うーん。時代を感じます。

○Part5 ディパーチャ
 クワトロがブレックスと合流し、リックディアスを受領するまで。ヘンケンやレコアもここで登場します。
 ブレックスは「ガンダムを奪えば政府が宇宙に目を向ける」と言っています。Mk-II強奪はブレックスにとって、事件を起こして宇宙の事件を対岸の火事だと思わせないところに意味があるようです。確かにガンダムが奪われたとなれば大事件ですからね。それって完全にテロリズムの考え方だよなぁ。
 アーガマは木星行きの艦の予算を流用して建造したことになっていますが、これについてブレックスは軍法会議を完全に覚悟しています。つまり明らかな不正行為なわけですね。ということは、ブレックスはアーガマの建造資金の出所がばれる前に決着をつける気だったということなのでしょうか。
 なお、エゥーゴ内の正規軍はアナハイムと繋がっていることを知らないようです。正規軍の人たちは、あくまで軍内での反ティターンズ派という意識しかない可能性が高いです。まさかジオン残党とも繋がってるとは思ってないんだろうな。
 エゥーゴとティターンズの発展の順序は、どうもエゥーゴの台頭→ティターンズの結成→バスクによる先鋭化→エゥーゴによる独自のMS開発、という順番のようです。0083の流れとは全然違いますね。

○Part6 カミーユ・ビダン
 尋問されていたカミーユがMk-IIの落下のどさくさにまぎれて脱走するという、TV版ほぼそのままの内容。
 カミーユはこの時点で「公務執行妨害」の現行犯なんですね。犯罪でも犯していないと、エゥーゴのような組織には参加できないという意図による設定なんでしょうか。

○Part7 リック・ディアス
 クワトロがリックディアスでグリプスに侵入するまで。TV版、劇場版のいずれでも冒頭に来るシーンです。思えば、小説版はカミーユ関連のエピソードの方が先に来てるんですね。その分前史があるわけですが。
 シャアは連邦軍になってからもMS(それもジム)に乗った経験があるとしています。うーん、おいしそうなエピソード(笑)
 題名の通りMSの解説が多いのですが、「ミノフスキー粒子の干渉を極度に回避しうる光コンピューターの補助」という言葉があります。カメラが捉えた映像を統合してヴィジュアル化するという処理は、確かに相当なスペックのコンピューターでなければ難しそうですね。ましてや全天周モニターなんて、処理落ちがあったりしそうですが、それも現代の感覚だからか。
 Mk-II強奪作戦は、シャアにとっては小さすぎる作戦だったようです。仕掛けるなら、最初からもっとでかくやるべきだということですね。このあたりは、ブリティッシュ作戦を成功させたジオン軍としての考え方なのかもしれません。現実に強奪作戦が実行に移されたのは、ティターンズの軍備がかなり整ってきているので、とにかく行動を起こしておきたいというのが実情のようです。結局はティターンズに対しテロを起こしてスペースノイドの支持を得たい、ということみたいですね。それで支持を得られるのだろうか。
 今作戦、「ブレックス准将のルートから入手したグリーン・オアシスの訓練状況を聞いていた」そうです。Mk-IIの訓練中を見計らっての作戦のようですね。ガンダムの訓練の状況が漏れてるなんて、どんな内通者がいるんですかねぇ。それでも「全容はつかみきれないでいた」ようですが。
 この時点では、エゥーゴは連邦が本当は何のためにティターンズを組織したのかがわかっていないようです。Part2では思いっきり説明されていますが、これは神の視点での説明であり、エゥーゴは知らないということですかねぇ。

○Part8 サヨナラ
 指名手配されたカミーユがファの家に行って、言葉を交わして別れるまで。
 フランクリンの不倫のうわさはカミーユの学校で流れているようです。他人の父親のプライベートな情報が噂になる学校って…狭い世界の家庭しか通ってないってことか。グリーン・オアシスは技術エリートの集団社会だったってことですし。感覚的には、もっとグレードの高いインダストリアル7って感じなんでしょうかね。
 カミーユは完全に行き場をなくしているようです。アニメだと唐突に見えるエゥーゴの参加ですが、小説だとそうするしかなかった、という状況にしようとしているのがわかります。

○Part9 グリプスで
 クワトロがグリプスに潜入して脱出するまで。TV版劇場版と流れは同じです。
 やはり、グリプスは後方の補給基地とみなされており、敵襲があると思っている人間などいなかったとされています。艦艇すら配備されていなかったようで。でもミノフスキー粒子は散布されていたんですよね、多分。
 グリプスには登録されているノーマルスーツとは違うスーツを確認すると自動的にトリモチを発射するシステムがあるそうです。ハイテクだ。


 ここまで。まだTV版第一話なんですけど(汗)

 ここで印象に残ったのは、ティターンズはジオン残党狩り部隊じゃないってことですね(広義にはジオン残党も含むんでしょうけど)。0083でだいぶ設定が変わったんじゃないかという気がします。とにかく反政府運動があって、その後に出てきたのがティターンズという構図のようですね。
 ティターンズが初めから悪者として描かれているのは、今読むとかなり違和感を感じます。ファーストガンダムって、敵にも魅力があったから人気が出たという側面があると思うんですよ。メカもキャラも。でもZガンダムの場合、ティターンズという敵役にそういう魅力がないのが致命的な欠点のような気がします。やっぱり視点が偏ってるんだよな。
 それと、感じたのが「富野監督は宇宙世紀の世界観を積極的に広げようとしている」ということですね。コロニーの描写や、政治も含めた世界観の説明がそれを如実に表しています。でも、当時のファンが求めていたのはあくまで「メカ描写の発展」だったんですよね。宇宙世紀という世界よりモビルスーツの技術発展の方が重要だった。そこが完全にずれていたんだろうなと思いました。
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コメント
コメント
ジオンなんて大量虐殺やってる時点で魅力なんてない
2012/10/18 (木) 13:46:20 | URL | #wLMIWoss[ 編集 ]
まぁ悪役ですからね。
でもそこに所属しているのは普通の人間、という描かれ方はしていたと思いますよ。
ティターンズは、見るからに悪い奴らでしたけど。
2012/10/20 (土) 15:33:38 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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