2008年05月11日 (日) 22:22 | 編集
では、ザクの話をしよう
やっと固有名詞がでてきた…
まず、ザクが人型となった理由からだ。前回の、ミノフスキー粒子下での戦闘能力と、宇宙空間での運動性というだけなら、人型である理由はない。モノアイと可動肢があれば十分だった。
そうですね…僕はもう人型であることが当たり前だと思ってますから、今のMSに何の違和感も感じていませんが、実際は人型でなくてもいいんですよね
そもそも、宇宙空間では形状の制約がない。船なら水に浮く形、飛行機なら空を飛ぶ形というのがある程度決まっているが、無重力空間の宇宙では、そういった物理的な形状の制約はないのだ。
なるほど…そうですよね。でも、MSが出てくる以前の戦艦や戦闘機は、海上戦艦や航空機と似たような形をしていましたよね
いい所に気がついたな。どんな形でも構わないなら、既存の何かを流用すればそれだけ安く済ませることが出来る。だから、宇宙用の乗り物は既存の乗り物の構造をベースにしたものが多いのだ
でも、MSは全く新しい兵器だった…
そう。ジオンがこれから開発しようとしている兵器は、既存の概念には全く存在しない、新しい機動兵器だった。だが、連邦より物資に乏しいジオンは、できるだけ既存の何かを流用してコストを下げたかった。そして、そのために目をつけたのが…なんだと思う?
ロボット…ですか?
そうだ。ロボットに端を発する、人を再現する工学技術だ。正確には、パワードスーツの技術が最も流用されているといわれている。
だから、モビルスーツって名前になったんですか?
そのあたりは諸説があるのでここでは明言を避けよう。結局のところ、MSが人型となったのは機能的な理由よりも、たまたま必要とされる機能を満たす既存の機械を探していたら、ロボットに行き当たったという方が近い
人型ロボットって、そんなに宇宙空間の活動に適しているんですか?
まず、センサーに当たる部位が頭頂部にあり、周囲360度のデータを収集しやすい。ミノフスキー粒子下での近距離戦に適している。また、手足を動かすことで、機体全体を動かすことなく姿勢制御を行える。ただ、それに加えて、もう1つMSには機能が求められていた。それも人型で行うことが出来たことが大きい
もう1つの機能?
コロニーへの侵入や、コロニー落としを実現するための作業だ。
コロニー落とし…!
ジオンは元々、連邦の宇宙艦隊と正面からやりあうつもりはなかった。各サイドに奇襲攻撃をかけ、各サイドに補給線を敷き、1つのコロニーを地球へ落とす。それこそが、MSに求められていた
「対宇宙軍」ではなく、「対コロニー」を前提にしていたと?
そうだ。ジオン軍は、宇宙空間で作業機が必要となる行為のほとんどをMSで行った。物資の運搬、艦船やコロニーの補修、防空監視…地球上では人間が生身でやっていること、宇宙では人間以外がやっていたことを、人型のロボットは独力で行えた。この、作業機としての側面が、MSが人型になった最大の要因とも言えるだろう
戦闘能力よりも、作業能力の方が重要視されていたんですね
というよりも、戦闘も作業もできるという総合バランスだな。作業機に転用できる飛行機や船など存在しないということだ。単純に戦闘に特化するなら、MAでよかった
なるほど
そういう意味では、MSはもっと小さくてもよかった。だが、熱核融合炉の技術的な問題と、要求される推力、装甲厚、航続時間といったものを含めると、18m級というサイズにならざるを得なかった
じゃあ、もし技術が進んで、そういう制約がなくなれば、MSはもっと小さくなるんですか?
おそらくは、そうなるだろうな。小さい方がコストも下がる
プチモビみたいなのがガンダムより強くなったりするんだろうか…
現実にはMSに搭載可能な熱核融合炉が完成して初めて、MSは実用レベルに達したと言える。ザクは融合炉がなければ、決して戦闘機に大きく勝る兵器ではなかった
何故です?
MS本来の機動力を確保するためのパワーが足りなかったのだ。AMBACも含めた、宇宙空間での高機動運動も、それを実現できる出力がなければ絵に描いた餅だ。どんなに技術やフォームを学んでも、身体そのものを鍛えなければ一流のアスリートにはなれないというのと同じだな。
空手やってたから、そういうのはわかりますけど…MSだとなかなかピンときませんね
どんな高性能な軽自動車でも、時速180kmは出せない。だが、MSの性能をフルに発揮するには時速180km必要だったということだ
そっちのほうがわかりやすいです
とにかくザクの完成は、熱核融合炉の実用化が大きなターニングポイントだったということだな
人型になったのは、ロボット工学の流用が利いたことと、戦闘力と作業能力の両立が求められていたから、ということですね
そういうことになるな。では、次回はいよいよ一年戦争の開戦だ。
ザクが実際にどう使われ、連邦軍はどう対応したのか、ということですねこの記事へのコメント
人型二足歩行兵器の利点
必ずしもMSのように18mもある人型兵器である必要はないのだが、ざっと考えつくものを挙げてみます。
■地上において
縦に高いため、占有面積のわりに大型の火器を取り回せる。
二足でバランスを取り「踏ん張る」ことで、自量のわりに大火力の火器を扱うことができる。
正面を向いたまま左右にも動けるため、進行方向が特定し難い(未来位置予測射撃がし難い)。
有視界戦では視点の高いほうが有利。
■宇宙において
四肢があるので、主推力源を任意の方向に向けるのにプロペラント不要の機動が可能となる。
腕があるので、機体姿勢自体は変化させずに射線を変えることが容易。
弾丸を消費しない超近距離格闘戦ができる(相対速度の関係からかなり難しいが、同方向に進む状況で間合いを詰めてゆくのなら考えられなくもない)。
■コロニーにおいて
脚部は歩行に使える。
コロニー内の地面は内向きの円弧状であり、遮蔽物の陰に隠れることが端っから難しいため、全高が低いことはそれほどメリットではない。むしろ高いほうが有利な面が多々ある。ましてや戦車を上回る歩行速度で、左右にも跳ぶような機動をする兵器に無誘導弾を命中させるのは至難の業であるといえる(検証はしていないが)。
あとは地上におけるメリットがだいたい当てはまる。
とりあえず、これだけデカイので、一度発見されたら常に動いていないといい的になるのだけは確実であるが、逆に動いている限りは大火力の砲(つまり、重くて取り回しに苦労する)を命中させるのは難しい。
たしかに、誘導兵器が無効化された戦場であるからこそ有効になった兵器だといえる。
必ずしもMSのように18mもある人型兵器である必要はないのだが、ざっと考えつくものを挙げてみます。
■地上において
縦に高いため、占有面積のわりに大型の火器を取り回せる。
二足でバランスを取り「踏ん張る」ことで、自量のわりに大火力の火器を扱うことができる。
正面を向いたまま左右にも動けるため、進行方向が特定し難い(未来位置予測射撃がし難い)。
有視界戦では視点の高いほうが有利。
■宇宙において
四肢があるので、主推力源を任意の方向に向けるのにプロペラント不要の機動が可能となる。
腕があるので、機体姿勢自体は変化させずに射線を変えることが容易。
弾丸を消費しない超近距離格闘戦ができる(相対速度の関係からかなり難しいが、同方向に進む状況で間合いを詰めてゆくのなら考えられなくもない)。
■コロニーにおいて
脚部は歩行に使える。
コロニー内の地面は内向きの円弧状であり、遮蔽物の陰に隠れることが端っから難しいため、全高が低いことはそれほどメリットではない。むしろ高いほうが有利な面が多々ある。ましてや戦車を上回る歩行速度で、左右にも跳ぶような機動をする兵器に無誘導弾を命中させるのは至難の業であるといえる(検証はしていないが)。
あとは地上におけるメリットがだいたい当てはまる。
とりあえず、これだけデカイので、一度発見されたら常に動いていないといい的になるのだけは確実であるが、逆に動いている限りは大火力の砲(つまり、重くて取り回しに苦労する)を命中させるのは難しい。
たしかに、誘導兵器が無効化された戦場であるからこそ有効になった兵器だといえる。
なるほど。地上においても、ミノフスキー粒子の効果の恩恵は存分に受けていたというわけですね。
プチモビの類がMSが存在する前からあったなら、
それが参考にされてる可能性って結構あるんじゃないかと思ったりします。
MSがメジャーになりすぎて名称が逆転してしまいましたが。
プチモビの類がMSが存在する前からあったなら、
それが参考にされてる可能性って結構あるんじゃないかと思ったりします。
MSがメジャーになりすぎて名称が逆転してしまいましたが。
2008/05/15(木) 21:38 | URL | ルロイ #-[編集]
人型って、姿勢変化による質量移動効果で、重心の移動範囲が非常に大きいのです。
たとえば砲を取り回そうとする時、人型だと、砲を立てて軸近くにすることで慣性が小さくなり素早く旋回可能なのです。
この、慣性モーメントの自由なコントロールが、人型の最大の利点であり、一般に横に長い従来兵器には力学的に真似のできない運動性を発揮するのです。
MSの18mという大きさは、装甲兵器に対し十分に強力な120mm級の砲を、人間が小銃を扱うが如く自由に取りまわせる大きさとして逆算されたものなのかもしれません。
ミノフスキー粒子下で、このような兵器の存在は間違いなく脅威でしょう。
MSという兵器は宇宙世紀世界において「在るべくして在る」のです。
たとえば砲を取り回そうとする時、人型だと、砲を立てて軸近くにすることで慣性が小さくなり素早く旋回可能なのです。
この、慣性モーメントの自由なコントロールが、人型の最大の利点であり、一般に横に長い従来兵器には力学的に真似のできない運動性を発揮するのです。
MSの18mという大きさは、装甲兵器に対し十分に強力な120mm級の砲を、人間が小銃を扱うが如く自由に取りまわせる大きさとして逆算されたものなのかもしれません。
ミノフスキー粒子下で、このような兵器の存在は間違いなく脅威でしょう。
MSという兵器は宇宙世紀世界において「在るべくして在る」のです。
なるほど。そのあたりがAMBACという発想に繋がったわけですね。
関節強度とか、パイロットにかかるGの問題とか、
そういうものが技術的にクリアできれば、
あり得ない兵器ではない、とも言えるのかもしれませんね。
関節強度とか、パイロットにかかるGの問題とか、
そういうものが技術的にクリアできれば、
あり得ない兵器ではない、とも言えるのかもしれませんね。
2008/05/17(土) 21:43 | URL | ルロイ #-[編集]


