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Zガンダムの通史を文章化する:序章(2)「ジャミトフ・ハイマン」
 一年戦争終戦直後の状況に関しては後回しにします。色々資料が要りそうなので。連邦軍再建計画とかコロニー再生計画とか、あの辺の0083発の設定を理解しないとまずい気がします。

 今回は前回の続きです。この文章を書くにあたって、林譲治氏のサイトを少々参考にさせていただきました。さすが、商業媒体でガンダム小説を書いてる方の考察はレベルが違うな、と思います。

 地球連邦政府という組織は、全人類を統べる巨大な組織である。その全貌を総合的に把握している者は、極めて少数の人物に限られていた。つまり、それ以外のほとんどの構成員は、人類を管理する巨大なシステムの歯車として働かざるを得なかったということだ。組織の弊害のひとつである、組織の設立目的を忘れ、組織の維持自体が存在理由になってしまうという状態は、世界で最も大きな組織でも当然に作用した。それはすなわち、地球連邦政府は世界で最も変革の起こりにくい組織であったと言うことができる。だからこそ、変革がないままに積もりに積もった不満が、武力による戦争という形で発露してしまったのだ。
 ジャミトフは、その点をよく理解していた。彼は地球連邦軍の将軍として一年戦争を戦い抜いたが、戦後の高級官僚たちの行動を見て気づいた。これほどまでに凄惨な戦争を経験しても、この政府は変わらないのだ、ということを。ジオン公国という外敵の攻撃でも変わらない政府を変えるには、中から変えるしかない。それがジャミトフの考えだった。彼はギレン・ザビがジオン国内でやったことを、連邦政府の内部でやろうとしていた。
 戦前であれば、軍人であるジャミトフが政府に対してできることは限られていた。官僚とコネクションを持つことも難しくなく、圧力をかけることも可能であったが、それで政治家たちの意識まで変えることはできない。だが、総人口の約半分を死に至らしめた一年戦争によって、軍人は政治に直接影響を与えることができるようになった。甚大な人的資源を失い、行政組織は完全に破綻したのである。そのため戦時中以降、連邦軍が行政職の公務員の役割の大半を代行することとなった。行政機構の維持のため、この体制は戦後もしばらくは続けられ、部分的ではあるが事実上の軍政が成立していた。行政職に就いた軍人たちは、戦後においては名目上軍を退役したことになっているのだが、かといって軍組織もまた政治にリソースを割けるほど人的資源があったわけでもなく、結局軍務と公務の両方を掛け持ちする、軍人でも文民でもない人間が現れることとなった。これは地方ほどではないにしろ、中央組織においても同様であり、連邦政府の中央議会にも軍人を参加させなければ成り立たないという事態にまでなったのである。ジャミトフは、このような状況で議席を得た軍人の一人だった。この立場を得て、初めてジャミトフは本格的に野望を抱き始めた。
 ジャミトフの目的は、地球を支配しているエリート層の一掃であった。連邦政府のシステムの腐敗は、その中枢にあると理解したからだ。それを、ジオン公国のように武力で政府を打倒するのではなく、内部からの革命で実現させることが彼の野望である。そのためには、現行の政権を一掃するだけの人事変動を起こさなければならない。それ故に、彼は自身の派閥を必要とした。そのために利用したのが、地球至上主義という思想であった。
 地球至上主義とは、その名の通り地球を中心に地球圏を支配するという考え方である。スペースノイドは植民地の住人であり、アースノイドこそ世界を支配する権利を与えられた人種であると考える、選民思想に近い発想だ。これは、ギレンがかつて「ジオン国民こそ優性人種である」と説いたことに極めて近い理屈である。ギレンが国民を扇動したやり方で、ジャミトフは政治家たちを扇動したのだ。スペースノイド国家であるジオン公国が一年戦争によって前代未聞の大殺戮を犯したために、多くのアースノイドの恨みを買っていたこの時勢において、地球至上主義の思想は政界にあっと言う間に広まった。
 革命に必要なのは政治の派閥だけではない。軍人が政治に深く食い込んでいる状況では、軍閥の確立も必要となる。故に、ジャミトフは自分直轄の私兵集団を作る必要があった。そのために作られたのが、ティターンズという組織だった。

次回、序章(3)「ティターンズ」
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コメント
コメント
>行政職に就いた軍人たちは、戦後においては名目上軍を退役したことになっているのだが

ここに思いっきり矛盾を感じました。
退役した軍人がどうやって昇進したんでしょう?

ジャミトフは一年戦争中准将であり、グリプス戦役では大将の位置にいます。戦後大将に昇進してから退役したにしては、准将からの昇進について期間も短いすぎますし、ティターンズを結成してから昇進したのだとすれば、退役していないと考えた方が無難です。

これを退役軍人というのはどうも納得がいかないのですが…?劇場板の肯定であれば、退役軍人という設定があるようなので、理解できますが…。
2008/01/30 (水) 03:09:11 | URL | サリエル #nL6A2.tM[ 編集 ]
>退役した軍人がどうやって昇進したんでしょう?

退役していたが「予備役」として再呼集され復帰、それと同時に昇進とか…

まぁ、考察の性質としても予備役とした方が都合よさそうですね。

2008/01/30 (水) 18:40:02 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
禿御大がどーゆー意図で連邦軍と連邦政府の境界を曖昧に描いたのかは分かりませんが、そもそも近代民主主義の必須事項のように語られる軍政分離の原則ってのは様々な都合で「発明」された思想ですし、その必要性を失わせる「何か」があった為に一年戦争後の宇宙世紀はあんな政治構造なんだと。
主義思想も時代と共に変化してダメって法はないんですし、無理矢理今の日本人が持つ民主主義観に地球連邦を押し込めて分析してしまうより、どうやったら御大の描く宇宙世紀みたいな状態に至るのかを考察したほうが、なんか面白い発想が出てきそうな気がします。
なんか面白い歴史を考えて。
2008/01/30 (水) 19:02:04 | URL | 亡 #-[ 編集 ]
>サリエルさん
この文章の意図は、公には退役したことになっているけど実際は軍籍が残っている、という意味です。
つまり実際にはれっきとした軍人そのものでしかないと言うことです。なので昇進もします。
しかしそれを知っているのは一部の人間だけだという。
役所的なごまかしをイメージしたのと、
軍もそうそう政治に要職の人間を送り込む余裕がないだろうなということでそういうことにしてみました。

後から思いついたんですが、ジャミトフ一派の陰謀で軍人の政治参加権を増大させる法案を無理矢理通したと考えた方が、
ナチス的でもっとリアリティがあるのかなと思ったりもします。

>スウさん
予備役は考えなかったですね~
将官が予備役になるってことあるんですかね?

>亡さん
多分、総人口の半分が死んだらどうなるか、というシミュレーションを行うのが一番ヒントになるんじゃないかと思います。
上述の林氏のサイトを読んで思ったんですが、人口の5%が死んだら社会は構成しなくなるのなら、
50%って本当に壊滅同然だなと思うので。
そこからどうやって統治体制を戻していったのか、というのが見えてくるとよさそうだな、と最近は思っています。
2008/01/30 (水) 22:03:34 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>将官が予備役になるってことあるんですかね?
いけないことをすると えらいひとでも よびえき になっちゃうよ!

まぁ、冗談はおいといて、アメリカなどでは「予備役将官」を専門に育成する機関もあり、退役将官が復帰した場合も予備役将官として配属になる場合があります。あと、定年間近になると予備役に配属されたり…。

戦前の日本国憲法などでは「大臣及び次官に任じられるものは現役将官とす」なーんてものあったりするんですけど、この場合は一旦現役に復帰→大臣なりを拝領するって感じだったそうです。
まぁ、日本では予備役で陸軍大将、尚且つ陸軍大臣…って人がいましたからねぇ…。
2008/01/30 (水) 22:29:14 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
ふーむ、将官の予備役というのは、緊急時に指揮官が足りないときに急遽やってもらうって感じでしょうか。

じゃあ、本当は予備役なのに退役したってことにしといて(軍のシステムを知らない文官や市民は違いがわからない)ごまかしてたって考え方もできますね。
2008/01/30 (水) 23:06:14 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
公には退役…でというよりは、ルロイさんが後から思いついたことをよりつきつめると…連邦憲章に「現役軍人の政界進出を禁止する条項がない(これは文民統制の理念で不文律として存在していた)ことを理由にジャミトフ・ハイマンが現役軍人の代議士を送り込んだ」という風に考えたら駄目でしょうかね?(笑)
2008/01/31 (木) 02:22:59 | URL | サリエル #nL6A2.tM[ 編集 ]
なるほど、不文律としか残っていなかったと考えることもできますね。
法で禁止されてないからやってもいいんだ、と開き直ると。

実際のところ連邦軍は戦乱終結宣言から一年戦争までほとんどまともな仕事がなかったでしょうから、
そのうちにだんだん文民統制が形式上のものになっていたとも考えられる(軍部が政治を握ったところですることなさそうだし)わけで…
続きは考察掲示板で、ですね(笑)
2008/01/31 (木) 20:51:49 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
りょーかいであります♪<掲示板
2008/02/01 (金) 02:14:23 | URL | サリエル #nL6A2.tM[ 編集 ]
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