がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
「Zガンダム」作品内における対立構造の変化
 以前「エゥーゴとは何か?」を考察した時に、「ブレックスはジャミトフに敗れ、ジャミトフはシロッコに敗れ、シロッコはカミーユに敗れた」という文を書いたんですが、これこそがZガンダムという物語の対立構造だったんだな、と改めて思いました。

 最初は純粋な、エゥーゴとティターンズの争いだったわけです。これは、ジャブロー攻撃が失敗し、フォン・ブラウンが制圧されたりということで基本的にエゥーゴが劣勢のまま戦局が推移します。そして、ブレックスが暗殺され、敵がいなくなったジャミトフは地球連邦軍の全面的な指揮権をティターンズに与えるという法案をあと一歩で通せるところまで行きます。ここまでで終わっていれば、グリプス戦役はティターンズの勝利で終わっていたかもしれません。
 つまり、ブレックスよりもジャミトフのほうが一枚上手だったわけです。エゥーゴはジャブローを攻めましたが、それはティターンズに読まれていました(まぁ、ジャブロー攻撃はブレックスの意志というわけでは必ずしもありませんが)。その後もティターンズに明確な打撃を与えることなく、議会においても成す術がないように見えました。ブレックスは志こそ高く、またアナハイムなどの月企業やクワトロらジオン出身者を味方につけた手腕は評価できますが、ジャミトフの陰謀を連邦内部から止められるほどの器はなかった、ということになるのでしょう。

 ジャミトフはあと少しで地球連邦軍の全権を掌握できるところでしたが、その法案が通ろうとしているところをシャア(劇場版設定だとハヤト)に邪魔され、ジャミトフの野望は一旦ここで止まります。宇宙へ上がったジャミトフはアクシズと交渉しようとしますが決裂、一大拠点であるゼダンの門を破壊され、シロッコに見限られ殺されてしまいます。
 ジャミトフに足りなかったのは何だったのでしょうか。彼は連邦内部での動きに関してはブレックス以上のものを持っていましたが、アクシズとの交渉がうまくいかなかった。また、クワトロがシャアであることも知らなかった。このように、連邦外の存在について疎かったのがまずかったのかもしれません。シロッコは、ミネバに忠誠を誓いアクシズに先に接触しています。しかしジャミトフはあくまでハマーンを見下し、強硬な態度をとったためにアクシズをぶつけられてしまいました。ジャミトフからすれば、アクシズはただの小娘と烏合の衆だったのでしょう。彼自身がどれほど地球至上主義だったかは定かではありませんが、やはりどこかジオンの人間を見下している部分があったのではないかと思います。シロッコも見下すタイプの人間ですが、表面上はへりくだることができる人物だった、というところがジャミトフとの違いでしょうか。

 シロッコはティターンズの指揮権を握った後は、軍人としてアクシズとエゥーゴの殲滅を狙っていました。ハマーンに対しても殺る気満々でしたし、もはや交渉する気などなかったのでしょう。まずは目の前の敵を排除し、それからは「歴史の立会人」としてまた影に戻る気だったとも考えられます。しかし、そんな彼はカミーユという少年に討たれます。「戦いを生む者」が誰かを察知し、死者の力さえ取り込み、自分の全てを真っ直ぐ向けてくるカミーユに敗れたのです。
 シロッコに足りなかったのはその真っ直ぐさだったのでしょう。常に前線の一歩手前で嘲るように歴史を操ろうとする彼は、真っ向から他者と対立することをできるだけ避けてきました。例えば、女性を手駒として使い、ジャミトフを暗殺し、ハマーンに対しても事前に接触して直接の対立を避けようとしています。「生の感情をむき出しにする」ことを嫌い、人に品性を求めていた彼は、その生の感情によって殺されるわけです。
 要するに、人々に理性的な行動を求めていたシロッコは、理屈抜きの問答無用感情パワーには勝てなかった、というわけです。ただこういうことは現実にもよくあるわけで、感情論が制度を捻じ曲げるとか、ルールよりも人情が優先されるとか、そういう例に近いんじゃないかな、とか思ったりします。

 このように考えると、対立構造という意味ではZガンダムはそれほど悪いバランスではなかったんじゃないかな、と思います。
 ただ、例えばファーストガンダムであれば、世界の動向(オデッサ戦による連邦軍の地上における主導権の奪回や、ジャブロー攻略戦を切り抜けての最終作戦発動など)が要所要所でしっかり主人公たちのエピソードと絡んでいたのに対し、Zガンダムの場合は、ブレックスの暗殺もジャミトフの暗殺も主人公たちと関係ない場所で行われてしまったりと、なかなか世界の動きと主人公サイドがリンクしなかったのが良くなかったんだろうな、と思います。まぁ、強いて言うなら二つの暗殺にはシャアが絡んでいるわけですが、そのシャアが最終的に物語の主軸から逸れていってしまったのいけなかったとも言えるのかもしれません。
 劇場版も、こういう視点で話を再構築したらもう少し筋の通った作品になったのかなぁ、なんて思ったりしました。
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