がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
機動戦士ガンダムUC 1巻・2巻
 少しずつ読み進めて、やっとこさ2冊読み終えました。いくらガンダムとはいえ、まがりなりにも純文学作家の作品ですから、それなりに読み応えがあり、またいい意味でも悪い意味でも気楽に読める内容ではなかったです。
 それにしても、1巻と2巻のコントラストは鮮やかでした。水色とオレンジ色という表紙の色がまた、作品の内容を象徴していると思います。正直1巻の内容は退屈な部分があったんですが、だからこそ2巻でぶち壊される日常というものが非常にテンポ良く、熱い展開に感じることが出来ました。2巻を読んで、ようやく「ああ、これもガンダムなんだな」と実感しましたね。

 1巻はどちらかというと、物語というよりは宇宙世紀という世界の解説に近く、また既存の設定が踏み込んでこなかった領域にことごとく踏み込んでいるので、「えぇ~そんな設定にしちゃうの?」という拒否反応のほうが強かった感じでした。ようやく主人公が登場して、そのバックグラウンドの紹介になっても、世界背景の解説の方がメインのように描かれていて、その描かれ方にはそうきたかという驚きもありましたが、退屈に感じた部分も多々ありました。

 これはどうよ、と思ったのはもう最初からで、UC0001年になった瞬間にテロが起こるというのはどうにも、そんな大事な瞬間のセキュリティがそんなに甘いわけないじゃんというのが正直な感想でした。後まで読んでいくと、そのテロの反動があったからこそ総人口の半分を宇宙にあげることができたんだということがわかるんですが、これが9・11テロをモチーフにしていることは明らかですし、ちょっと安易かなァという気もしました。それに、そんなテロがあったら宇宙は危険だという風潮になりそうな気もするんですよねぇ。地球連邦政府の面目上、そうさせるわけにはいかなかったというのも分かりますけど、アメリカに対する自爆テロと、新暦移行の瞬間に対するテロというのは意味が違うような気もしますし、何より宇宙世紀という世界がテロにより始まったというのがどうにも受け入れ難いものがあります。

 ただその後の、一年戦争さえ歴史の1ページのように語っていく様はなかなか新鮮でした。どうしてもガンダムの始点は一年戦争なので、そこを基準に宇宙世紀を語られるのがこれまでのガンダムでしたが、この作品は宇宙世紀の始まりから描いているので、一年戦争もその通過点に過ぎないというのが新しい視点だと思います。
 また、一年戦争によって総人口が半分になった反動で、ベビーブームが起きたというのも至極まっとうな感覚だと思いますし、何故今までのガンダムでそこに触れられなかったのか不思議なくらい、自然な設定だと思います。そしてその世代にとって、レーダーが使えないのは宇宙で呼吸が出来ないのと同じレベルの問題だとしているのもまたなるほどと思いました。この作品においては、ミノフスキー粒子によって一般の無線通信はほとんど死滅していて、携帯電話なんて存在していないということになっており、だから新訳Zでも公衆電話を使ってたのねとか変なところで納得してしまいました。もっとも、ミノフスキー粒子がどのくらい残留するもので、また一年戦争後はどのくらい散布されていたのかというところが曖昧になっているので、ここまで踏み込んだのは勇み足なのか英断なのか判断が難しいところではあります。

 キャラクターに関しては、オードリーがどう見てもミネバなので、これでメイファはクローン確定か…なんて思ったわけですが(笑)、現時点ではそれくらいの印象しかないかなという感じです。アナハイムのバックに巨大財団があって、それがずっと世界を裏を支配していたんだというのも、なんかロゴスとか一族みたいで微妙な感じなんですが、まぁそれがなくなることでF91以降アナハイムが弱体化していくってことなのなという感じですかね。同様に、連邦政府も弱体化していきますし、そのあたりと「ラプラスの箱」を絡めていくということでしょう。
 そういう意味で、クロボンがF91とVのミッシングリンクの性格をもっていたように、この作品は逆シャアとF91のミッシングリンクを本気で埋める気なんだなと感じました。閃ハサとの関連性はどうするんだろうと言うのは気になるところですが。

 で、2巻になるとロンド・ベル、袖つき、財団の3者の思惑にバナージが絡んでいくという、1巻の伏線をふんだんにつかって一気に話を盛り上げていくのが見事でした。この複数の思惑が同時に進行し、それ故に混乱を生じ、いつのまにかバナージがユニコーンガンダムの前にいる…というところのくだりは、読み始めたら止まらないという感覚を久々に味わったものです。
 ただ、バナージの行動理念がオードリーであるというのは、ちょっと理解しがたいものがありました。単純にすげぇ可愛い娘だったからとしてくれたほうがまだわかりやすかったんですが、「ずれている」と感じる日常とは違う感覚だったからという抽象的なものでそこまで行動的になれるものなのかな、というところが、共感を呼ぶには難しいのかなと。せめてもう少しオードリーが魅力的な女性に描かれていれば良かったんですが、「ほ~らこの娘はミネバだよ~」という描かれ方しかされていないので、ちょっと感情移入しにくかったです。
 しかし戦闘シーンについては見事。ロンド・ベルの発進シーンから、特殊部隊のえげつない戦闘描写、そしてサイコミュを駆使するマリーダの戦いと、こいつはただの作家じゃねぇ、ガンダム作家だ!と感じてしまう文章でした。そしてユニコーンガンダムにバナージが乗る過程、そして動き出してからの圧倒的な描写を見せられたら、これを面白いといわずして何を面白いといえばいいのか!という評価を下さざるを得ませんでした。やっぱガンダムはスペシャルかつ唯一無二な兵器ですよねぇ。複数あっちゃいけないです(笑)
 まぁ、でも主人公が特殊な家柄であるというのはちょっとガンダムとしてどうなのという感じですけどね。ガンダムは普通の少年が戦争に直面するというのが魅力であって、ヒイロや刹那のような変化球もありますが、それも後天的に得た訓練の賜物で、生まれ持った特別な何かがあるというパターンは基本的にはなかったはずなんですよ。いやキラがそうだったわけですが、キラだって能力がスペシャルなだけで血筋がスペシャルではなかったですし、それはウッソもそうでした。まぁ、テーマ的にそうせざるを得なかったという部分があるんでしょうけどね。そこはちょっと引っかかった部分です。

 まぁ、でも思ったよりは面白かったなという感じですね。物語性を意識しすぎてとっつきにくい内容になってたり、設定面を意識しすぎて面白みのない内容になってたりもしてませんでしたし。MSに関しても、ロトの戦車形態を兵員輸送機兼装甲車として使うのはいいアイデアだなぁと思いましたし、スペシャルではない可変量産型MSであるリゼルの描写も良かったです。設定だけが一人歩きしないで、物語の中で生きているのが良いですね。
 しかし、どうもダムA本誌の方では「デルタプラス」なんてものが出てきたそうで頭を抱えてます。百式が失敗したからゼータがあるのに、なんで百式の完成版があるんだよ…。

 なんだかよくわからないフル・フロンタルさんに関しては、何も言うことがないのですが、エルガイムにフル・フラットというよく似た名前の人がいたなぁということが思い返されました。多分関係ないとは思いますが、フル・フラットはラスボスと真ラスボスと三角関係にあったキャラクター。なにか近いものがあるのだろうかと思ったり、思わなかったり。
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コメント
絵師交代で、某所などでは早くも不満続出のユニコーン、どうなんるんでしょうね。自分はまったく読んでませんケド。

>これはどうよ、と思ったのはもう最初からで、UC0001年になった瞬間にテロが起こるというのはどうにも
かの松浦まさふみ氏は、第三次世界大戦(エリン戦争)が起こったお陰で、世界は地球連邦の必要性を実感。宇宙への進出が進んだ…とか解釈してましたが。

>これでメイファはクローン確定か…なんて思ったわけですが(笑)
アウターガンダム系は、既存の宇宙世紀モノと別世界の話ですから、メイファもあの世界では本物のミネバだと思いますけどね。
(松浦氏自身がその辺を同人に書いてあった気がするけど…どうでもいいか)

確か、スタークジェガンも出てきてましたよね、ユニコーンって…。
まぁ、δプラスはセンチネルのMS使う訳にもいかない代替案なんでしょう。
(リ・ガズィ(カスタム)でいいような気もしますが…)
2007/11/03 (土) 01:55:59 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
主人公がビスト財団の嫡子設定、は僕は
アムロ→親が開発
カミーユ→親が開発
シーブック→親が(ry)
と同程度と捉えましたがね。
ある意味偶然と必然が重なるのは主人公のお約束かな、と。

・・・ジュドーすげえ
2007/11/04 (日) 15:26:44 | URL | 青空 #-[ 編集 ]
僕は個人的なことを言えば、福井氏の作家としての実力は認めてはいるのですが、彼の人間性はそれほど好きじゃないんですよね、人それぞれなのかもしれないけど。

僕がユニコーンのページで楽しみにして見てるのは、カトキさんのMSデザインだけだし、作品としての内容はまあ面白いといえば面白いのですが・・・、うーむ・・・。
2007/11/04 (日) 18:52:01 | URL | おおあばれ乱堂 #-[ 編集 ]
あと、付け足しで言ってしまうと、福井氏に宇宙世紀のガンダムを書かせるならば、ガンダムSEEDの小説を、西尾維新氏とか乙一氏とかの、ライトノベル作家に書かせてくれればいいんじゃないのかと、日々思うのですよ。
SEEDシリーズ自体、久米田康治先生とかに良いネタの素材として使われてるんだし、西尾維新氏はここのところ「刀語シリーズ」で、SEEDに対する嫌味や皮肉を、刀語シリーズの登場キャラに言わせたりしてるんです。
純文学作家とライトノベル作家のガンダム小説というのも良いと思うんですけどね・・・。
2007/11/04 (日) 19:02:59 | URL | おおあばれ乱堂 #-[ 編集 ]
>コンラッドさん
戦争が宇宙進出のきっかけになったというのは、WもSEEDもそういう設定ですし、そこに違和感はないのです。
宇宙世紀0001年1月1日0時0分に合わせてテロが起こって連邦の頂点にいる人間が宇宙の藻屑になるという展開がちょっとやりすぎなんじゃないかと思ったのです。

>アウターガンダム系
むろん松浦作品が非公式であることは重々承知していますが、
個人的にムンクラだけは脳内公式だったのです。

スタークジェガンも出てきましたね。最初文章の説明だけではわかりませんでした(笑)S型と言われてようやく理解。
デルタプラスは…ゼータプラスの代わりであるなら、センチネルのMSを使うのは相当ハードルが高いということでしょうね。
仰るように、デルタでなくとも他に手段はあったような気がします…。

>青空さん
自分としてはガンダムの設計者というよりも、シャアやセシリーのような家柄を背負ったキャラに感じたんですよ。
そういうのはガンダムの場合脇役に与えられるポジションでしたから、ちょっとどうなのかなと。
ジュドーは両親が不明ですから、もしかしたら親が凄い人なのかもしれません(笑)

>おおあばれ乱堂さん
福井氏の人柄はあまりよく知らないのですが(∀ですら全部読んでない…)、
まぁ、富野監督に後継指名される方ですから、やはりそれなりの人なのかなとは思います(笑)

SEED小説にライトノベル作家を、というのはわかる話ですね。
自分はライトノベルを全く読まないのであまり深いことは言えませんが、
ガンダムシリーズの中ではSEEDが方向性として近いような気はします。
角川ならライトノベルも大手ですし、実現不可能な企画ではないでしょうね。
ただSEEDはあれでもガンダムシリーズ随一の設定の細かさで、アンチも多いですし、やりたがる方があまりいないのかも…。
2007/11/05 (月) 17:47:37 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
今更ながら^^;
リゼルってフォルムはゼッツーそっくりですよね。
2008/09/23 (火) 22:55:45 | URL | ハル #-[ 編集 ]
初期名称はZIIIだったぐらいですからね。
結局ゼッツーが、Zガンダムを量産化するというニーズにもっとも適合していた機体だったのかもしれませんね。
2008/09/26 (金) 22:43:58 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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