がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
一年戦争全史 下
 一年戦争全史の下巻、出たのはだいぶ前で、当時は忙しかったのと上巻の内容がお粗末だったことから華麗にスルーしてたんですが、だからといってチェックしないわけにもいくまい、ということで何故か本屋にたくさんあったので買ってみました。

 いきなり、「一年戦争後期」の勢力図でオーガスタ基地がジオン領土になってて吹いたんですが(ファーストの設定だけを考えればそうなるけど、現在のアレックスやG04/05の設定を考えると、オーガスタだけは連邦圏だったと考えないと辻褄が合いません。開戦当初ならともかく、後期というのはかなり抵抗があります)、今回は結構面白かったです。
 上巻がオデッサまでだったんで、今回はジャブロー、ソロモン、ア・バオア・クーの会戦がメインとなっているのですが、ほとんどそれに絞られているだけに、特に設定的な矛盾も見られず、戦略戦術大図鑑の現代版というないようになっており、資料的価値も皆無ではない、と思いました。上巻でがっかりした方も、下巻はだまされたと思って読んでみるといいですよ。いや過剰な期待はしない方がいいですが(笑)

 ソロモンやア・バオア・クーの戦闘については、両軍の構成が戦略戦術大図鑑よりも更に詳しく描かれています。他に何かソースがあるのかもしれませんが、小隊レベルまで設定されているので驚きました。これだけでも資料的価値を認められるのではないかと思います。内容の妥当性はともかくとして(個人的に、両軍の戦力数って多すぎるような気がするんですよ)。

 また、基本はグレメカ路線ですから、今回も独自の解釈というものが多く、しかもその解釈を前提に理論が構成されているので、ここについては資料とは呼べないものになっていると思います。ただ、その内容が結構面白かったですね。ジオンのジャブロー攻略作戦を「作戦目的が不明瞭だったから失敗した」としているのは、今まであまり見られなかった解釈だと思います。確かに、設定されていないんで不明瞭なんですが。
 文章量が多くまだちゃんと読めていないので、なかなか要点を抜き出して論じるということが出来ないんですが、ミネバの脱出経路に複数の説があるのは諜報活動を担当していたマ・クベ自身が絡んでいたからだとか、ギレンがソロモンを捨てたのはソーラレイが未完成だったからだとか、真偽はともかく内容としてなるほどと思わせるものが多く、本当に今回はよくできているな、と思います。
 もっとも、ガンダムにおける一年戦争の設定は後期に集中していますから、設定が豊富な分状況からの推測が行いやすいということもあったのでしょうが、「あぁ、スタッフ前より頑張ったな」というのが率直な感想ですね。

 そしてMSについての個人的なメモ書き。

○ジム系
 個人的に最近熱いジム系について、素ジムを「初期ロットの粗悪品」、後期生産型を「設計通りのスペックで完成した機体」と断じているのが印象的でした。確かに、素ジムと呼ばれる標準型は純粋な78型の量産機であり(昔はガンダムとガンキャノンを参考にした別機種という表現が多かったですが、設定が後付けされるごとにどんどんガンダムとの違いがなくなってきている気がします)、本来ならばRGM-78と呼んでも良さそうな機体です。79型は78型と別機種であるということを考えれば、むしろ78とは外観の異なる後期型ジムこそ真の79型ジムであり、標準型ジムは「やむを得ず78の設計をそのまま流用した」だけの機体だったと考えることは出来ますね。

○アッガイ
 ゴッグやズゴックは、高性能であったがコストパフォーマンスに見合わなかったというのがこの本の理論の1つです。それを改善しているのがこの機体ということになります。確かに、ただでさえ汎用MSとは全く構造の異なるMSに生産ラインを割くこと自体、国力に劣るジオンにとっては不利ですし、それなのにゴッグ・ズゴック・アッガイと複数の水陸両用MSを生産するのはあまりにも非効率的です。本来であれば、1機種に絞ってあとは武装の換装程度で複数の目的に対応できるようにすべきだったのだと思います。MSの汎用性という長所はそこにあるわけですし。
 となると、アッガイにはジュアッグとアッグガイというバリエーション機があるわけで、実はこれはアッガイ1機種に水陸両用MSを絞ろうとしていた名残だったのではないかと思ったりもします。アッグガイのヒートロッドは、ゴッグのフレキシブルアームを意識していたのかもしれませんし、アッグガイはズゴックのようなクローにも換装できます。ジュアッグの火力重視のコンセプトはゾックに近いとも言えます。
 それがおちおち水陸両用MSなんて生産している余裕がなくなってきたぞという情勢の中で(特にジオニックはゲルググの生産でてんてこ舞いだったでしょう)、ジャブロー攻略用MSという特異なコンセプトに変更を余儀なくされたのが、あのトンデモメカシリーズだったのかなぁという気がします。ゾゴックも、ズゴックと平行開発されていた機体をジャブロー攻略用に転用したもののようですし。
 その後開発されているハイゴッグはゴッグにズゴック的な機動力を与えたものですし、ズゴックEはゴックのように腕を収納することができるようになっています。ゴッグとズゴックの統合は、どの企業も検討していたのかもしれません。

○ボール
 試作型ボールRX-76は、「RX計画として立案された機体が一度棄却され、その後星一号作戦のために再浮上したもの」とされています。RX-76という機体そのものに疑問を呈していたグレメカの発想の延長線上にある解釈のような気がしますね。
 これも、きわどいところではありますが、ファースト版のボールが星一号作戦仕様で、カトキ版ボールが初期のRX-76の量産型なのかもしれないな、とか思ったりします。
 関係ない話ですが、カードビルダーではシャークマウス仕様のIGLOO版ボールが「ボール改」と表記されているそうです。

○リックドムII
 装甲形状が直線的になっているのは量産効率向上のためであり、曲面を多用する技術を持つ設備や施設はゲルググにまわされたためそうなったと解説されています。わからんでもないですが、それにしちゃ肩アーマーや腕の装甲なんかは逆に曲面が増えてますが。もちろん、内部構造を含んだ胴体のことを言いたいんでしょうけど。

○ケンプファー
 厳密に言うとザクの擬似内骨格コンポーネントを発展させて生まれた機体、だそうです。ザクそのものではないが、ザクの構造の延長線上にあるぞ、ということですかね。確かにドムやゲルググはザクとはだいぶ違う構造ですからね。それに比べたらザクに近い機体であることは確かです。

○ハイゴッグ
 技術的にはゴッグの系列上にはないが、戦術的な位置からハイゴッグと呼ばれたとあります。別機種だがゴッグ系に分類すると運用上都合がいいのでそうした、ということでしょうか。こういう例って現実の軍隊にもあったのかな。

 あとMAについては、ザクレロとアッグガイは同系列の複眼センサーだとか、ヴァルヴァロの腕はハイゴッグの腕と同じ設計とか、ビグザムの稼働時間が短かったのはジェネレーターが空冷式として設計されていたからだったとか、そんなことが書いてありました。あとちょっと外観が異なるミノフスキークラフト搭載型ビグザムの画像が載ってたり…


 あとはそうだな、巻末にエースパイロット図鑑みたいなのが載ってますが、シーマ様がイイ女すぎて吹きました(笑)まぁ、イイ女と言えば表紙のセイラさんでしょうけど。

 とりあえずはそんな感じです。個人的にはやっぱり、「一年戦争史」と銘打つくらいですから、MSVや外伝物も含めて一年戦争を総括して欲しかったですね。色々と権利関係的に難しいのでしょうが、なし崩し的に一年戦争の設定が肥大化している昨今、そういうまとめがあるとゲームから入った新規ファンも引き込みやすいと思うのですが。
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コメント
コメント
グレメカ路線…というよりは、同出版社が出している「欧州戦史シリーズ」の完全なパロディなワケですよね、一年戦争全史って。
まぁ、ライター陣がオフィシャルズ片手に殴り書きしたような内容で買う気が失せました…。

もし、売り上げが良ければ
「図説 ジオン宇宙軍全史」や「図説 MS-06パーフェクトバイブル」なんてのが発刊されたかも知れません(無いってw)
「ジオンMS部隊全史Ⅲ 衰亡編-MS-14ゲルググからペズン・ドワッジ、ドルメルまで-」とか出たら読んでみたいですが…。
2007/11/01 (木) 00:45:39 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
>アッグガイのヒートロッド

ズゴックにも装備案があるにはある(フルカラーモデル解説書)。

>別機種だがゴッグ系に分類すると運用上都合がいい

【MSM-05E ゴッグ改】という初期設定があるにはある。05ナンバーで別機種なんですよね。(ボンボンSP31)
2007/11/01 (木) 07:10:01 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>コンラッドさん
体裁はパロディなのだと思いますが、
ライター陣がグレメカと被っているような気がしたのですよ。
確認はしてないのでなんとも言えませんが…。
今回は結構考察してますし、それなりに深く突っ込んでると思いますよ。

>とっぱさん
ズゴックのフルカラーモデルですか…うーん、リックドムだけじゃなかったのか(笑)
ハイゴッグの初期設定もあったんですね。
05として開発されたけど、03で登録されたということでしょうか。
2007/11/02 (金) 21:06:53 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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