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ガンダムネタだけを語るブログです。
ゲルググとアクトザクの関係
 ゲルググは当初MS-11の型番で開発されていました。これは元々当初の設定ではMS-11だったことに由来しています。おそらくは間に別の設定をはさむためにMS-14に変えたのでしょう。SEEDにおいて、プロヴィデンスが当初X11だったものが、後にX13に変更されていたのと同じケースであると思われます。
 そして、ゲルググの代わりにMS-11の型番を得たのが、アクトザクという機体です。設定上は、ゲルググの型番が変更されたため、その空き番を充てるという形でアクトザクがMS-11になったと言えます。MS-Xの設定自体が、「情報撹乱のために空き番を使用した」という設定ですから、それで問題ないように思えます。

 しかし、この解釈では辻褄の合わない記述が、いくつか存在しています。今回はそれについて考察してみようと思います。

 まず、元々のMSVの設定において、ゲルググがMS-11から14に変更された理由は次のようにされています。

 MS-11は、他の宇宙戦用特殊モビルスーツにナンバーを移すため、MS-14と名称を変更されている。(MSVハンドブック1)

 他の資料では変更理由は書かれていませんが、MSVハンドブックでは以上のようになっているのです。「宇宙戦用特殊モビルスーツ」がアクトザクであるとは断定できませんが(アクトザクは特殊であっても宇宙専用ではない)、もしアクトザクだとすると、この時点ですでにペズン計画が始動しており、あらかじめアクトザクに型番を与えるために無理矢理ゲルググを14にずらしたことになります。
 それではMS-Xにおける「空き番を充てた」という設定と矛盾することになりますが、元々の設定変更の(製作側の都合としての)背景が他のMSに充てるためなのでしょうし、MS-Xによる形式番号は情報撹乱のためであり、開発順と明らかに逆行する型番を与えること自体が目的だったわけですから、「ナンバーをずらした後に与えた」のであっても、「与えるためにナンバーをずらした」のであっても、結果的には同じだと言えます。
 とにかく、このMSVハンドブックの記述を尊重するのであれば、ペズン計画はゲルググ完成前からすでに始まっており、また必ずしもその形式番号は別の機体の空き番を与えたものではない(MS-12や13という番号の機体がギガンやガッシャ以外にもあったわけではない)と言えます。

 ところが、これ以外にもMS-11から14への変更理由について触れている記述があります。以下のものです。

 ゲルググの開発当初のコードナンバーはMS-11であり、もともとはMSの運動性の向上を主眼として開発されていた(この機体は、後に、アクトザクと呼ばれるテストヘッド機となった)。これは、対MS戦闘を想定したものではあったが、「ガンダム」の出現によって、対MS戦闘には単純な白兵、格闘能力以上のものが必要とされることが明らかになった。そのため、MS開発計画は統廃合され、武装も含めた総合性能の向上が計られることとなった。(中略)
 連邦軍のRXタイプの出現のため、軍の要望として「ビーム兵器の携帯可能なMS」という新たな要素が加わり、MS-11計画はMS-14にスライドし、白兵、格闘に主眼を置いたMS-15ギャンと競作されることとなった。
(MGシャア専用ゲルググ・キットインスト)

 この記述によると、元々MS-11はアクトザクであったかのように思えます。しかし、MSV設定においては、ゲルググは「形式番号が変更された」としか記されておらず、MS-11と14は本質的には同じ機体であったように思えます。実際、当初はゲルググの見た目そのままでMS-11とされていたわけですから、当時の感覚としてはそれが自然でしょう。
 また、型番変更の理由がビーム兵器搭載のためであるかのように書かれていますが、ガンダムを確認してから開発が変更されたというのであれば、UC0079年9月末以降ということになります。しかしゲルググのビームライフルは本体の開発より3ヶ月遅れたという設定があり、12月にビームライフルが完成したとしてゲルググ本体はその3ヶ月前である9月には完成していたことになります。つまりガンダムが確認されていた時点ですでにゲルググの実機は完成していたことになり、その頃型番が11から14に変更するとするならば、MS-11もゲルググと同じ外見でなければ辻褄が合いません。
 もちろん、ガンダムをシャアが確認する以前から、すでに連邦軍がMS用ビーム兵器を開発しているという情報が流れていた可能性もありますが、MS-06R-2やMS-09Rが次期主力機候補となった際、MS-11が存在していたことも明らかになっており、この際にMS-11に「後のゲルググ」という記述が添えられていることから、このMS-11がアクトザクとなった機体ではないことが分かります。
 また、MS-06R-3SがMS-11のパーツを流用したことになっていますが、どう見てもそれはアクトザクではなくゲルググに近い形状となっており、その点においてもMS-11=ゲルググであると考えられます(ちなみに、MS-06R-3Sからアクトザクが開発されたと示唆する資料はあります)。

 それでもMGインストの記述を尊重するのであれば、本当に極初期の段階でのMS-11が、アクトザクに近いコンセプトで開発されていたと考えるか、もしくは、MS-11にはA案とB案があり、それがゲルググとアクトザクであったと考えるのが妥当でしょう。この場合、違う型番ならともかく、同じ型番の中で2つのプランが競合することはあまり考えられない(普通はプランが確定してから型番が与えられるはず)ので、やはりMS-11の初期案の中にアクトザクに近い機体があったと考えるべきでしょう。
 まとめると以下のようになります。

(1)ジオニック社、対MS戦を想定した新型MSの開発を命じられる
(2)運動性を重視した案(後のアクトザク)が立案される
(3)連邦軍製のMSの情報が入り、総合的に性能を向上した案(後のゲルググ)が立案される
(4)(3)の案が採用され、MS-11の形式番号が与えられる
(5)MS-11の試作機の開発が始まる(当初は暫定的にギャンと呼ばれていたとする説もある)
(6)MS-11に採用される予定の新型ジェネレーターを流用し、ビームライフル実験機であるMS-06R-2Pが開発される
(7)この時点で次期主力機としてMS-06R-2、MS-09R、MS-11が候補に挙がるが、MS-11は開発が間に合わないと判断され、採用は先送りになる
(8)採用に漏れたMS-06R-2はMS-11用のジェネレーターを搭載し、実戦に投入される
(9)MS-11の試作実験機としてMS-06R-3が開発される。
(10)連邦軍のMSを実際に確認。ビームライフルの装備が必須となる
(11)ペズン計画始動。情報撹乱のためMS-11は(2)の案から派生したアクトザクに使用されることになり、従来のMS-11はビーム兵器装備のための仕様変更も兼ねて14に変更される
(12)MS-14ゲルググの試作1号機完成。しかしビームライフルの装備が決まったため、大量生産は見送られ、まず先行量産機25機の生産を開始
(13)先行量産機が完成、キマイラ隊に配備される。
(14)ビームライフルに先駆けて、ゲルググ初期生産型の生産が始まる。一方でMS-06R-3Sにより、MS用ビームライフルが完成する
(15)ビームライフル量産開始。ゲルググは先行量産機のデータを反映しつつ、本格的に量産体制に移行
(16)ゲルググ後期量産型の配備が始まる。しかし、すでに戦局は決しつつあった。同時期に、アクトザクの試作型が完成
(17)終戦

 こんな感じでしょうかね。ふと思ったんですが、(2)のアクトザク初期案って、それ自体が情報撹乱のための欺瞞だったのかな、なんて思ったりもしました。逆に、(2)の案を立案したスタッフがペズン計画に出向し、ゲルググのスタッフを見返すために開発したなんてドラマもありそうです。

 今回の考察にあたり、「MS-06R-3とは何だったのか」「MS-14のバリエーション機はいつ開発・生産されたのか」「MS-Xとは何だったのか」という3つのテーマが今後の考察の余地として残りました。今後考えていきたいと思います。
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コメント
コメント
ジオン軍もナチス・ドイツのように「プロパガンダ」を最大限利用していた描写ってあまりみられませんよね。ギレンの芝居がかった演説やIGLOOの喧伝放送はその最たるモノでしょうが…。

MS-11からMS-06R-2まではジオニック社のプライベートベンチャーであり、軍より計画案の打診を受けない独自の計画でありましたが、この際に便宜上「MS-11」と名付けた(型式番号のバッティングを避けた)のが、ゲルググの試作である機体だったんではないでしょうか?

ザクⅡに代わる次期主力MS選定では、既にMS-14ゲルググが決定しており、その際選定で挙がったリック・ドムとMS-06R-2は「ゲルググ量産までの繋ぎ」として当初から選定の枠には入ってなかったとハンドブックには記載されています。もちろんギャンも次代の白兵戦闘のデモンストレーターとしての存在であり、次期主力MSとしてゲルググと争う存在ではありませんでした。

「ペズン計画」が日本軍における「空技廠(海軍航空技術廠)」のような「軍内部の技術部における新型機開発計画」ならば、アクトザクなどはジオニック社とは別系統の機体ということになります。(言ってみれば「ジオン技研製」)
このような仮説から結論付けると、やはりジオニック社のMS-11、ペズン計画のMS-11は全くの別機体ということとなり、単に型式番号の流用により同時期に全く異なるMS-11が2種存在した(後に、ジオニック社版MS-11は抹消となる)という事だったのでは…と。
まぁ、アクトザク自体「ザクⅡベース」とか言われるので、ジオニック社が関わってる(ベース機体からの改造に関与)とも言えますが…
2007/07/22 (日) 14:49:29 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
>本当に極初期の段階でのMS-11が、アクトザクに近いコンセプトで開発されていたと考える

そこで、リアルタイプモデル(MS-11)の細身のゲルググ三種(箱横カラバリ)」ですよ(笑)。
フレームはその時点ではザク系で、一部フィールド(以下略)。
ドムもグフ系フレームと思しき、細身の初期案画稿があったし、そんな感じ。

ちなみに今回のMGヴァージョン2解説にはMS-11(当初案)は”何機かがテストヘッド機として試験的に生産された”とありますので、当てはまる機体としては、リアルタイプ三種ぐらいかなぁと(w
2007/07/23 (月) 00:16:58 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>コンラッドさん
非常に現実的な見解だと思います。
むしろアクトザクの型番は「わざとゲルググにかぶせた」のであって、
MGインストの記述はペズン計画における情報撹乱に引っかかった結果のものと考えた方がリアルな気もします。

>突破さん
ゲルググにも細身画稿があったんですね。初めて知りました(汗)
それがMS-11だと考えると非常に都合がいいですね。
まだツィマッドのアイデアが入る前の機体だったりして。

しかしVer2.0のインストは結構重要ですね。
MS-11の実機が存在したなら、MS-14Sが水増しされていてもおかしくないですし(笑)
あのキットは脚部のディテールがとてつもなく気に入らないんですが、買っておいたほうがいいかな…
2007/07/23 (月) 19:13:14 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>細身画稿

というか、当時の1/100キットが(以下略)。
ということで画稿は無い。ボックスアートは割と太いゲルググ。
2007/07/23 (月) 22:00:04 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
ああ、そういうことですか。
確かに当時のキットは明らかに細いですよね。
なので、最近のゲルググの重MSなプロポーションに若干の違和感があったりします。
設定画のゲルググは太いですが、脚は結構細いんですよね。
2007/07/28 (土) 14:26:15 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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