がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
第7話「貴婦人修行」
「月の女王さんとかにさ。どうやったら会えるかな?」――ロラン・セアック

 地球での立場を忘れて、ディアナへの憧れを口にしてしまうロランはあまりにも危ういのですが、これも富野監督なりのオタクの描写なのかな、なんて思ったりもします。
 その割にディアナを目の前にしても毅然と会話をしたり、変なところで抜けてるのにいざと言う時はちゃんと空気を読めるのがロランという少年なんですね。普通の人間は、逆なんですが。そう考えると、それこそが彼を主人公たらしめている、常人離れした能力なのかもしれません。


 冒頭はソシエのツンデレ描写から、最初に上げたロランの台詞でソシエが幻滅、という流れ。これも、ロランがムーンレィスであることに気づいていないからこその会話です。ソシエはまだ、ロランが「月から降りてきた女王様」という言葉から想像できる妄想をしているに過ぎない、と思っていたんでしょうね。

 ここで唐突にパーティーをすることになり、それにあわせてキースのパン屋がディアナカウンターに知られ、またロランが女装することになります。ロランにローラという女性性を持たせたのは、Zガンダムの主人公に女性の名前を与えたことに通じている気がします。富野監督はたまに女言葉を自分で使ったり、作中の男性キャラに使わせたりしますし、女性という存在に対して単なる異性という見方以外の何かを抱いているような気がします。

 ここからの、パーティーへの準備がロランサイドとキースサイドで進んでいくテンポは非常に素晴らしく、これこそ∀というような流れになっています。序盤はこういうテンポがあまりなくて、無駄に急ぎ足だったり強引に時間を飛ばしたりしていたので、それに比べるとこのあたりの展開はとても視聴者に優しいかな、と思います。

 パーティーが始まってからも、なかなか双方が歩み寄らない気まずい雰囲気から、ローラとハリーがそれぞれ動くことでようやく歯車が回り始めます。これは、「ロランがムーンレィス」であり且つ「ロランがローラである」という条件が揃って初めて実現したものですから、設定を最大限に活用した描写であると言えます。むしろ、この描写のためにロラン=ローラという発想が生まれたのかもしれませんが。
 そのまま勢いでディアナに戦争反対を訴えるローラの流れも見事。これまでの話で散々地球人とムーンレィスの確執に心を痛め、どうしてディアナの軍隊がこんなことをするのかと疑問をもっていた描写があったからこそ、ここの畳み掛けるようなローラの言葉が重みを増してきます。
 ローラの言葉がディアナに届き、キースの作った友好のケーキで大団円…と思いきや、またもミリシャがそれに水を指します。これにぶち切れたロランはそのミリシャ兵を∀ガンダムで追うも、人を捕まえるという微妙なコントロールをできずに逃してしまいます。
 これまで何度も見せられた、地球人側の暴走による交渉の断絶がまたも…と思いきや、ハリーはそのミリシャ兵がムーンレィスの変装した姿であることに気づきます。この「ムーンレィスも一枚岩ではない」というドラスティックな真実の提示も、これまでの地球人の「蛮族」ぶりを散々描いてきたからこそ際立つもの。

 このように、∀ガンダム序盤の物語は、この話のための伏線だったと言っても過言ではありません。なのにタイトルは「貴婦人修行」って…修行よりもパーティーの方が話のメインだと思うのですが、うーん。
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