がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ティターンズとは何か?その2
 前回のティターンズについての考察では、ティターンズは「ミノフスキー粒子が散布されるような緊急事態の収拾及び予防のために」「地球連邦軍の中でも特にエリートで構成され」「地球連邦軍内において正規軍よりも高い地位にある」「独立MS部隊」と定義し、その中でも「正規軍より高い地位にある」ことが特殊であり、政治的意図があるのではないかと推測しました。
 ジャミトフ・ハイマンは、決してティターンズを地球圏の平和のために作ったのではない、と考えられます。まず、ジャミトフはデラーズ紛争を明らかに利用していたという点、ティターンズを地球至上主義者で構成した点、ジャブローを核爆弾で破壊した点などから考えても明らかですし、単なる治安維持のための部隊であれば、地球連邦軍の全指揮権を得るほどのことは必要なかったと思われます。むしろ、結果だけを見れば、ティターンズは地球連邦軍の指揮権を一つに集中するために設立されたようなものなのではないでしょうか。
 ジャミトフは、ティターンズを通して地球連邦軍全てを支配したところで、何をしたいと考えていたのでしょうか。
 そのヒントは、小説版にあります。小説版Zガンダムの第三部「強化人間」の第10章「ジャミトフ・ハイマン」には、ジャミトフの思想が明確に表現されています。小説版はアニメとは若干異なる設定であるため、必ずしも参考には出来ないのですが、ジャミトフについて語られた文章が他に存在しない以上、これを参考にするしかありません。

(以下抜粋、原文ママ)
 ジャミトフは、かつてのジオン公国のギレン・ザビの主義に共感する男である。
 ジャミトフは、ギレンの主義は良かったのだが、やり方が間違っていたと信じる男であった。独裁が見えすぎるのが良くなかったのだ。
 大体、ジオン・ダイクンの意思を受ける体制を引き継がざるを得なかったギレンでは、元々敗北を喫する要因を抱えているに等しかったとジャミトフは見ていた。
 「頑冥な人々は、地球上で掃討し、無知無能な者は、コロニー開発に追いあげる。それが、地球上から人間を排除する方法なのだ。今となれば、地球に残りたがるエリート意識に凝り固まった選民は、危機に陥った地球に残して、飢えさせれば良いのだ。が、そんな手段を講じているうちに地球が疲弊しすぎるという危機感があるからこそ、軍を組織して地球経済に打撃を与え、ついでに地球上の選民を抹殺する……」
 それがジャミトフの予定である。その理論の一面は正しい。しかし、物理的な手段を講じてしまうところに、ジャミトフの倣岸さがあった。が、それもジャミトフ自身が認めているところなのだ。
「歳だ。いつ死んでもよい。私の死ぬまでに、地球圏に対して必須のことをやってみせる」
 そのために、ジャミトフは、一年戦争の終息と同時に、自身の血の類縁の全てと訣別をして、ティターンズの組織作りに入ったのである。
(以上)


 ジャミトフの目的は、「地球上から人類を排除すること」なのです。つまり、最終目標はエゥーゴやジオン・ダイクンと変わらないのです。違いは、やり方です。
 ジャミトフは、貧乏人はコロニーに移住させ、エリートは戦争を起こすことで経済を破壊し、間接的に殺すことで目的を達成しようとしています。エゥーゴは、エリートも宇宙に上げようとしています。そこが違いです。
 この場合のエリートとは、単に政治家のことを指しているのではないのではないかと思います。地球至上主義者全体のことを指しているのではないでしょうか。つまりジャミトフは、ティターンズの兵士たちもまた、殺すつもりであったのではないか、ということです。
 ジェリド達は、ジャブローに核が埋められていることを知りませんでした。これは、ティターンズの構成員もまた、死んで構わないということを意味しています。実は、ティターンズが地球至上主義者で構成されているのは、逆に地球至上主義者を一掃するためだったのではないでしょうか?だからシロッコのような逆の考えを持っている(と思われる)存在を重用したとも考えられます。
 ジャミトフが地球連邦軍全体を支配しようとしたのは、そうすることでより自分の思い通りになるようにしたかったのだと思います。自ら築いた軍閥によってより強硬路線を取り、エゥーゴの反感を煽り、戦争を継続させることで経済を破壊するのがジャミトフの目的だったのではないでしょうか。

 ティターンズがコロニーレーザーを建造したのも、戦争の継続が目的であったと考えられます。ジオンが過去に開発したコロニーレーザーは、あくまで数で勝る連邦軍を一掃するための最終兵器でした。しかし、ティターンズは立場が逆ですから、数的不利を覆すためのものではありません。むしろ、力による恫喝のためであると思えます。大国が核兵器を保有するのと同じです。さらに、コロニーレーザーの試射によってコロニー一つを潰して見せることで、スペースノイドの恐怖を煽ります。エゥーゴは死に物狂いでコロニーレーザーを狙います。簡単に奪われないように、ゼダンの門で守りを固めたのでしょう。
 しかし、ジャミトフの誤算は、この時点でエゥーゴに議会の支持を得られてしまったことにあります(新訳でもハヤトによる演説があったらしいですから、同様とします)。そのためジャミトフ自身も宇宙に脱出せざるを得ず、戦いの場も宇宙へ移行してしまいます。宇宙で戦争をしたところで、いつまでたっても地球へ打撃を与えることは出来ません。アクシズまで帰還してしまい、ジャミトフの計算は完全に狂ってしまったと考えられます。何故、ジャミトフは失敗してしまったのか…ということは、本題から逸れますので、またの機会に考察しようと思います。

 ティターンズはジャミトフの私兵だという表現をされることが多々あります。ジャミトフの個人的な目的のために作られたと言う意味では、まったくもってその通りです。ただし、設立の表向きの目的が治安維持であったのに対し、実は逆に治安を乱すことがジャミトフの目的であったと考えると、ティターンズという組織は、本来与えられた使命と逆のことをするために作られたことになります。それを果たして私兵と言っていいのか…微妙なところですね。

 結局、ティターンズという組織は、「緊急事態の収拾と予防のために設立された独立部隊」でありながら、その実体は「強大な権力と武力をもって反感を煽り、世を戦乱に導くために設立された、"世界の敵"となることを運命付けられた部隊」であったということになるのです。
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コメント
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○Titansの定義について

「独立MS部隊」と定義されていますが、
歩兵を持たない部隊(独立MS部隊)は軍事組織としては
脆すぎます。(丁度、映画版エヴァのネルフの様に…)
MSだけでは占領出来ないし、防衛も出来ない。
歩兵部隊を実効支配しようとしている対象の他軍からレンタル
(協力要請)なんて危なすぎて出来ませんし、ジャミトフも
それ位は自前で用意すると思います。(それこそ優秀な狙撃兵を
引き抜き、デルタ・フォース並の精鋭部隊を組織するでしょう)
(強力な諜報機関も欲しいところです。)

ティターンズになれる人間の条件は
「優秀な人間」、「地球至上主義者」の他に
「地球出身者」というより重要な条件があります。
「地球出身者」もいいかげんな定義ですけど…
地球基地勤務のティターンズメンバーの方が宇宙
基地所属より格上?

バスクやジャマイカンが「優秀な人間(ライトスタッフ)」として
描写されたか? というのも…。
バスクの臆病な描写(0083)とか、直線的な捻りのない(人質)戦略とか…。


○Titansの仕事
反(地球連邦)政府運動が様々な運動組織によって様々なレベルで、
行なわれていたのも事実な様で、つまり「テロ活動」への対処にも
借り出されていた様です。
A.E.U.Gの活動も見方を変えれば十分、政府軍への「テロ活動」ですし。

「横暴な警察」もアメリカが「世界の警察」と言われているのと
同様な例えだと思いますが、地球連邦にも実際には「軍」以外に
「警察」が存在し、連邦領サイド内での治安維持活動はこちらが
対応していた事は想像に難く有りません。
同様にコースト・ガード(沿岸警備隊 Coast Guard)も存在したと思う
のですが…。

TV版Zの序盤の欲張った、1stをなぞりつつも、敵も味方も連邦軍で、
「(連邦製の)ザク」対「ガンダム(Mk-II)」もなぞりたい。だけど
視聴者に「敵・見方」も分かり易くしたい、という話の構造上、ジオン
公国とは逆にリアルを捨て「悪」の面を強調せざる得なかったという
側面がTitansを訳の分からない組織にしてしまったと…。


○平時(一年戦争後)の地球連邦政府の構造がどうなっているのか?
というのも考えねばならないと思います。

地球連邦政府に大統領はいましたよね?
(仕事しているところの描写は見かけませんでしたが…)
地球連邦政府議会もありましたよね?

平時の地球連邦では、シビリアン・コントロール(文民
統制 civilian control)が機能している筈だと思うんですけど…
だとすると、地球連邦軍内部の一組織でしかないTitansもこの
シビリアン・コントロール下にあるのです。
たしか、米軍も緊急的な個別的自衛権(領空侵犯機等からの先制
攻撃に対する反撃)以外の発砲とかには大統領からの許可が必要
だったりする。場合によっては司令官(朝鮮戦争での原爆使用を進言した
マッカーサーとか)を罷免したりとか…有名なシビリアン・コン
トロールの例ですね。
だとすると、つまり、最終的に「Titansの横暴」は連邦政府
(大統領)の正式な命令・指揮・承認下に行なわれていた可能性が
高かったりするのです。

>「地球連邦軍の指揮権を一つに集中するために設立
>されたようなものなのではないでしょうか。」
Titans諜報機関で、水面下で、プチ・クーデーターを起こし、
大統領とか連邦議会(の議員)とか、その家族を軟禁状態に
して実行支配した方が手っ取り早い様な気が…。
でも、上に書いた様に「Titansの横暴」は最低でも大統領
了承による結果だと思われるので、(見かけ上、正常な)
シビリアン・コントロールの乗っ取りは既に成立していたと…。


○ジャミトフの決意
「私の死ぬまでに、地球圏に対して必須のことをやってみせる」
というジャミトフの決意ですが、小説以外、近年製作された映画
版でも描かれなかったし、Titans総帥の意思とか最終目的を
組織の幹部が知らない組織というのも…なんだか…。
(どなたかが書かれたWeb掲載のジャミトフ小説が「ジャミトフの
決意・目的の洗い出し」では秀逸でしたが…どこだったのか…
誰だったのか…忘れちゃった(笑))
しかも、それなら0083ラストで「コロニー落としを阻止する振りをして
ジャブローに落着」させれば、本来の目的にも最短で、2次的な
目的の連邦政府や軍も掌握し易かったのでは…と思ったり。

>つまりジャミトフは、ティターンズの兵士たちもまた、殺す
>つもりであったのではないか、ということです。
しかし、それではTV版でジャミトフがTitans一般将兵を気遣ったり
している点と矛盾する様な…。

>実は、ティターンズが地球至上主義者で構成されているのは、
>逆に地球至上主義者を一掃するためだったのではないでしょうか?
一番の地球至上主義者であるジャミトフも「地球圏に対して必須の
ことをやって」それを見届ければ死ねた…? という事はこの点
「地球の無人化」さえハマーン・ネオジオンが了承すれば、十分
共闘出来た?

○ガンダムの裏テーマ?
「(人類に都合の良い自然)地球環境の保全」を目的に
「地球上から人類を排除」して「地球環境の回復を図る」
人類の総数が増え、地球環境を改変し(人類を頂点とする生物に
とって都合の良い)自然環境が破壊されても、それも地球にとっ
ては自然な時間経過でしかない訳で…。(運命共同体の他の生物
はいい迷惑ですが…)
何も手を下さず「地球上に人類をあふれさせ、自滅」させても
良い様な気もしてきますね。
それにしてもガンダム世界の指導者はほんとにまぁ呆れるほどに
「地球環境保全主義者」ですね…、質量爆弾落としまくる人とか…。

長くて、まとまりもなくすみません。。。
2007/06/11 (月) 00:06:05 | URL | ねも #iozbGO92[ 編集 ]
>歩兵を持たない部隊(独立MS部隊は軍事組織としては脆すぎます。

それはその通りですね。どうしても、ガンダムではそのあたりが描写されないので抜けてしまいました。
実際は歩兵等もあるのだと思います。

>バスクやジャマイカンが「優秀な人間(ライトスタッフ)」として描写されたか? というのも…。

何をもって優秀と判断したかによるのでしょう。
東大生ならみんな頭がいいのか?というのと同じ理屈で。
劇中のティターンズが優秀には見えない、というのはとても同意できますが(笑)それはアニメそのものへのツッコミですよね。

>欲張った、1stをなぞりつつも、敵も味方も連邦軍で、
>「(連邦製の)ザク」対「ガンダム(Mk-II)」もなぞりたい。
>だけど視聴者に「敵・見方」も分かり易くしたい、という話の構造上、
>ジオン公国とは逆にリアルを捨て「悪」の面を強調せざる得なかったという側面が
>Titansを訳の分からない組織にしてしまったと…。

ご指摘の通りだと思います。Zガンダムという作品自体の致命的な欠点ですね。

>地球連邦政府に大統領はいましたよね?

カイの手紙で「シャアは連邦の大統領になるべき」と言っているのが、
唯一の映像作品における大統領に触れたシーンだと思います。
たぶん大統領はいるのだと思いますが、
ムーンクライシス以外で「連邦政府は大統領制を敷いている」と明示した設定や描写を見たことはないです。
少なくとも、富野監督個人は「官僚=愚物」と決め付け、意図的に大統領や首相のような存在を省いて描いているように見えますよね。
たぶん大統領はいるんだと思うんですけど。

>「Titansの横暴」は最低でも大統領
了承による結果だと思われるので、
>(見かけ上、正常な)シビリアン・コントロールの乗っ取りは既に成立していたと…。

そういうことになるでしょうね。
少なくとも小説版によれば、「ジャミトフの圧力に議会が屈した」ことになるようです。
リアルに考えるのであれば、一年戦争(もしくはデラーズ紛争)後の選挙あたりで、
ジャミトフが支持した(ほとんど言いなりの)候補が当選したという感じではないでしょうか。

>0083ラストで「コロニー落としを阻止する振りをしてジャブローに落着」させれば、
>本来の目的にも最短で、2次的な目的の連邦政府や軍も掌握し易かったのでは

0083の時点では、まだジャミトフ自身が実権を握っていたわけではないので、
そこまでの力はなかったのではないでしょうか。

>ガンダムの裏テーマ
これは当時の富野監督の個人的な思想ですからねぇ。
ガンダム世界の中では、地球環境保全主義はジオン・ダイクンの思想から広がったわけですから、
ジオン・ダイクンがいかにカリスマ的人物であったか、ということなのではないでしょうか。
2007/06/11 (月) 01:29:57 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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