がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ASTRAYに求めること
 最近のアストレイはよくわからない。話の内容ではなく、作品そのものの方向性の話だ。元々アストレイはSEEDの外伝である。しかし今やっているのは果たして何かの外伝なのだろうか?確かにアニメのキャラクターも出てくるし、メカニックにも関連性がある。だけど、シナリオの方向はだいぶ違う方向へ行っているように思う。そもそも企画自体がその時のプロモーションの都合に左右されるため仕方のない部分はあるが、割と原作者もその場の勢いで話を作っている部分があるようだ。それを否定するつもりはないが、どんな内容にしろ、絶対にぶれてはいけない軸というものは何にでも必要だと思う。物語にもそうだし、企業戦略としてもそうだ。
 今のアストレイは、一体誰のために、何を目的に続けられているんだろうか?

 当初のアストレイの製作経緯はこうだ。まず、「機動戦士ガンダムSEED」という作品があって、それをプロモーションする意味で放映前から連載開始、そして「SEED」放映開始後もその内容と様々な関連性をもたせながら、アニメ本編と同じ時間軸の違う場所の物語を描く。ある意味では過去の外伝である「F90」と「G-UNIT」のいいとこ取りのような企画だ。これは、SEED本編の世界観を広げ、MSV的な役割も果たし、本編では出来ないようなシナリオや演出を実現することで、SEEDの人気と相乗して高い支持を得たと思う。
 アストレイが成功した一因に、バックグラウンドがしっかりしているということが挙げられる。元々ガンダムSEEDは極めて精巧に世界設定が練られており、それを裏設定のままサンライズに資料室に眠らせておくのは勿体無いということもあって、その設定を最大限に利用した物語構成となっていた。これが、ロウや劾といった本編のキャラクターとは一線を画す個性を持った主人公であっても、SEEDの外伝として成立していた要因であろう。ゲスト的に本編のキャラを頻繁に登場させ、明確に本編のシナリオとリンクさせていることも、本編のファンを引き込むという意味で非常に効果的だっただろう。(そして、それが足りなかったから失敗したのがシルエットフォーミュラでありG-UNITである)
 そしてもう一点が、先述したように本編のキャラクターとは極めて次元の異なるキャラクターで物語が展開されるという点である。これが本編と似たようなキャラであったら、ドラマCDと大差ない内容になっていただろう。そうではないことに意味があったのだ。SEED本編のキャラクターは人気が高いが、逆にそのようなキャラクターが嫌いだという人もいる。特に従来のガンダムのファンというのはそのような傾向が強い。その意味で、本編への違和感をアストレイで緩和していたという側面があったように思う。つまり、本編の不満をアストレイが解決していたのだ。これは、その後本編のつじつま合わせとして機能していくことからも明らかだろう。
 つまり、アストレイの成功の要因は以下のようなものであったと思われる。

・設定がしっかり作られていた(裏設定を上手く活用していた)こと
・本編とのリンクが明確であったこと
・本編にはない魅力が前面に出ていた(本編の欠点を補完していた)こと

 今のアストレイにはこれがほとんどないと思わないだろうか?

 実質アストレイの続編に当たる「Xアストレイ」は、SEED本編中にできた空白の時間を埋め、カナードとプレアというキラやクルーゼの背景と決定的に繋がっているキャラを主人公とし、そのキャラクター(特にカナード)が本編のキャラとはまるで違うという意味で、成功要因を満たしていたと言える。

 その続編である「DESTINYアストレイ」は、そのタイトルを知った時に非常にがっかりした。あまりにも安直すぎやしないかと。アストレイという名称はガンダムの名前である。それをアニメの次回作のタイトルにそのままつけてしまうということは筋違いだと思うのだ(Xアストレイも無理があるが…)。そして何より、「DESTNYが始まるからアストレイもまたやりますよ」というルーティンワーク的な惰性で作品が作られているような気がしてならなかった。その不安は結局、最期まで払拭されなかった。
 成功要因のうち、設定は若干弱くなっている。これは、元々入念に準備されたSEEDと半年ちょっとしか準備期間がなかったDESTINYでは設定の密度が違って当然なので、致し方ない部分があると思う。しかし、どうしても設定が明確になっていないために、本編との設定の齟齬が生じたり、後から設定が変更されたりといったことが頻繁に起こってしまったため、読者を興ざめさせてしまった部分があると思う。
 本編とのリンクも、当初は本編とは違う時代をテーマとしていたから、SEEDとDESTINYの空白を埋める物ではあったものの、それがDESTINY本編に関わってくることはなかった。その後インパルス編という形で明確にリンクされるが、これは誰が見てもただのインパルスの販促だったので、面白みがあったとは言えない。ようやくテスタメントや一族という形で方向性が見え出したところで、時間切れとなって駆け足で伏線を回収して終わってしまった。これも、元々DESTINYのシナリオプロットがおそらくSEEDほど完成していなかったということ、どうもSEEDの時ほどスタッフ間の連携が出来ていなかったこと(福田監督がミゲルジンの件等でアストレイを嫌いになったとか言われるが、果たして?)から考えると、アストレイのスタッフを責めるのは酷というものだろう。
 しかし本編にはない魅力があったかというと、そこが一番の問題である。ジェスというジャーナリストを主人公にしたのは変化球だが、それは本編と比較してではなく一般的に考えてのことでしかない。カイトのフリーのMS乗りという設定(レアなMSをいくつも所有していたりする)も、SEED本編に通じる適当さを感じてしまう。面白いかつまらないかは別として、どうもそれまでのアストレイよりもアニメ寄りになってしまった印象が否めない。もちろん、DESTINYの内容がどんな物なのかがちゃんとわかっていない段階で作られたので、そういう意味では仕方がないことなのだが、ただ「何がやりたかったの?」という気がしてならない。

 そして、⊿アストレイ。これはまだ未完なので結論的なことを言うことは出来ないが、マーシャンという本編には全く無関係な世界を出してしまったことにより、すでに単なる外伝ではなくなっているという印象がある(物語の内容はちゃんと本編とリンクしているが)。これは、本編の裏設定がすでにほとんど使えなくなっているから新しい設定を作るしかなかった、ということなのだろう。というか、DESTINYの裏設定ってあるのかよって感じである(笑)
 ただこれも本編にない魅力があるのか?というところで疑問を感じる。Dアストレイがそうだったように、主人公にロウや劾ほどの個性が感じられないし、むしろ美形を多く出して女性ファンに媚びている印象がある。SEEDで獲得した女性ファンをアストレイに引き込もうという意図が感じられる。だが違う、そうではないのだ。
 ガンダムSEEDシリーズは過去例に見ないほど女性ファンを多くガンダムに引き込んだ作品であるが、同時に男性のファンを数多く失望させた作品でもある。だからこそ、アストレイが必要だったはずなのだ。過去のアストレイは、「こっちが本編だったらいいのに」という意見があったほどだったが、今のアストレイにそういう気持ちを持っている人間がどれだけいるのか?ということだ。アストレイはSEED本編を受け入れられないファンのための作品であるべきなのである。
 確かにSEEDを介してアストレイに興味を持った女性ファンもいるだろう。カナード×キラのカップリングなどはそれなりに人気があるようだ。しかし、検索してもアストレイの同人誌などほとんど出てこない。やはりSEEDとアストレイは違うのだ。女性ファンの開拓は福田夫妻に任せて、アストレイには男性ファンのニーズにもっと応えて欲しいものだ…と思うのである。大変だとは思うけど。
 SEEDがファン層を拡大させた一方、多くの反感を買わせたことは製作側もよく知っていることだと思う。だからこそ、アストレイでそれをカバーしようよと。それがアストレイの存在意義なんじゃないかとさえ、思うのだ。
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コメント
コメント
スタゲと本編の繋がりのため、
ですかねー>デルタ

あとは映画への布石・・・
2006/12/10 (日) 13:27:47 | URL | 青空 #kUr9nKys[ 編集 ]
劇場版の布石と言うよりも劇場版の設定をスムーズに理解させる為に出していると思うんですが……。
2006/12/10 (日) 16:14:13 | URL | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo[ 編集 ]
AOZと違い設定を広めてくれないというのはありますわな。
その点AOZは上手いと思う。
ASTRAY&MSVはとても面白い題材だと思うのに・・・なんで生かしてくれないという気持ちはこの頃湧いてきます。
ファーストみたいな外伝をSEEDで出来ると思うのです
キラ達が出て来ない所でどんな戦いがあったのか、その点スタゲはイイ切っ掛けになりそうで
今後とも続けば良いのですが

サンライズには安直にファーストに逃げるなと言いたいです。
種を蒔いたのだから育てれば綺麗な花が咲くはずです
2006/12/10 (日) 16:35:48 | URL | CRS #-[ 編集 ]
>青空さん
サンライズ的には、映像作品とアストレイは常に連動するというイメージなんでしょうね。
千葉氏がどう言おうと、実質スターゲイザーの外伝と化してる部分がありますし。

>YF-19kさん
劇場版の設定がどれだけアストレイから出るかは微妙なところですね。
旧アストレイの設定が種デスにはほとんど反映されてませんでしたし…。

>CRSさん
迂闊に広められないんでしょうね。AOZはすでに存在する設定をベースにしていますが、SEEDの場合設定が現在進行形なので、下手にいじっても後から否定されてしまう可能性があると。
あとはSEEDはキャラ人気が先行してしまっているので、キラ達が出ないSEEDなんてありえない、という風潮がある(と製作側が感じている)のがファーストのようにいかない原因かもしれません。

過去のガンダムもアニメが終わってから発展してきましたから(ファースト後のMSV、ZZ/逆シャア後のセンチネル等)、劇場版が終わってからが勝負かなと思ったりします。
2006/12/10 (日) 23:10:41 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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