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ガンダムネタだけを語るブログです。
ガンダムコミックを語る9「ムーンクライシス」その2
 いつものガンダムの歴史を踏まえた上での俯瞰視点の話を忘れていました。このムンクラにしろクロボンにしろ、特徴的なのは「サイドストーリーではない」ということです。それには当時はVガンダムが終わり、非宇宙世紀の時代に突入していた時期だったからという背景があります。つまり、純粋な宇宙世紀の作品がなくなってしまい、コミックがそれを受け継いだということです。だから、既存の作品の外伝ものではなく、完全新作ストーリーの作品が作られたんですね。そして、それは成功だったと言えるでしょう。ただそれをやってのけたのは結局長谷川・松浦両氏だけで、結局完全新作はコミックといえどもかなり能力と労力を要するのだと言うことができます。ガンダムエース連載作品の中でも完全新作ってないですよね。エコールがぎりぎりそんな感じでしたが、グリプス戦役入っちゃいましたからねぇ。

 特に、クロボンが富野原作であったのに対しムンクラはほぼ独力で完成させたといってもいいわけで、松浦氏の力量恐るべし、と思ったりもするんです。もちろん長谷川氏に独力で完全新作を作る力量がないとは思いませんが、松浦氏が現状で唯一、「外伝ではない」コミックを自力で描いた作家であることは確かなんです(ダブルフェイクとか強化人間物語はある意味完全新作なんですが、ぶっちゃけ作品を完成させたとは言い難い)。その割にあんまり認められてないのはやっぱり絵柄のせいなんですかねぇ…。ガンダムエースに一度くらい呼ばれてもいい気がするんですが。

 ムンクラの作品自体を一言で語るならば、「ガンダムらしさのオンパレード」とでも言いますか、燃えるジオニズムも、主人公の天才ぶりも、ヒロインの高潔さも、三つ巴の争いも、主役機交代のさりげなさも、ラスボスとの熱い戦いも、量産機同士の地味な戦いも、ひたすら盛り込まれている。足りないのは禅問答くらいですかねぇ。
 しかしそれだけで終わらないのがムンクラ。そこから更に、ボーイミーツガールという王道路線とタウ・リンという強烈にブラックなキャラを持ってきて普通のガンダムとは一味違う味も出しているのが、この作品を傑作たらしめているといえます。大統領が無能じゃないところもガンダムらしくないですよね(敵味方に関わらず、富野ガンダムにとって政治家=忌むべき存在であった)。
 タウ・リンについてもう少し深く語ると、実は結構「当初のシャア」に近い役回りなんですよね。組織にいながらトップを謀殺しようとするあたりもそうだし、不幸な生まれであるというのもそうです。最後の機体がジオングなのも同じ。違いは、身分くらいなものです(性格が一番違うけど)。クルーゼもこれくらい描かれてればただの変態仮面じゃなかったんだけどなぁ。逆に主人公のタクナは、アムロやカミーユのように悩まない、ひたすら前に突き進むタイプで珍しいです。ガキ大将タイプのジュドーともまた違いますね。一番近いのはウッソでしょうか。モチーフに関してはあとがきで語られてますが、「既存の型を破る主人公」はガンダムの名物でもあるんで、そういう意味ではガンダムらしいと言えます。

 …まぁ語るとキリが無い部分もあるんで、この辺にしておきましょう。本気でリメイクしたら絶対面白いんだけどなぁ。Z祭りの最終章としてどうですかねぇ、角川書店様(爆)
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個人的意見で申し訳ないですが。
アウター三部作の完成度の高さに異論は含むつもりはないのですが,個人的に長谷川作品と松浦作品の間にある決定的な差は,話を読んだときの「違和感」だと思います。
つまり,その作品の持つ雰囲気の微妙な「ズレ」があるため,どちらかというと長谷川作品を王道と取ってしまうんですよね(^^;
ちょっと説明しづらいのですが,ガンダム世界の枠をはずれた部分が,長谷川作品は,「あぁ,これも有りだなぁ」と感じてしまうのに対して,松浦作品だと「こりゃちょっと違うだろう」と感じてしまうところでしょうか(^^;

個人的な分析だと,やはり松浦作品は,別に俺説で解説をしてしまう点と,ストーリー展開のもたつき部分がそれを感じさせていると思ってますが(^^;
(特にそれはレオンで顕著になってます)
長谷川作品の場合,一気にストーリーが進むので,そんな設定考えるまでもないと言うか・・(笑
(あれだけオリジナル要素の多いビクトリーファイブですが,「燃える展開」故に気にならないんですよね^^;)

まぁ,ムンクラがアウター三部作の最高峰であることは異存無いんですけど(^^;
2005/10/22 (土) 11:11:46 | URL | あさぎり #GCA3nAmE[ 編集 ]
長谷川作品の方がいろんな意味で王道なのは確かだと思いますよ。ただどっちかというと、それはガンダムの王道というよりは漫画の王道に近いのかな、と思います。ガンダムであろうとなかろうと単純に面白いですからね。そういう意味じゃGガンやターンAみたいな方向性でしょうか。
比較するんであれば、設定を理解した上である程度それつっぱねるのが長谷川氏で、設定を理解した上で更に俺説を加えてちょっと違う方向に持っていくのが松浦氏かなと。

松浦作品がガンダムからずらした要素を導入してくるのはかなり意図的で、だからこそ公式作品としては認められないんですが、それはそれでガンダムをベースに自分の色を出そうとしてるわけで、そこは評価してもいいんじゃないかと。逆に長谷川作品は原作のエッセンスを極めて上手に吸収してファンが納得する内容に仕上げてきますから、一般受けして当然だと思うんです。なんというか富野か宮崎か、みたいな比較と似てますが(笑)
個人的には、今までに無い要素を内包した俺説というのが好きなものですから(だからあさぎりさんが違和感と感じる部分を自分は面白いと感じてしまうんです)、どうしても松浦作品に肩入れしてしまうんですが、長谷川作品が松浦作品に劣るとは全く思ってないですし、それは次のクロボン感想を読んでいただきたいなと、思う次第です。
2005/10/22 (土) 13:06:52 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>松浦作品がガンダムからずらした要素を導入してくるのはかなり意図的で、だからこそ公式作品としては認められないんですが、それはそれでガンダムをベースに自分の色を出そうとしてるわけで、そこは評価してもいいんじゃないかと。

むろん,この部分は全然異論有りません。
氏の作品を評価していますから,ウチでも独立した項目を作っていたくらいでして・・・
(唯一気に入らないのは,メカの線でしょうか^^;)

本筋はルロイさんに同意です。
ただ,ん~と,ちょっとだけ違うかな。

私が松浦作品で違和感を感じる最大の部分は,「その作品系列のお約束を外す部分」なんですよね。俺説は全然OKなんですが,例えばガンダム世界でのお約束を違った方向に持っていくという点の処理方法で違和感を感じちゃうんですよね。(先の大統領とかですね)
これが,追い打ちをかけるように独自の設定解釈コーナーなんかが作られるのでその印象が強いんでしょうけど。

長谷川氏は突っぱねるんですが,それもまたお約束の範囲内なんですよ。そこが違うのかなぁ。
それ故に,長谷川氏のストーリーメイキングのうまさというか,その辺がスッと受け入れられるんですよね。

>どうしても松浦作品に肩入れしてしまうんですが、長谷川作品が松浦作品に劣るとは全く思ってないですし、それは次のクロボン感想を読んでいただきたいなと、思う次第です

これは,申し訳ない。
私の書き方が「ルロイさんが偏っている」といった風に受け取られるようになっていました。
謹んで謝罪致します。
要は,私個人とルロイさんの感じ方の微妙な違いを書きたかっただけなんですが(汗
2005/10/22 (土) 18:44:54 | URL | あさぎり #GCA3nAmE[ 編集 ]
あ、いやいや、偏っていると思われたと感じたわけではないんですが、どういう結論にすればいいのか迷ってしまいまして(^^;

結局互いの感じ方の違いっていうのは好みの違いでしかないよなと思いまして。見解の相違があるんじゃなくて、同じような見解をしながら別のところを評価しているわけで、衝突してるわけでもないんでそれはそれ、これはこれでいいのではと思ったりするんですが…
お約束の方が好きか、そうじゃないほうが好きかってところだと思うんですが、どうでしょう?
2005/10/22 (土) 19:32:12 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
大統領
 大統領が存在していたこと、G8なる組織があること。それに対しては、ちょっとびっくりしました。この設定(特に大統領の存在)が使われたことは、その後、一度もないですよね。
2005/10/24 (月) 20:27:42 | URL | ポルノビッチ・エロポンスキー #4FJT5Uw2[ 編集 ]
公式作品で大統領の名が出たのって、Zでカイがシャアに対して大統領になるべきだって手紙を書いたところくらいですよね確か。だから別にいてもおかしくはないんですけどね~。権力者嫌いの富野監督だから描かないのかな。
G8なんてのはアウターの設定を引きずってる感じですが、元々宇宙世紀という設定にしたのが現代国家のイメージを持たせないようにするためだったわけですから、ちょっと本末転倒ではあるんですよね。理屈の上ではあり得るんですが。
2005/10/24 (月) 22:43:37 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
お医者さん
 ガンダムAで,カミーユ医者説が紹介されていましたね。私はカミーユがあの後選ぶ職業を考えると,医者が最も適切な気がしているんで,ムンクラ説大好きですよ。
 松浦先生によれば,カミーユやジュドーを出したのはファンサービスということです。「逆襲のシャア」で何も解決していないし,ZZでミネバ影武者の伏線も何もない。そのことに対する怒りみたいなもので,ムンクラを書いたそうです。
2005/10/26 (水) 12:48:10 | URL | ポルノビッチ・エロポンスキー #-[ 編集 ]
0099年
 ジオンが自治権を放棄したという年表上のあれですが、その詳細(?)は2説があるようです。
 1つ目はムンクラ。もうひとつが、樹想社から出ているF91のフィルムブックですね。そこでは、ジオン共和国の青年将校によるクーデター未遂事件がその原因であると説明されています。私としては、環月面騒乱事件の後、上述のクーデターが起こり、結果として自治権放棄につながったと考えています。
2005/10/27 (木) 12:37:05 | URL | ポルノビッチ・エロポンスキー #-[ 編集 ]
核の被害
 ムンクラ上巻の38ページに指が2本しかない女の子が泣いている場面ありますよね。また、42ページは連邦の腕章をした骸骨が檻、ジオンの腕章をした骸骨が核をそれぞれ持っている落書きがありますよね。
 前者は、松浦先生によれば「1年戦争初期の核兵器使用の影響で相当数の身体障害者が生まれている筈、だから書いた。」とのこと。
 後者に関しては連邦が檻を持ってきて、ジオンが核を持ってきた。それを受け入れるしかない連邦市民をあらわしている落書きだそうです。
 どちらも、「遊びでガンダムを書いているんじゃない!」という松浦先生の気合が現れているとのことでした。
 その他のコメントはまた次回に・・・。
2005/10/28 (金) 15:36:34 | URL | ポルノビッチ・エロポンスキー #4FJT5Uw2[ 編集 ]
>お医者さん
何の医者かは気になるところですよね(笑)経験を生かしての精神科か、MSパイロットの器用さを生かした外科あたりですかねぇ。
何も解決していないことに対するカウンターという意味では逆ギガと同じですよね。やっぱりみんな納得いかなかったんだろうなぁ…。

>0099年
フィルムブックにそんな設定が載ってたんですか~。
しかし一人の青年のせいで国家が解体するってのもアレですからねぇ。やっぱりムンクラの一件があった上でってのが一番説得力ありますよね。

>核の被害
あー、落書きの意味が良く分からなかったんですが、そういう意味だったんですね。ちょっとあの序盤のくだりは展開が早いのもあって説明不足でしたよね。わざとそうしたんでしょうけど。
あのシーンはダブリンのコロニー落としについて触れた作品って他に無かったんで、そこが衝撃的でしたね。ZZをこんなに真面目に扱ってるんだと(爆)
指二本の少女は…アニメでは絶対出来ないですねぇ…。
2005/10/28 (金) 21:46:35 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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