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ガンダムネタだけを語るブログです。
可変MSが巡航形態に変形すると、本当に推進力は上がるのか?
 変形可能なMSの場合、人型ではない形態に変形すると、宇宙空間では推進力が上がるように描写されます。ゲームでは当然のように移動力やスピードが上がりますし、作中でも実際に加速しているように描かれます。ZガンダムがMS形態で出撃後、ウェイブライダーに変形して戦場に向かう、というのは定番の描写でした。
 しかし、リアルに考えるとそれはおかしいのでは、というツッコミが昔からありました。この問題について考えてみたいと思います。
 よく言われるのが、宇宙でMSが変形してもスピードは上がらない、ということです。無重力空間の場合、加速し続ければスピードは無限に上がっていくことになり、それは人型かそうでないかの意味を成しません。推進力が同じであれば、人型だろうと宇宙では高速が出せるはずなのです。
 そのため、MSが変形することにより「スラスターノズルが一方向に集まるため推進力が高まる」という説明をされる場合があります。MS形態ではすべての推進器を使っているのではなく、変形することで全ての推進器を使えるようになるので、MS形態よりも加速力が上がる=スピードが出る、という理屈です。
 ただ、メッサーラやギャプランなど、見た目から変形しなくても普通に推進器を同一方向に向けられそうに見える機体が多くあり、あえて変形しなければならないほどの理由があるようには見えません。極端な話、脚部と腰部の方向を揃え、背部の推進器は背部直結ではなくバインダー方式にして自由に向きを変えられるようになっていれば、変形などしなくても推進器の方向を揃えることができます。
 ではやはり、MSが変形すると加速しているように見えるのは演出上の問題で、本当はそんなことはない…とみなすべきなのでしょうか。それでは、映像作品の否定になってしまいます。そこで理由を考えてみました。

 「可変MSは通常のMSに比べて推進力が高い」ということを大前提にします。これは、MA形態であろうと、「MS形態であろうと」、推進力が高いものとします。何故なら、変形するだけで推進力は上がらないからです。
 ではなぜMS形態よりMA形態の方が速く見えるのか。それは「MA形態が速い」からなのではなく、「MS形態が遅い」からだと考えます。MSの推進力という観点で言えば、その機体が分類上「可変MS」であろうと「可変MA」であろうと、「基本形態はMA形態」だということです。それなら何故MSに変形するのか。それは「格闘戦が必要」だからです。
 ガンダム世界のルール、宇宙世紀におけるモビルスーツの存在理由は、「ミノフスキー粒子のせいで有視界戦しかできない」です。これは絶対に破ってはいけないルールです。だからMAも基本的にはMSに変形しないと「戦えません」。MAでも戦えるなら連邦軍は宇宙戦闘機でザクに対抗できていたはずです。一年戦争末期に出てきたMAは、MSの代替ではなく「敵MS部隊を突破して艦艇に直接攻撃する」ためのもので、そのためにMSの単純な攻撃は受け付けないような装甲と、MSをはるかに超える推進力・火力を持っています。それまでのジオン軍が、MSがあれば一方的に戦闘機も戦艦も攻撃出来ていたところ、敵にもMSが配備されたため、MSをかいくぐっていける機体が求められたのがMAです。ただMAには弱点があって、MSとの近接戦闘には無力ということです。ビグ・ザムも、エルメスも、最後はビームサーベルで撃墜されています。接近されてサーベル刺されたら耐えられないのがMAです。だからMAがMSに接近されても戦えるよう、可変機能が必要になったのです。

 宇宙におけるMAの存在理由は、基本的に大火力+大推力です。それはZガンダムだろうとリ・ガズィだろうと同じです。それはデンドロビウムやディープストライカーやフルアーマーユニコーンでも同じですが、これらの機体はMSとガチの格闘戦をやろうとすると装備が邪魔になります。格闘戦を行いたいときだけ、余分な装備を排除せず整理して、戦いやすい姿に変形できるのが、可変MSだというわけです。
 つまり、可変MSはMS形態でも全ての推力を使えばMA形態と同等のスピードは出せると思うのですが、出さないのです。MSの目的は近接戦闘であって巡航ではないからです。OSレベルでMS形態での推進力は制御されていると考えて良いのだと思います。

 可変MSはMSモードが基本で、MAモードが巡航形態であると思われがちですが、そうではなくMSモードが「格闘戦用形態」であって、MA形態が宇宙戦における基本形態であると考えれば、疑問は解決するという話でした。MAに変形すると推力が上がるのではなく、MSに変形すると推力が下がる、と言った方が正しいというのが結論です。

 実際に可変MSが求められたのは、単にMAとしての対艦戦闘能力が求められただけではなく、単機の行動半径が広がったことも要因であると思われます。一年戦争のような戦争中でないため、艦隊戦が発生する機会が少なく、単艦対単艦の戦闘が多かったことから、艦同士が相対することが危険であるため、より遠くからMSを射出して遠くの艦艇を攻撃する必要が生じたのでしょう。そのためのSFSと可変MSであり、SFSで通常のMSが戦闘宙域に向かい敵MSを迎撃し、その間に可変MSが一気に艦艇に突っ込む(状況により変形して直衛の敵MSの撃破も行う)という運用を想定していたのかなと思います。
 メッサーラは母艦から遥か遠くに離れて戦闘に参加していましたし、ガブスレイもドゴス・ギアからかなり離れてアーガマを狙っていました。単機でSFS並みの航続能力を持つというのが、可変機の一つの利点だったのかなと思います。

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コメント
コメント
母艦から離れて戦うために
速い機体を作ったという説は
なるほどと思いました。


遠くから狙撃するなら、形は関係無いですけど、
人型でやる戦闘は、殴り合いの喧嘩とかチャンバラですから、

人型の時は、小回りが利くように、
推進機を色んな方向に向けて付けて、

移動の時は、スピードが出るように、
推進機が皆後ろを向くようにするという説明で良いと思います。
2020/02/09 (日) 15:08:05 | URL | #-[ 編集 ]
ギャプランとかアッシマーとかはわざわざ可変MAにカテゴライズされていたと思います。
可変MSと何が違うの?と思ってましたがこの記事読んでそこらへん納得した感ありますね。
2020/02/12 (水) 18:38:59 | URL | #-[ 編集 ]
>OSレベルでMS形態での推進力は制御
する目的って何でしょうか?
最大推力を発揮するのに、MA形態への変形を要する理由も良くわかりません。
例えば、近接戦時にパイロットが過大な推力に振り回されるのを防ぎたい為のリミッタなら、ソフト的にオンオフするだけで充分だし、その方がメリットが大きい様に思います。。
態々複雑な機構を設け、変形タイムという無防備な時間が生じるリスクを負ってまでいちいち変形を行う以上、やはりMA形態を取ることで物理的に推力が増大する理由があるんじゃないかと思います。
(思いつきですが、ジェネレータと直結することで熱核ロケットの出力が増大する、ってSDF-1じゃあるまいしそれはないか)
2020/02/14 (金) 00:33:50 | URL | #-[ 編集 ]
>母艦から離れて戦うために
その手段として可変機を模索していたのがグリプス戦役頃の時代で、その後そもそもMSにかけるコスト自体がどんどん減っていって小型化による技術革新で根本的に変わっていった、というところですかね。

>可変MAと可変MS
今回どっちもMA形態がメインなんじゃないか、という話になりましたが、その中でも可変MAとしてカテゴライズされているのは、通常のMSサイズに収まっていない(MS規格のハンガーやカタパルトが使用できない)からなのかなぁと思ったりもします。

>最大推力を発揮するのにMA形態への変形を要する理由
逆です。MA形態だと人型ではなく格闘戦ができない(=撃墜リスクが高い)からそのリスクを回避するためにMSに変形するのではないか、というのが今回の趣旨です。
MS形態のまま大推力を得られれば変形する必要はないのですが、それを実現したのはV2ガンダムの時代だったわけで、それまではディープストライカーやFAユニコーンのような歪な形態を取らないと、MS形態のまま大推力を得ることが出来なかったと考えるべきだろう、ということです。
2020/02/15 (土) 20:30:12 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
MA形態がメイン、と考えると連邦地上軍航空隊がアッシマーの後継機であるアンクシャを量産した理由がわかるような気がします。

ガルダによる新国防計画のためには当然航空隊が必要になり、それをベースジャバーorドダイ改に乗ったMS隊が担っていたのがゼータ以降。
でもやっぱり空戦では飛行機、もしくは飛行機に準じた機体(≒可変MS)が強い!(ブランのアッシマー、ロザミアのギャプラン等。やられちゃったけど)
でも航空隊の主力にはTINコッドⅡみたいなやっつけもいいところな戦闘機しかない状況…(原作UCダカール編で出てきたアレ)
だから彼らは、格闘も出来る新型戦闘機としての可変MSが欲しかったんですね。(でもあんまり役に立ってない悲劇)
2020/02/16 (日) 16:17:10 | URL | #-[ 編集 ]
>メッサーラやギャプランなど、見た目から~

> 「可変MSは通常のMSに比べて推進力が高い」ということを大前提にします。これは、MA形態であろうと、「MS形態であろうと」、推進力が高いものとします。
>。OSレベルでMS形態での推進力は制御されている

とルロイさん自身が本文で仰っています。

以上から、可変MSの最大推力はMS形態でもMA形態でも違いは無く、MS形態時にはソフト的にリミッタを掛けている、というのがルロイさんのお考えだと思ったのですが、

>MS形態のまま大推力を得られれば変形する必要はないのですが、それを実現したのはV2ガンダムの時代だった

と仰るということは、違うのでしょうか。
2020/02/16 (日) 20:54:20 | URL | #-[ 編集 ]
MS形態で意図的に最大推力を抑えてる、というのは面白い発想だと思います。ただ、読んでいて『運用目的』だけではなく『構造上制約』もあるのではないかなと思いました。

MSの四股は、その質量を重心と離れた位置で振り回す事でAMBACを得ていたと記憶しています。
なので、MAのように単一方向に加速する場合はその逆に、四股を重心付近にまとめるのが目的だと思いました。例えば腕を広げた状態で前方に強い加速すると、その腕を引っ張るために肩や肘に負荷がかかるような気もします。なので脇に固定した方がより良いのかと。

ついでに可変機が廃れていったのは、技術の向上で関節部の強化が安価で容易に行えるようになったから、などと推察してみます。リ・ガズィやVガンダムはコストを抑えるために、先祖返りしたのかなぁと。(ディープストライカーが四股を残したのは説明が付きません……)

あと、この場合は体を丸めるような変形をすればいいので、必ずしも飛行機のような形に変形しなければならない理由にはならないのですけども。
2020/02/18 (火) 08:13:01 | URL | シン、マツザカ #-[ 編集 ]
>アンクシャ
重力下での空中格闘戦というのが難易度高すぎたのかなぁという気がしますね。作中の描かれ方はちょっと一般兵では対処できないという感じでした。本来は降下上陸戦用なのかなと思います。

>MS形態のまま大推力を得られれば変形する必要はない
すみません、自分自身が頭の中で整理しきれていませんでした。
可変MSはそもそもMS形態で大推力を得られたとしても、あくまでもMAとしての運用を前提としているから大推力はMA形態でしか使わないというイメージです。
MSじゃなくて手足が使えるGファイターという感じですね。
推進器ゴテゴテのMSと可変MSの違いは物理的な装備の多さで、可変機は構造的な脆さがある代わりにトータルコストでは少なく済む…という違いがあると考えても良いかもしれません。

>シン、マツザカさん
変形機構自体は脆弱でも、MA形態自体は安定していて構造的に強い、という側面はありますね。
というかMSの四肢があるという構造自体がちょっと脆いのかもしれません。
仰るように飛行機型に変形する理由はほとんどなくて、そのような変形をする機体は基本的に重力下で飛ぶためと考えてよいのかなと思います。
2020/02/21 (金) 22:48:22 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
フツーに、推力をなるべく重心に近付けといたほうが、制御は楽ですし、剛性面でも有利です。

ちょっと考えると分かりますが、ある方向へ進む時に、4発のエンジンが機体重心にまとめて配置されているのと、機体から長く伸びた4本の棒の先にそれぞれエンジンが付いている場合では、まとまってるほうが容易に推力全開に出来ます。
スラスターの付いた四肢をロックすればという意見もありますが、余分な剛性が必要になります。重くなるでしょう。

さらに言うと、たとえば4発のうち1発が故障したら?

2020/04/03 (金) 13:39:31 | URL | 叡天 #-[ 編集 ]
やっぱりそうですよねー。
可変MSは「MSにどのようにMA的な推力を持たせるか」というアプローチではなく、「MAにどうやってMSの特性を与えるか」というアプローチで生まれたのではないかな、という気がします。
2020/04/11 (土) 23:09:28 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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