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ガンダムネタだけを語るブログです。
ガンダム GのレコンギスタI「行け!コア・ファイター」
 Gレコに関してはあまり良い感想を持っていなかったのですが、それは富野監督も自覚していたようだったので、どのように改善を試みたのか知りたいというのもあり、見てきました。
 例によってネタバレ全開でお送りします。ネタバレと言えるほど大きな違いはTV版とはありませんが、印象は全く違うものであったかなぁと思います。



 全体的な印象としては、特にアイーダの心理描写に焦点を当てていたのかなと思います。それに伴うベルリの心情と、それに対するノレドの感情、それと対比するマニィとルインの関係性というのもよく描かれており、ラライヤとクリムのやり取りなども含めて、キャラ同士の絡み(カップリング)がはっきりと描かれていたため、極端な話ガンダムやその世界設定に興味がない人が見ても、それなりに楽しめるように作られていたと思います。
 ストーリーラインとして、アイーダがカーヒルを失った悲しみが感情的な側面でのメインになっていて、それを乗り越えてベルリに頭を下げるまでで一つのドラマになっている作りが非常にしっくり来ました。アムロとシャアが再会して終わる「星を継ぐ者」に似た印象ですね。
 作画も女性キャラを中心にクオリティが高く、話が分からなくてもキャラの魅力だけでも伝われば、という気配りが見え、ここはTV版からの凄い改善点だなぁと思いました。

 その反面、ベルリ自身の感情部分が見にくくなっていて、アイーダへの一目惚れという描写があまり多くなく、それをノレドに指摘されては口で否定するという描写が繰り返されるので、主人公に感情移入しにくいという点はあまり改善されていないかなぁとも思いました。
 そもそも全体的に、Gレコはそのキャラが「なぜその行動を取っているのか」という動機の部分が見えにくいため、それが話の理解が進みにくくなっている理由にもなっていると思います。例えばベルリが何のためにキャピタルガードをやっているのか、アイーダが何のために宇宙海賊をやっているのか、そのあたりがはっきり提示されていないので、起きた状況の中で何故そのような行動を取っているのかが見えず、キャラへの感情移入を妨げてしまっています。いくらキャラが魅力的であろうとも、その点が改善されないと効果が半減してしまっているように感じました。
 多分監督の中でこのキャラはこう動かすというのが決まっていて、それを作中で動機づける作業が足りていないのかなぁと思ったりします。これが∀の場合、例えばロランは月の民で、地球に先行調査に来ていて、ムーンレィスだけど地球が気に入っていて環境にも溶け込んでいるという説明がはっきりされているから、時に地球の味方をしたり月の味方をしたりしても理解できましたが、ベルリにはそういう置かれた立場の背景の説明がないので、ふわっとキャピタルガードをやっていて、ふわっと宇宙海賊に参加してしまうように見えてしまうので、その点が惜しいなぁと思います。クンタラも差別されているのはわかるんですけど、外観上で分かりやすい差がないのでどう判別しているのかわからなかったりします。

 メカニックの作画も気合が入っている(それはTV版の時点でそうだったのだと思うのですが)ので、個人的にはカットシーのアクションなんかは特に良いと思いました。コルベットブースターを固定装備しているようなデザインなので、グリプス戦役時代にいてもおかしくないですよね、あれ。
 あと軌道エレベーター絡みの描写もすごく丁寧に行われていて、軌道エレベーターがインフラとして存在している世界というのが空気感で理解できるようになっていたのがさすがだなぁと思います。架空の世界観を構築することに関しては富野監督は本当に凄いなぁと思いますね。
 ただその世界観の説明に関しては相変わらず足りないなぁとは思いました。一通りTV版を見ているので、フォトンバッテリーがどこから来ているかイメージできますが、知らないでいると何のために軌道エレベーターがあって、その恩恵がどれくらい大きいのかというのが想像できないかなぁと感じます。一応、エネルギーの独占は過去の過ちを繰り返さないためにという説明台詞は出てきますが、キャラを動かすので精一杯で世界観説明に描写を割く余裕がないというのがもったいないところです。せめてファーストガンダムの導入のような世界観説明だけでもあればだいぶ違うと思うんですけどね。

 それにしても改めて見ると、Gレコは過去のガンダムを印象付ける要素が結構ありますね。最初に地球に降下しながらの戦闘になるのはガンダムWっぽいですし、宇宙海賊という設定がクロスボーンガンダムっぽいのはもちろん、そのパイロットスーツも結構クロスボーンっぽいですし、キャピタルアーミィの立ち位置は非常にティターンズっぽいですし、Gセルフのバックパック換装と色が変わるシステムはインパルスガンダムですし、パイロットが生体登録されるのはガンダムUCですし、エネルギー供給の核となっている軌道エレベーターは00にも出ているし、∀とは別の意味で過去のガンダムを内包している作品なのかもしれません。意識してそうなっているかというと、違うのでしょうけど。

 この一作目の時点では、劇場版Gレコはアイーダの物語として理解した方がいいのかもしれません。元々TV版の時点でも、事態を見て判断する役割はアイーダが負っていて、ベルリが担うのは戦闘部分だけでした。シャアの戦闘能力だけを持っているのがベルリで、シャアの政治的な立場だけを請け負っているのがアイーダだという話を過去の感想で書いたことがありますが、そうなると話を動かすのはやっぱりアイーダの方なんだろうなと思います。

 ところでマスクがマスクになった理由が全く描かれないので本当にただの変態仮面でした。
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ベルリの行動の不透明さに関しては
「クンパとクンパが作ったキャピタルアーミィは悪玉」
という感じの演出を強めにしてる事で多少改善されてると感じました
1部のラストで本人が言及してますけど「母のキャピタルガードの生徒としてアーミィをけん制して海賊を調査する」っていう動機はある程度成立してるように思います
まあこれは建前で実際はなんとなく雰囲気で流されたとかアイーダが気になる(借りを返したい)っていうのが強いので序盤のベルリの行動がいい加減なのはもうそういうもんだとしか言えないでしょうけど

TV版放送当時はあまり意識してなかったんですけどGレコはキャラ作画のお芝居、メカニック設定、美術、背景などが素晴らしいですね
他の富野作品、ガンダム作品と比べるとこの辺は間違いなく相当高いレベルにまとまってると思いました
移動シーンなどでカメラを引いて街並みや自然を見せるカットがとても秀逸だったのでこういう描写は他の作品でもやって欲しいです
2019/12/01 (日) 15:39:07 | URL | #-[ 編集 ]
すみません、ちょっと勘違いしてる部分がありました
ベルリの母はキャピタル・タワーの要職に就いてるけどキャピタル・ガードを仕切ってる訳ではありませんでしたね
キャピタル・ガードはキャピタル・タワーありきだしキャピタル・アーミィを敵視する流れでキャピタル・ガード側のように描写されてるとは思うんですけど
2019/12/01 (日) 18:16:22 | URL | #-[ 編集 ]
 凝縮した94分でアイーダにカーヒルカーヒル言わせたのは面白かったですね。メガファウナって軍人に憧れた娘にお父さんがマジで軍艦一隻与えちゃったように見えますが(TV版だとドニエル艦長ひたすらお守役だった感)、それを全面的に支えていたのがカーヒルという男なのかなぁと。
 指揮官でエースだし海賊作戦自体も彼が発案したようにとれる台詞もあったし、エネルギー云々の講釈もカーヒルの受け売りか?とか、恋慕と言うより心酔という描き方でした。軍事総督の娘の青臭い願望すべてを満たしてくれるヒーローだったのかなぁと想像させられる。
 ベルリから見てもそこら辺は何となく察しがつくだろうし、メガファウナに来た直後はアイーダやクリムの一方的な態度に「やればいいんだろ!?って思ってそうだな」とか、その後は一転メガファウナの人たちに気安い・生意気な言動になってて「これ自分の活躍に気を良くして帰りたくなくなってそうだな」とかこれも想像しながら見れた。
 こういう想像はTV版だと見ててあまり刺激されなかったのでうまく圧縮して繋げたおかげなのかも(一方で今回は海賊部隊がやたらベルリを厚遇するのが異様に思えた…そりゃベルリだって調子に乗るよ)。
 ベルリもメガファウナもキャピタルアーミィも気を良くしてる陰で一人挫折するアイーダという締めが印象的です。SEEDでサイがストライクを動かせずに号泣してたのを思い出しました。
2019/12/13 (金) 03:07:56 | URL | ネイ #1jhbtX.k[ 編集 ]
ヘルメスの薔薇の設計図はAGEのEXA-DBに通じるものがありますしね。過去の大戦で失われた兵器のデータベースという。
SEED、00、UC、AGEという「∀以後の非富野ガンダム」を富野式に再構成している、という印象がGレコにはありますね。
2019/12/14 (土) 00:18:17 | URL | #-[ 編集 ]
>キャピタルガードとアーミィの関係とベルリ
連邦軍とティターンズみたいに、もう少しあからさまにガードとアーミィの制服に違いがあるとなお分かりやすかったかなぁという気はします。
TV版はアイーダ追いかけてたらこうなっちゃったみたいな流れにそんなに違和感がなかったんですが、劇場版は色々カットした結果そこに違和感が生じてしまった気がしますね。

>ネイさん
カーヒルの存在感が半端ないのに最初にやられちゃう役なので、アイーダを通してしか人となりが分からないというシナリオ自体に若干無理があるんですよね。
もう少し最初から海賊のエース的な演出があっても良かったのかもしれません。その方がベルリの戦闘力も強調できますし。

>非富野ガンダムの再構成
確かにヘルメスの薔薇はマウンテンサイクルよりもEXA-DBに近いですね。
その再構成を富野監督が意図してやってるのではなく、富野監督が関わっていない部分を他のスタッフが既存のガンダムから拾ってるだけのような気がするのがもどかしいところです。
2019/12/15 (日) 14:45:19 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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