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ガンダムネタだけを語るブログです。
ジャミトフとメラニー、シロッコとハマーンの理想の違い
 以前グリプス戦役がガンダム開発競争でもあったという考察をしましたが、その際に、「連邦軍を自由にコントロールして戦争を継続させたいジャミトフ」と「戦争に乗じて自社の立場を回復したいメラニー」がいたところに、ガンダリウムγをもって表向き上はアクシズ帰還の地ならしをするために地球圏に戻ってきたシャアが加わり、トリガーになって紛争が始まったという話をしました。一方でジャミトフはシロッコに暗殺され、メラニーはハマーンに一時的に頭を下げる立場になったことで、最終的にはシロッコ・ハマーン・シャアの三つ巴の戦いにもなりました。
 シャアには具体的なビジョンがこの時点ではありませんでしたが、シロッコとハマーンはどのようなビジョンを持ってジャミトフやメラニーを上回ったのか、そのあたりを考察してみたいと思います。
 まず、ジャミトフの目的は一言で言えば「一年戦争の継続」であったと言えます。戦争により経済を破壊し、地球を壊滅させて人類を宇宙に移住させるというビジョンを持っていましたが、そうであるなら「一年戦争が終わらなければよかったのに」と思っていたと考えられるからです。だからデラーズ紛争の裏でも暗躍し、GPシリーズのデータをデラーズ・フリートに流して(具体的にそうは描かれていませんが、シーマを通じて一枚噛んでいるでしょう)コーウェンを失脚させた上で、デラーズ・フリートの大半をアクシズへ逃亡させてアクシズの勢力拡大の手助けまでしました。そこまで計算したかはわかりませんが、ジオン残党の脅威を世間に示した上で、その残党狩り部隊の必要性を訴え、ティターンズを設立し、連邦軍の上位組織として軍をコントロールできる立場になろうとしました。
 このように書くと、ジャミトフの仮想敵はアクシズであったように思えますが、実際にティターンズが戦ったのはエゥーゴでした。エゥーゴが行動を起こした時点では、ティターンズはまだ「組織が出来上がったばかり」であり、決して盤石な状態ではなかったことから、本当にアクシズの帰還に備えて準備をしていたところ、早期に出現したエゥーゴへの対処に追われたというのが実情なのではないかと思います。

 そのエゥーゴを生み出したのはブレックスですが、実質的に強い立場で動いたのはメラニー率いるアナハイム・エレクトロニクスでした。アナハイムの課題は、デラーズ紛争によって連邦軍の受注を失ったことでした。戦後の連邦軍の軍備体制の主導権を握ろうとしたところ、ジャミトフに阻止されたような形です。そのため、ジャミトフのティターンズから主導権を奪い返す必要が生じ、反ジャミトフのブレックスと組んだ形になります。さらに、新素材を持ったシャアが合流したことにより、MSの開発技術が飛躍的に向上し、MSの性能差で優位に立てると考えたからか、ティターンズへ先制攻撃を行いました。
 メラニーとしては、連邦軍の受注が獲得できればそれで良いため、決してエゥーゴの勝利がゴールではありませんでした。そのためエゥーゴの組織自体の目標もぶれてしまっていたのかなぁという気がします。本来は、シャアを通してアクシズにMSを供給し、ティターンズとの戦争に持ち込んでも良かったのかもしれません。ただブレックスもシャアも、アクシズのために働く気はなかったためにそうはならなかったということでしょう。

 それに対し、シロッコはジャミトフを暗殺し組織を乗っ取ったものの、その後のビジョンがあまり見えなかったという考察を以前からしています。実は連邦政府からの差し金で、ティターンズを瓦解させられればそれで良いという使命しか持っていないのではと考察したこともあります。ただ、ジャミトフが連邦軍を支配した後の時代のことを考えている素振りも見せていたため、ジャミトフの望む紛争状態の継続が実現したら、それをコントロールする立場になりたかったと考えることもできます。直接矢面には立たないまでも、すべてを裏でコントロールしたいという思想は行動から見て取れますしね。
 ジャミトフを暗殺したのは、もうジャミトフではその理想を実現できないと考えたからなのかもしれません。ならば自分で直接ティターンズをコントロールし、アクシズやエゥーゴとの戦争状態を続けようと思ったのかもしれませんが、コロニーレーザーを使用されその目論見も光の中に消えてしまいました。

 一方のハマーンは、ミネバの後見人という立場で父の死後のアクシズの実権を握り、地球圏への帰還を目指して行動を始めました。最終的には連邦政府との交渉に成功し、サイド3への帰還を認められジオン共和国の実効支配を目指したところ、グレミーの叛乱にあい組織は崩壊しました。その過程で、アクシズはティターンズに劣勢だったエゥーゴへ協力を行い、ゼダンの門を潰すことに成功します。おそらくその見返りに、メラニーからの協力を取り付け、軍備を強化したものと考えられます。そのため、アーガマ以外の部隊でアクシズへ抵抗することはほとんどなく、ダカールへの降下も見過ごすような形になりました(一応、その間にエゥーゴはアクシズを攻めていますが、返り討ちにあいコロニー落としを許すことになります)。
 ハマーンはシロッコのように権力者の暗殺はしていませんが、組織を乗っ取ってリーダーになったという意味では共通していて、物語にはすでに乗っ取った後に登場しています。そうまでして地球帰還を実現させたのには、シャアが地球圏へ調査の名目で行ったまま戻ってこない可能性が高いという事情があったのかもしれません。

 ジャミトフとメラニーは、理想となる「戦争状態」を目指していた点で共通しています。ジャミトフは地球経済を破壊するため、メラニーは自社の利益を増やすため、戦争を望んでいました。ある意味では両者は結託していたとさえ言えます。協力していたとは到底思えませんが、目指すべき理想は似ていました。
 両者の結末は、一方がシロッコを利用しようとして逆に踏み台にされ、もう一方が状況に応じて態度を変えることで生き延びた結果、死と隆盛という真逆の結果となりました。メラニーはシャアと協力し、ハマーンに頭を下げ、ニュータイプを上手く利用して儲けたとも言えます。
 一方、シロッコとハマーンは、すでにある組織を乗っ取ることで若くして指導者になったという点で共通しています。逆に言えば、そのような手段でなければ若くして組織の頂点に立つのは不可能でしょう。
 シロッコの目指したところは世界のコントロールですが、そこに「自分の意のままに動く女性」がセットであることが特徴でした。またハマーンも、シャアへの複雑な想いがあってこその行動力であったように思えます。つまり、どちらも異性への執着が一つのモチベーションであったとも言えます。その意味では、若いからこその行動であるとも言えます。

 ジャミトフは連邦軍という巨大な組織を支配することを目指し、シロッコは実際に支配する立場になった後にそれを乗っ取ってより都合よくコントロールしようとしました。メラニーはそんなジャミトフの支配する状況を打破しようとし、旧ジオン軍を乗っ取ったハマーンはそのメラニーを利用してサイド3帰還を実現させました。シロッコとハマーンという若いニュータイプが、現体制を都合よく変えようとする老人を利用して、自分の目標を達成しようとしたという構図が似ています。
 この、シロッコとハマーンが共に若いニュータイプであったというのが象徴的な点で、若くともその才覚とカリスマ性で人心を掌握し、組織の上に立っていくという意味でZガンダムを代表する存在と言えます。そしてそれは連邦軍がアムロがそうなることを恐れ、シャアがそうなることを拒否したという点でも象徴的です。シロッコ・ハマーンとアムロ・シャアの違いに、異性への執着の差があると言ってもいいかもしれません。それが若さだと言うなら、より若いカミーユが色々と血気盛んだったのもまたそれらしいと言えます。

 そのように考えると、ジオン軍を利用してのし上がった一年戦争時代のシャアも、そんなシロッコやハマーンに似ている存在であったと言えます。彼の目的はジオン軍を乗っ取ることではなく、ジオン軍を支配するザビ家を殺すことだけだったので、その点がシロッコ・ハマーンと違うとは言えます。元々、シャアの行動力の源泉は両親がザビ家に(事実上)殺されたことであるため、その先のビジョンまで描けなかったのでしょう。当時のシャアにはララァが傍らにいたのも見逃せません。

 ジャミトフはシロッコの才覚を利用しようとして、使いこなせなかったために殺されてしまったとも言えます。メラニーも、ハマーンの力を借りざるを得なかったために、アクシズのネオジオン化を許すことになりました。老獪なオールドタイプが若いニュータイプを利用しようとして、利用しそこなったというのがZ~ZZの時代の物語だったのかもしれません。
 
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