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ガンダムネタだけを語るブログです。
グリプス戦役を「連邦内部の権力闘争」と「ガンダム開発競争」の観点で考える
 エゥーゴとティターンズの関係については、これまでも何度も考察してきましたが、今回は切り口を2つに絞ってみます。話としては、マラサイについて考察した回の続きです。3年前の考察ですが、ティターンズにおけるマラサイの扱いから始まって、アナハイムはエゥーゴとティターンズの勝った方に新ガンダムを売り込めればよかった、という話をしました。


 ティターンズとエゥーゴの争いの直接的な発端は、30バンチ事件によるスペースノイドの一方的な虐殺にあります。ティターンズが反政府運動を、罪のない市民を巻き込んでコロニーごと潰し、その情報を隠蔽して見せたことに、ティターンズへの危機感が強まり、反政府運動が反ティターンズ運動として先鋭化して形になったのが、エゥーゴという組織です。
 ただ、その後ティターンズが行ったのが「連邦軍全体をティターンズの指揮下に置く」という法案の可決であったことから考えると、そのティターンズに抵抗しようとしたエゥーゴの目的は「連邦軍内のティターンズの権益拡大の阻止」であったと考えられ、エゥーゴとティターンズの対立は連邦軍の主導権争いでもあったと考えられると、これまでも考察してきたことがあります。

 エゥーゴの中枢が月企業連合と月面グラナダ基地の連邦軍だったことを考えると、エゥーゴが望むのは政府や軍の中枢を月に移すこと(これはF91の時代には実現されている!)であり、ティターンズはそうではなくアースノイドによる地球中心の体制堅持が目的であったことから、1年戦争後における、地球と月の主導権争いであったと考察したこともあります。

 それらに加え、ティターンズとエゥーゴの争いには「ガンダム受注競争」という側面があったと考えることができます。アナハイムは、エゥーゴ向けにガンダムを開発した技術をスピンオフし、SガンダムやZプラスを連邦軍に配備しています。その後、リ・ガズィやνガンダムを開発していることから、アナハイムはエゥーゴ向けに培った技術で連邦向けガンダムを開発し、見事制式な連邦仕様のガンダムを受注したという流れができたと言えます。
 一方のティターンズも、ガンダムMk-IIを開発し、それと各TRシリーズの技術を合わせたTR-S、TR-6を開発し、プリムローズとウーンドウォートを中心とした新たな兵器体系を構築しようとしていました。特に実戦向きのハイゼンスレイIIがSガンダムに近い特性を持っていたことから、ハイゼンスレイとSガンダムは事実上の競作関係にあったとも言え、連邦正規軍の次のガンダム=次期主力MSのベースとなり得る素体の開発競争を行っていたと言えます。

 実際、ガンダム開発計画の頓挫以降、連邦軍が正規の予算で制式仕様のガンダムを開発した形跡はありません。ニュータイプ研究所はガンダムを開発していましたが、決して量産向けの設計ではなく、次期主力MSを開発するという意図ではなかったように思います。ただ、ガンダムMk-Vは実戦向けのガンダムに仕上がっており、エイノー艦隊が裏切らなければMk-Vベースの量産機(つまりドーベンウルフやシルヴァ・バレトに近い)が開発された可能性はあったので、Mk-Vが次期ガンダムの候補であった可能性はあります。これもSガンダムのライバル機でしたね。
 このように考えると、グリプス戦役の後半に、連邦正規軍は何らかのガンダム・コンペを行おうとしていた可能性があります。ティターンズはそのためにハイゼンスレイIIを用意したものの、エゥーゴとの戦闘で実機を喪失。ニュータイプ研究所は成果としてMk-Vを用意したものの、配備した艦隊が丸ごと叛乱を起こしてしまい、アナハイムが用意したSガンダムがその叛乱の鎮圧に活躍、見事連邦軍内での地位を盤石のものにしたと言えます。これがすべてアナハイムの目論見通りと言うのはさすがに陰謀論すぎますが、この0088年頃にガンダムの開発を行う予定が決まっていて、それに向かってティターンズもアナハイムもニュータイプ研究所も動いていたとなると、グリプス戦役がまた違った視点で見えてきます。

 ガンダム開発計画が頓挫したあと、連邦軍はガンダムを開発する計画をアナハイム一社に委託した体制を見直し、いくつかの組織にガンダムを競作させる方針に変更した、というのは十分ありうる話です。そのコンペ実施時期が0083年から5年後を目途とあらかじめ決められていたとすればどうでしょうか。
 ティターンズはガンダムMk-IIやヘイズルを開発していました。デラーズ紛争の不祥事から、ここにアナハイムは締め出されています。ニュータイプ研究所はサイコガンダムやグリンブルスティなどのガンダムを開発していました。アナハイムも名誉挽回を狙って新しいガンダムを開発しようとしていたとします(零式試作機とか…?)。そこにクワトロがやってきてガンダリウムγをもたらし、他陣営に勝るガンダムを開発するチャンスを得ます。
 これだけなら、ただの技術競争なのですが、ここでティターンズに対抗したエゥーゴという組織が生まれ、軍事衝突の可能性が生じたことで、構図がやや変わります。アナハイムがエゥーゴを支援することで行われたのが、「リック・ディアスを用いたガンダムMk-IIの奪取」でした。これは、アナハイムによるティターンズへのガンダム開発妨害の行為であったと言えます。それどころかアナハイムはMk-IIの技術を盗み、Zガンダムという更に強力なガンダムの開発に成功します。一方ティターンズはMk-IIベースのガンダム開発をあきらめ、プリムローズとドラムフレームを使用したTR-6の開発を進めます。しかし開発は遅れ、エゥーゴとの最終決戦には間に合いませんでした。ニュータイプ研究所は、ガンダムMk-IIを失ったティターンズにより接収されてしまい、その成果はティターンズのものになってしまいます。ただオーガスタ研究所などはエゥーゴとの接点も持っていたためか、ガンダムMk-IIIの供与を受けてMk-IV、Mk-Vの開発に成功しました。ただそれもエイノーの叛乱後、その技術がアクシズに流出し、まわりまわってアナハイムがその技術を入手していました。

 このように見ると、グリプス戦役以降の戦乱は、まるでアナハイム自身がガンダムコンペで勝つために巻き起こされたようにさえ思えてしまいます。連邦軍で突出しようとするティターンズにより生まれた反感を利用し、アナハイムがしたたかに立ち回ったとも言えます。むしろそうでもしないと、アナハイムには勝ち目がなかったとも言えます。ガンダム開発計画後、アナハイムは連邦軍内での立場をほぼ完全に失ってしまったので、いくら良いものを作ったとしても採用される確率は非常に低いと思われるからです。その空気を変えるために、反政府組織を使って新たな戦乱を起こしたのかもしれません。
 とはいえ、エゥーゴが軍事組織となり得たのは、クワトロ=シャアがもたらしたガンダリウムγがあったからです。これによりアナハイムが開発力を得たのと同時に、シャアがクワトロとして連邦軍の軍籍を手に入れたことにより、エゥーゴに連邦軍人が参加するようになったとも言えます。もちろん指導者はブレックスですが、元々ブレックスがもつ人脈がすべてなのではなく、クワトロがグラナダ基地所属の軍人となったことで得たコネクションが生かされているのではないかと思うのです。もっと言ってしまえば、「クワトロがグラナダ基地を事実上乗っ取った」ことでエゥーゴが生まれたと言っても過言ではないのではないか…とさえ思います。ブレックスはその経歴と思想が買われ、クワトロに代わり代表を務めていただけなのではないでしょうか。つまりエゥーゴは、メラニーとシャアが結託した後にブレックスが合流した組織なのではないか、とさえ言えるのです。
 連邦軍に敗れ、ジオン残党にも馴染めなかったシャアが、次期主力機受注競争が行われティターンズが軍を乗っ取ろうとしている情勢を利用し、アクシズから持ち出した技術で得たメラニーとの関係を最大限に生かして立ち回ろうとしていたのだと考えると、Zガンダムの物語は原題通り「逆襲のシャア」であったのかもしれません。
 実際、劇場版「逆襲のシャア」はアナハイムの協力を得て戦力を用意し、その軍勢で隕石落としをやってのけています。取った行動が隕石落としかティターンズへの攻撃かの違いだけで、シャアのやってることはエゥーゴでもネオジオンでもあまり変わっていないのです。

 グリプス戦役はスペースノイドとアースノイドの政治的な対立という側面がありますが、それだけでなくティターンズとその権益を良く思わない層の対立、そして次期ガンダムをどの陣営が開発するかの競争でもあったと考えられるというのが、今回の考察です。そこには「連邦軍を自由にコントロールして戦争を継続させたいジャミトフ」と「戦争に乗じて自社の立場を回復したいメラニー」がいたのですが、そこにガンダリウムγをもって表向き上はアクシズ帰還の地ならしをするために地球圏に戻ってきたシャアが加わり、トリガーになって紛争が始まった、とも言えます。ただそのシャアに、この時点では明確な野望がなかったので、彼が全面的に矢面に立つことはありませんでした。本人は、ブレックスの理想に乗じてスペースノイドの権利拡大を望んでいたのかもしれませんが、結局連邦軍同士、軍需産業同士の対立がベースでグリプス戦役自体に理想と大義がなかったのが要因なのかもしれません。

 このように考えるとまたZガンダムの世界観の見方が変わりますが、そこで本当に連邦軍はこの頃ガンダムを欲していたのか、という疑問が生じます。この点は推測でしかなく既存作品に根拠がありません。この、グリプス戦役時代に連邦軍が求めていた次期主力機については、今後改めて考察してみたいと思います。
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テーマ:機動戦士ガンダムシリーズ - ジャンル:アニメ・コミック

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