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ガンダムネタだけを語るブログです。
ザクキャノンは何故新規開発だったのか
 MS-06Kザクキャノンは、初代MSVにおけるザクバリエーションの中でも、かなりザクの原型を留めていないデザインになっています。頭は完全新規、胴体は胸部にインテークが開けられパイプの接続位置も変更、ランドセルはキャノンパック、腕はグフっぽい外見でシールドとスパイクアーマーも新規デザイン、脚部は角柱型の太腿にプロトタイプドムのようなインテークと、ぶっちゃけ元のMS-06と共通のパーツは外観上一つもありません。ほとんどジオン製陸戦用新型MSです。
ザクとザクキャノン

 そんな外見なので、MS-06DやMS-06R-1Aがそれなりの生産数であるという設定だったのに対し、このMS-06Kは当時「試作9機のみ」という設定でした。要するに完全に試作型だったんですね。
 それにしても、ゲルググへの過渡期であったMS-06R-3ならまだしも、この地上用であるザクキャノンは何故こんなにも外見がフルモデルチェンジされていたのでしょうか。単なる支援機であれば、それこそキャノンパックを装備しただけのザクハーフキャノンで良かったはずです。それだけでは済まない理由があったのかどうか、考えてみました。

 そのヒントになるのが、旧1/100キットインストの文章です。ここには、現在あまり広まっていない(と言ってもちゃんとMGのインストには再掲されているのですが)記述が多く書いてあり、ザクキャノンというMSがどのようなMSであったのか、多面的に見ることができます。

 対空砲装備型のザクとして開発されたはずの本機は、当初MS-06J(地上戦用MS-06)にオプションとして対空砲ユニットを換装する予定で開発がすすめられていたモビルスーツである。

 これはMS-06J-12を指す記述ですが、同時にザクハーフキャノンもほぼ同じようなものと言えます。当初J型のバリエーション機として計画されていたものが、最終的にその通りの形で完成した事になり、間にMS-06K試作機を挟んでいるのは回り道のように思えます。この記述には続きがあります。

 しかし対モビルスーツ戦用の火器として満足のゆく装備でなかったため、順延されていた計画の内容は、中途変更を経て地上戦用の中距離支援型へと生まれかわった。モビルスーツ兵器主体による占拠区の拡大における対空防御から、RX-77の出現により大幅な使用目的の変更を余儀なくされたのであった。

 つまり対空砲から中距離支援機へのコンセプト変更が行われたということになります。簡単に言えば、空の敵に向かって撃つか地上正面の敵に向かって撃つかという違いでしょうか。しかし、このためだけに本体をフルモデルチェンジする必要性は、あまり感じられません。実際、ザクハーフキャノンは対空用ではないわけですし。
 ヒントは、「中途変更を経て」という言葉です。つまり、J-12型と完成したK型の間に、別のプランが存在したことを示唆しています。ここに、フルモデルチェンジの理由を見出せないでしょうか。何か「中距離支援」でも「対空用」でもないプランはないだろうか…

 同機はジェネレーターを改良してビーム砲装備型も検討されたが、基本設計の枠内での改修に限界があったため、量産化もされぬまま終戦を迎えた。

 こ れ だ

 ビーム砲装備。MS-06ではビーム兵器のドライブは「できません」。唯一使用可能なのがジェネレーターを換装したR-2P型です(R-3型はほぼゲルググなので使えて当然として)。しかしMS-06Kのほぼザクの原型を留めない改良であれば、ビーム兵器くらいなんとかなりそうに見えます。実際は「ジェネレーターの改良」が必要な上「基本設計の枠内での改修に限界」ということから、やはりザクベースでは無理ということだったのでしょうが、ビーム兵器の搭載にチャレンジした名残ということであれば、その外観の違いにも説得力が生まれます。

 しかし、ビーム兵器を地上用のザクに搭載するメリットはあったのでしょうか?地球上ではビームは減衰しますし、宇宙で携帯用ビーム兵器の開発に注力しているはずの状況で、あえて地上でも別個にビーム兵器を搭載したザクを開発する必然があったとは、どうにも考えにくいものがあります。というかそれができるならドムキャノンがビーム砲搭載してそうです。
 あえてビーム砲のメリットを挙げるのであれば、それはビームは「重力の影響を受けない」ということです。実弾はどうしても重力の影響を受け、弾を斜め上に飛ばせば放物線を描いて地上に落ちます。しかしビームならまっすぐ上に飛ぶので、対空砲としてはこちらの方が使いやすいようにも思えます。問題は大気での減衰によりどのくらいの射程距離が限界なのかということですが、これは設定がないためどうとでも解釈できてしまいます。実際にはペーパープランに終わっているわけですから、検討した可能性は十分ありますね。

 つまりこういうことです。当初、MS-06Jに対空迎撃能力を持たせるため、キャノン砲を搭載したJ-12型が考案されたものの、さらなる対空能力の強化のため、ビーム砲搭載型の開発が検討された。そのため本体をフル改造し大きく外観が変わったK型が開発されたが、連邦軍のMSの存在が明らかになり、携帯用ビーム兵器の搭載が確認されたため、固定式のビームキャノンはプランから外され、急遽実体弾装備の中距離支援機として再調整する事になった。元々開発中だったビーム兵器搭載前提の試作機を流用したが、実体弾装備であればそこまでの仕様変更は少ないため、量産モデルはほぼMS-06Jと大差ない仕様が検討され、結局J型にキャノンパックを搭載するだけで問題ないという結論に達した。

 なおこんな記述もあります。

 また特殊タイプとしては、Jタイプ用ランドセルに換装したノーマルオペレーションテストも行なわれている。脚部に07タイプ推進システムを応用していた事もあり、標準兵装装備状態での機動性テストの結果は好成績を残している。但しコストの差から、単なるキャノン砲パックの換装によるデータ収集としてのみこのテストを行なっていた様である。

 せっかく作ったんだから陸戦強化型としてキャノン砲を取り外したプランも検討されたということなのかなと思います。ただコストに見合わないと判断されたと。なんかイフリートとか作るよりはこっちの方が安上がりのような気がしますが、まぁ陸戦ザクの新型機なんて作ってる余裕なかったんでしょうね。陸戦カスタムならMS-06Gで十分だったでしょうし。

 いずれにせよ、MS-06Kの外観の特異性を「ビーム兵器搭載のためのカスタマイズ」だったとすれば、この機体の胴体がハイザックに似ているのも「ビーム兵器対応のため手っ取り早かったから構造を参考にした」という事にできそうですし、ある程度納得することができます。ビーム兵器を搭載したザクというならR-3型やアクトザクもあるじゃないかという気もしますが、どちらも試作機で量産段階にはありませんし、量産前提のMS-06Kベースの方がラインを敷きやすかったんじゃないかと。
 というわけで、MS-06Kの前にYMS-06Kザクキャノン・ビームキャノン試験型なんてバリエーションを提案したいと思います。きっとゲルググキャノンのように水陸両用機の技術を転用したタイプだったんですよ。

 ちなみにこのMS-06K、腕はグフっぽいし脚もグフ系の推進システムを使用しているという記述から、個人的にはMS-07C-5の手足を流用しているんじゃないかという気がしています。ザクキャノンの脚部って形状はプロトタイプドムに似ていて、ただ細いので、ドム系を細くした脚となると07C-5に近いのかなと思うからです。実はグフのビーム兵器試験型と計画が統合されたりしたのかもしれません。
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コメント
「ビームキャノン搭載」といえば、ゲルググキャノンが連想されますが
キャノンパックについては、以前ルロイさんが気にしておられたようにザクキャノンの頃から計画や試作はしていたのかもしれませんね

ttp://vsbrf91.blog6.fc2.com/blog-entry-563.html

個人的にはMSVの頃から設定だけはある「組み立て中の122機分のキャノンパック」がというのが配備されてないのに数が多すぎるように感じて気になっていたのですが
ザクキャノン(ビームキャノン搭載機)の頃に計画していた制作ラインを急いで準備してパーツの生産を行ったと考えればうまく説明することができるかもしれませんね

もっとも、キャノンパックのラインは準備できていたけど、あくまで軍上層は「ビームライフル装備」を最優先していたために生産を止められていたとか
ビームライフルはおろか、ゲルググ本体の配備が遅れ気味なので、配備のめどが立たないけど泥縄的にキャノンパック
の生産を始めていたとか、いろいろ考える材料が増えて興味深いです
2018/06/15 (金) 22:12:25 | URL | もけけ #B51dHJiU[ 編集 ]
陸戦用モビルスーツを作る時に出されたアイデアで、
グフやドムに使われなかった案をぶち込んだので、
ザクに似てない機体になったのでしょうか。
2018/06/16 (土) 08:29:31 | URL | #-[ 編集 ]
対空用MSをビーム砲搭載にする必要性
単純に戦闘機や爆撃機に対する対空砲として使うなら、直撃しないと意味がない上にオーバーキルと思われるビームより、炸裂して加害範囲の大きい実弾の方が使いやすいでしょう。

宇宙世紀の世界でビーム(メガ粒子砲)の利点は威力です。
ガンダムが地上戦を戦った時にビームライフルが距離による減衰で困ったという場面は無かったので、ミノフスキー粒子下の通常の交戦距離であれば大気による減衰は無視できるほど小さい筈です。
それで、ガンダムのビームライフルと同程度の威力があれば、ガウを落とせます!

ザクキャノンの仮想敵は「連邦版ガウ」だったとしたら?
ダブデとビッグトレーのように、ガウに対応する連邦軍の攻撃空母が開発されたら、対空メガ粒子砲台のような固定砲台の無い場所でそれを迎撃するのは労力が要ります。
それを解決するのが、機動力のある対空ビーム砲を備えたMSです!

しかし連邦版ガウは結局現れず、空中を航行可能な重装甲艦はホワイトベース(ペガサス級)のみ。
対して連邦軍はMS戦力を着々と整えつつあったので、いつ現れるかもわからない連邦版ガウへの備えより、直近の脅威である連邦軍のMSに対応するように仕様変更。
2018/06/17 (日) 16:36:37 | URL | ゴミ #ntAPeFmM[ 編集 ]
現代の対空戦
基本的に航空機は上から下に向かう回避行動をとるそうです。
下から上に向かう対空ミサイルの場合、すれ違ってしまえば例え誘導でも大きく弧を描いて減速してしまうので、対応にかなりの余裕が生まれるそうです。
更に言うとミサイルはさほど燃料に余裕があるわけではないので、上手くいくと振り切れるそうです。
あとフレア、チャフ等でミサイルをだます時にフレアの向こうに自分がいては意味がないという理由もあります。
航空機同士の場合は「雲に逃げる」「落下運動にさらに加速するほうが上昇するより速い」という理由でやはり下に向かうそうです。
なので「他の手段で航空機を攻撃して下がった所を対空砲で挟み撃ち」という戦術は今でも使うそうです。
ザクビームキャノン(仮)も同様の戦術を使えば減衰の問題は何とかなるかもしれません。
2018/06/18 (月) 22:06:15 | URL | DN #mQop/nM.[ 編集 ]
>同機はジェネレーターを改良してビーム砲装備型も検討された
メガ粒子砲一門を背負っているMSというと連邦のガンキャノンⅡを思い出しますね。
ザクキャノンはガンキャノンに影響されて開発されたそうですが、もしかしたら

連邦がガンキャノンを開発

→ジオンのメガ粒子砲型ザクの開発プランを察知(結局ボツになりましたが)

→それに対抗してメガ粒子砲型ガンキャノンの開発を始める(ガンキャノンⅡとして完成)
なんて流れがあったのかも・・・。
2018/06/23 (土) 10:28:14 | URL | ジム4 #-[ 編集 ]
>もけけさん
あー、確かにそんなことを考えたこともありましたねー。
その前提で考えると、ザクキャノンはMIP社製の試作実験機みたいな位置づけとみなすことができます。
07C-5はツィマッド製の実験機だったでしょうし、各社それぞれ陸戦型MSの実験機くらい開発していても良かったかもしれませんね。

>名無しさん
ザクベースの新型機のアイデアをかき集めたという可能性はあるかもしれませんね。
というか何らかの新型機の試作機だった可能性さえあります。

>ゴミさん
なるほど、そもそも大戦前半はジオンが制空権を確保していたので、あまり対空機が必要とされなかったという可能性はありますね。
思ったよりも電撃戦が成功したから、というのはあるかもしれません。思ったより広範囲を制圧できたせいでMSの移動距離が増えてド・ダイが必要になったりしましたし。

>DNさん
なるほど、連携前提ならビームの減衰も気にする必要がないということですね。やはり連携するのはドップ編隊とかですかねー。

>ジム4さん
確かにガンキャノンIIもビームキャノンですね。あれは支援用ではありましたが、反動がないのが利点だったりしましたし、ザクキャノンのビームキャノンも同じようなコンセプトだったのかもしれませんね。
2018/07/13 (金) 21:16:13 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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