がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ドロスは何故沈んだのか
 ア・バオア・クー戦においてジオン軍の戦線を支えていた空母ドロスは、ギレンが肩入れしていた描写が印象深いものでしたが、TV版ではあっけなく沈んでしまっています。劇場版では沈む描写はありませんでしたが、連邦軍に攻め込まれる展開が同じである以上、同様に沈んでいるものと思われます。
 しかし、後付けにより色々な部隊が参加した事になっているア・バオア・クー戦ですが、それでもそのドロスに絡む外伝は未だ存在していないようです。「Nフィールドはドロスだけで支えられそうだな」とギレンに言わせたそのドロスが、一体どのような過程を経て沈んだのか、少し考察してみたいと思います。


 まず、大きく分けてア・バオア・クーにはNフィールド(北側)とSフィールド(南側)の2つのエリアがありました。Eフィールドという東側のエリアもMS IGLOOにて登場していますが、あまり重要なエリアではなかったようです。西側のWフィールドの設定は存在していません。

 ア・バオア・クー戦において、連邦軍の作戦はNフィールドにソーラ・レイの被害を受けなかった第2・第3大隊を送り込み、次にSフィールドにホワイトベースを中核とした第1大隊残存部隊を突っ込ませてア・バオア・クーに取り付くというものでした。
 Nフィールドにはドロスを中核とした部隊が迎撃にあたり、Sフィールドに現れた部隊にはシャアのジオングを中心とした部隊が迎撃にあたるようキシリアが命じています。

 Nフィールドについては、「圧倒的ではないか、我が軍は」のギレンの名台詞をはじめ、「ドロスめ、よく支えてくれる」「ドロスの隊で支えきれそうだ」という台詞から、ギレンが戦局を見誤っていない限り、この時点までジオンが有利であったように思います。新たにSフィールドに現れた部隊にはシャアの部隊をあて、これで連邦軍の迎撃は可能だとキシリアは判断したことで、ギレンの殺害を決意したように描かれていたことからも、ジオンはこの時点では優勢だったと考えるべきでしょう。
 しかし、キシリアがギレンを殺害した直後に、突然ドロスは撃沈します。「Nフィールドはドロスの隊で支えきれそうだ」→「結構なことで」→「ふ、冗談はよせ」→「意外と兄上も甘いようで」→ドロス爆発と連続したシーンになっているため、ギレンがNフィールド側の勝利を確信した直後にドロスが沈んだことになります。この間に、一体何があったのでしょうか。

 ヒントは、ギレンが「ここを攻めるにはやはり数が少なすぎたようだな」と言っているところです。連邦軍の数が少ないとギレンが認識していて、それによりドロスの部隊で支えきれると判断したにも関わらず、その直後にドロスが沈んだということは、おそらく連邦軍の数がギレンの認識より多かったということなのではないかと思います。となると、おそらく連邦軍が最初にNフィールドに向けた戦力は第2・第3艦隊の全部隊ではなく、数を分けていたのではないかと考えられます。つまり、Nフィールド攻撃→Sフィールド攻撃→Nフィールド二次攻撃という3段構えの戦術を取っていたのではないか、ということです。
 ギレンもキシリアも、Sフィールドの部隊で連邦軍の持ち駒は使い切ったと判断してしまったのでしょう。しかし、実際はNフィールドにもう1部隊残していた、ということなのかなと思います。しかもギレンの死亡とドロスの撃沈がほぼ同時であったため、ドロス撃沈後の対応の指示が届かず、ジオン軍の戦線に大きな乱れが生じたとも言えそうです。
 つまりア・バオア・クー戦での敗因は、ジオン側が連邦軍のNフィールド二次攻撃を予測していなかったこと、なのかなと思います。そのせいで、キシリアはギレンを最悪のタイミングで殺害し、部隊全体を混乱に陥れてしまったとも言えます。

 一方で、0083での後付けとして、ドロス級の同型艦ドロワがSフィールド側に配備されていた事になりました。しかしこれも撃沈される描写から始まっており、ドロワを沈められたガトーが退避した先がデラーズの艦であったことになっています。このドロワは、Sフィールド側ということはホワイトベース側の部隊と交戦していたことになり、しかも普通に沈められた事になります。ただ、Sフィールドに連邦軍の部隊が確認された際、すぐにキシリアがシャアの部隊を向かわせているということは、ドロワはその後に配備されたか、あるいは当初から配備されていたがあまり警戒しておらず奇襲をうけるような形になったかのどちらかでしょう。
 Nフィールドにドロスが出撃していた以上、その反対側に同型のドロワが配置されることは理に適っており、だからこそそこにシャアの部隊を向かわせるだけでキシリアは勝てると判断したのではないかと読み取れます。だとすると、ドロワは当初からNフィールドに配置されていた可能性が高いのかなと思います。その割にギレンが気にしていなかったのは、ドロワは宇宙攻撃軍所属、つまりドズル配下の部隊の残存兵力の寄せ集めのような状態で、ドロスほど洗練された部隊にはなっていなかったからなのかもしれません。
 その上、ドロワの援軍という形になったはずのシャアは、防衛そっちのけでガンダムを探し出そうとする始末で、アムロはちゃんと自分の仕事をするためにジオングを無視してア・バオア・クーに向かっていたのに、それをジオングが追いかけていっちゃったものだから余計にSフィールドは劣勢になっちゃったんじゃないかと思います。キシリアがシャアを見誤ったとも言えますが。「赤い彗星も地に堕ちたな」と言っていましたが、まぁそもそもアムロしか見てませんでしたからねあの時のシャアは。

 つまるところ、ジオン軍は9割方キシリアのせいで負けたと言ってもいいんじゃないかなと思いますね。ギレンを殺したのもそうですが、シャアに任せすぎたこともです。ギレンが全軍指揮を取っていれば、Sフィールドの部隊にも、Nフィールドの二次攻撃にももう少し違う指示を与えていたんじゃないかと思います。少なくともドロスを簡単に沈めさせるようなことにはならなかったんじゃないかなぁと。
 ただ、ギレンも連邦軍の数を見誤っていたようなイメージはあります。ソーラ・レイでほとんど撃滅できたんじゃないかという気でいたのかなと。ちょっと連邦軍の物量を侮っていたのかもしれません。

 ちなみにこれは願望を込めた推測ですが、ドロスを沈めた後の連邦軍のNフィールド二次攻撃部隊は、ほとんど画面に映っていませんので、この辺にスナイパーカスタム系とかコマンドとか改とかの後付け軍団が混じってたんじゃないかなぁと思います。最後の本命部隊でしょうし。
 あと、ガンダム・ザ・ライドは最後ホワイトベース側から脱出しているので、Sフィールドにいるはずなんですが、そこでブランリヴァルに収容されたということは、ブランリヴァルはSフィールド側の部隊だったということになります。レビル艦隊の生き残りだったんですかねぇ。


 なお、劇場版においては本当に「ドロスが沈んでいなかった」という可能性もあります。実際描写がないわけですし。その場合、Nフィールドはずっと膠着状態のままで、Sフィールド側が攻め込んでア・バオア・クーに取り付いた連邦軍の勝利に終わったと解釈できます。まぁその方がホワイトベース側で決着が付いたことになるので物語としては綺麗ではあります。
 ある意味、ドロスは沈んだ場合と沈んでない場合が考えられるので、外伝では触れにくいということなのかもしれませんね。そういやIGLOOでは思いっきり沈んだ事になってましたが。いずれにせよあまりフォーカスされていないNフィールド側の詳細は不明のままなので、後付け系は大体Nフィールド側と考えた方が都合が良さそうです。
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コメント
コメント
お見事です!
 昨今の考察、ますます冴え渡っていますね。こう解釈するのが一番だな、と思うことがしばしばあります。今後の考察もまた期待しています。
2018/06/10 (日) 11:10:50 | URL | ポルノビッチ・エロポンスキー #-[ 編集 ]
アバオアクー攻略戦においてジオン側は連邦軍のパブリク隊突撃へミサイル迎撃で対処したとの記述があるので、
ジオン側はソロモン攻略戦での教訓を生かして戦ったようですが、ソロモン戦では連邦軍の第二連合艦隊の発見が遅れたことでソーラシステムの発射を許したことがジオン側にとっての致命打となったのでアバオアクーでは血眼になって連邦の予備戦力を捜したと自分は考えますが
それでも連邦のNフィールド第二波に気付かなかったということは連邦側はそれだけ気合を入れて隠すほど作戦の成功をNフィールド第二波に賭けていたのでしょうね。
2018/06/12 (火) 13:05:38 | URL | ジム4 #-[ 編集 ]
>ポルノビッチ・エロポンスキーさん
ありがとうございます。今回のはたまたまCATVでファーストやってたのを見たら思いついた考察でした。やっぱり定期的に映像を見たほうがいいですね。

>ジム4さん
むしろSフィールドの部隊を察知して二次攻撃は察知したとジオン側が思ってしまったのかもしれません。
少なくとも、ギレンは全くもってNフィールド側が余力を残しているとは思っていなそうでしたから、その程度だったんじゃないかと思います。
2018/06/15 (金) 20:56:25 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
戦況は錯綜しているので
ジオン側から見た時系列としては。
「連邦軍がNフィールド攻撃→Sフィールドの艦艇の半分をNフィールドへ抽出→ドロス隊前進→NフィールドおよびSフィールドに連邦軍の新たな部隊→シャアがSフィールドへ迎撃→Sフィールドはこのくらいの戦力なら支えられそう→Nフィールドはドロスの隊で支えきれそう→ギレン暗殺とほぼ同時にドロス隊が突破される」

「Nフィールド攻撃→Sフィールド攻撃→Nフィールド二次攻撃という3段構えの戦術」だけではなくて、ギレンの采配ミスは確かにあった説を主張したいです。
Nフィールド崩壊を招いたのはキシリアではなくてギレンの采配ミスで、キシリアの責任は続くギレン暗殺後の収集をつけられなかったこと。

理由は「さてドロス、うまくやれよ」と言う前の「空母ドロスは予定通りだ、もう少し待て。Sフィールドの艦艇の半分をNフィールドへまわせ」というセリフと、その後の「ドロスめ、よく支えてくれる。Nフィールドの全艦隊を前進させよ」というセリフです。
ギレンは戦力をNフィールドに集中させたうえで、「全艦隊を前進させよ」と命令しています。つまりNフィールドの予備隊も全部投入しろと言っています。

予備部隊は決勝点まで温存し、ここぞという時に投入すべきものですから、この時点で総攻撃命令を出しているギレンは今見えている連邦軍の部隊が全部で、予備部隊をぶつければNフィールドは勝利し、そうすればSフィールドも勝利すると読んだのでしょう。
そして、その読みは一時的には当たってNフィールドは安泰と思われました。ドロス隊の前進後に連邦軍の新たな部隊が来ても、ギレンが殺される直前まではNフィールドは維持されていました。
なのでNフィールドへの二次攻撃までは、ジオン軍はまだ優勢か、悪くても互角だった筈です。
反面、半分の戦力を抽出されたSフィールドの守備はかなりギリギリだったと思われます。シャアの部隊はSフィールドの防衛力の穴を埋める数少ない遊撃隊だったのでしょう。
思惑としては、十字砲火の厚いSフィールドは守勢に回って時間を稼ぎ、その間にNフィールドの決着をつけて、Nフィールドで勝利した部隊とSフィールドの部隊で残りの連邦軍を挟み撃ちにする、といったところでしょうか。

しかし実は連邦軍はNフィールド(またはNとSの両方に投入可能な位置)にまだ十分な数の予備部隊を残していた(ここで言えば三次攻撃の手持ちがあった)ので、手持ちを使い切ってしまったジオン軍はそれに対応できず、勝てると思われたNフィールドが突破され、Nフィールドの勝利を当てにしていたSフィールドも突破された。
というのがTV版の戦況推移ではないかと考えます。

そもそも「第2大隊と第3大隊がNポイントから進攻します。我々はルザルを旗艦として残存艦艇をまとめてSポイントから進みます」という台詞からは、ホワイトベース含むルザル隊が第1大隊であるかどうかもわかりません。
Nフィールドを攻めた第2、第3大隊を一次攻撃隊と二次攻撃隊に分けたのか、それとは別に第4、第5大隊などが居たのか分かりません。
例えば「(主力部隊の)第2大隊と第3大隊が(第1大隊を決戦予備として)Nポイントから進攻します。我々はルザルを旗艦として残存艦艇をまとめて(第4大隊として)Sポイントから進みます」という意味にも、解釈可能かと。

ソーラレイ発射時の「敵のレビル艦隊の主力は3つの隊に分かれてはいるものの~」というギレンのセリフは、これがそれぞれ連邦軍の第1、第2、第3大隊であるという事と対応しないでしょう。
戦場に到着するまでに部隊を大きく三分割していたというだけの話で、普通なら戦場に到着する前に部隊を再編成して戦闘陣形に移行する筈なので、ア・バオア・クーを攻めた連邦軍の部隊は全部で10個大隊あったとかでも全然矛盾はしない筈です。

ドロス沈没時点でキシリアがギレンを暗殺せずにギレンが存命であったとしても、それでジオン軍が持ちこたえられたかは疑問です。
というのもギレンは大衆扇動には長けていても、純軍事的な作戦指導について特別に優れているような描写もなければ設定もありません。
ギレン以外のザビ家の面々もそうですが、本来は精神的支柱としてそこに居ればいいだけなのに作戦の事細かに口出しして現場の足を引っ張ってるようにしか見えない場面が(ガルマだけに限らず)多いです。


ここからは憶測が強いです。

> ジオン側が連邦軍のNフィールド二次攻撃を予測していなかったこと

さすがに最前線の現場も要塞司令部(軍事面でギレンをサポートする実質的な司令官と参謀)も予測はしていたと思うんですよ。
連邦軍は直前のソロモン戦で、ホワイトベース含むワッケイン隊が一次攻撃隊として先鋒を務め、ソーラシステム照射後に本命のティアンム隊が突入してますから、ア・バオア・クーでもそういう二段構えの戦い方をすると考えるのは何も不思議ではありません。
それに一般論として会戦で最初から戦力の全部を突入させるなんて事は普通しませんし、古来より戦局を決めてきたのは精鋭の予備隊の突入タイミングですから。

しかし事前の索敵などからソーラレイ発射後の連邦軍の戦力はこれくらいで、それがNフィールドとSフィールドにこれくらいずつ居るから、そうするともう連邦軍の残り戦力は無いという判断だったのでしょう。
ア・バオア・クー司令部はソロモンから出撃した連邦艦隊の規模と、ソーラレイで与えた損害を正確に把握できていなかったと思われます。
ソーラレイの戦果を実際よりかなり多く見積もってしまえば、それだけ連邦軍の残存戦力は少なくなる筈ですから。

連邦軍艦隊の隠れる場所については、ソロモン宙域もそうですが「要塞がある場所=ラグランジュ点」であり「ラグランジュ点≒コロニーや要塞の部品などが漂う暗礁宙域」で「ミノフスキー粒子のせいでかなり接近して目視しないと本物か偽物か判別がつかない」なのがガンダム世界なので、障害物の多い航路を選べば幾らかの戦力は隠し通せたでしょう。
というか連邦軍としてはソーラレイが一度しか使えないなんて知りませんから、それの第二射を警戒するなら、可能な限り部隊を分散させ、地形の影に隠しながら進ませると思うんですよ。それで一旦乱戦に持ち込めば、ジオン軍が味方ごと消し飛ばさない限りは安全になります。

連邦軍はソーラレイによって実際に大ダメージを受けたという状況を逆手にとってジオン軍を罠にかけたとも考えられますが。
実際のところはそんな巧妙な話ではなくて、生き残ったうちの虎の子部隊をなるべく隠蔽しつつ先鋒が乱戦に持ち込んだところ、タイミングよくドロス隊が突っ込んできたから良い位置に居た連邦軍部隊が襲撃した、みたいな真相を知るとあんまり格好良くない戦況だったかもしれません。
2018/06/17 (日) 16:34:50 | URL | ゴミ #ntAPeFmM[ 編集 ]
なるほど、そういえば確かにSフィールドから部隊を回している台詞がありましたね。
つまるところ単純に物量で負けていて、その物量の実数を見誤ったのがジオンということになりますかね。
ギレンがドロスにすごく期待をかけていたのはよく伝わるので、その辺のバックボーンがわかるとギレンの評価をもう少し正確にできるような気がします。

個人的には、第4大隊以降がいる可能性はあるとして、第1大隊はソーラ・レイの直撃を受けた部隊かなと思っていました。レビルの旗艦がいる部隊なわけですし。

ある意味では、ソーラ・レイの照準合わせを「グレートデギンとルザルをまとめて消し飛ばせるタイミング」に優先したことで、その後の観測がおざなりになってしまったという部分もあるかもしれませんね。
だとすると、やっぱりジオンの敗因はお家騒動と切って離せないいうことになりますが。
2018/07/13 (金) 21:24:40 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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