がんだまぁBlog
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デザイナーの言葉からバーザムをもう一度考察する
 月刊モデルグラフィックス2017年8月号は、バーザム特集ということで様々なバーザム作例が掲載されただけでなく、オリジナルデザイナーである岡本英郎氏のロングインタビューが掲載されており、本気でバーザムというMSのみに焦点を当てた素晴らしい特集でした。特にこの岡本氏のインタビューで明かされたデザイン当時の事情などは、個人的には大きなインパクトがあったと思っています。
 今回は、このモデグラ393号の岡本氏インタビューを元に、新たなバーザム考察の可能性を探ってみたいと思います。


○ザクに取って代わる新しいもの
 バーザムの最初のオーダーは、この言葉であったとインタビューでは語られています。おそらく、単純に「新しい敵量産機」という意味だったのだと思います。実際、バーザムのポジションはティターンズの新型量産機で、作中の後半に非変形・量産機で新たに登場したMSはこれだけでしたので、最初からそういう発注だったということなのでしょう。
 ということは、作中世界においても、バーザムが目指していたものはきっと「ザク系に代わる新たなスタンダード機」だったんだろうなと思います。ゼク・アインなども同様のポジションを目指していて、最終的に採用されたのはジェガンだったということになったということでしょうか。

○当時は、ともかく目立たなきゃいけなかった
 シルエットだけでどの機体かどうかわかる、というのが当時のデザイン採用の必須用件だったようです。確かにハンブラビやキュベレイ、バウンド・ドックにガザCなど、後半に登場するMSはシルエットが独特なものが多いです。確かに、たくさんMSが出てきても似たようなシルエットだと違いが分からず印象に残りませんから、これは作劇上の都合としては重要な要素だと思います。
 作中に当てはめると、素人=偉いけど専門知識がない人たちから予算や採用を勝ち取るには、分かりやすく従来のMSとは違う要素がないといけなかった、ということになるでしょうかね。その最も変化球を狙ったのがバーザムだったとか。

○脚が長いのは歩幅を広くしたかったから
 解説としてはやられたMSをまたぐのに楽、白兵戦で有利などとされていますが、さすがにこれは設定には組み込めないので(笑)、どちらかというと陸上での移動を重視しているという意味なのかなと思います。宇宙空間では脚部はなくてもいいくらいなわけですからね。そういう意味では、バーザムは陸戦重視だったと言えるのではないでしょうか。

○なんとか新しくしたいな、アピールしたいなと思った
 結局のところ、バーザムが異形である理由はここに尽きるのだろうなと思います。作中世界でも、次の主力機をどうするかはっきり決まっていない状態で、各拠点で複数のMSを開発していた時代ですから、主力の座を勝ち取るためにあえて尖った機体にしていた、という側面があったのではないかと思います。最初からそういう性能で量産するつもりがあるわけではなく、当時のRX/RMSナンバーはある意味コンペ用の試作機的な位置づけだったということなんじゃないかと。だからより現実的なバージムという量産検討機が登場したのかなぁとか思ったりもします。

○(バルカンポッドが後付けなのは)なんでだろう…思い出せないなあ。
 バーザムとMk-IIが関連付けられる(おそらく)最大の理由であった、バルカンポッドの仕様については、完全に謎のようです。もしかしたら岡本氏以外の手で後から追加されたという可能性もあるのでしょうか。

○(バウは)途中までやってて、出渕(裕)さんに渡して、出渕さんがフィニッシュしてるんです
 まさかのバウの元デザインは岡本氏。しかもバーザムの分離合体タイプとして描いたものがベースだったようです。確かに、ZZ初期に発表された新MSのうちRジャジャ・ドライセン・バウ・カプールあたりは初期デザインが先に発表され、その後デザインも名称も微妙に違う決定稿が作中に登場したという経緯がありましたが、バウは決定稿と初期デザインの差が少なかった印象があります。すでにいじられた後だったから変更の余地も少なかったのかもしれません。
 ただ、正直バーザム→バウは頭のトサカくらいにしか面影がなく、腕や脚も言われてみればこのパーツがこれかという推測はできますが、ゲッター線を浴びせてもここまでは変わらないだろうというレベルで変更されています。これならセンチネル版バーザムの方が原型をとどめているというか、むしろセンチネル版バーザムの胸部の微妙なZガンダムっぽさはバウと繋がっていたのかとか妙な合点がいってしまったりするのでした。
 さすがにバーザムとバウを作中設定で関連付けるのは難しいと思っています。ただエゥーゴ版バーザムであるバージムがあるなら、ネオジオン版バーザムみたいなのが同様にあって、それが実質プロトバウだったと妄想することはできる…かもしれません。

○サーフボードみたいなのに乗っかって戦う構想があった
 どうもバーザムには専用のSFS的なものが想定されていたようです。背部に装着して、手足がもげてもすぐ換装できる特攻機のようなもので、股間のアタッチメントもすぐエネルギーを補充できるように用意されたチューブ用のものであると解説されていました。ある意味ではドラッツェのような位置づけだったのかもしれません。ビームサーベルが腕に内蔵されていたり、ビームライフルが腕に装着できるのも、武器を装備する時間も惜しむという発想のようです。
 となると、バーザムの手足については、「容易に換装できる」「コスト重視で耐久性はあまり考慮していない」ために異形になっていると考えることもできるようです。既存のMSの手足とは発想が違うので、流用が効かないということでしょうか。ただAOZのTR-6がそうであるように、既存の手足も流用できるようにはなっていて、パーツがなくても他のMSのパーツで代用できるくらいには考えられていた可能性は十分ありますね。
 専用サーフボードについては、実質フルドドがそれだったとか考えたりできるかも。

○「ガ・キーン」が好きだった
 岡本氏は元々脚の長いロボットが好きだったようです。その代表がガ・キーンなのですが、ググればわかるんですがカラーリングがバーザムに似ていてちょっと笑ってしまいました。脚が長いのは白兵戦に有利だからというコメントもありましたが、要するに蹴りを想定していたようです。シャアが乗ったらキックしそうではありますね。

 ちなみにバーザムに関連した岡本氏のインタビューとしては、こちらの方も詳しいです。というかこっちが先ですね。実はZZガンダムの小林版初期稿→決定稿の間にも岡本氏が関わっていたことも触れられています。確かにZZのパーツ単位での箱っぽさは小林氏的なラインではなく、バーザムっぽ雰囲気があるかもしれません。あとZの時の新ガンダム案も提出していたらしく、ある意味ではそれがプロトバーザムというか、Mk-IIとバーザムを繋げる唯一の接点かもしれません(笑)



 さて、デザイナーの意図をどこまで設定考察に含めるかというのは難しいもので、実際にデザイナーの意図が設定に反映されている例もありますし、作中の設定と齟齬が生じている場合はどう扱うか、などもあります。ただ、バーザムについては付随する設定が少なすぎるので(笑)、個人的には生みの親の意図は組み込んだほうが深みを出せるんじゃないかと思います。
 というわけで、バーザムについての考察に「ザク(ハイザック系)に代わる主力機候補」「陸戦・白兵戦を考慮した長い足」「手足のコストを極端に落とした突撃機」という要素を含めてもう少し考えてみたいなと思います。もちろん、AOZ設定をそれに組み合わせるということです。あと、グリプス戦役時代の連邦軍のMS開発自体が、当時のMSデザインコンペのような状況にあった、ということも考察していく余地があるんじゃないかと思っています。
 こんなにも考察の可能性を広げてくれたこのインタビュー記事には感謝ですね。半年以上レスポンスが遅いですけど。
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