がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
M4シャーマンをヒントにRGM-79バリエーションを整理する
 以前、GMと米軍のM4中戦車の類似性について考察したことがありましたが、この際はM4中戦車風の設定にGMの設定をアレンジするという遊びを行っただけでした。
 今回は、より現実的にGMのバリエーションを、M4中戦車的な観点で整理してみようと思います。現実の軍需兵器にガンダムの設定を寄せるのではなく、ガンダムの現行設定の中で解釈したいという試みです。


 さて、相変わらず軍用兵器の知識はニワカなのであまりセンスのある考察は望めないのですが、M4中戦車のバリエーションが多彩な理由は、「技術不足」や「調達能力不足」により、間に合わせの設計や他機種の部品の流用などで必要なスペックを確保したタイプが複数あったことによると理解しています。
 これまでのガンダム設定では、GMのバリエーションの多さは「用途」や「スペックの高さ」による差異であると理解されることが多く、外観上(=デザイナー)の違いもせいぜい生産拠点の違いという程度にしか解釈されていませんでした。
 しかし実際のところは、所詮GMはGMであり、「スナイパー」などの特殊な名称と装備が与えられたタイプ以外は基本的にノーマルなGMでしかないはずで、そこに違いを求めるのであれば、「生産事情による差異」という観点が必要なのかなと考えました。この観点から、GMを考察してみたいと思います。

(1)ベーシックなGMの問題点
 一番ベーシックなRGM-79の特徴は、「胴体構造はほぼRX-78と同一(各種パーツのランクは一段落ちる)」「頭部はガンキャノンベースのカメラタイプ」という点であると言えます。一方で、ベースとなったRX-78は胴体にコアファイターを内蔵しており、分離して航空機として運用可能であったことから、その操縦系やエンジン系統は航空機系のものをベースにしていたと考えられます。
 最たる問題点は、「これが地球連邦軍における初めての量産型MSである」ということです。これまでMSを量産したことがないので、その生産システムは全くの新規であったはずです。他機種の流用などは困難でしょう。ジ・オリジンの世界ではガンタンクが早期から量産されたことになっていますが、これは戦車の延長であり、航空機系の設計がベースになっていると思われるGMとは関連性が薄いものと言えます。
 GMは「世界中のどこの生産工場でも作ったことがない」兵器なので、既存のラインというものは存在しません。本来であれば、まず本拠地たるジャブローで試験的にラインを稼動させ、ある程度のノウハウを蓄積した上でより量産に最適化したタイプを設計し、各地の拠点に分散して量産したいところです。実際、MSVの設定では初期生産型がジャブローで作られ、二次生産型は各拠点で生産されたことになっています。しかし、戦局は逼迫しており、一日も早くMSの頭数を揃えたいのが連邦軍の事情でした。そのため、おそらくはRX-78が完成した段階、正確に言えばガンダム4号機以降がプロトGMとして製造された時点で、その設計データは各拠点に共有され、それぞれの地域で独自に量産型の開発に踏み切って良かったのだと考えられます。これが、GMのバリエーション分散の始まりでしょう。

(2)陸戦型GM
 おそらく最も早く量産されたのが、RGM-79(G)陸戦型GMであったと思われます。このタイプは胴体にコアブロックシステムを搭載しておらず、構造もかなり異なっています。最初から地上での運用だけを想定して開発されており、もはや人型で最低限の規格が合っていてスペックが基準内であればかまわない、というレベルで設計されたものと思われます。だからこそ一番早く量産することができたのでしょう。
 同一設計の陸戦型ガンダムが陸軍省主導で開発されたということから、この機体についても同様であると思われ、RX-78の設計と一部部品を共有した陸軍が、空軍・宇宙軍の航空系ノウハウを使わずに開発したタイプであったというところになるのかなと思います。同じ地域に配備されていた量産型ガンタンクも、コアブロック=航空機系の部分を取り除いたタイプであったと言えます。間に合わせの設計かつ陸戦特化であることが、後継機を生んでいない理由でしょう。
 地上で早急にMSが必要になるという状況は限定的であるため(ジオンでさえMSの陸上移動手段にてこずったのに、専用の輸送機能も持っていない連邦軍では地上での運用メリットは少ない)、MG陸戦型ガンダムのインストで記載されていた通り、戦力としての早期配備よりも運用面のノウハウ収集のための早期配備といった側面の方が強かったのだろうと思います。そのために、フル稼働している宇宙軍・空軍系ラインではなく陸軍系のラインが使われたということではないでしょうか。

(3)ルナツー製初期型GM
 同時期に先行生産が行われていたと思われるのが、RGM-79(E)初期型GMです。MSは宇宙で運用するのが大前提の兵器であったため、本来であれば地上のジャブローより宇宙のルナツーで大量に生産すべき兵器です。しかし宇宙の大半をジオン軍に制圧された状況下で、ルナツーの生産能力では限界があるため、大量生産はジャブローに任せ、より宇宙空間に適した設計のデータ取得を行うことになったのだと思われます。そのために開発されたのが、その後C型となる設計のタイプだったのでしょう。
 これも陸戦型GM同様、データが届いた時点ですぐに開発が始まったことと、ルナツーはサイド7に運ばれたRX-78の改装等も行っているため、より具体的なデータが入っており、RX-78から進んだ次の設計を生み出せる土壌にあったと考えられます。サイド7での試験のデータもジャブローよりも先に得ていたと思われますから、そのより新しいRX-78のデータをもとに、次世代タイプのGMを一気に開発してしまおうというのがルナツーの目論見だったと言えます。実際、ジャブロー型のGMよりも高性能なRGM-79Cを生み出す土壌になっているわけですからね。
 部品に関しては調達の簡便性などを考慮せず、次のスタンダードとなる新しい設計で開発されているのではないかと思います。そのため量産に関しては一年戦争最末期以降となったのでしょう。そもそも宇宙でほぼ孤立しているルナツーには流用できる部品も少ないでしょうし。

(4)オーガスタ製GM
 一番材料が少ない出渕GMことオーガスタ系のGMですが、ここでは早期からいずれNT-1となる新型ガンダムの開発が始まっていたことになっていますから、ルナツーよりも更に新しい規格の開発が始まっていた拠点であったと言えます。ここも地域的には北米というジオンの勢力圏にあり、宇宙の孤島がルナツーなら地上の孤島はこのオーガスタであったと言え、ルナツーと情報だけ共有しながらC型よりも更に進んだタイプの開発を目指していたということになるのかなと思います。
 生産ライン的にもあまり多くなく、限定されたラインで複数機種開発していたから同じ系統の機種が同時期に多い、というところでしょうか。

(5)F型GM?
 謎が多いのがF型シリーズですね。陸戦用GM、デザートGM、装甲強化型GMと外観が異なる複数の機種が存在しています。基本的に現地改修による差異だと思うので、地上で優先的に生産されたタイプであるのは間違いなく、また配備地域からアフリカ・ヨーロッパ方面の部隊に配備されたタイプということになります。
 外観や、地上で運用されたという経緯から、一部陸戦型GMとのパーツ共有があったのかな?とも思います。標準型GMをベースに、可能な限り陸戦型GMの設計も取り入れた折衷機…というところでしょうか。
 おそらく、この機種はアフリカ反抗作戦への配備を中心に生産されたものと思われます。同様にD型GMは北米反抗作戦のために生産されたんじゃないかと思うのですが、こちらは手がかりが少なく推測の域を出ません。しかしF型の方は、アフリカ・中東方面で現地改修機が生まれるほど運用されてていたということから、まず間違いなくアフリカ反抗作戦には配備されていたと考えられます。こう考えると、GMの配備と大規模作戦は連動しているという推測が成り立ちます。

(6)GMの生産=拠点別やパーツ別ではなく、大規模反抗作戦別?
 F型がアフリカ反抗作戦用、D型が北米反抗作戦用と考えた場合、ノーマルGMは星一号作戦用と考えることができます。GM改はその後の主力でしたので、ジオン本土制圧用だった可能性もあります。ただそれはGMコマンドの役割であるとも考えられるため、ここは断定できません。陸戦型GMは、IGLOO2で運用されていたとおりオデッサ作戦を視野に入れていた可能性が考えられます。
 いずれにせよ、GMのバリエーションはある程度連邦軍の大規模作戦に連動していると考えることができるのです。M4中戦車とは少し離れてしまいますが、そもそもM4の場合ほぼアメリカという一国で生産されているので、生産工場やそれに伴うパーツの調達具合でバリエーションが分化したのに対し、地球連邦軍は各地域の拠点で別々に生産できるので、あまり部品調達の支障というものはなかったのかなと思います。

 まとめてみます。

○標準型GM
 ジャブローで開発された最もベーシックなタイプ。その大半が星一号作戦の艦隊に配備され、ソロモンやア・バオア・クーの戦闘に全面的に投入された。火力や機動力の不足から、スナイパーカスタムやライトアーマーといった改良機が開発された。

○陸戦型GM
 陸軍系のラインでいち早く生産された重力下特化型。早期の地上反抗作戦に備えて生産が開始され、オデッサ作戦に投入された。RX-78系の型落ち部品を使用したRX-79タイプも並行して生産されている。

○C型GM
 ルナツーで標準型GMの後継機として早くから開発されていた後期型。標準型の生産ラインは全てこのタイプに移行する予定だったと思われる。初期生産型は一部星一号作戦に投入されており、ジオン本土決戦が行われていれば投入されていた可能性は高い。

○D型GM
 オーガスタでC型GMを元に開発されたと思われる後期改良型。北米反抗作戦に合わせて生産され、その結果北極基地などにも配備されていたものと考えられる。

○F型GM
 アフリカ反抗作戦に合わせて生産されたと思われる後期改良型。ベース機は不明。終戦時にまだ制圧が完了していない、最も膠着した戦線であったためか、ヨーロッパや中東など各戦域で独自の現地改修を施した例が複数確認されている。

○G/GS型GM
 D型GMをより発展させたタイプ。D型がC型よりも作戦上の都合で早期に生産されたのに対し、G型やGS型は当初想定したとおりの改装を施した、C型よりも進んだタイプであったと考えられる。コロニー戦と空間戦に特化したタイプとして完成していることから、ジオン本土決戦を想定していた可能性も考えられる。

 GMの本格生産はUC0079年11月に入ってからなわけで、そのタイミングというのはまさに連邦軍が一大反攻に転じようとしていたタイミングなわけです。だとすれば、GMの配備は当然その反攻作戦が中心になるのが当然で、その1ヶ月後には終戦となったわけですから、ほぼGMは反攻作戦にしか配備されていないと言っても過言ではありません。
 そうであるならば、各バリエーションもそれぞれの反攻作戦に合わせて別々の工廠で並行して生産されたと考えるべきで、それゆえのバリエーション違いとするのがよりスマートな考え方なのではないかと思います。
 M4中戦車をきっかけにだいぶ違うところにたどり着きましたが、現実の軍用兵器の運用を着眼点にしたことでこの結論になったのかなとも思います。やはりガンダムは奥深い。
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コメント
コメント
おはようございます。

記事とは関係の無い話ですけど、
今売ってる、ジムスナイパーカスタムの玩具は、
マスクを取ったら、普通のジムの顔になるみたいです。

以前は、ジム砂カスの顔が素顔だと思っていたので、
量産しにくいだろうと、疑問に思ってましたけど、

マスクだと知ったら、
部品を足すだけなので、量産しやすくなったと思いました。
2017/09/22 (金) 06:23:58 | URL | #-[ 編集 ]
ガンペリーはMSの救世主?
欠陥品呼ばわりされているガンペリーはじつのところ戦略的に極めて重要な役割を担っていたのかもしれません。
谷間や複雑な地形に展開/回収できない、MSの足がやられて味方の拠点まで歩けない、敵MSや敵兵を生け捕りしたものの運ぶ手段がない、といったトラブルや要望があってもおかしくないわけで、これらは図体の大きいミデアではできないわけで、これだけたくさんの局地戦用のジムをつくったところでそれを現場まで運ばなければならないし、歩かせるだけでも人機ともに負担や消耗するわけなので…サブフライトシステムによる運用方法が構築されていなかった時代性を踏まえるとピストン輸送とはいえ非常に重宝されていそうです。

ほかにもナイトシーカーよろしく空中投下して強襲や強行補給、手持ち無沙汰になったらミサイル載せて爆撃(しかもグラブロやズゴックも倒せる威力!)、折りたためて狭い場所でも運用できるなど、ただの輸送機の割にはかなり現場/不正規運用な性格が強すぎたり、格納庫からでも撃てるという謎の仕様も現場の声が反映されたりしているのかもしれません。しかし同時に撃つと噴射の反動で吹き飛ばされる危険性も有しているのも、きちんと練り込みや設計せず作られた即席兵器らしいといえばらしいのですが。

ホワイトベースに積まれていたのも最悪ホワイトベースがやられたらそれでガンダムや生き残りを乗せて生き延びろよ?という脱出艇扱い…だったのでしょうか?
2017/09/26 (火) 00:52:44 | URL | オタマ・ジャクシー #wr80fq92[ 編集 ]
F型は何故「ベーシックなGM(以下素GM)」とは設計的に別系列であるかのように書かれているのでしょう?
陸戦「用」は欧州の戦場に合わせて増加装甲を中心に最適化した素GMのローカルモデル
デザートや装甲強化型はそのF型をベースにさらに環境や戦術に対応させた派生モデルでベースはあくまで素GMであり
「陸戦『型』の規格に合わせて規格的な系列まで変わっている」のような設定は無かった、と記憶しているのですが…
(設定文の引用ではなく考察で独自に辿り着いた結論でしたら申し訳ありません)

また、陸戦「型」は東南アジアでは欧州の戦場と違って必要性が薄かったのか終戦まで増加装甲を纏っていませんので
戦術の思想そのものが陸戦「型」と陸戦「用」では異なっていて運用思想的な後継機でもないと自分は考えています
F型系列も宇宙軍ではなく連邦陸軍が運用しているので運用の管轄的な後継機であるという点には同意しますが
2017/09/27 (水) 01:36:41 | URL | 名無し #wcX8p5eA[ 編集 ]
MSIGLOO2を見ていたところ気になったのですが、陸戦型ジムが基本型ジムのシールドを装備していたんです。08小隊でも、オデッサの敗残兵のザクが基本型ジムのシールドを鹵獲して運用したりしていましたよね。
IGLOO1でもルナツーから発進したジムの装備がジム・コマンドのマシンガンに似た物だったり、ゲーム作品では、WD隊の陸戦用にカスタマイズされた基本型ジムが陸戦型ガンダムと同じ100mmマシンガンやショートシールドを装備したりしています。
基本的にジムはビームサーベルを標準搭載していますが、各機体用に専用設計された武装以外は、連邦軍の共通企画として各拠点で並行して生産されているのではないでしょうか。補給の面から考えても、ビーム兵器と違い実弾兵器は共通企画が望ましいですし。
生産拠点別に独自の進化を遂げたジムも、装備だけは共用できるようにアップデートされているのかもしれませんね。ジオンの方が多様化しすぎているだけで、当たり前なのかもしれませんが。
まあ、違った武装の補給を受けても、60mm弾があれば頭部のバルカンは発射できますが(笑)
2017/09/29 (金) 03:58:12 | URL | hakugeki #-[ 編集 ]
泥沼の戦争の泥縄のRGM-79
陸戦型ガンダムの現地改修機Ez.8の元ネタが、M4中戦車のM4A3E8ですね。

M4中戦車については、共通規格に拘った為に性能を犠牲にした側面が多分にあります。
アメリカの技術力であれば、前線で何か問題が発生したり、性能向上要求が上げられてきたとき、それをすぐに反映する事も、やろうと思えば出来ました。
しかしをそれをすると、数百両ごとに大きく規格の違う戦車が生まれてしまい、現場が混乱する為、前線からの批判をあえて無視して黙々と同一規格の戦車を造り続けた経緯があります。

アメリカのM4中戦車という括りではなく、イギリスやソ連等に売却や貸与、譲渡されたアメリカ製兵器全般について考えれば、地域や戦場固有の環境に対応した現地改修、手に入る部品の差異による規格の違いはむしろ普通ですよね。
シャーマンファイアフライなど、某美少女戦車アニメで有名になりましたが、これは欧州のドイツ製の高性能戦車(重装甲のティーガーなど)に対抗する必要から、当時最高性能だった対戦車砲をM4中戦車に無理やり乗せたものです。
ファイアフライは17ポンド砲の戦車砲の威力こそ高かったものの、M4中戦車としてのバランスは犠牲になっており、普通のM4と比べて明らかに大きな砲塔からドイツ軍から目の敵にされています。

ファイアフライを見て、近いと思うのが陸戦型ジムベースのジムスナイパーです。
ジムスナイパーカスタムやジムスナイパーⅡのような、最初からバランスのとれたスナイパータイプとして開発されたとは思えないですよね。
不格好で、何か必要に迫られて無理矢理改造した感が凄いです。

どんな必要に迫られたかですが、一つは普通にジオン軍のMS。
数百メートル以内に接近されると困った事になるから、そうなる前に遠距離から一方的に決着を付けようという発想です。
連邦軍のMSがかなり初期からビームライフルなど強力な携帯ビーム兵器に拘っていたのもこの流れにあるでしょう。
逆に言えば、あのジムスナイパーは本当は小型のビームライフルを装備させたかったけれど技術が追い付かないから仕方なく、という可能性もあったかもしれません。

もう一つ考えられるのが、攻撃空母ガウ対策です。
劇中ではロケットブースターで加速中のケルゲレンを狙撃していましたから、高速で飛翔する艦艇を一撃で大破させる能力がある事になります。
ガウは、一般的な航空機と違い装甲を備えてかなりの耐久力があるので、既存の対空ミサイルでは迎撃が困難です。
そこで強力なスナイパーライフル(=対空メガ粒子砲)で、MSを投下されたり爆撃される前に撃ち落そうという発想です。


ジムシリーズ自体、そもそもザクを主力とするジオン軍MSへの対抗という明確な目的があって開発されたものですし、他のF型などのジムも「現場の必要に迫られて」という見方は出来ないでしょうか。
各地で計画的に開発生産されたというよりは、「RGM-79」という大まかな枠組みの中で現場ごとに泥縄式に開発生産したものだから、ザクに匹敵する程無駄にバリエーションが多くなったと。
つまり現場の要請をある程度却下して、規格の統一を優先したM4中戦車とは逆に、余程原形を留めない改造とか無茶な仕様要求でない限り、かなり現場の裁量に任せていたのでは?

というのも、M4中戦車が量産されていた時代は、現代ほどではないにしろ戦車というものはどうあるべきかが、ある程度具体的に分かっていた時期です。
第二次大戦期の戦車は、戦車設計の目指すべき正解は分かったけれど現実の技術が追い付かないから、やや歪な設計にならざるをえないという時期でした。
それと比べると、一年戦争中の連邦軍にとってはMSとはどうあるべきかという模索から始めているので、「正解が分かっているから、とにかくそれを量産すれば良い」とは言えません。
第一次大戦期や戦間期の戦車開発は各国で相当迷走しており、正解が明るみになった現代の目から理解に苦しむような戦車もありましたが、技術が低い上に正解を探っている時期なので仕方ないでしょう。
連邦軍の場合、MS開発の基礎技術はあったけれど、どういうMSを量産するのが正解なのかは分からなかったから、ガンダムのような実験機を作ってみたり、標準量産機とされたジムでも様々なサブタイプを作ってみたり、言わば迷走期だったのです。

例えば陸戦用ジムはレールキャノンという、同時代にも後の時代にも他に見られない特異な装備があります。
これですが、「重装甲の新型MS相手にマシンガンだと倒しきれない。バズーカだと当たらないし弾数が少ない。ビームライフルは技術的に装備できない」という現場からの要請で、新型戦車に搭載予定だった主砲を転用したとか、そういう経緯があったかもしれません。
威力と本体への負担の大きさがビームライフル(ビームスプレーガン)>レールキャノンであるという前提に立てばですが。

他にも、ジム系列のマシンガンは90mmだったり100mmだったり、しかもザクマシンガンの90mmと120mmのように明確に用途を絞った末に口径が違うとも思えない規格の不統一があったり、ビーム兵器だけでもビームスプレーガン、ビームライフル(後期型ジムで装備可能?)、ビームガン(ジムライトアーマー、ジムコマンド)、ビームスナイパーライフル(ジムスナイパーカスタム系列)など、雑多です。
なので各機種ごとに明確な開発目的とか、そういうものがあったというよりは、大戦争の混乱の中で精一杯やった結果、そうなっただけなのではないかと。
(現在では一年戦争を扱った映像作品だけでもTV版と劇場版、0080版、08小隊版に加えIGLOO版、ジ・オリジン版とサンダーボルト版が加わって、それにMSVがくっついて凄い事になってます。サンダーボルトに関しては公式側がパラレル設定と明言したから良いものの、他の扱いは依然として不明)

戦後、ジオンという敵が居なくなると、今度は全面戦争(総力戦)の危機が下がったせいで「全面戦争に特化した大量生産型MS」としてのジムに疑問符が付き、局地戦用MS(可変MS)とか高性能量産型MSとか別の迷走が始まり、これがようやく落ち着いて、主力兵器としてのMSとはこういうものだと納得が行く形で示されたのがようやくジェガン辺りだったのではないでしょうか。


> GMの生産=拠点別やパーツ別ではなく、大規模反抗作戦別?

大規模作戦とジムの開発が連動しているように見えるのは、新型MSが使えるなら使うという現場判断と、新型MS配備に作戦日時を合わせるという上層部判断があったでしょう。

第二次大戦で言えば、米英連合軍の対ドイツ反攻作戦のノルマンディー上陸作戦の日程について、欧州にM4戦車の数が揃うのはいつ頃だから、その時期にしましょうという例があります。
勿論、戦車だけの問題ではありませんが、戦車や戦闘機といった兵器なしには、幾ら後方に潤沢な補給物資を用意しようが攻勢作戦は取れませんから、主力兵器の集結具合は作戦の進捗を縛ります。
作戦に合わせて主力兵器を集結させるし、主力兵器が集結しないと作戦は始められないので、どちらが主とも従とも言えますが。

一年戦争で言えば、主力兵器となるのは当然MSですから、連邦軍の各方面の大規模反攻作戦に優先的にジムが投入されるのは、当たり前の事かと思います。

また本質的には作戦ごとよりは、相手ごとに新型を開発、という方が現実的だと思います。
初期(夏頃まで)のジオン地上軍の主力はザクとマゼラアタック、ドップあたりでした。
中期から後期(秋以降)のジオン地上軍のMS部隊ではグフやドムといったより強力な陸戦用MSが投入され、一部ではドダイYSとの連携も用いられ、水陸両用MSも投入されます。
末期には、極少数ではあるもののゲルググも地上に下ろされ、ザクは勿論グフやドム、水陸両用機のバリエーションも増えています。

ジオン軍が地球に奇襲降下してから膠着状態の間は、61式戦車やフライマンタなどの従来型兵器でも、地の利を生かして頑張れば、勝たないまでも負けない戦いが出来ていたでしょう。
しかしジオン軍が地上戦のノウハウを蓄積し、陸戦型MSや水陸両用MSを主力とするようになると、61式戦車とフライマンタだけでは防ぎきれず突破される危険性が以前より大きくなり、連邦軍の地上部隊も対抗上、地上用のジムの開発や投入に迫られるのは自然ではないでしょうか。
ジオン軍の部隊に普通のザクしか無くても、降下直後で不慣れだった頃より地上戦に慣れた後の脅威度は高くなりますから、今度は地上戦そのものには慣れているけれどMS戦に慣れていない連邦軍が不利になる恐れがあります。宇宙は最初からジオン軍の土俵です。
なので地上や宇宙で大規模な反攻作戦が有ろうが無かろうが、新型MSの開発は必要だし、量産も行われるでしょう。

オデッサ作戦のように、数に頼んで強引に攻め込めば勝つ事も可能でしたが、十分なMS部隊があれば出さずに済んだ筈の犠牲を多く払った筈です。
コロニー落としで人口が激減しているので、数千両の戦車よりも数百機のMSという時代に変化するしか道はありませんでした。

各生産拠点間での情報共有については、様々な方法が同時に行われたと考えられます。
2017/09/29 (金) 21:04:23 | URL | ゴミ #Kn05stJQ[ 編集 ]
>ジムスナイパーカスタムの素顔
昔のプラモからそういう仕様だったのですが、イラストから分かりにくいのと、スナイパーIIの仕様のせいで固定式だと勘違いされがちですね。

>オタマ・ジャクシーさん
ガンペリーは最初期のMSの空輸手段であったのは間違いないかなと思います。
ホワイトベースに積んであったのも実験のためでしょうね。
よりブラッシュアップされる前に終戦となりジオン系SFSが導入されたというところだと思います。

>名無しさん
M-MSV当時はノーマルGMの現地改修の扱いだったと思うのですが、F型の型番が与えられるようになった時点で別バリエーション機と扱う意図が公式サイドにあると理解しています。
なので現在ではF型の陸戦用・砂漠用・装甲強化タイプという分類と解釈すべきと考えています。

>hakugekさん
武装は基本全機共通だと思います。MSの一つの利点が「手」で好きに武器を持ち替えられることですし。
ジオン側もグリップのサイズ以外は基本共通のはずです。固定武装が増えて効率が悪くなっていますが。

>ゴミさん
何に対抗して開発されているか、という観点は確かに必要ですね。
D型が対ドム用と言われたりもしますし。現場で対○○用に間に合わせで改修することもあったでしょうし、当初からその対抗策を視野に入れて開発された新機種もあったでしょうし。
その観点での考察も今後もう少ししてみたいと思います。
2017/09/30 (土) 23:22:35 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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