がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
月初のガンダム以外の話「自営業とサラリーマンの隔絶」
 今月はちょっとシリアスな話。仕事をしていて思ったのですが、「毎日職場と家を行き来するだけのサラリーマン」と、「自宅(もしくは自分が所有・賃借している建物)で仕事を営んでいる自営業」では、住んでいる世界が全然違うようです。自分も親もサラリーマンでしたので、この違いには今の歳になってようやく気づきました。
 サラリーマンと自営業という分け方はやや大雑把なのですが、誰かに雇われているか、自分が経営しているかの違いと言ってもいいかもしれません。昔なら、労働者と経営者と言うのでしょうけど、今一般的に言うサラリーマンは、労働者と言うには仕事が複雑すぎますね。


 何が違うかというと、だいたい以下の通りです。

(サラリーマン)
・自宅と家が離れている
・勤務時間や休日は会社が決める
・会社の業務の一部分を仕事として行う
・給料と業績は必ずしも連動しない(昇進やボーナスを通じて影響)

(自営業)
・自宅と家はほぼイコール
・勤務時間や休日は自分で決める
・会社の業務の全てが自分の責任
・会社の業績の全てが自分の儲け

 まぁ、結局は仕事の主体が自分にあるかないかなんですが、この違い自体に問題があるのではなく、言いたいのは「昔は自営業の方が多かったが、今はサラリーマンの方が多いにも関わらず、社会は未だに自営業が多かった頃のシステムのまま動いている」ということです。
 どういうことかというと、例えば地方自治のシステムです。基本的には、国→都道府県→市町村というヒエラルキーがあるわけですが、本来は市町村の下に更に町会というのがあるんですよ。この町会組織があるから、市町村からの情報が一般家庭に届いていたんです。回覧板というシステムですね。戦争をやっていた頃も、この町会組織が色々な意味で統率力を発揮したと言われます。
 今は、都市部ほど町会的組織は機能していません。残ってはいるけど活動しているのはほとんどが高齢者で、「若い人が参加してくれないと困る」なんて話をよく聞きます。では何故若い人が参加しないのか、それは今その地域に住んでいる人に、昔からそこに住んでいる「地元民」がほとんどいないからです。一方で、これまでの町会活動を行ってきた人たちは、そのほとんどが昔からの知り合いです。仲のいい友達グループの中に、転校生が入っていくのは容易ではありません。それでも生きていくのに必要であれば参加せざるを得ませんが、今外から引っ越してきた人が町会に入るメリットはほとんどなくなってしまっています。ゴミ捨て場の管理や消防団など、システム的には町会組織が関わるものが残っていますが、一番重要な「市町村からの情報提供」は、インターネットの発達によってほぼ不要になってしまいました。
 何故、地元民が少なくなってしまったのか、それは、就職や結婚によって、実家から「職場に近い土地」に引っ越すのが当たり前になったからです。昔は家業を継ぐか、都会に働きに出るかの二択でしたが、企業の力が強まり、自営業が減ったこともあり、家を出て働きに出る若者の方が圧倒的に多くなりました。その結果、町会組織は根本から破壊されてしまったのです。
 しかし、町会組織が壊滅してしまっているのに、そのことは表立った問題として現れていません。それは何故かと言うと、町会組織は自営業を中心に作られているため、自営業が残っている地域には存続しているからです。加入率が下がったとはいえ、コアな部分は地元の大きな自営業の人たちで構成されているので、彼らが潰れない限りはなくならないのです。そしてコアな部分が残っているが故に、余計によそ者が入って行きづらい組織になっており、断絶が深くなっているのです。
 もう一つ、世代が進んだことによりその断絶は余計に深まっています。サラリーマンの子供は、親の仕事をほとんど知らずに育ちますし、親と違う企業に就職するのが普通であるため、親が職場で培った人脈を引き継ぐようなこともありません。しかし自営業の子供は、親の仕事を小さい頃からずっと見ており、親の仕事上の知り合いと会う機会も多く、仕事を継げば人脈も引き継ぐことになります。つまり、サラリーマンが世代を重ねるごとに人脈をリセットしているのに対し、自営業はずっと引き継いでいるのです。そのため、地元民との繋がりや愛着も、両者は世代を重ねるごとにどんどん隔絶していくのです。
 そして、自営業的な人脈の延長線上に、政治家がいます。サラリーマン世帯は、政治家と知り合う機会がほとんどないため、マスコミや選挙活動でしか政治家を知ることができません。しかし、元々政治家の多くは、自分の地元で何らかの活動をしていた人なので、地元民との繋がりがあります。その繋がりの多さが票となって現れ、当選して政治家になるわけです。そのため、現時点における日本の政治家というのは、あくまでも「自営業系地元組織の代表者」であって、そこにサラリーマンとの接点が存在しないのです。それでは、投票率は上がるはずもありません。現在の選挙の投票率の低さは、単純に自営業系の割合の低さ、つまりサラリーマンの割合の高さを反映しているだけなのではないでしょうか。

 また、いくらネットがあるとはいえ、市町村の自治体からの情報を定期的に収集しているサラリーマンなんてほとんどいないと思います。役所がやっている時間は仕事していますし、朝早く出て夜遅く帰ってくるため情報を仕入れている時間もありません。逆に言えば、市町村はこれらサラリーマン層に有効に情報を届ける手法を持っていません。電車や駅のモニターで流せばいいような気もしますが、あれに掲載するにはすさまじいお金がかかるので、掲載するのはほぼ大企業に限られています。
 つまり、国→都道府県→市町村→町会組織→一般家庭というルートが市町村と町会組織の間で破壊されたまま、何の対策もなく既存のシステムを続けてしまっているのが、今の日本の政治と行政なのです。そのせいで、政治家との接点も、役所との接点も、遠く離れたものになってしまっており、逆に言えば民意を反映しにくい仕組みになっているのです。これって結構由々しき問題なんじゃないかなぁと思うんですよね。たぶん、民意がなかなか届かないように感じるのは、与党政権が暴走しているからでも民主主義が守られていないからでもなく、この社会構造のせいなんじゃないかと思うんです。

 おそらく問題の根源は、これまでの国から町会組織のルートが「住んでいる土地」に依拠しているのに対し、企業は仕事に応じて柔軟に勤務地を変えてしまうことにあるのではないかと思います。大企業の総合職は地方に転勤するのが当たり前ですし、企業も大きくなるほど新しい地域に営業所や店を作ったりします。自営業であれば、「自分の土地=職場」だったものが、切り離されてしまっているのです。
 では、企業がもっと行政との接点を増やし、企業経由で行政の情報が流れるようにすればいいのでしょうか。すでに税や年金、社会保険などのシステムはある意味そうなっていますが、例えば夫婦が共働きであれば、どっちの企業で手続きすべきかなどの問題が発生しますし、中小企業をそのようなシステムに組み込むのは酷でしょうし、現実的ではありません。
 むしろ、短期的な解決にはなりませんが、企業がもう少し地域に根ざすべきなのかなと思います。転勤は原則としてしない、なるべく地方の営業所はその地方の住民を採用する、ということです。ただ、それを行うには、日本の企業はあまりにも東京に集まりすぎています。関東圏で大企業に就職しようとしたら、間違いなく都心に働きに出ることになります。しかし、実際のところ、本当に本社が東京になければならない企業というのは、あまりないのではないかと思います。国の官庁に関わる企業とその取引先(それがまぁ多いのですが)、それくらいしか本当に東京に社屋を構えなければならない企業はないんじゃないかなとさえ思います。ただでさえ、インターネットや物流網の発達によって地の利はあまり関係なくなっている時代なわけですしね。
 国も、都心への一極集中はやめさせようとしているので、流れとしてはいずれそうなっていくのかもしれませんが、東京オリンピックがあるので逆に東京の開発が進んでいるという実態もあり、本当にその動きが始まるのは東京オリンピック以降になりそうです。

 物理的にはそれで解決に向かうかもしれませんが、人の意識差というのは割と深刻で、自営業の社会感覚と、サラリーマンの社会感覚がかけ離れている上、日本の政治は自営業的な感覚をベースにしていることから、一般民衆との感覚的なズレが大きくなっていることが問題です。一般には、政治家と一般市民の格差は身分や財産的な格差によるものだというイメージを持たれていますが、実際には、政治家の支援者の根っこにいる地方の自営業者と、そこから社会的に隔離されているサラリーマン層の格差なのかなと思うのです。
 おそらく、もう少し会社員が脱サラして政治家になることへのハードルが下がるともう少し変わるのかなと思います。大企業の社長クラスでないと政治家になれないというのは、ちょっと違いますね。実際、若くして市長になったりして成果を挙げている政治家というのは、サラリーマンからの転身が多いイメージがあります。逆に政治家や地元の有力者の親族などだと、若くてもあんまりいいイメージはありません。
 「若くして脱サラ」と言うと大体は起業になる場合が多いですが、そこに政治家という選択肢が加わるべきなのかもしれません。多数派であるはずの人種の代弁者が不足しているというのが、今の日本の問題かなと思います。その代弁者は決して、民意と称して自分の政治思想ばかり主張する思想家ではないはずなのです。
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