がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ターンAとGレコの間の歴史を考える
 「Gのレコンギスタ」は、当初「∀ガンダム」よりも前の時代の話であるとアナウンスされていましたが、放映終了後に富野監督自身の言葉で、∀より500年くらい未来の話と明言されました。
 公式サイドと監督の言葉が真逆であったため戸惑いましたが、∀には元々続編の構想があったとされており、その後に作られた新作ガンダムであるGレコにその当時のアイデアが反映されている可能性は十分にあると思うので、個人的にはそれはそれでありだと思いました。
 ただそうは言っても、Gレコの作中に∀の時代の話は全く出てきません。出てくるのは「宇宙世紀」の話ばかりです。一体∀の時代とGレコの時代はどういう関係なのか、ファンらしく考察してみることにします。


 まず、単純に年表上の都合を考えます。∀の時代は正暦2345年でした。Gレコの時代はリギルドセンチュリー(R.C.)1014年です。仮にR.C.1014=正暦2845年くらいだとすると、R.C.元年は正暦1830年くらいということになります。この二つの暦の算定期間は重複していることになりますが、これはどう解釈したらいいでしょうか。
 確実に言えるのは、「暦は複数同時に存在し得る」ということと、「暦の制定はその暦の元年とは限らない」ということです。前者は、日本がまさに西暦と和暦を併用していることから説明する必要はないかと思います。後者は、そもそも西暦元年はキリストの生まれた年の翌年とされていますが、その頃に数え始められたわけではないということです。また、日本にも皇紀という年号がありますが、これは神武天皇の時代からの通算年号であり、当然その頃から存在した年号ではありません。
 つまり、正暦やR.C.という年号も、どこかのタイミングで後付けで設定されたものであると考えられます。だから、R.C.という年号が∀の物語の後に制定されていたとしてもおかしくありません。

 さて、そもそも正暦もR.C.も、どのような目的で誰が制定したのか不明です。ただ一つ言えるのは、正暦については「∀の月光蝶による旧文明埋葬」をターニングポイントにしているのかなと思います。ギンガナム艦隊は2500年間演習していたということになっていますし、そういうイメージで作られた設定なのだと思います。
 だとすると、R.C.はその後、∀ガンダムが再び目覚めるまでの間をターニングポイントにしていたことになります。なお、ディアナは作中の1000年前から生きているとされていることから、R.C.元年はディアナが生きている時代ということになります。こればっかりは∀の設定だけで判断するのは難しいので、一旦保留にします。

 次に∀とGレコの設定の間で解釈が難しいのは、キャピタル・タワーの存在です。Gレコ放映当時はキャピタル・タワーが運営開始したのがR.C.元年なのかなと思っていたのですが、それでは∀の時代にもキャピタル・タワーがあったことになります。それはさすがにあり得ないと言い切れます。
 ∀の時代には、旧世紀の軌道エレベーターの名残であるアデスカの木が登場しています。キャピタル・タワー自体が過去に存在したものを修復したものとされていたことから、アデスカの木を含む軌道エレベーターの残骸を改修したのがキャピタル・タワーであると考えるべきでしょう。となると、キャピタル・タワーの運営開始は最も古くて500年前くらいであったということになります。そうなると、R.C.元年がキャピタル・タワーの運営開始というわけではなさそうです。
 
 そのキャピタル・タワーが作られた目的は、フォトンバッテリーを地上に移送することでした。そして、そのフォトンバッテリー自体は、金星圏のビーナス・グロゥブで作られており、月のトワサンガを経由して送られています。このビーナス・グロゥブは非常に巨大であり、フォトン・バッテリーの製造技術も含めて実用化には多大な時間を要したと考えられるため、キャピタル・タワーの運営開始よりもずっと前から建造されていたものと思われます。
 だとすると、R.C.元年はフォトン・バッテリー技術の開発やビーナス・グロゥブの建造のスタートあたりをターニングポイントとして制定されたんじゃないかなと思います。そして制定されたのは、キャピタル・タワーとスコード教ができたタイミングでしょう。
 そう考えると、∀の時代にはすでに、フォトン・バッテリーの技術が開発されていたことになります。おそらく、当時金星圏に取り残されていた人たちが、人知れず研究を続けていたのではないでしょうか。∀の文明破壊後、人類は外宇宙に進出した者と、月に残った者と、地球に残った者がいたことになっていますが、金星圏に移住した人もいたのでしょう。

 ここまで考えると、∀とGレコの間にどのようなエピソードがあったのかがだんだん見えてきます。おそらく、∀の物語が終わった後、何らかの形でビーナス・グロゥブとムーンレィスの間で交流が発生したのでしょう。そしておそらく、フォトン・バッテリーの技術が月に渡り、代わりに開示された黒歴史の情報が金星に伝わり、両方が合わさって「ヘルメスの薔薇の設計図」、つまり黒歴史の技術とフォトン・バッテリーの技術を融合させた新技術の開発が行なわれたのではないかと思います。一方で、地球では黒歴史の技術がグエンを通じて広まり、アメリアとゴンドワナの間で戦争が始まったことになります。おそらくはゴンドワナはグエンが渡った国のなれの果てであり、アメリアはリリ・ボルジャーノのルーツであるイングレッサを中心としたアメリア大陸の国家だったのではないでしょうか。

 つまりまとめるとこんな感じです。

・∀の最終回後、フォトン・バッテリーを完成させたビーナス・グロゥブとムーンレィスの間で交流が発生する
・地球の軌道エレベーターを修復し、フォトン・バッテリーを地球に送るプランが浮上する
・フォトン・バッテリーを地球まで移送するためにヘルメス財団が設立される
・ヘルメス財団によりスコード教が作られ、リギルド・センチュリーが制定される
・地球のスコード教の支配下にある地域にだけフォトン・バッテリーが供給されるようになる

 こんな流れなら、∀の時代にもすでにビーナス・グロゥブがあったとしても問題ないんじゃないかと思います。まぁ、キャピタルタワーがガチで1000年前から存在してたことになってたとしたら、もはやどうしようもないですね。タワーは3つありますので、他の2つが先に存在していて、後からアデスカを修復して南アメリアのタワーになったと考えられなくもありませんが、そもそもフォトン・バッテリーが∀の頃にもあったとは考えにくいので、∀とは別次元の作品と考えた方が精神衛生上よろしいでしょう(苦笑)

 あとは、クンタラという存在についてなんですが、人を食料にしなければならないほどの危機的状況というのが∀の後に起こったとは考えにくく、かといって∀の時代にそういう被差別階級が残っていたかもわからないので、難しいところです。ただ、形式上はスコード教ができたことでクンタラが救われた部分もあるんじゃないかなと思うので、やはり∀の後にクンタラという存在が生まれ、キャピタル・タワーとスコード教ができたと考えた方が辻褄は合わせやすいように思います。だとすると、∀の後にも何らかのクライシスが発生していたとも考えられますが、まぁマウンテンサイクルから発掘された兵器を使って地球で戦争がはじまっちゃったとかそんなところですかね。それを、フォトンバッテリーを採用した月のMS部隊が一方的に駆逐して秩序を平定するという、00のような出来事があったりしたのかもしれません。
 まぁ、クンタラ自体は作劇上は「被差別階級」という面があればよく、それ以外のバックグラウンドについては全く説明する気がなさそうなので、あまり世界設定に組み込まない方がいいのかな、とは思います。

 色々考察してみましたが、Gレコの劇場版が作られているらしい噂があるので、その際にはサンライズ側で少し設定の整理をしてくれるかもしれません。たぶん。
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コメント
富野監督は時系列ではなく時代背景のことを言っていただけ。
惑わされてはいけません。
あくまで「Gのレコンギスタ」は「∀ガンダム」よりも前の時代の話です。
2016/03/20 (日) 21:38:02 | URL | カズラキー #-[ 編集 ]
印象的には
サンライズ「∀ガンダムはすべてのガンダムの終焉、つまりGレコの後の話だ、常識だよね」
冨野監督「いえ最初からGレコは∀の後の時代のつもりで作ってました」
みたいな感じですね
冨野監督の説明不足とサンライズの勇み足があわさったような

暦に関しては、これはもう∀ガンダムの時点でビーナス・グロゥブなりでR.C.が使われていたとして
後々に正暦やそれ以前の埋葬された文明も宇宙世紀として再定義された、あたりかと
1年戦争以前含むU.C.~ムーンレィスの帰還騒動もまとめて宇宙世紀と呼称されている、と解釈しています
月光蝶で埋葬された時代の情報も、あるいは当時より多くなってるのではないでしょうか
2016/03/21 (月) 10:19:04 | URL | スグリ #g7mNfzU.[ 編集 ]
富野監督の発言の後、ツイッター等で他のスタッフも驚いていた様子だったので、どこまで本当なのか判断がつかないですね。
仮に富野監督が∀の後として作っていたとしても、他のスタッフ全員が∀より前として作っていたなら、それはどっちに合わせるべきなのか?とも思います。
2016/03/21 (月) 22:31:10 | URL | #-[ 編集 ]
んー、∀の後にGレコが来ることに納得がいかない方が多いんですね。
個人的にはF92がVガンダムになったような感じで、∀2期がGレコになったんだと理解したので、設定面の整合性以外で不満な点はないんですけどね。

まぁ、∀の黒歴史がアナザーを内包しているのに対し、Gレコのそれは宇宙世紀しか内包していないような描写なので、その辺の違いも含めて、単純に「Gレコは∀の前の歴史」と考える必要はないんじゃないかなと思います。

少なくとも、∀が全てのガンダムの終末であるという解釈自体が、ファンやサンライズ側の勝手な解釈であって、富野監督はそういうつもりでは作っていないということなんだと思いますけどね。
2016/03/26 (土) 16:13:58 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
 つい先日知ったのですが、富野監督は放映終了後になって「ビーナスグロゥブは金星の方向にあるというだけで金星圏にあるとはいってない。月のちょっと先。(要約)」と言っていたそうです。これは本編や監督の過去の発言と明らかに食い違っています。もはや「500年後発言」についても細かい整合とかは考えずに論じちゃっていいように思います。作品論的にはGレコがターンAの後と考えたっていいんだ、というのは尤もだと思いますし。トワサンガ人のルーツが宇宙世紀のスペースノイドの残党というのは気のせいだし、キャピタルテリトリィにあったUCのMSはボルジャーノンのような出土品ってことにしちゃえばいいのでしょう。

 後は「リギルド(メッキし直す)」をどう解釈するかでしょうね。
 宇宙世紀(あるいは黒歴史の時代全般)を念頭に置いたネーミングであるならば、スペースコロニー第1号の完成こそRC元年にふさわしい気がします。それは金星圏コロニーかもしれないし、地球圏に何らかの目的で作られたコロニーかもしれない(正暦にもかつてはスペースコロニーがあったようなので)。
 正暦に対してのリギルドであるならば、地球を汚染する技術や軍事力を葬り去る目的で、地球人類に既存のエネルギー技術を完全放棄させてフォトンバッテリー文明へ移行させる計画があったとか(いわば地球文明の再鍍金)。いくら高効率だとしても、自分たちで作り出せないエネルギー技術に依存しきっているRCは普通じゃないんですよね。
2016/10/03 (月) 23:37:27 | URL | ネイ #uLwxq7O2[ 編集 ]
んー、作品の前提がコロコロ変わっちゃうようだと考察のしようがなくなっちゃいますね。
今後劇場版(?)が作られたらまた色々変わってしまいそうです。
思えば、宇宙世紀はガンダム・センチュリーからMSVの間に富野監督とは別のところでしっかり設定が固められたのが良かったんでしょうねぇ。

フォトンバッテリーは日本における石油のメタなので、本当はもう少しビーナス・グロゥブ側の環境が発展していた方がそれっぽいんですよね。地球圏より人口が多いくらいでないと。中東はヨーロッパやアジアと地続きだからこそ色々な問題が発生しているわけですし。
人類が地球圏の外に生活圏を広げた結果、地球が事実上の極東のような僻地になり、文化的に隔離されると同時に豊かな環境が残ったという世界観の方がそれっぽかったのかもしれません。
2016/10/10 (月) 20:20:42 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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