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何故、ネオジオンはゲルググの直系後継機を作らなかったのか
 MS-14ゲルググは、一年戦争中におけるジオン軍最後の量産機です。しかし、ジオン軍残党であるアクシズは、多数のMSを開発しているにも関わらず、そのゲルググの直系と言える後継機を開発していません。ジオンのMS研究をそのまま引き継ぐのであれば、まずはゲルググからスタートするのが筋のような気がしますが、何故そうならなかったのでしょうか。


 コンセプト的に引き継いでいるのは、AMX-011ザクIIIであると言えます。名前こそザクですが、大型の高機動機、装備の換装で多用途の運用が可能、どちらかというとエース向けであるなど、コストパフォーマンスと汎用性を重視したザクよりも、より高級なゲルググに近い機体だからです。名前がザクであるのは、ある種の象徴的な意義でしかないとさえ言えます。
 とはいえ、それはザクIIIがゲルググから直接発展した機体を意味するというわけではありません。機体構造自体はザクを踏襲していることに変わりなく、言わばザクのスペックを極限まで引き上げた結果、結果的にゲルググ的ポジションの高級機になったというだけに過ぎません。

 アクシズが開発したゲルググ系MSとして、唯一と言えるのが、MS-14Jリゲルグです。このMSは新規生産機ではなく、既存のゲルググを改装しただけの機体ですが、スペックは大幅に引き上げられており、パイロットによっては対MS戦であればZZガンダムにも引けを取らない性能を発揮することも可能です。
 このリゲルグは、主にアクシズにおいて訓練機として使用されたとされています。マシュマーも新兵時代に使用していたとされ、その機体をイリアが受け継いだことになっています。ならばなおさら、そのコンセプトを引き継いだMSを量産機として採用しなかったのか疑問に思えます。練習で使った機体と近い機体の方が、実力は発揮しやすいはずです。
 しかもリゲルグは、肩にキュベレイのような巨大なバインダースラスターを装備しており、それは他のMSにはない装備となっています。このような特殊なスラスター配置のMSで訓練を行ったのであれば、同じような配置のMSでなければ訓練した意味が半減してしまうような気がします。
 そこで、アクシズのMSで同じように肩に大き目のスラスターを配置しているMSがないか、探してみました。

 最初に目に入ったのは、ハンマ・ハンマです。このMSはマシュマーが乗った機体ですし、リゲルグからの機種転換としてはあり得なくもないと言えます。準サイコミュ搭載機ということ、マシュマーがその後強化人間になったこと、イリアにもニュータイプの片鱗が見られたことなどから考えると、リゲルグで訓練を行ったパイロットは、準サイコミュ搭載機のパイロット候補だったり、ニュータイプ素養が高めとみられるパイロットだったりした可能性もあるのかな、と思いました。そう考えれば、量産型キュベレイのパイロットも視野に入っての大型スラスターだったのかもしれないという推測ができます。

 もう一つ挙げられるのが、ドライセンです。このMSは、リゲルグほど巨大ではありませんが、肩には大型のスラスターが配置されており、それまでのドム系には似つかわしくないシルエットになっています。ドライセンはガザ系以外で唯一AMX-000ナンバーで多く量産された機体であり、実質的なアクシズの主力機の一つであったと言えます。それもガザ系とのハイローミックス運用が主体であったと思われるため、ドライセンのパイロットとなるのは比較的実力が高いパイロットだったのでしょう。最初に搭乗して劇中に現れたのも、アクシズの中では最もベテランの部類に入るであろうラカンでした。
 アクシズの量産機の代表格はガザであり、本当にペーペーの新兵はガザから訓練を始めたはずです。新兵時代のグレミーもガザCに乗っていましたし。リゲルグを与えられたのは、新兵の中でもエース候補(=ドライセンや騎士用MSが与えられるべきパイロット)だったのではないでしょうか。ハンマ・ハンマよりもこちらの方が自然な解釈に思えますね。
 つまり、リゲルグの後継機は事実上ドライセンであったと考えることができます。しかし、何故ゲルググのカスタム機の後継機が、ドム系の後継機になってしまったのでしょうか。これは、ドライセンが与えられるパイロットが、一定レベル以上のパイロットであったと考えれば、ある程度の推測ができます。

 ゲルググは、先行量産機はシャアやキマイラ隊などの歴戦のエースに与えられましたが、そもそも大戦末期のジオンには熟練パイロットがほとんど残っておらず、以降の量産機にはそのポテンシャルを引き出せるようなパイロットがほとんど乗っていなかったとされています。むしろ、一年戦争を生き残ったパイロットは、ザクやグフ、ドム系を乗りこなしていた実績があり、仮にゲルググにも乗っていたとしても、機体への愛着はゲルググよりもそれ以前のMSにあったのではないでしょうか。
 また、ゲルググはそもそもその性能を発揮できる前に終戦を迎えてしまっており、ジオンの戦局を覆すに至った機体としては評価されていません。キマイラ隊の戦果も宣伝されている以上のものではなかったようですし、シャアがゲルググに乗っていた時代の活躍も芳しくありませんでした。要するに、ゲルググというMS自体に、ジオンの関係者はあまり思い入れを持っていなかった可能性があるのです。むしろ開発が遅れて戦局を不利にさせた要因の一つとして「縁起が悪い」と思われていた可能性さえあります。そんな背景があるからこそ、ゲルググのコンセプトを引き継ごうとも、そのMSに「ゲルググ」の名を与えるのは憚られる、という事情があったのではないかと思うのです。

 このドライセンとリゲルグの関係は、そもそも(空間戦用MSとしては)ドム系とゲルググ系に大きなコンセプトの差がないことを示しているとも言えます。ドムが宇宙用にも用いられたのは、単純に陸戦用ドムの生産ラインをそのまま流用できるからですが、ゲルググとスカートを含めた推進器の位置に大差はありません。ゲルググはザクの生産ラインを継承したジオニック社製のMSという意味でリックドムとは違いますが、それは開発企業や生産ライン上の都合でしかなく、結局コンセプト面ではツィマッド社とジオニック社が作った同一機とも言えるのです。だからこそ、すでに両企業の残滓がほとんど残っていないであろうアクシズという組織においては、ゲルググからドムの新型機という機種転換を可能にしたのかなと思います。ドライセンの外見はドム系でもゲルググ系でも良かったのです。ただ、ドム系の外見にした方がウケが良かっただけなのではないかと。そんな考え方もできるのではないかと思うのです。ザクIIIに象徴的な意味が強いということからも、ネオジオンのMSの外見の意味は、開発背景とは別にあると考えやすいんですよね。
 もちろん、ドライセンは直接的なベース機がリック・ドムIIであるという記述もあることから、基本コンセプト自体はドム系を踏襲していることは間違いないんですが、機体のサイズ、細部の形状などが全く異なっており、データ的な継承はあっても本体構造は新設計であると思われます。しかも大型化した肩アーマーはそれまでのドム系には見られない特徴であり、ある意味ではリック・ドムII+リゲルグというようなコンセプトであったのかなと思うのです。

 まとめると、何故ネオジオンがゲルググの後継機を開発しなかったのかと言えば、それは「ゲルググというMS自体が良く思われていなかった」からであり、MSとしてのコンセプトや技術的側面においては、ドライセンやザクIIIに受け継がれている、ということなのではないかと思います。ある意味では、ドライセンやザクIIIは、ゲルググという血を通わせたドムやザクの末裔とも言えるのかもしれません。
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コメント
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そういえばクシャトリヤもゲルググっぽい頭ですし
ゲルググ(というかリゲルグ)で訓練を経たパイロットを想定してたのかもですね
2016/02/15 (月) 08:11:01 | URL | サンイチガ #-[ 編集 ]
こんばんは。

今回の記事を見たら、
ネオジオンの人は、
パイプ付きがジオンらしいと
勘違いしてるんじゃないかと思いました。

昔のジオンの、
ザクI→ザクII→グフ→ドムとそれ以降
を見たら、
パイプを外に出すのは悪い事だと思っていたみたいですけど、

ネオジオンでは、
わざわざパイプを外に出したデザインにしてるのが多いです。
2016/02/15 (月) 22:01:04 | URL | サディア・ラボン #-[ 編集 ]
ゲルググの「特性」といえば何かを振り返ると、ビーム兵器を標準装備した量産型モビルスーツということです。しかしその特性は1年戦争時代では破格ですがグリプス戦役ではほぼすべてのMSで実現されているので目新しさがありません。発展型のガルバルディαですら改良型のβが連邦軍の手で成し遂げられた上に打ち切られている、とくれば将来性を見出だせないし、ビーム兵器標準搭載モビルスーツの運用ノウハウも乏しいので、旧式のコンセプトがそのまま使えるグフをガルスJに、ドムをドライセンに、ギャンをRジャジャに、エルメスをキュベレイに…という塩梅で四苦八苦していたのかもしれません。

・「ゲルググというMS自体が良く思われていなかった」
そもそもゲルググ自体がジオン兵から嫌われていたかもしれません。高性能MSと銘打った割にはア・バオア・クー戦で学徒兵がゲルググに乗せられて無残な目に遭った苦い戦訓や、熟練兵でもガトーやシャアといった著名人を除けばシーマ艦隊のような「やくざ者」が扱っていたとなれば「呪われたMS」扱いされていたりして、心情的にも感情的にも作りたくもないし乗りたくも乗せたくもない心理が働いているかもしれません。
2016/02/17 (水) 23:18:24 | URL | オタマ・ジャクシー #wr80fq92[ 編集 ]
アクシズにゲルググの製造ラインがなかった為に主流になれなかったたのでは?
2016/02/22 (月) 11:23:38 | URL | 神 長門 #-[ 編集 ]
>サンイチガさん
確かにハンマ・ハンマやキュベレイより更にゲルググに似ていますね。
胴体はどっちかというとゲーマルク・ドーベンウルフ系なんでなんとも言い難いですが、ザクIIIの頭をクシャトリヤに挿げ替えたらほぼゲルググになりそうです。

>サティア・ラボンさん
まぁ、ザクの記号になっている部分はありますね。
とりあえず頭部と胴体のパイプは露出させるのが基本になっているというか。
好意的に解釈すると、元々ザクのパイプが露出しているのは内部機構に余裕を持たせるためだと思うので、どんなに技術が進歩してもパイプを出してその分内装を充実させるという設計は可能かなと思います。

>オタマ・ジャクシーさん
確かにゲルググの価値はビームライフルくらいしかなくて、それが標準化するとコンセプトが差別化しにくいというのはありますね。
そういう意味でもベースモデルはドムで良かったのかなと思います。

ゲルググは後期に配備されて、統合整備計画採用機ではないタイプだと操縦方法も違うでしょうから、ベテランパイロットでも慣れないまま終戦を迎えてしまった可能性もありますし、良く思われる要素は少ないですね。

>神 長門さん
そもそもガザ以外にちゃんとした生産ラインがあったか怪しいので、そういう意味ではゲルググ以外のラインも条件は同じかなと思います。
その上で、あえて新設計機をゲルググベースにする必然がなかったのかなと。
2016/02/26 (金) 00:01:05 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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