がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ラプラスの箱とアムロ・レイ
 今回はラプラスの箱についてのネタバレを大前提にしての考察です。


 ラプラスの箱とは、抹消された宇宙世紀憲章の原文であり、その抹消された内容には、「将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者達を優先的に政府運営に参画させることとする」という条文がありました。この条文に、宇宙世紀の歴史上最初に当てはまると認められた人物が、アムロ・レイだったのではないか、ということからの考察です。

 宇宙世紀におけるファーストニュータイプは誰か、ということについては、不明確です。ジオンにおいてはララァ・スンやシャリア・ブルといったニュータイプがいましたが、それ以前からニュータイプの研究が進められていたことを考えると、「最初にニュータイプとしての特性(サイコミュの作動が可能)」を持っていることが認められた人間というのは、それ以前にいたと考えるべきでしょう。
 また、ジオン・ダイクンがニュータイプだったのではないかという説もありますが、これは科学的な証拠があったわけではなく、死亡してしまったためにその後の確認もしようがなかったでしょうから、噂や伝説のレベルに過ぎません。
 また、ジオン側のニュータイプというのは、そもそも連邦政府が認めたものではありませんから、ジオンにニュータイプが何人いようとも、連邦政府により「宇宙に適応した新人類の発生が認められた」場合でなければ、この宇宙世紀憲章原文の対象にはならないわけです。

 そしておそらく、連邦側で初めてニュータイプと思われる能力を発揮したのは、アムロ・レイで間違いありません。もし、アムロについて調査を行い、「宇宙に適応した新人類」として認められた場合、アムロには優先的な政府運営の参画権があることになります。アムロが軟禁されていた本当の理由は、この辺りにあったと考えることが可能なのではないか、と思ったのです。

 そもそも、ラプラスの箱は封印されており、先述の条文はなかったことになっていますので、仮にアムロがニュータイプであることが公式に認められたとしても、直ちにアムロを政府運営に参画させる必要はありません。
 しかし、現実にラプラスの箱の中身を知っている人間がいます。おそらくはマーセナス家とピスト家の一部の人間くらいなのですが、その誰かがラプラスの箱を開け、アムロを旗印にして政府運営への参画を要求し、連邦体制に変革を促すことは十分可能だと思われます。これは、ラプラスの箱を封印した人間にとっては、非常に脅威であったはずです。

 だとすると、アムロがニュータイプであると言うことは政府にとって認め難いということになります。アムロがニュータイプ研究所に関わっている描写がほとんどないのは、そもそもアムロをニュータイプとして認めることが政府の立場としてできないから、だったのかもしれません。調査をしてしまえば、間違いなく科学的に証明されてしまいますから、調査すらさせるわけにはいかなかったのでしょう。
 アムロが軟禁状態だったのは、それだけでなく、積極的にアムロを利用しようとする人間から遠ざける意味もあったのだと思います。アムロ本人には連邦を裏切る可能性などほとんどなさそうにもかかわらず、アムロには監視が付き過ぎていました。しかし、彼自身が直接政府に影響を与えることができると「法的に認められるべき人間」であるとすれば、その厳重な監視にも裏付けができます。

 そのように考えると、グリプス戦役以降、特にアムロがロンド・ベルに参加している間にはそのような監視はなかったんじゃないか、と思いますが、これは政府とアナハイムの関係が背後にあると推測することが可能です。
 グリプス戦役の時代には、アナハイムはティターンズと敵対の立場にあり、政府からは冷遇されていました。そのため、ラプラスの箱の真実を知るピスト財団がバックにいるアナハイムは、アムロを利用して連邦政府に敵対することが可能でした。しかし、その後アナハイムは連邦政府と蜜月状態になり、連邦軍の軍備はほぼアナハイムが独占するようになります。この体制が確立した時点で、アナハイムがアムロを利用して連邦を裏切るという可能性がなくなったため、アムロの監視も緩められたということなのかもしれません。
 これはカミーユやジュドーについても同じことで、アナハイムと連邦の関係が良好になったことによって、そもそも利用される可能性はなくなったため、その後にアムロのような監視を受けることもなかったのだと言えます。
 つまり政府が本当に恐れていたのは、アムロ本人でもニュータイプという存在の可能性でもなく、それらを利用できる人間が連邦政府に楯突く可能性があったということだったわけです。

 では、ガンダムUC完結後に真の宇宙世紀憲章が暴露された後において、ニュータイプの扱いはどうなったのかということですが、もちろんF91やVの時代の描写を見ても、ニュータイプが優先的に政治に参加しているようには見えませんでした。これはおそらく、「サイコミュを扱える感応波を持った人間」と「宇宙に適応した新人類」をイコールで結びつけないようにしたからなのだと思います。代わりに作られた単語が「サイキッカー」だったとすれば、辻褄は全て合います。
 F91の時代においても、ニュータイプは「パイロット適性のある人」程度の認識だったわけですし、そもそも「サイコミュを扱える人間」が「ニュータイプ」であるという論理は、ジオン・ダイクンの教えが前提にあったジオン公国だったからこそ生まれた概念であり、もしサイコミュが連邦側で開発されていたとすれば、それがニュータイプであるとみなされることはなかったはずなのです。「サイコミュを扱える特殊な人間」を「ニュータイプ」として政治利用されてしまったのは、単純にジオンだったからであって、そういう意味ではその「ジオン特有の論理」に振り回されてしまったのがシャアという人間だったわけですが、「ラプラスの箱の解放」は、ニュータイプを政治参加させる方向ではなく、ニュータイプの概念とサイキッカー的能力を持った人間を分離させる役目を果たした、ということになるのかもしれません。

 このように考えると、ガンダムUCによって作られた設定は、思ったよりも世界観に合致していたのかもしれません。「アムロが軟禁された理由」と「Vガンダムにおけるサイキッカー呼称の理由」の両方を解決できてしまうわけですしね。
 ただ、それで条文に何でそんな一文が入っていたのか、という裏付けにはならないのもまた事実です。すでに宇宙世紀元年の時点で、何らかの根拠があって宇宙に適応した新人類発現の可能性が現実視されていたと考えないと、ちょっとご都合主義にしか見えないんですよね。
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何か一つ歴史が違っていればアムロがシャアにとって最高のカードになってた可能性もあるわけですね

まぁ…使わないでしょうが
2015/11/16 (月) 08:26:25 | URL | サンイチガ #-[ 編集 ]
はじめまして。いつも楽しませて頂いています。

連邦のニュータイプでアムロがあげられていますが、連邦サイドのニュータイプがもう二人存在します。シロッコとサラです。シロッコは地球連邦政府の木星船団に所属し、サラはサイド7の孤児というれっきとしたスペースノイドながら「あの」ティターンズに見出されて入隊しているので、クワトロとして連邦の籍を非合法に手に入れていたシャアと違って、二人ともれっきとした連邦側のニュータイプになるわけです。

そんな彼らがグリプス戦役やネオジオン抗争をもし生き抜いていたら確実にUCで暗躍していたでしょうね。

大派閥だったティターンズ指導者のジャミトフを信じ込ませて暗殺、何かと問題を起こすバスクも粛清してそのまま乗っ取ってしまう度量をもつ彼ならラプラスの箱を知ったらうまいこと利用しそうです。同じニュータイプで傀儡にしているサラを政界に参画させて自分は黒幕として暗躍、ジャミトフが遺した財産や人脈、ティターンズをフル活用して政府を掌握、場合によっては箱の存在を教えた人間やビスト一族、アナハイムすらも出し抜いたり暗殺したりして連邦政府や既得権益を破壊、そして世界は一握りの天才が治めるべきだとしてサラを新体制の女王として・・・ということまでやってのけそうです。

自力でモビルスーツを設計開発までやってのけるのでやたらと政治に口だして技術を独占したがるアナハイム社にとっては実に「いやな奴」でしょうし、そもそもティターンズとアナハイムは思想的に対立しているわけなので最悪アナハイム社を潰して工場や資産を根こそぎ奪いかねず、アムロと違って本人に政治に対するやる気や能力もあるので、場合によってはアムロ以上の危険分子として狙われていたかもしれませんね。
2015/11/19 (木) 21:44:07 | URL | オタマ・ジャクシー #wr80fq92[ 編集 ]
>サンイチガさん
確かに、シャアがラプラスの箱の真実を知ったとして、アムロを担ぎ上げるかというと微妙なところですね(笑)
父の跡を継ぐべきは自分ではなくアムロだったのかもしれない、というのは皮肉にしては出来過ぎですけどね。

>オタマ・ジャクシーさん
はじめまして、書き込みありがとうございます。

シロッコがラプラスの箱を知ったらというのは考えませんでした。確かに遥かにめんどくさいことになりそうですね。
ニュータイプを集めて新しい政治集団を作り、自分たちが世を導くのだって感じでやりそうな気がしますが、
肝心のシロッコ自身が誰でも人心掌握できるわけではないので、結局ハマーンやカミーユのような別のニュータイプに倒されてしまうんじゃないかなぁという気もします。オールドタイプの大半も敵に回しそうですしね。
ニュータイプでありながら和解できない(する気がない)相手が多すぎるというのがシロッコの欠点だったりするのかもしれません。
2015/12/06 (日) 22:21:02 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
お久し振りです。再び迷惑をおかけしますがどうかご容赦を

まず、ニュータイプとはその人物の精神が空間に存在するミノフスキー粒子に干渉する事で会話をしたり物を動かしたりする能力です

言い換えればミノフスキー粒子が存在する場所であれば地球でも発動可能な能力であり、実際地球でファンネルを使用する描写もあります

つまりニュータイプと宇宙は無関係です。それどころか地球にいながらニュータイプに覚醒した人物がいても不思議ではありません

次にジオン・ダイクンはおそらくニュータイプという存在が出現するとは考えていなかったと思われます

何故かと言うと、宇宙における人類の可能性を訴えておきながら彼等が住居としているコロニーは地球に似た環境に調整されているからです。この点からジオン・ダイクンが本当に人の可能性を追及していたか疑問に思われます。何らかの研究機関もあって然るべきでしょう。もしかするとフラナガン機関がそうだったのかもしれませんが

おそらくジオン・ダイクンの発言は宇宙というストレスフルな環境を生き抜いた我々は人間的に大きく成長するだろう(だから頑張れ)と国民を鼓舞する為のプロパガンダに過ぎなかったであろうと考えます

次にアムロをプロパガンダとして利用する場合です

まずガンダム世界の人間の内どれだけの人がニュータイプという言葉、もしくは存在を認識していたでしょうか。視聴者は常にニュータイプがいる状況を捉えている為違和感なく受け取る事が出来るっしょうが、何も知らない人々がニュータイプと言う存在がいると説明を受けた時簡単に理解し受け入れられるものでしょうか

私達がテレビ等で超能力を見せられた時と同じ反応が返ってくるのではないかと思います

ニュータイプという観点からアムロを政治的に利用する場合ラプラスの箱に触れないわけにはいかないし、そうなるとアムロを利用したい人々にとっても都合の悪い話が出てくるかもしれません

アムロを政治的に利用したいのであれば単に“一年戦争を勝利に導いた英雄”とだけ言えば良いんです。ニュータイプなどと言う余計な単語を付け足してわざわざ混乱を招く必要はありません。キャッチコピーは短く、伝わりやすくが一番です

ただ、連邦側がニュータイプと言う言葉を意図的に流行らせた可能性はあります。一年戦争後、経済復興目的で人々を空きコロニーに移住させる為のプロパガンダに利用した可能性です

“君も宇宙に行って(アムロのような)ニュータイプになろう!”とか言って

もしそうだとすると連邦はジオンが行った政策をそのまま踏襲したと言う何とも皮肉な事態になるわけですが、それが政治と言うものなのかもしれません
2016/01/05 (火) 10:25:25 | URL | エーイチ #-[ 編集 ]
まずアムロがニュータイプとして政治利用される場合というのは、一般市民に対してではありません。
ラプラスの箱の条項を持ち出して、「アムロは科学的に証明された新人類なんだから、彼を政治に参加させなさい」とピスト財団が言ったら市民がどう思おうと実力行使が可能だということです。
そしてアムロを通して政治をコントロールすることが可能になります。
ラプラスの箱の最大の価値は、「宇宙に適応した新人類」であれば選挙も民意も関係なく政治力を行使できるということで、当時その力を行使できる可能性があったのはアムロだったということです。
この場合、本当にニュータイプが宇宙に適応した人類であるかどうかは別として、政治的に「そういうこと」にしてしまえばいいということです。

実際には、仮にそうなったとしても、仰るように「ニュータイプは宇宙に適応した人類のことではない」ので、その証明を行えば破ることはでき、そこまでの問題にはならなかったという話です。
2016/01/10 (日) 19:23:55 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
とりあえずZガンダムの小説1巻と2巻読めばいいと思いますよ
2016/03/04 (金) 11:44:13 | URL | #-[ 編集 ]
もちろん読んだ上ですよ。

その上で、「実はアナハイムのバックにはビスト財団がいて、連邦政府の秘密を握っているから好き放題やっていたんだよ!」というこれまでの世界設定を根底からひっくり返すUCの設定に合わせて解釈し直したらどうなるか、という話です。
2016/03/05 (土) 13:04:31 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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