がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
月初のガンダム以外の話「Jリーグの降格チームから考える、組織を維持する大変さ」
 今回はサッカー絡みから、もう少し大きな話に繋げる話題を展開してみたいと思います。最近毎年のようにそれなりに強かったチームが降格してるよね、というところからの話です。


 今年、清水エスパルスがJ2に降格しました。年間優勝の経験こそありませんが、Jリーグ創設から一度も降格したことがなかったクラブです。
 清水に限らず、ここ数年強豪と言われたことのあるチームがほぼ毎年降格しています。

 2014年は、セレッソ大阪。2013年は、ジュビロ磐田。2012年は、ガンバ大阪です。それぞれのチームが降格した要因は、決して同じではありません。ただ、その前の2011年、浦和レッズが降格寸前まで追い込まれた年から、ある一つの流れができていたように思います。
 それまで、J2に降格するチームというのは、基本的にチーム力に劣るチームでした。予算規模や選手層が見劣りするチームの中から降格チームが決まっていた印象だったのですが、2011年頃から、選手層が厚いのに成績を落とすチームが頻発するようになりました。

 2011年、浦和レッズはチーム崩壊の寸前までいきました。要因は一つではありませんが、簡単にまとめるとその前年からの迷走によるものと言えます。
 浦和レッズは、かつてアジアチャンピオンズリーグで優勝したチームです。その頃の浦和はとても強かったのですが、同時に周囲からはつまらないチームだと言われていました。何故ならば、ガチガチの堅守速攻型チームだったからです。ずっとドイツ人監督に指揮を取らせており、基本的に守りを重視していたので、見ているサポーターにとって気持ちのいいゲームはあまりありませんでした。アジア優勝によって出場権を得たクラブワールドカップでも、ACミランに対しガチガチに守りを固め、結局1-0で負けるという、翌年ガンバ大阪がマンチェスター・ユナイテッドと派手に撃ち合いを演じた(そしてこの試合により、ガンバ大阪はアジアの国々で最も有名な日本のチームになりました)のとは対照的な戦い方をしていたチームでした。
 そのため、浦和レッズはファンが喜ぶ戦い方を目指して方針を変えることにしました。それに合わせて監督も変えたのですが、新しい戦術はなかなか浸透せず、それまでずっと優勝争いをしていたチームが、順位を落とす結果になりました。これはサポーターをより怒らす結果となり、新しい監督を1年で変え、また別の監督を呼んできます。これが良くありませんでした。新しい戦術を1年間仕込まれた挙句なかったことにされ、更に別の戦術を仕込まれても、選手は対応できなかったのです。そのために戦術に合った選手を獲得したわけでもなく、チームはバラバラになり、一時は真剣に降格が危ぶまれました。
 なんとか降格せずに済んだ浦和は、その後サンフレッチェ広島の監督を雇い、広島の有力選手を何人も獲得し、根本的に戦術の転換を図りました。すぐには順位は上がりませんでしたが、ここ数年は優勝争いを演じるチームになりました。

 翌年、ガンバ大阪が降格しました。浦和と同じくアジアを制したことのあるチームの降格は、結果だけ見れば衝撃的でしたが、辿った道は前年までの浦和とほぼ同じでした。ガンバはずっと同じ日本人監督の指導の下で優勝争いを続けてきましたが、長く続きすぎたこともあって、監督を交代することになりました。しかし、その代わりの監督が意図不明でした。元日本代表の呂比須ワグナーだったのです。彼はこれが初めての監督業で、しかもガンバ大阪とは何の縁もゆかりもありませんでした。日本トップレベルとは思えない人事です。しかも呂比須は日本で有効な監督ライセンスを持っていないことがわかったため、急遽彼の縁者である特段の実績もないブラジル人監督を監督に据え、呂比須はコーチという形で雇われました。しかし、経験が浅い上に選手との接点もまともにない人物が、チームをまとめられるわけがありませんでした。わずか1か月で解雇され、チームのコンセプトは完全に宙ぶらりんとなり、練習不足も相まってそのまま降格してしまいました。

 次の年はジュビロ磐田が降格しました。かつては日本で最強のクラブと言われたこのチームの降格は、浦和やガンバのように急降下していったわけではなく、緩やかに落ちていったというのが妥当です。というのも、一時は栄華を極めたものの、その頃のメンバーからの世代交代が上手くいかず、また親会社からの支援もどんどん先細りになり、社長は親会社から派遣されてくるだけの人間であるなど、チーム力は徐々に下がっていったのです。数年降格争いを繰り広げた後、力負けして降格していったという印象でした。
 ただ、それでも当時の日本代表のレギュラー選手が複数名、それも怪我せずほぼ通年出場していたチームであったことは確かです。選手層は決して悪くなかったにもかかわらず、降格したという意味では前年のガンバ同様と言えました。

 その次の年に降格したセレッソ大阪は、非常にインパクトを残した降格をしました。というのも、その年の最初に巨額を投じて大型補強を行い、誰が見ても今年は優勝争いをしそうだと思わせながら、たいして勝てることなく降格していってしまったからです。
 その要因はやはり一つではないのですが、それまでのチームの流れを完全に壊してしまい、代わりになるだけのチーム力を構築できなかったことの一点に尽きるかと思います。それまでのセレッソ大阪は、経験のあるブラジル人監督を雇い、優秀な若手選手を育てながら勝つチームでした。しかしその監督を退任させ、監督のコストを下げてその分選手に資金を投入したのです。これが裏目に出ました。ワールドカップの元得点王と日本代表選手を複数擁しながら、それを生かしきることができず、むしろどう生かすか考えずに選手を獲得してしまったがために、使いどころを見出せずちぐはぐなチームができあがってしまったという印象です。
 また、経営を最優先にし過ぎたということは間違いありません。電通と契約し、巨額の宣伝費を投じていたようですが、マーケティングだけしっかりやって製品に不具合を生じさせてしまうような企業は最近よくありますし、まさにそんな感じで失敗した感じですね。日本代表FWとしてブレイクしたはずの柿谷が、突然ベルギーに移籍して埋もれてしまっているのも、その経営的な失敗の補填に急遽使われてしまったからのようなので、色々な意味で不幸な結果になってしまいました。

 そして今年の清水エスパルスです。やはり、ずっと同じ監督でやっていたにもかかわらず、なかなか上位に行けないということから退任させ、チームのOBを監督に据えました。しかし経験の浅い監督が全くチーム戦術を構築できず、チームのコンセプトがはっきりしないまま降格してしまいました。

 ここまで書くともう明らかですが、これらのチームには共通した特徴があります。ジュビロ磐田はやや特殊なので置いておきますが、ガンバ大阪・セレッソ大阪・清水エスパルス、そして降格しなかった浦和レッズも含めてですが、これらのチームは、「それまで固まったコンセプトで同じ監督を据えていたが、それを変えた途端に(選手は大きく変わっていないのに)チームが弱くなってしまった」ということです。選手が良くても、指導者が変わっただけでこんなにもチームは脆く崩れ去ってしまうのか、ということをはっきりを示してくれています。
 しかも、共通して言えることが、それまでの監督より、その後就任した監督の方が明らかに年俸が少ないと思われる、ということです(浦和だけは違うっぽいので、そこが降格しなかった分け目なのかもしれません)。どういうことかというと、「監督をコストカットの対象にした」ということになるわけです。企業で言えば、社長の給料が高いからと社長をクビにして、給料の安い若手をいきなり社長に据えているようなものです。
 何故そんなことが起きるのかと言えば、それはチームが大企業の支配下にあり、監督と言えども経営者から見れば一社員でしかないということがあるのかなと思います。だから人件費削減の対象となってしまうのです。しかし、サッカーは野球のように選手の1対1で勝負を決する場面が少なく、チームの連動性が非常に重要なスポーツです。ラグビーもそうですが、複数の選手を同時に配置して連動させて動かす、というのは選手個々の判断だけではできません。決まったチーム戦術があり、それを複数の選手に浸透させる練習をしなければ、機能しないものです。そういった、チームスポーツにおける監督の重要性を理解していない経営者が、安易にコストカットをしてしまうために、チームが壊れてしまっていると言えます。

 実は、これはここで挙げているチームだけに起きている現象ではありません。強豪チームの降格というインパクトがあって今回特筆していますが、「それまで同じ監督で結果を出してきたのに、変えた結果チームが弱体化して順位下降」というケースは近年よく起こっています。大宮アルディージャはそれで降格しましたし、柏レイソルやサガン鳥栖も順位を大きく落としています。共通する特徴は、高額な外国人監督を切ってコーチ出身の日本人監督にしている点です。
 もちろん、これには致し方ない部分もあり、要するに結果を出せば出すほど監督の報酬は上がっていくので、それがいつかチームの財政の限界を超えてしまうという現実があるわけです。チームのコンセプトをなるべく変えずにコストを下げる、ということを考えるとコーチの内部昇格が最も無難であることは間違いありません。現に鹿島アントラーズは今年それで結果を出していますし。
 ただ、本当にそのコーチが現状のチームにおいて監督として相応しいのか、特に選手の信頼は得られるのかという点が、結果につながるかどうかの差になっているのかもしれません。

 そういう意味では、もう一つ言えることが、経営者含めたチーム全体に、共通したビジョンがあるかどうかということになります。チームとして目指すべき方向性が決まっており、選手も納得しているのであれば、監督を変えても選手の戦い方が変わらないので、戦力を落とさずに済みます。鹿島アントラーズなんかはその典型的なチームで、Jリーグ創設期から優勝争いをするチームでありながら、何度も優勝し、未だに上位に顔を出しています。それは、チームが一貫したビジョンで監督を選んだり、選手を獲得したりしているからです。
 逆にジュビロ磐田は長期的に、緩やかに経営者がチームを壊していったと言えます。経営者が理念を持ってチームを運営していないので、チームにビジョンがなく、監督交代に一貫した意図が見られていませんでした。その結果チームが戦術を上積みすることができず、逆にどんどん弱くなっていってしまったのだと言えます。それは、監督を変える度に順位が下がっていった清水エスパルスにも言えることでした。
 要するに、意図のある監督交代であるか、単に経営上の都合だけでなく、しっかりチームの形を崩さないように気を配った上での人選かどうかという点がおろそかになったチームが、降格に至るほどにバランスを崩してしまっているということが言えるのです。

 来年は、名古屋グランパスが危ないです。元々監督がころころ変わり、一貫性がないチームでしたが、かつてガンバを優勝させた西野監督でも成果をだせず、次はチームOBで監督未経験者を監督に据えるようです。しかもOBと言ってもタレント活動がメインでどこかのチームでコーチをやっていたわけでもない小倉氏なので、選手がついてくるか怪しいところです。しかも元日本代表のザッケローニのオファーを断って選んだ監督というわけですから、まるでポルシェには乗れないから軽自動車に乗ろうというような選択です。そこには全くビジョンが感じられません。かなりヤバいと思います。資金があるので、いざとなれば監督も選手も補充できますが、ちゃんとしたビジョンがないと、それが補強になるとは限りませんし。降格しなかったとしても、降格争いに巻き込まれる可能性は十分あり得ると思います。

 これらのJリーグに起きた事象は、必ずしもJリーグやサッカー、あるいはスポーツの世界だけで起きる問題ではないように思います。人が組織を運営する上において、常に起こりうることなのではないかと思うのです。
 つまり、いかに優秀なスタッフを揃えようとも、その組織を運営する者がしっかり意図をもって配置しなければ、成果は得られないということです。特に、長い間同じやり方で上手く回っていた組織を、突然ガラッと変えてしまうと、何もかも壊れてしまう危険があるということです。
 しかし、だからと言ってずっと同じメンバーで組織を回し続けることは不可能です。メンバー自身が年齢を重ねていきますし、周囲の環境も変わっていきます。どんなものにも新陳代謝は必要で、いつか組織の構成は変えなければならなくなるんですが、その変え方を間違うと悲惨な結果になるということですね。
 そして特にやってはいけないのが、組織の上に立つ人間に非合理的な人選を行うこと、その組織を上手くコントロールできるかという以外の理由で選んでしまうことです。仮に全く違うタイプの人選を行うのであれば、それに合わせてスタッフの人員もある程度変えなければならないということになります。そういう意味では、マネージャーとスタッフにはある程度の連動性が必要だということですね。スタッフがほぼ現行のままなら、それに合うマネージャーを選ぶべきで、逆にマネージャーの方向性を大きく変えるのであれば、それに合うスタッフに変えなければならないということです。組織には人間関係が付随するので、非合理的な問題は必ず生じるものですが、組織というのは合理性で成り立つものなので、できるだけ理に適った形になるのが望ましく、可能な限りそれを目指さなければならないということなのだと思います。そこに妥協すると、企業の存亡にかかわるレベルの致命的な失策に繋がるということを、Jリーグは教えてくれています。
 奇しくも、日本の大企業が、不況などの外部環境のせいではなく、内部の経営上のトラブルで苦境に立たされる例が増えてきています。シャープや東芝などがその典型と言えます。地盤がしっかりした組織ほど、現場の力である程度支えられてしまうため、経営上の問題が致命的なレベルになるまで表面化しない、ということなのかもしれません。今はどうも、古い時代から作られた組織の耐用年数が限界を迎えている時期なのかもしれないな、と思うことが増えている今日この頃です。
 
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