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グレミーが反乱を起こした本当の理由
 グレミー・トトがネオジオン内で反乱を起こしたのは、基本的にはザビ家に関わる人間同士の争いであったとされています。ミネバ・ザビの摂政として実権を握るハマーンに対し、同じザビ家の血を引く(=幼いミネバよりも王位継承権が上)としてグレミーが実権を主張し、内乱に発展したものとなっています。
 しかし、ただでさえ小さい組織が連邦とサイド3を抑え、ほぼ勝利したも同然だった状態で分裂するのは、あまりにも自殺行為に等しいものでした。そこで考えました。そもそもグレミー側は「ネオ・ジオンによる全コロニーの支配」を望んでいなかったのではないか…と。
 そのあたりを前提に、グレミー陣営の本当の意図を探ってみます。


 ZZ作中での対立軸は明白で、ハマーンはミネバを擁しザビ家のための世界を築くと言いながらも、実際はザビ家を自分が支配する体制を構築しようとしていました。これは、純粋なザビ家陣営にとっては面白くないものであり、グレミーを立ててハマーンを引きずりおろそうとしたことは理解できます。
 しかし、実際にハマーンを倒し、グレミーがネオジオンの代表者となっていたとして、ハマーン時代以上に権勢をふるうことはできたのかというと、劇中の描写からはとても想像できません。意志と自覚は見えますが、能力的に周囲がそこまでまかせる器であるようには思えないのです。
 少なくとも、グレミーにバックがついていることは間違いありません。当初はいい生まれのお坊ちゃんでしかないという描写のされ方でしたし、自分がザビ家の血を引いているということ自体、最初は知らなかったはずです。ではそのグレミーのバックにいる層というのはいったいどのような人間層だったのでしょうか。

 その後のネオジオンの設定を考えると、シャアが率いたネオジオンはかなりグレミー側からは遠い組織であったと思います。そもそも残党の絶対数が少ないので旧ザビ派が全くいなかったとは思いませんが、イデオロギーとしては宇宙難民保護やスペースノイド権益など、旧ジオン公国やアクシズのような自分たちの組織の利益のためではなく、エゥーゴのような政治目的の意味合いが強く、性格としてはそれまでのジオン残党とはかなり異なっています。そのため、グレミー陣営が能動的に作った組織ではないと言い切ることができます。

 次に生まれた「袖付き」と呼ばれる組織は、フル・フロンタルとミネバ・ザビの両方を擁しダイクン派とザビ派のヘッドの両輪体制であるようでした。その意味ではシャアのネオジオンよりはグレミー寄りの組織ですが、何よりもこの「袖付き」の背後には、ジオン共和国がいるというのが最大の違いでした(アニメ版ではほとんど描かれていませんが)。
 フロンタルが掲げた「サイド共栄圏」という理想はジオン共和国のモナハン・バハロが掲げているものであり、袖付き自体がジオン共和国の右派層のスケープゴート的な意味合いを持っていたことが語られていることから、それまでのネオジオンとはかなり異なる性格を持っていたと言えます。

 そもそも本来のネオジオンとジオン共和国は、イデオロギー的に敵対関係にあります。ジオン共和国はザビ家を切り捨てることで共和制に移行した国であり、ザビ家こそ全ての戦犯であるというのが大前提であることから、ネオジオンを認めることは本来はできません。一方のネオジオンとしても、ジオン共和国はザビ家の支配の外にある傀儡国家であり、本来のサイド3の主導権は自分たちにあると考えているはずです。
 実際、ハマーン時代のネオジオンは、サイド3に帰還後、一般市民を強制労働送りにしたり、自発的に合流してきた共和国軍を捨て駒にしたりと、基本的に同胞扱いをしていませんでした。しかし、その後共和国とは全く無関係のシャア時代を経て、袖付き時代には完全に共和国の裏組織のような性格を帯びる組織に変貌していました。それがハマーンの思想に拠るものでも、シャアの思想に拠るものでもない以上、過去のネオジオンとのつながりを見出すのであれば、グレミー派こそがいわゆるジオン共和国派だったのではないか…と思い当たりました。

 ジオン共和国にとって、アクシズはかつて同じ国民だった人間たちの組織であり、政治的に分断されたに過ぎないものでした。そのため、いずれは融和すべき関係でもありました。しかしだとしても、共和国のまま旧公国軍を吸収するか、再び公国化するかという選択肢があります。ハマーン時代のネオジオンは明らかに公国化を目指していましたが、共和国の人間の多くは公国化は望んでいなかったのではないかと思います。そこで、ネオジオンに内乱を起こし、公国化を阻止した上で旧公国派を取り込み、体よく利用したいという発想が生まれたのではないでしょうか。
 フル・フロンタルはジオン共和国によって生み出された存在でした。グレミー・トトもはっきりとは設定されていませんが、明らかに通常の生まれ方をしていない人間です。このあたりのやり方も含めて、グレミーの背後にはジオン共和国がいた可能性があるのではないかと思ったのでした。

 グレミーの反乱自体、ネオジオンがサイド3に到達してから起きています。ハマーンを良く思わないネオジオンの人間と、連邦に敵対的なジオン共和国の人間が合流したことで、初めてハマーンに対抗する軍勢になることができたのではないでしょうか。
 おそらく共和国としては、グレミー側が勝たなくても良かったのではないかと思います。共倒れとなり弱体化させた上で自分たちが主導権を握り、旧公国軍の残党をコントロールできるようになればよかったのでしょう。何しろ公にはネオジオンは共和国の政敵なわけですから、仮にグレミーが勝ったとしても黙ってネオジオンを受け入れるわけにはいきません。むしろ崩壊してもらった方が良かったのでしょう。

 シャアがネオジオン総帥として立ち上がったのは、そんな動きもあったからなのかもしれません。自分の父の名を冠した、全く父の意図とは違う形に動いている団体を全て破壊し、自らの理想と共に歴史から消してしまうために立ち上がったのかなと。思い通りにはいきませんでしたが、その意思はフロンタルに宿って完遂された…なんて見方も、できるのかもしれませんよ。
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最近電撃ホビーHPで連載開始されたA.O.Z Rebootでは第一次ネオ・ジオン抗争後に火星にプルシリーズっぽい強化人間を多数擁した「レジオン」という別のジオン残党軍がいたという扱いになってますね。同じAOZ刻に抗いし者のエピローグで第二次ネオ・ジオン抗争後、火星にジオン共和国の資金が入り後のオリンポスキャノンを製作している描写もあります。
勝手な妄想ですが、モナハン・バハロは元々グレミーを頂点としてレジオンの戦力も加えるつもりが共倒れになったためシャア行方不明の混乱を利用してフロンタルを送り込み、一方でレジオンの成れの果てがF90の火星独立ジオン軍だったのかなと考えています。
2014/09/16 (火) 23:04:08 | URL | 匿名希望 #-[ 編集 ]
お久しぶりです
いつも楽しく読ませて頂いております。
去年のキャラほびで近藤版ギャプランを展示させて頂きました小野寺です。
自分には、思い付かない視点からの考察で本当に考えさせられます!
これからも是非続けて下さい!
話は変わりますが、今年のGBWC1次予選なんとか通過しました。
暇があれば見て下さいませ。
2014/09/27 (土) 14:58:13 | URL | 小野寺健介 #-[ 編集 ]
>匿名希望さん
レジオンとオールズモビルは同じ火星のジオン残党ですから何らかの形で繋げてくるでしょうね。
オリンポスキャノンが共和国資金から作られたというのも同じAOZでやってるということなら、ジオン残党の生き残りに共和国が積極的に加担しているということなのでしょうね。

>小野寺健介さん
お久しぶりです。作品拝見しました。G-3素晴らしいです。近藤メカの立体化は昔からありますが、ここまでこだわったクオリティのものは過去にないように思います。
これからもがんばってくださいね。
2014/10/11 (土) 15:12:48 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
もやもやが解消
グレミーがどうして反乱できたのか、
公式資料にもあまり言及がなく、もやもやしていた部分でしたが、
フロンタイルの引き合いより、合致しました
かなり同意できる見解です
宇宙世紀のクローニング技術などが、どこまで進んでいたのか、公式でも触れてないので、気になる所ですね。
2014/10/14 (火) 17:58:52 | URL | GAGA #IE6T3EV.[ 編集 ]
ありがとうございます。
クローニング技術に関しては本当に曖昧で、作中で明言することも意図的に避けている印象ですね。
年齢的なつじつま合わせも難しくなるので、あえて放棄しているのだとは思いますが。
2014/10/26 (日) 14:38:24 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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