がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
セイラ・マスというキャラクターについて掘り下げる
 シャア・アズナブルというキャラクターは古今東西色々と語られていて、このブログでも散々語ってきているのですが、その妹セイラというキャラはあまりクローズアップされることがないので、改めて考察して見ようと思います。
 わかりやすく、シャアとの比較を主に、何故ZZ以降表舞台に出てこないのかということも含めて考えてみます。

 あ、ちなみにジ・オリジンの過去編はあんまりちゃんと読んだことがないので、それ読んだら少し中身変わるかもしれないです。

 まず、セイラはシャアがジオン軍に入るまで、ジンバ・ラルのもとで暮らしていたときは一緒に住んでいたと思われます。ただ、シャアがジンバ・ラルの教えに染まりザビ家への復讐を目指していったのに対し、セイラはそのようにはなりませんでした。
 これは、一つはジンバ・ラル自身がシャアをジオン・ダイクンの後継者と見立て、集中的に教育した部分もあったのだと思います。男性ですし。
 ただ、セイラ自身もジンバ・ラルが言っていたことは聞いていたようですし、シャアはそれを「歪めて受け止めた」と認識していたので、おそらくセイラなりにジンバ・ラルの言いたいことは理解していたのだと思います。
 それでも、セイラがシャアと同じ考え方に至らなかったのは何故か、ということについてが今回の記事の主題になるのかなと思います。

 セイラというキャラクターをファーストガンダム内で見たとき、一番強い印象は「シャアのことが大好きなのだな」ということでしょう。普段は気丈に振る舞い他人を寄せ付けない雰囲気を醸し出しながら、シャア絡みのことになるとガンダムで無断出撃したりと我を忘れ、涙を流す描写が何度も描かれています。また、シャアを復讐の道から引き戻したいような素振りも見せています。
 基本的に、セイラにおける兄のウエイトはかなり大きかったと推測されます。シャアが母に強い依存性を持っており、それゆえにララァにも傾倒した背景があったのに対し、おそらくセイラにとっては父に代わる存在としてのシャアに幼少時よりかなり依存していたのではないかと思います。両親が死に、サイド3を追われたセイラにとって、唯一の肉親であるシャアが心の拠り所であったことは想像に難くありません。一方のシャアもそういう意味ではセイラを大切に思っていますが、セイラはあくまで妹という下位の存在であり、精神的に依存する存在ではなかったということでしょう。

 そんなにセイラが兄を好いているのであれば、兄と共にジオン軍に入隊する選択肢もあったのではないかと思えます。しかし、セイラが好きなシャアは「優しい兄」としてのキャスバルであり、復讐に燃え戦場に身を投じる赤い彗星のシャアではなかったのだということでしょう。むしろそんな兄がいつ死ぬかわからない戦争に身を投じることは、セイラにとっては耐え難いものだったのではないかと思います。またシャアにとっても、セイラが軍隊に入るなどと言ったら絶対に反対したでしょう。実際連邦軍から抜けろと再三忠告していますし。
 そもそも、セイラはジンバ・ラルの影響を受けて変わっていくシャアに対し、極めてネガティブな印象を持っていたのだと思います。セイラとしては、いつまでも優しい兄でいてほしいと思っていたのですが、そうではない方向に成長していったことが、その後の人生の分かれ道になったのでしょう。某嵐を呼ぶ園児漫画風に言うと、「いつもの兄じゃなーい(泣)」といったところでしょうか。

 セイラがシャアの消息を聞く度に取り乱していたあたり、セイラは本当はシャアと離れ離れにはなりたくなかったのだと思います。だとすると、セイラとシャアの離別はシャアの都合だったのでしょう。行かないで兄さんと泣くセイラをわかってくれと置いていく姿は容易に想像できますね。
 そんなわけで、医学を志すもののサイド7で戦闘に巻き込まれ、ホワイトベースに乗ることになったセイラには、まだ兄への未練が多分に残っていました。そしてそんなセイラとシャアの決定的な別離が描かれるのが、テキサスコロニーでの再会になるのだと思います。
 テキサスでの再会で、シャアはザビ家への復讐からニュータイプの可能性へと目指すものが変わっていることを語り、セイラには地球で静かに暮せと言って去っていきます。そこには、セイラの意志が介在する余地は全くありませんでした。

 セイラは一年戦争終結後、形式的には兄の望み通り、地球で戦乱に参加することなく暮らしていました。しかしZZで月にリィナを送り届けた時に再会したブライトとの会話では、セイラの兄に対する感情は大きく変化していました。いずれシャアは動くと語るブライトに対し、「そんな兄は見たくありません、いっそ死んでくれれば」とまで語るようになっています。
 セイラの視点で考えると、そもそもシャアはセイラの都合を省みず一方的に動いているような印象です。セイラがはっきりとシャアに何かを望んでいる描写はありませんが、そもそもそれを言わせてもらう余地すらないあたり、セイラはシャアに捨てられたように思っても致し方ないレベルであるようにすら感じられます。

 戦争という状況下で、敵対する組織に身を置く立場となっていたため、一年戦争中はただ兄の無事を願うくらいだったのかもしれませんが、戦後セイラはかなりゆっくりと兄が何故変わってしまったのか考えていたのだと思います。ジンバ・ラルの影響を受けただけでなく、その後も独自の考えで行動していく兄を見て、「なにか宇宙の意志のようなものに従わねばならないと思っている」という結論を出したのが、ZZ時点でのセイラだったということになります。
 セイラ的な視点で見ると、兄がよくわからない宗教にハマって家を出て行ってしまったくらいのレベルだったのかもしれません。そしてなんとか改心してくれないかと思ったのですが、どうも無理そうだ、もうあきらめるしかない、これ以上変なことをやるならいっそ死んでほしい、という心境に変化していったのがZZまでのセイラだったということになるでしょう。

 だとすれば、実際にネオ・ジオンの総帥として世に現れたシャアを見て、セイラは本気で失望していたことでしょう。シャアはフィフスルナを地球に落としたことで、地球に住む人間から見ればザビ家と同レベルの大悪党になってしまいました。世界的大テロ組織のリーダーとして世界に名を轟かせてしまった以上、もうセイラとしてはシャアの妹であるということは絶対に公言できなくなってしまったわけです。
 こうなると、セイラはもう日の当らない場所でひっそりと暮らしていくしか手段はなかったのではないかと思います。逆シャアでも、UCでも消息が不明だというのはそういうことでしょう。誰か人生の伴侶がいたら違うかもしれませんが、それだけ兄に依存していた妹だとすれば、簡単に他の男性に心を許すのも難しいかなと思います。シャアが母の影を女性に求めていたとすれば、セイラはおそらく兄(父の代理としての)の影を男性に求めているはずですから。そして、自分が実はジオンの娘でシャアの妹であり、でもその立場から徹底的に逃げようと思っているということを受け入れられる人間は、なかなかいないでしょう。
 問題なのは、セイラはシャアが嫌いなのではなく大好きだということです。大好きな兄がいつまでも自分を省みず置いていってしまうというのは、極めて大きな失望となっているはずです。シャアに徹底的にスポイルされてしまったが故に舞台に上がることもできなくなってしまったのが、セイラというキャラクターだったのかもしれません。

 ただ、蜂起したシャアのネオジオンを鎮圧する役目が、アムロの所属しているロンド・ベル隊であったことはセイラも知っていたのではないかと思います。かつて2人の戦いを必死に止めたセイラがこの2人の決着についてどう思っていたのか、そしてアムロとシャアは当時セイラのことをどう思っていたかについては、次の宿題にしたいと思います。
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コメント
コメント
はじめまして。いつも楽しく拝見させてもらっております。

セイラさん=ブラコン説、あまり声高に言われることはありませんでしたが、確かにその通りだと思います。
兄のロリコンの方がはるかに度し難いですが…。

ところで、クワトロ時代の行動について、セイラさんはどう思っていたのでしょうか?
アクシズからエゥーゴへの潜入、ダカール演説、そして失踪と、シャアの目的は我々にも見えません。
そんな兄のことを、アムロ、カイ、ブライトらに聞き、セイラさんは何を思ったのか。
この時期のセイラさんは直接描かれていないので、想像するより他ないかもしれませんが…
2014/08/18 (月) 21:43:32 | URL | yagi #-[ 編集 ]
ランバラルがホワイトベース襲撃時
フラウは、アムロのガールフレンドとして一緒にいて連邦の軍服を着ていましたから見かけても想定内で攻撃せず、そのままランバはフラウに不戦を呼び掛けていましたが
まさか連邦の船にセイラがいるとは思わなかったでしょうね
その前にもセイラは無断出撃でランバのグフと戦っていますけど。

それより、ランバがなぜガルマの仇討部隊に入ったんですか?
ランバは父ジンバとともに親子2代でダイクン派でザビ家と対立し、ジオンダイクンがデギンザビに暗殺されて
ジンバがシャアセイラ兄妹を救うためにマス家に養子に入れたんですよね?
シャアは父ジオンダイクンの敵討ちで偽名で内部スパイ活動でザビ家を滅ぼそうとしているわけですから、わかりますが
ランバラル本人がガルマの仇討部隊に入るというのが理解できません
どんなにお金などをもらって優遇されたとしても、信念として父ジンバと共にザビ家一族は嫌いでしょうからね。
父ジンバはザビ家の側近ですが、むしろシャアへの情報網で暗殺できる利点があるでしょうから、暗殺のために側近を仕方なく続けていると解釈できます。
2014/08/24 (日) 10:42:49 | URL | #-[ 編集 ]
>yagiさん
クワトロ時代のセイラについては、PS版のゲームで台詞が描かれたんですが、「兄は父の意思を継いで政治家になるつもりだけど、心の中では戦いたがっている」みたいなことを言っていたと思います。
この頃はシャア自身が色々な期待を受けていた時期なので、あー大変そうねくらいにしか思っていなかったのかもしれません。

>名無しさん
ランバ・ラルは特にザビ家に対して敵対心は持っていなかったように描かれていますね。
それよりも、ハモンや部下たちを食わせていくことの優先していたようなイメージです。
小説版では、ギレン親衛隊に所属しながらシャアに協力したりともう少し色々動いてます。全然違うストーリーで完全にパラレルですけどね。
2014/09/14 (日) 00:40:38 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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