がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
サイド6って結局どんな体制だったの?
 サイド6は、連邦とジオンの間での中立コロニーだったということは明らかですが、具体的にどのような関係でどういう政治体制だったのか、いまいちはっきりしていません。
 ここは、改めて資料に書いてあることを確認して、どのような環境だったのか考察してみたいと思います。久々の資料考察です(笑)

 とりあえず一年戦争当時の設定はファーストガンダム当時の資料が原典となるので、まず当時の資料から振り返ってみます。

「南極条約により中立サイドとして、ジオン軍、連邦軍のどちらも非戦闘区域としたサイド。ジオン寄り。」(アニメック別冊 機動戦士ガンダム大事典)

「かねてから外交手腕により独自の経済体制を確立していたサイド6政府は、連邦軍・ジオン軍に対していかなる戦闘にも加担しない旨を通告し、中立宣言を行う。まったく無傷のサイド6は、ランク政権の根回しが功を奏し、両軍ともにこの宣言を承諾した。」(ラポートデラックス アニメック特別編集 機動戦士ガンダム宇宙世紀Vol.1 歴史編)

「ザビ家の独裁政権となってから、サイド6のランク政権と密約が交わされる。サイド6は経済・政治界の人間が多数住むもっとも連邦よりのコロニー群であるが、政治の暗黒部分を秘めており、ジオンにとって重要な人物もいたからである。おそらく、相互不可侵条約のようなものだったのだろう。」(ラポート 機動戦士ガンダム大事典 一年戦争編)

「モビルスーツザク部隊の実戦参加は、七七年七月のサイド6革命における武力援助を皮切りに、月面の領土拡張、他のサイドの宇宙工場の奪取と次々に進められ、各地で期待以上の戦果を挙げた」(ガンダム・センチュリー)
※ガンダム・センチュリーは終戦日が0080年11月1日になっているなど、年表が現在とは大きく異なる。

 これらの記述からかなりの密度の情報がわかります。以下列挙します。

・サイド6は連邦の財界・政界の人間が多く、独自の経済体制を構築していた
・サイド6の実権はランクという人間が握っており、開戦前にザビ家と密約を交わしていた
・サイド6では革命が起きており、その際ジオンはMSを用いた武力援助を行っていた
・サイド6は開戦後に中立宣言を行いジオンの攻撃対象から外れ、南極条約で正式に中立サイドとして認定された
・以後サイド6は中立サイドとなるが、実態はジオン寄りの姿勢だった

 なおサイド6の革命はセンチュリー発の設定で、以後ニュータイプやB-CLUBに掲載された年表と、MS ERAの年表にだけ掲載されているのですが、公式年表にはないためなかったことになっている可能性があります。この時点ではグレーなものとして扱います。

 まず、サイド6には連邦の要人が多いというのがポイントです。基本的に連邦政府の人間は地球にしがみついているというのが宇宙世紀の基本設定ですが、そうはいっても事務的に宇宙に行かなければいけない機会はあったはずです。そういう時のための「政府の出先機関」が多く設置されていたのがサイド6だったんじゃないでしょうか。
 初期のサイドはそれこそ移民者やコロニー開発従事者がメインだったのでしょうが、最後に完成した(サイド7は未完成)サイド6は、ほぼ政府の為に作られたコロニーだったのかもしれません。
 そういう場所なので、住んでいる人間も他のサイドとは一線を画す存在だったんじゃないかと思います。一年戦争中は政府関係者の疎開先にもなっていたんじゃないでしょうか。

 また、そういう環境だからこそ、独自の経済体制を持っていた理由も見えてきます。実際にサイド6は独自の通貨を持っていることが0080で設定されていたりしますが、通貨が異なるメリットというのは外貨為替の概念が発生すること、つまりはマネー・ロンダリングが可能になるということでしょう。色々と黒いお金の流入先として機能していた可能性も、非常に高いと言えます。
 そしてサイド6は政府関係者が多いと言うことですから、当然コロニー公社の人間もより政府との結びつきが強い人間が多かったのでしょう。また単に関わりがあるだけでなく、実際に政治力が高い人間も多かったのではないかと思われ(それこそ議員や官僚の兄弟とかいそうです)、そのあたりが外交・政治手腕を発揮して「ランク政権」なんて言葉が出てくるに至ったのではないでしょうか。

 現在の設定では、当時のコロニーの首長は「市長」と呼ばれ、またその任命は連邦政府が行い市民に選挙権はなかったことになっています。もしかしたらサイド6は、いち早くこの体制を変えていたのかもしれません。それが「革命」だったんじゃないでしょうか。ランクがいつからサイド6の実験を握っていたかはわかりませんが、0069年から首長だったのであれば、ザビ家の誕生以前からその立場にあったことになります。当時は政府から任命された立場でしたが、その後政府の縛りを受けない体制に変えていたのかもしれません。中立として認められた後は、独自の統治体制をとっていたはずですが、その体制は開戦前にすでに整えられていたのでしょう。
 いずれにせよ確かなのは、ランクとザビ家には非常に強い結びつきがあったことです。これにより、本来連邦寄りであるはずのサイド6が、ジオン寄りに傾いていきます。むしろ開戦に至るまでのサポートさえ行っていたのかもしれません。

 さて、サイド6にはジオンを支援するメリットは何かあったのでしょうか。政府が倒れれば共倒れになりそうな気もしますが、独自の経済体制と政治機構を持っていたのであれば、むしろ戦争が始まるとサイド6の「一人勝ち」になります。中立なので被害は受けませんし、最後に勝った側につけばいいだけのことです。またどちらの経済が破たんしても、サイド6だけは生き残る事ができますしむしろ戦後主導的立場をとることができます。
 サイド6は、むしろサイド3よりもよほど連邦政府からの独立を目指していたのかもしれません。それも政府の要人が多いにもかかわらずそのようなことが起きるということは、サイド6自体が、特権をむさぼる地球の人間と対立関係にあったとも考えられます。そもそも地球の関係者なのに宇宙に住んでいるということ自体、正規のルートから外れているようなイメージをもたれてもおかしくないですし、そういう軋轢が背後にあったことは想像できます。
 サイド6は元々政府側の人間のうち、主導権を宇宙(自分たち)に持っていきたい層が支配していたんじゃないでしょうか。

 戦争には第三国があった方が都合が良いのは確かです。その方が交渉や難民救済等が行いやすいですからね。その意味で連邦は「明らかにジオン寄りの姿勢を見せている人間が実権を握っている」サイド6を中立コロニーと認めるしかありませんでした。開戦当初連邦の戦況は劣勢でしたし、関係者多数を人質にとられているようなものですからね。ただだからといってサイド6が独立国として認められたわけではないでしょうから、その気になれば政府の権限でどうにかすることはできたのかもしれませんが。

 そんなサイド6は、一年戦争の終戦の際にも当然連邦とジオンの仲介をすることになりました。以下資料の記述です。

「さきに締結されていた講和条約により、両国軍の戦闘行為は禁止されていたが、いぜんとして実戦部隊は戦場にあり、いつまた先端がひらかれるかわからない状態であった。つぎに戦闘がおこなわれれば、確実に人類絶滅につながると感じた両国首脳は、今次大戦で中立をまもったサイド6をふくめて、三国会議をひらくことにした。」(講談社 機動戦士ガンダムモビルスーツバリエーション3 連邦軍編)

「宇宙世紀0079年12月31日。公国軍の拠点である宇宙要塞ア・バオア・クーが陥落した直後、指導者を失ったジオン公国首脳は、サイド6を仲介として地球連邦政府に接触してきた。連邦政府は、月の裏側のグラナダ基地に大艦隊が温存されているという情報と、ドロス級空母が複数存在している可能性を恐れ、サイド6による勧告を受け入れることにした。」(メディアワークス データコレクション3 機動戦士ガンダム一年戦争外伝)

 終戦工作もまた、サイド6を介して行われたことになりますが、これは中立となっている以上当然のことでしょう。当時の状況としては、余力はあるもののザビ家が全滅したことで指導力がないジオンと、優勢であるものの被害が大きい連邦の妥協案として、事実上連邦の勝利(指導者不在のためジオン側がギブアップ、というイメージ)としての終戦を行うものの、ジオンにも一定の自治権を認める、という形だったのだと思います。
 MSVの設定から、その後の戦闘部隊の撤退交渉についてもサイド6が仲介したことがわかります。ここで「三国」という言葉が出てくるのであたかもサイド6も独立したような言い回しになっていますが、実のところこれ以降サイド6がどうなったかという設定は「全く」ありません。たぶん富野監督もサンライズ側も考えていないんじゃないかと思います。

 普通に考えると、中立で唯一消耗がないサイド6は、戦後の勝ち組になってもおかしくありません。しかし後の時代の描写にサイド6の名前は全くなく、どちらかというと月社会が戦後隆盛してきたイメージとなっています。
 そもそも、「Zガンダム」の時代のサイドの名称は、ファーストガンダム時代とは変更されています。何故かサイド5(ルウム戦役で壊滅)がサイド4となり、サイド6が5、サイド4が6となりました。どうしてそうなったか制作上の事情はよくわからないのですが、一同後付で0083のコロニー再生計画により名称が変更された、ということになっているようです。ただ本来のコロニー再生計画の設定は、サイド1と4のコロニーをサイド3に移送するというだけのものなので、それをもってサイドの名称を変えるだけの理由にはならないような気がするんですけどね。

 ただ、そもそもサイド3,6,7以外は一年戦争で壊滅したというのがファーストガンダムの基本設定であるということに立ち返る必要があります。当初はほぼ全滅したという設定でしたが、その後コロニーに関する設定のの考え方が変わり、壊滅的打撃をうけてはいても全滅したわけではなかったことになっています。
 とはいえ、ジオンが各サイドを狙ったのは宇宙での制宙権確保のためですから、軍事や政治に関わりが強いコロニーは軒並み全滅しているはずです。つまりサイドとしての統治機能がほとんど失われていたということです。
 では、失われたサイドの統治機構を取り戻すにはどうすればいいか?サイド3は独立しましたし地球から新たに人が上がってくるとも思えない(そもそも地球も壊滅しています)。だとすれば、白羽の矢が立つのはサイド6の人間であったはずです。

 つまり、サイド6のランク政権は解体・各サイドに分散されたんじゃないかと思います。形式上はサイド6自体の消滅ですが、実際はサイド6の要人が各サイドに分かれて配置されただけにすぎないと。つまり「ランク政権」はサイド6・リーアに限ってのものではなく、サイド3と7を除いたすべてのサイドを意味する言葉になったんじゃないでしょうか。
 そしてそれこそが、本来のランクの野望だったのかもしれません。つまり連邦政府に対し、全てのサイドを統治するコロニー側の代表となる事。ある意味ではジオン共和国とフル・フロンタルが目指した「サイド共栄圏」の思想に近いと言えます。その中心となることが目標だったのではないかと。

 どこまでランクという人間が生き続けたかはわかりませんが、そう考えると、スペースノイドの運動が高まる「Zガンダム」時代の裏側も見えてくるような気がします。サイド6が生き残り、戦後各サイドにその力が分かれていったからこそ、反連邦運動が広まっていったのだということです。
 ジオン・ダイクン、デギン・ザビ、ダルシア・ハバロ、そしてランク。彼らは手段は違えど、同じような目標に向かっていたのかもしれません。
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 がんだまぁBlog all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.