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シャアは連邦政府の何に嫌気が差したのか
 「逆襲のシャア」でのアムロのセリフに、「シャアは俺達と一緒に反連邦政府の連中と戦ったが、あれで地球に残っている連中の実態がわかって、本当に嫌気がさしたんだぜ」という台詞があります。ここで言う「反連邦政府」というのはティターンズのことですが、「地球に残っている連中」というのは、連邦政府の政治家のことを指していると考えられます。これが理由でシャアは地球にアクシズを落とそうとしたのですが、そもそもシャアは政治家たちの何に対して、具体的に嫌気がさしたのか、その点について考えてみます。

 シャアの「Z」~「逆シャア」の時代の言動と思想はある程度一貫していて、それが「人類すべてを宇宙に上げること」です。アクシズを落とすことで地球を人間が住めない場所にして、強制的に宇宙へ移住させようというのがネオ・ジオンでの目的ですし、エゥーゴの時代においては議会ジャックの際に「時はすでに人類を地球から巣立たせる時が来たのだ」と言って宇宙移民を促しています。
 ただ、この思想の原点はブレックス・フォーラにあり、ブレックスと連邦総会に出席した際には、ブレックスは「政治家の宇宙移民」を提案しようとしていました。シャアもこれに同調しており、おそらくシャアにとっての「人類の宇宙移民」は、本来は「政治家の宇宙移民」を促すことを目的としていたと考えられます。

 であれば、シャアが政治家たちに嫌気がさしたと言うのも、要するに「政治家たちに宇宙移民する気は全くない」ということを実感したからなのではないかと思います。だからアクシズ落としという強硬手段に出るしかなかったということです。

 しかし、「Zガンダム」劇中において、そこまでシャアが決定的に政治家に失望する描写はありませんでした。というのも、ブレックスの宇宙移民提案は暗殺されたために実現しませんでしたが、その後シャアが演説した後の政治家の反応については、全く描かれていないからです。そのため、「Zガンダム」の劇中のみで、シャアが政治家に失望したと読み取るのは難しくなっています。

 但しあくまで既存の作品からヒントを探すとすれば、連邦政府の政治家たちの行動が最も現れているのは、「ガンダムZZ」における描写であったと言えます。
 「ガンダムZZ」では、ダカールでは政治家たちがあっさりとハマーンを受け入れ、ミネバに頭を下げる姿が描かれていますし、ネオジオンに抵抗するエゥーゴに対しては、余計な戦乱を招いているとして武装解除を求めています。この描写は、「逆シャア」においてアクシズを譲渡する代わりにネオジオンの武装解除を求め、ロンド・ベルにはろくに補給もしなかった政府の行動とほぼ一致しています。
 つまり「ZZ」~「逆シャア」において連邦政府は、「面倒事を避けるためであればネオジオンの要求を簡単に呑む」存在として描かれています。こんな政治家たちであれば、どんな事が起きようとも、何を犠牲にしてでも地球から出なくて済む選択肢を選ぶだろう、ということは容易に想像できます。だからこそハマーンは「地球にしがみつくバカども」と表現し、シャアも「地球に住む者は自分達の事しか考えていない」と言ったのだと思います。

 だとすれば、シャアが政治家に嫌気が差した最大の要因は、「ZZ」の時期の政治家の行動にあったと言うことができます。ここに、「ZZ」の時代にシャアが何をしていたかのヒントがあるのかもしれません。つまり、シャアは「ZZ」の時期に、連邦政府の内部に関わっていた可能性があるということです。
 この時期のシャアが行っていたことの一つにミネバの保護があるのですが、それに加えて、政治家たちを宇宙に上げる方法を模索していたと考えられます。ダカールで演説しただけでは動かない政治家たちが、直接の危機に瀕したらどうなるか、シャアはハマーンを利用して傍観していたのかもしれません。

 そもそも、この時点で政治家に宇宙移民を促すにはどのような手段が考えられたでしょうか。簡単なのは議会本部の移転ですが、政治的にそれを行うには大きな力が必要なので、まずダカールを壊滅させて、その後仮の議会本部を宇宙に作るよう工作を行う、というのが極めて強引ではあるものの現実的な手段でしょうか。
 しかし実際にネオジオンがダカールに侵攻した際、連邦政府は抵抗せずこれを受け入れ、首脳陣はダブリンに逃げてしまいました。そのため現実的な政府の意思決定は行われず、代わりにダブリンにコロニーが落とされたのですが、それでも連邦政府の姿勢は変わることはありませんでした。
 その様子をシャアは間近で見ていて、失望したと考えることができます。ダカールに直接攻め込まれても、コロニーを落とされても動かないのであれば、もはや合法的な手段での政治家の宇宙移民は不可能であろうと悟ったのでしょう。


 ここから先は完全に妄想です。シャアは議会を宇宙に移転したいので、ダカールでの徹底抗戦を求めていた可能性があります。ダカールを戦場にしてしまえば、議会の機能を一時的に奪うことができます。そのためカラバのアムロと連携して、ネオジオンに対抗する準備をしていたとします。
 しかし、政府からはネオジオンに抵抗するなという指示が来ます。また、ダカールを戦場にしようとするシャアに対し、アムロは反対をした可能性が高いです。この時点でシャアは政府に失望し、またアムロとも決別し、姿を消します。それを追って、アムロは宇宙に上がったというのはどうでしょう。「ZZ」劇中でアムロが宇宙に上がったことが語られるのはちょうど「ダブリンの午後」の話です。
 セイラがリィナを助けていたことを考えると、ダカールにセイラがいた可能性は高く(別冊アニメディアのガンダムZZpart2に掲載された、アニメの脚本担当が書いた小説では、セイラがカラバの看護師をやっていたことになっています)、アムロ・シャア・セイラが実はダカールの無血占拠を受け入れるまでの攻防に関わっていた可能性さえあります。だとすれば、劇中後半でセイラがシャアに対して大きく失望しているのもよくわかります。
 シャアが直接政府に失望する契機であり、アムロが再び宇宙へ上がる契機でもあった物語。「ZZ」の裏側で起きていたサイドストーリーとしては、比較的現実的な内容だと思うのですが、いかがでしょうか。
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いっそシャアはあのまま地球連邦の大統領になって、ミネバを擁立するハマーンと組みミネバを生き神に、ハマーンを巫女に仕立て上げて地上と宇宙の合意、なる形を作り上げて総移民プランを立ち上げるのがベストだったかな、などと妄想します
まあ、旧ジオンそのものをシャアは毛嫌いしてますから、実行はされないでしょうが
2014/02/12 (水) 23:06:12 | URL | ナナシ #-[ 編集 ]
シャアの行動を考える際、ZZは無視しがちなのでなるほどという感じでしたね。
となるとブレックスの後継者として動いていたことになりますね。
すると月資本の影響も受けるでしょうからシャアの考える連邦本部の移転先はやはりフォン・ブラウン市たということになるのでしょうか。
数十年後に実現したとなると感慨深いものを感じますね。
シャアや月資本の面々にしてみれば何度となく本部の破壊工作を行うことで地球は防衛に適さないと教えてるのかもしれません。
そういえばZにおいて月は何度か危機を迎えますが、いずれもエゥーゴによって阻止されています。例外はサラの爆破テロくらいでしょうか。
そうすると一年戦争からシャアの反乱までの出来事は結果として、月の優位性を示す壮大なデモンストレーションだったのかもしれません。
2014/02/13 (木) 20:41:06 | URL | shimora #Qi8cNrCA[ 編集 ]
正直、この内容の外伝を読んでみたいですね。シャアが地球人類粛清に動いた理由としてカミーユの精神崩壊があると言われる事がありますが、それだけでは弱いと思っていたので。
ΖΖの戦後処理の場面でジュドーが怒っていた場面もそうですが、たとえニュータイプを食いつぶしても地球人類は変わらないとシャアが結論を出すのに連邦議会(選挙で選ばれた地球人類代表)を一度変えようとした話を持って来てほしいです。
2014/02/17 (月) 12:56:13 | URL | 匿名希望 #-[ 編集 ]
>ナナシさん
シャアがザビ家体制を引き継ぐことはあり得ないですが、アクシズが再びジオン公国に匹敵する国家となるためには、それくらいやらなきゃ難しかったでしょうね。
最終的にシャアがネオジオンをまとめられたのも、ザビ派・カーン派・ダイクン派を全て飲み込んだからですし。

>shimoraさん
地球に残る人口の方が少ない世界である以上、宇宙にいる権力者層がなんとかして地球から主導権を奪いたいと思ったのは当然ではあります。
宇宙世紀の歴史は主導権が地球から月に移る歴史であったと、結果的には証明されてるんですよね。

>匿名希望さん
賛同いただけると嬉しいです。
アムロとシャアが出てくるサイドストーリーは冨野監督以外作れないでしょうし、当の監督本人はそういう話にはあまり興味ないでしょうから、夢物語ですね。
2014/03/02 (日) 20:39:42 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
Z後のシャア
妄想部分について賛同します。
逆シャアでのアムロのセリフ「嫌気がさした」は単純にダカールの演説のことを指していたと思っていましたが、それだけでは弱いなとも感じてました。Z後はシャアは怪我の治療などしながら資金調達と仲間集めでもしてたのかな程度でした。カラバがらみで考えると嫌気がさしたというセリフに現実味が出てきますね。
2014/03/05 (水) 22:32:20 | URL | にけ・にっける #ieQ4AptY[ 編集 ]
ありがとうございます。
やはりZから逆シャアだとシャアの失望に至る描写が弱いんですよね。
ZZは監督が作品に直接関与していた度合いは低いかもしれませんが、世界設定にはちゃんと関わっていたと思うんで、やはりZZは無視できないのかなと思います。
2014/03/15 (土) 15:11:36 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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