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シャアは何故アクシズに戻らなかったのか
 久々のシャア考察。シャアは、一年戦争後アクシズに身を寄せましたが、その後地球圏に戻ってくると連邦の軍籍を取得し、エゥーゴの一員として活動していました。その後、アクシズが地球圏に帰還してきた際は、あくまでもエゥーゴとしてアクシズに対応し、最後までアクシズ側に戻ることはありませんでした。
 なんとなーく戻らない理由はわかるのですが、明確に作中で提示されているわけではありません。実際にはどのような理由があったのか、掘り下げてみたいと思います。例によってC.D.Aは置いといて。


(1)ハマーンとの決裂
 作中で決定的に描かれているのは、最初のアクシズとの交渉の際、ミネバの扱いと様子に腹を立て、ハマーンに激怒して見せたことです。これによりアクシズとエゥーゴの交渉は決裂し、シャアもアクシズから攻撃を受ける身になりました。この時点で、シャアがアクシズに戻る気がないのは明白でした。
 ただ、この時の決裂はすでに「最後のひと押し」としての意味合いが強く、この前からすでにシャアがアクシズに戻る気はさらさらなかったように思えます。ただ、名目上はシャアは「地球圏への偵察」のためにアクシズを出たことになっており、この時点ではまだアクシズ側はシャアがアクシズの一員であると認識していたように思います。この意識のズレは、どの時点で生まれていたのでしょうか。

(2)エゥーゴの代表権
 シャアはこの時点でブレックスに後継者に指名されており、事実上エゥーゴの代表権を持っている立場です。ただアクシズの交渉時にはウォンが代表を名乗っており、その後もメラニーが出てきたりしていますので、少なくともスポンサー側はシャアを代表とは認めていないようでした。またシャアも代表としてふるまう気はなかったようです。
 とはいえ、エゥーゴにとっての中心人物であることには間違いありません。シャアの立場を最大限に生かせば、アクシズとエゥーゴのどちらに主導権を与えた形であっても合流させることは不可能ではなかったはずです。それをやらなかったということは、基本的にアクシズと協調するつもりはなかったのでしょう。シャアの心は、かなりアクシズから離れていると言えます。

(3)ハマーンとの関係
 そもそもハマーンとシャアは私的な人間関係としても決裂していると言えます。ハマーンはシャアに未練があるようですが、シャアは全く未練がないようでした。
 ハマーンはシャアの女性の好みとは全くの真逆(基本的には、ララァやナナイなど母性を感じさせるのが好み)だったということもありますが、じゃあハマーンが摂政じゃなかったらシャアはアクシズに戻っていたか、というとそうは思えません。ハマーンとの関係が円満ではないことは間違いありませんが、ハマーンを嫌っているからアクシズに戻らない、というわけでもなさそうです。根本的に、アクシズという組織自体に対して不信感があるのではないでしょうか。

(4)アクシズの体質
 そう考えると、シャアがアクシズに戻る気がないのは当然かと思います。何故なら、アクシズの目的は「ザビ家中心のジオン公国の復活」なわけですから、シャアがそれを望むはずがないのです。シャアにとってザビ家は父の仇敵であり、それを復活させることなど、到底望むはずもありません。
 だとすれば決定的にシャアがアクシズから離れた要因は、そこにあるはずです。アクシズがミネバを旗印に、ザビ家復活のために行動を起こすとなった時点で、シャアはアクシズから離れることを心に決めたのではないでしょうか。だからこそ、完全にザビ家の後継者としての教育を受けたミネバを見て、あれほど激怒したとも言えます。


 このように考えると、ハマーンとの関係においても、このザビ家復活についての考え方の違いというものが要因の一つにあったと言えそうです。
 ハマーンはZZの作中で、ザビ家を見返したかったという心の内を明かしています。ザビ家中心の体制を作りながらも、それをコントロールすることで、ザビ家への恨みを晴らそうとしていました。同じくザビ家を恨んでいるシャアとは、その手段において道を違えたと考えられます。シャアは、目的はどうあれ、形式上でもザビ家中心の体制を作ることは望んでいなかったと思われます。だからこそ、ハマーンと同じ道を進む気にはなれなかったのでしょう。
 ハマーンはどちらかというと権勢欲が強く、人に媚びることはしないタイプです。だからザビ家を見返す=ザビ家に勝つ、という図式になってしいまい、ザビ家を倒すことではなく支配することが目的になりました。しかしシャアは目的のためならガルマと友人関係になったり、キシリアに頭を下げることもできるタイプでした。またザビ家への恨みを晴らす=ザビ家を滅ぼす、ということが目的でした。そのため、シャアがアクシズにおいて成したかったことと言えば、それは「ミネバをザビ家から解放すること」であったのではないかと思います。さすがに幼子を暗殺する気はなかったでしょうから、それでいてかつザビ家を滅ぼすためには、ミネバをザビ家の後継者として育てようとする者の傍から引き離さなければなりません。それができないと悟ったからこそ、シャアは偵察の名目でアクシズを離れ、そのままアクシズから離脱してしまったのでしょう。

 つまり、シャアはハマーンとの私的な関係以前に、思想と手段において決定的に決裂していたと言えます。しかしハマーンは、シャアが何故離れたのか全く分かっていなかったように思います。シャアがジオン・ダイクンの子であることを知っていたかも定かではありません。ハマーンに分かる気がなく、シャアも分かってもらう気がなかったので、2人は決裂したのでしょう。そのため、シャアは最後までアクシズとの共闘を望むことはなかったのです。一時的にハマーンに頭を下げたのも、エゥーゴがティターンズに潰されないための苦渋の選択でしかありませんでした。


 その後の言動や行動から考えると、グリプス戦役時代のシャアは、ニュータイプが増えてオールドタイプを駆逐する可能性を探りながら、可能であればミネバをアクシズから奪うことを目的としていたように思います。そして最終的にミネバを奪うことには成功したのですが、結局ミネバがザビ家の宿命から逃れることはできませんでした(その立場を受け入れた上で、自らの成すべきことを見つけたのは、シャアの計算外だったでしょうけど)。またニュータイプの可能性については、現状では不可能だと断じ、アクシズ落としという早急な手段に走ることになりました。
 
 個人的には、シャアとハマーンが相容れなかった最大の理由は、シャアが自分の出自をハマーンに明かせなかった、ということにあるのではないかと思います。ハマーンが自分の野望である、ザビ家中心の体制を構築しつつの支配、という目的を明かしたとして、シャアがそれを拒否・否定するには、自分の考えを明らかにしなければなりません。「ザビ家中心の体制を作りたくない」という個人的な意見を述べずに正攻法で考えると、アクシズはジオン共和国への合流を拒否したジオンの人間の集まりなわけですから、共和国体制とは異なる形でジオンという国を作らなければならないのですが、そのためのイデオロギーとして、ザビ家以外に旗印はありません。もうひとつあるとすれば、それはダイクンという旗印なのですが、シャアにその気はありませんでした。アクシズという団体が存在意義を持つためにはイデオロギーが必要で、選択肢としてそれにはザビ家の名しかなかったわけですから、論理的にはハマーンの選択肢は間違っていません。もう一つの可能性である、ダイクン家の名を継いで真のジオンを名乗るという選択肢をシャアが選ぶ気がなく、そのことをハマーンに明かす気もなかったからこそ、シャアはハマーンに「説明せず」にアクシズを離れてしまい、ハマーンにつきまとわれることになってしまったのだと思うのです。
 言わば、アクシズという組織は、シャアが自らの血の宿命から逃げた、その結果であるとさえ言えます。その後、シャアは結局自ら軍を立ち上げることになるわけですが、その回り道がなければシャアが自ら立ち上がる気にはならなかったかもしれないので、そういう意味ではグリプス戦役中のシャアの動きは、必然だったのかもしれません。
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コメント
コメント
逆にザビ家の亡霊を殲滅するために共闘していた、なんて妄想もアリですよね
ハマーン→アクシズ一派の駆逐及びミネバの解放(クワトロが会っていたのは影武者)、シャア→ジオン共和国及び旧エゥーゴ内ジオンシンパの駆逐みたいに。
2013/12/31 (火) 12:10:26 | URL | ナナシ #-[ 編集 ]
ガルマが死んだあたりで既にシャアに怪しい噂が流れていますし、キシリアもシャアがジオンの息子であることわかっていたようですし、マハラジャもハマーンもそのあたりを知っていたんでしょうね。

シャア個人としては生涯にわたってジオンの子としての生き方を選びたくないように思えます。ミネバをザビ家の子として存在させたくなかった事からも彼は「血」に縛られることは望まなかった。

だが、周囲は彼に「血」を求める。それはブレックスもハマーンもナナイも変わらなかった。シャアがアムロに固執するのも彼の生身の部分を知るからでしょうかね。

そういう部分を感じていたからこそオードリーはフロンタルを嫌うのでしょうね。
2014/01/01 (水) 23:04:49 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
>ナナシさん
ハマーンとシャアが互いに認め合う関係であれば、そういう展開もあり得たかもしれませんね。

>ドクトルKさん
まぁカミーユが最初から知ってたあたり、シャアの出自は普通に報道されてたっぽいですね。いいワイドショーネタにされちゃったんでしょうか。
そう考えると、シャアは芸能人みたいに扱われるのも嫌だったんでしょうね。

素の自分で接せる相手は、ララァを除くアムロくらいしかいなかったというのはあると思います。
唯一の宿敵だけというのがまた皮肉ですが。
2014/01/02 (木) 21:22:47 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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