がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
宇宙用高機動型MSの系譜
 MSを運用目的ごとに分類したりする考察は今までいろいろやってきましたが、その中でも特に「宇宙用」の「高機動型」に絞って考察してみたいと思います。高機動型=実質的に対MSよりも対艦に特化した攻撃型MS、の意味で解釈してください。

 高機動型という意味でのMSの元祖は、MS-06R高機動型ザクということになります。MSVの設定によると、MS-06は南極条約締結の時点で本来の役目を失い、MSは少数精鋭化していったとされています。
(以下引用)
 南極条約の調印による人類の養護項目により核、BC兵器の使用は禁止となり、本来の奇襲戦用汎用兵器ザクは活躍の場を失った。これによって兵力の再蓄積が明確化しモビルスーツはあたかも旧2次大戦中の航空機のごとき発展経過を歩む事になる。本来汎用機として作られたザクは、大量作戦の生じ得ない時点で少数精鋭化へ進み、機体自体はより高機動化の方向をたどった。MS-06Rとして知られる機体は、こういった状況下に誕生した主力モビルスーツである。(模型情報84年6月号)

 つまり本来の「ザク」はあくまでも集団での核弾頭の運用を前提にしたMSであって、それができなくなった時点で少数精鋭の高機動機の運用に移行していったと読み取れます。核攻撃ができない→もっと敵艦に接近して攻撃しなければならない→MSの機動力の強化とピンポイント攻撃前提による少数部隊化、という流れだったのかなと思います。

 しかしザクの高機動化はコストの高騰と操縦性の悪化を招き、結局新設計の機体を開発することになりました。それがゲルググなのですが、ビーム兵器の搭載が前提となり(ビームの方が射程が長く実弾ほど接近しなくていいのだと思います)開発が遅れ、地上用のドムを転用することでしのぐことになりました。これがリック・ドムです。
 ただMSの航続能力はそこまで高くなく、またどうせ少数精鋭になるならより特化した形で、ということでMAという案も登場します。特にMA-05ビグロは量産段階まで行っていたようですが、戦局的に連邦艦隊を迎撃する形になってしまったこともあってか、コストの問題もあってか、現実には少数の生産で終わっています。
 またジオングもサイコミュを搭載した高機動機という位置づけなのかなと思います。ブラウ・ブロは実験機、エルメスはアウトレンジ攻撃機ですが、ジオングは自身の機動力も追求されており、サイコミュによる攻撃も可能な攻撃機、というコンセプトなんだろうなと思います。

 一年戦争中の連邦軍においては、高機動型MSの配備はあまりありませんでした。これは連邦軍の戦術的な違いによるものでもありますが、あえて言うのであればガンダム4号機・5号機やアレックスなどは高機動機と呼べるのではないかと思います。またGMスナイパーIIもかなり推力が高く、ふくらはぎの推進器配置などからも高機動機に近いと言えるかもしれません。スナイパーカスタム系はスラスターが増設されている分、GMの戦闘攻撃機タイプと言えるのかもしれませんね。

 一年戦争後のMSというと、ハイザックは高機動型ザクの装備を踏襲していますので、そういう意味では高機動機と言えます。GMとはそのあたりで差別化されていたと思われますが、ザクの長所は汎用性でもあるため、完全な高機動機というよりも、戦闘攻撃機としての側面が強かったのかなと思います。そういう意味では、マラサイも同様でしょうね。おそらくはバーザムも同じポジションです。

 純粋な高機動型MSとしては、エゥーゴに色濃く表れています。リック・ディアスは、リック・ドムのコンセプトを引き継いだ高機動機でした。また、その後の百式やネモも、戦闘攻撃機的ではありますが(他のガンダム・GM系に比べれば)高機動機の部類に入ります。ネモはスナイパーカスタムの系譜の延長だとしても、百式は原型がはっきりしていません。リック・ディアスがGPシリーズで言えばGP02に近いコンセプトであると考えると、百式はGP04に近い系譜だったりするのかもしれません。ガーベラ・テトラとは似ても似つきませんが。
 可変機としては、Zガンダム~メタス~ZIIの系譜が高機動機と言えます。変形することで戦闘型と攻撃型を使い分けられるタイプと言えます。このあたりから、高機動機には大型ビーム兵器がセットとなっていきます。艦艇を可能な限り一撃で沈められるよう、より威力の高い武装が求められたのだと言えます。ビグロが内蔵していたレベルのビーム兵器を、MSの携行武装としていったとも言えますね。その過程にあったのがスキウレ~メガランチャーです。

 ティターンズ側のMSでは、メッサーラやガブスレイが高機動機と言えます。メッサーラはシロッコのハンドメイド機ですが、同じくシロッコ製のガブスレイは、設計思想は同様であるものの、メインの形態がMSかMAかの違いがあるのかなと思います。ガブスレイはよりMS形態での運用を重視しており、腕や腰に多くバーニアを内蔵しているものの、脚を格闘戦にも使用できることから格闘戦にも対応しています。まさにシロッコらしい型破りの設計と言えるでしょうね。内蔵のメガ粒子砲とフェダーインライフルを兼ね備えるなど、火力面も隙がありません。
 ティターンズ側にはMS運用にあまり明確な哲学が見られず、あるMSをとりあえず配備しているという印象が拭えません。シロッコがいなかったら、MSの性能では完全に負けてたでしょうね。

 アクシズにおいては、ガ・ゾウムが可変タイプの高機動機であると言えます。また、ザクIIIは推力から見ても完全に高機動機ですね。ドライセンはどちらかというと戦闘攻撃機に近いかもしれません、格闘武器も多いので。またハンマ・ハンマはジオングのコンセプトを受け継ぐ高機動機であると言えます。リゲルグはこれら高機動機の練習機というところですかね。
 アクシズでは一年戦争時代のMSの哲学を極めたMSとしてザクIIIとハンマ・ハンマがあるのかなと思います。しかし現実的には扱えるパイロットが少ないので、ガザ系でお茶を濁したり強化人間に頼ったりせざるを得ない部分がありました。また迎撃や対MS戦も考慮しなければいけない関係上、より汎用性の高いドライセンやバウの方が好まれたのかなと思います。

 ティターンズとアクシズが壊滅した後は、MSの省力化が侵攻していきます。GM系は戦闘攻撃機化し、ネモやハイザック系のポジションも包含してジェガン系として昇華します。そして純粋な高機動機はいなくなり、リ・ガズィという限定的な高機動機が登場します。高機動機はその機能が求められる機会が平時には減るため、BWSという一時的な装備で対応しようという発想が生まれたということです。しかしリ・ガズィ本体も決してコストが低いわけではなかったため採用されませんでした。
 代わりに登場したのが、SFSを兼ねることができるリゼルです。コストを下げられないなら、他の機体のコスト分を兼ねるようにしてしまおうという発想なのだと思います。これが当たり、制式採用され量産されています。


 このように考えると、宇宙における高機動型MSの系譜は、コストの都合で戦闘攻撃機化していく主力量産機と、可変機構を導入することで高機動戦と白兵戦の両立を目指したタイプに分かれ、可変機はSFSをも兼ねることによって量産化に成功した、と言うことができます。
 高機動戦への特化というのは効率面で避けられるようになり、徐々に廃れていったということなのだと思います。ジオン軍においては敵MS戦がまだ二の次だったために開発されましたが、その後は対MS戦を無視することができないため、特化型では通用しなくなっていったという側面もあったのかなと思いますね。
 実は一年戦争後において、純粋な高機動機と言えたのはリック・ディアス系とザクIII系だけだったのかなと思います。この2機種に直系の後継機がないのもそういう背景だったのかなと思います。ただ一方で、サザビーはこの2機種の延長にあるような構造のMSです。シャアのネオジオンや袖付きに明確な高機動機がいないことからも、このサザビーは唯一高機動機の役割を果たすためだけに作られた総帥専用機だったりしたのかもしれません。
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高機動型にする意義としては
対艦なら一撃離脱戦法、敵艦の砲撃の死角に入る
対MSなら瞬間移動でステルス機のような闇討ちと敵機の追撃や間合い取り(弱点である背後や側面を取る)
対艦対MSとも機動性の意味がありますが、対MSなら機動性より手足の運動性(AMBACなど)でしょうね
2013/08/19 (月) 20:52:13 | URL | #-[ 編集 ]
ティターンズのMS運用に関して
ティターンズのMS運用にあまり明確な哲学が見られず、ということは実際、MS運用に明確な方針がなかったのかもしれませんね。

ティターンズという組織の戦略・戦術について実質的な決定権を持っていたのは誰かと考えると、これはやはりバスクなんじゃないかと思います。バスクにしてみればエゥーゴやジオン残党など兵力さえ充分に揃えばどうとでもなるという思いがあったのではないでしょうか。そうなると、まず優先すべきは組織の拡大であり、とにかく兵力を集める必要があります。その為に各地の連邦軍部隊やニュータイプ研究所をひっきりなしに取り込んでいった結果、運用方針も定まらないまま、多種多様なMSが実戦部隊に配属されることになった、と。

実際は、設立当初のティターンズもジムクゥエルによる少数のMS部隊でジオン残党の旧式MSやコロニー内の武装勢力を鎮圧するという明確な目標があったのだろうと思います。ただ、グリプス戦役で急激に組織が肥大化してしまい、MS開発や戦術の研究がそれに追いつかず、結局、旧式の量産機や開発されたばかりの試験機でお茶を濁していた……というのがティターンズの実情なのかもしれません。
2013/08/20 (火) 00:04:46 | URL | ケイ #hfomW9BM[ 編集 ]
ネオ・ジオンに高機動型が少ないのは組織が弱体化していったのも影響しているのではないでしょうか。
それに伴う人員の減少や財力の欠如により、新型機は対艦攻撃や死角からの闇討ちが得意な高機動型よりも一対多数で実力を発揮する火力重視型の方を投入する機会が増加していったのかもしれませんね。
2013/08/20 (火) 22:58:10 | URL | 匿名希望 #-[ 編集 ]
>名無しさん
図体の大きい艦船の場合は、まず火線を潜り抜けることが第一で、
対MSの場合は、相手の動きに細かく合わせる必要があるんで、運動性が必要になるんでしょうね。

>ケイさん
仰る通り、ティターンズには計画的なMS配備はなかったのだと思います。
ガンダムMk-IIこそ自前での開発ですが、その後の計画は進みませんでしたし、その後もニタ研やシロッコのMSを使ってばかりで、最終的にようやく強化人間部隊を作ろうとして量産型サイコを発注した程度ですね。

そもそもティターンズは連邦軍本体の開発する新型MSが優先配備される権限があっただけで、
自前でのMS開発は本業ではなかったのかなと思います。

>匿名希望さん
高機動戦には高い技量がいることが高機動型ザクやゲルググからもわかりますので、そういう意味ではアクシズには使いこなせるパイロットが少なかったんだろうと思いますね。
ザクIIIよりドーベンウルフが優先されたことを考えると、エースパイロットの使い道も高機動戦ではなく火力重視型の運用であったということでしょうね。
2013/08/31 (土) 20:45:02 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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