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SFSと可変MSの興亡
 SFSと可変MSは、それぞれMSの行動領域の拡大を目的に開発されたものであり、一長一短の特徴を持っています。基本的には、SFSの方がメジャーになったようなイメージがありますが、UCではSFS兼可変MSというものが量産化されており、どのような評価であったのかはっきりしないようです。
 実際のところSFSと可変MSにはどのような因果関係があったのか、少し掘り下げてみます。

 SFSの元祖が、ジオンのド・ダイYSであることは疑いようのない事実です。このような運用法が開発されたのは、地上で侵攻戦を行う際、MSの行動半径が足かせになるからでした。当初は狙った拠点に直接降下する攻め方をしていたので、MSが地上を駆け回る必要はなかったのですが、戦線が延びてくると地上での長距離移動の機会が増え、MSにも重力下での移動力が求められるようになったのだと思います。
 一年戦争が終わると、連邦軍もSFSを配備するようになりました。ジオンの場合、侵攻側の都合でのSFSでしたが、連邦軍は防衛する側なので、どちらかというと迎撃機的な目的での運用であったのではないかと思います。つまり、拠点から敵部隊を追撃したり、戦場へ迅速に到達することを目的としていたということですね。
 そうなると、実はそうSFSをたくさん配備する必要はないと推測されます。というのも、迎撃任務にあたるのは基地の守備隊ではなく、そのために特別編成された部隊であることが多いからです。0083でトリントン基地が襲撃された際も、GP02追撃の際は特別に編成された急造の小隊で対応しましたし(これは既存の部隊編成が壊滅したためでもありますが)、その後アルビオンに正式に不死身の第四小隊が招集されて対応しました。Zでジャブローを攻撃したエゥーゴを迎撃してきた連邦軍は、どこかの拠点所属の部隊ではなく、ニュータイプ研究所の部隊でした。警察においても管轄内の一般的な事件は「所轄」が対応しますが、特別な事件が起きた際は「本庁」の人間が現地に対策本部を設置して対応するように、基本的に拠点の現場対応と有事の特別対応は分けられているのだと思います。

 であるならば、SFSを必要とする部隊は、少数精鋭の高性能機を配備することが望ましいと言えます。だからこそ、可変MSという高級機が実戦に配備されるような状態になったのではないかと思うのです。要するに、どちらにしろ少数精鋭が前提なのであれば、多少コストが高くとも万能性の高い可変MSを配備した方が良いということです。
 実際、ティターンズは地上において、SFSよりもアッシマーを多く配備していました。当時の地上において、マラサイやバーザムのような第2世代MSが不足し、SFSに乗せるMSとしての高性能機が少なかったということもあるかもしれませんが、カラバでもZプラスを少数精鋭部隊として配備していたように、どうせ高性能機をSFSに乗せるなら、可変MSでいいよという感じなのかなと思います。
 そういう意味で、実際にはアッシマーとZ系を足して3で割ったようなアンクシャが生まれたのも必然なのかなと思います。可変MSはコストが高いけど、もともと配備数が限られてるからそんなに数はいらない、ただそれだとお偉いさんが納得しないから、SFSとしても使えるようにしてSFSの生産数も減らしてしまえ、という発想なのかなと。実際、アンクシャにあえて乗るようなMSは地上軍にはなさそうでしたし。
 ただその後は、ミノフスキークラフト系技術をMSに応用できるようになっていったことで、そもそもMSがそのままの状態で飛行できるようになり、SFSも可変MSも不要となっていきます。

 一方で、むしろSFSが隆盛するようになったのは、宇宙空間においてでした。宇宙におけるSFSは、MSの航続能力の強化であったと言えます。MSの移動力が上がるということは、より母艦を後方に配置できるということであり、母艦の被弾率を下げることにもなります。地上とはまた違う理由で、宇宙用のSFSが開発されていきました。
 当初、MSの航続能力延長は、MSに使い捨て式のプロペラントタンクを装着することで対応されていました。SFSは、これを自力帰還・再利用できるようにしたものであると言えます。宇宙用の場合も、基本的には少数精鋭運用が多いと思われるのですが、事情は重力下とはやや異なります。重力下の可変MSにおいては、変形そのものが飛行形態をとるためであると言えますが、宇宙用の場合、航続能力=推進剤の量+バーニアエンジンの出力であると思われるため、変形できようとできなかろうと推力系の性能が変わるわけではなく、可変MSがSFSを駆逐するほどのものにはならなかったのだと思います。
 仮に単体で高い航続能力を持つMSがあったとしても、それにSFSを乗せれば推進剤の節約にもなりますし、基本的に不要になることはありません。そのあたりが、宇宙ではSFSがメインとなった理由かなと思います。
 ただ宇宙用においても、リゼルというSFSと可変MSを兼ねるMSが登場します。このリゼルの場合は、MS形態は高性能機というポジションではありません。そもそもSFSとしての機能を求められている以上、通常戦闘ではあまり推進剤を使う余裕がないと考えられます。つまり、リゼルがMS形態で期待されているのは、どちらかというと支援戦闘なのではないかと思います(C型除く)。つまり、SFS+支援機の役割をこなせるのがリゼルだということです。
 しかし、一年戦争以降キャノン系が廃れていったように、支援用MSは大規模戦闘以外ではあまり重要度が高くありません。結局、宇宙用MSの航続能力は小型化により質量が軽減され、単体でもそこそこに推進力を得られるようになったのかなと思います。

 このように考えると、SFSは重力下で発祥したものの、可変MSにとって代わられ、宇宙で主に使われるようになったものの、最終的にはどちらも技術の進歩により不要となったということなのかなと思います。
 キーポイントとしては、MSが地上で飛ぶのと、宇宙でより速く移動するのでは技術的ハードルが違うということかなと思います。空を飛べないMSを飛ばすより、元から飛べるMSを作った方が早いけど、宇宙で普通のMSの航続能力を延ばすことは難しいことではないので、変形機能を持たせてあえてコストを上げるだけの必然性に乏しかったのではないかと思います。

 そもそも宇宙用の可変MSは、変形する意味がないんじゃないかとよく言われます。変形しても機体が発揮できる推進力が変わらないのであれば、確かにそのとおりであることになります。ただ、MAに変形したMSがMA級の推進力を持っていると仮定した場合、その推進力はMSには過度なものであると言えます。リゼルの例で言えば、SFSとしての航続能力はMSに変形した時は不要であるはずなのです。MSに変形しているということは、狭い宙域で近接戦闘を行うことが前提であるからです。
 だとすれば、宇宙用の可変MSの場合、MAに変形した形態において推力が「上がる」のではなく、むしろMS形態において持て余す高い推力を「下げる」意味合いの方が強いと考えるべきなのかもしれません。その気になればMS形態でもMA級の推力を発揮できるけど、必要ないから発揮させない、故に使用しないバーニアが出てきたりもするということです。
 高機動型ザク、ドムに端を発するジオン系高機動型MSは、まさにMS形態においての推力を強化した機体であり、その延長にあるリック・ディアスにしてもそうだったのだと思います。しかしそこに変形機構を追加したZガンダムは、ウェイブライダー形態においてはリック・ディアスの延長の運用が可能であり、MSに変形することで、そこまでの推力を封印し、ガンダムMk-IIの延長の白兵戦闘が得意な形態となる、ということだったのではないかと思います。
 そのように考えると、宇宙用のSFSと可変MSは、そもそも開発目的が異なると言えます。SFSはあくまでも長距離の移動手段ですが、可変MSの場合、長距離を移動して高速で一発打撃を加える攻撃機としての役割が求められており、単に移動のためだけに変形しているわけではありません。強力なビーム砲などを携行したMSをSFSに乗せても同じような運用はできるかもしれませんが、どうせ固定砲台にするのであればSFSとMSは一体化していた方が都合がいいと言えます。そういう考えがあっての、リ・ガズィのBWSであり、リゼルのウェイブライダー形態だったのかなと思います。
 おそらく、リ・ガズィのBWSとリゼルC型の運用法はあまり変わりません。C型の標準装備がメガビームランチャーとなっているのもそれが理由でしょう。違いは、自由な変形が可能かどうかという点でしょうか。リ・ガズィはZの変形機構を維持したまま量産化するのが困難だということから開発された機体ですが、リゼルの場合Zよりもコストパフォーマンスが良いZII系の量産タイプであるということ、リゼル一般機が採用されてパーツの共有や量産効果の恩恵もあったということがプラスに作用したのかなと思います。

 宇宙用の攻撃機は、少数の戦力で数に勝る相手の戦線を突破し、艦艇などの大目標を攻撃することを主な目的としていますが、平時のテロや小規模な戦闘ではあまりそのような機能が求められる機会がありません。だからそれ専用の機体を開発する必然が低くなり、BWSや量産機のカスタムなどで対応するようになっていったのだと思います。
 リゼルの指揮官機などは、必要な場合は本来のZ系としての役割を果たすためにメガビームランチャーを携行して突撃するのでしょうが、その必要がない場合は、リゼル小隊の隊長機として戦うのみなんでしょうね。そのあたりが、スペックが高くて一般機とは小隊を組みにくそうなのに、隊長機と言われる所以なのかなと思います。

 話が半分宇宙用可変MSの存在意義になってしまいましたが、推力重視の宇宙用攻撃型MSの系譜なんかも、今後考察していきたいですね。
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コメント
地上ならセイバーフィッシュみたいな航空兵力の方が良いだろ、などと考えるんですがミサイルが使えない以上、爆撃に頼らざるをえないんですよね
オデッサでも他の占領地域解放作戦でも航空戦力は活躍したようですが、爆撃ばかりの戦闘シーン…イマイチ華がないですね
2013/06/15 (土) 18:01:58 | URL | ナナシ #-[ 編集 ]
宇宙用可変MSがMA形態になるメリットはスラスターを後方に集中させることでの機動性向上だと思うのですが、どうでしょうか。地上では空気抵抗の軽減などの効果も期待されているのかも。
2013/06/17 (月) 13:52:58 | URL | なな #-[ 編集 ]
モビルスーツはambacで戦闘機とは比較にならない機動力を得られる代わりにあちこちにバーニアを据えるせいで巡航性能は戦闘機より遥かに悪いかな、なんて妄想しちゃいます。
2013/06/17 (月) 23:55:48 | URL | ナナシ #-[ 編集 ]
SFSはシリーズによって描かれ方がまちまちで、悩ましい所ではありますよね。

閃ハサだと搭乗員がいて、戦力の頭数として数えられていますが、
逆シャアだと乗り捨てプロペラントタンクみたいな扱いだったりしますし。

アクシリオやセッターまで含めて考えると、SFSの中にも幾つかのカテゴリーがあったのかもしれません。

そう考えると、攻撃能力を持ったSFSの上位互換としてリゼルは理想的な機体なのかもしれませんね。
変形することで複数の状況に対して立ち回れますし。
2013/06/19 (水) 22:44:14 | URL | 達磨 #-[ 編集 ]
>ナナシさん
誘導できない以上、直接落とすしかないですからね。
爆撃は面制圧には有効でもピンポイントの駆除には向きませんから、
そこでMSということになるんでしょうかね。

>ななさん
スラスターを後方に集中することで、ベクトルや応力とかの関係でより効率よく加速することが可能となると思いますが、
「スラスター総推力」の数値が変わるわけではないので、
変形したからといって推力自体が上がるわけではない、というのがミソなのです。
つまり可変機の推力はMA形態を基準に設定されていて、MS形態ではそこまでの推力を必要としていないのではないか、と言いたかったのです。

>ナナシさん
MSと戦闘機の推進剤の量の差がはっきりわからないんでなんとも言えないですが、
サイズから言うとむしろMSの方が巡航性能は高そうに感じます。
ただ姿勢制御にバーニアを使ってしまうと、あっという間に推進剤切れになってしまうというバランスなんでしょうね。

>達磨さん
閃ハサの場合は元々人材も戦力も足りないという状況であるが故という可能性もありますね。
元々ドダイも有人爆撃機でしたし、SFSは基本的に有人操縦でMSからの操作も可能、という設定だったとは思いますが、
戦力として計算できるレベルの度合い、というのはSFSの中にあった可能性が考えられますね。
2013/07/05 (金) 21:45:16 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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