がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ティターンズの隠蔽工作
 ティターンズは法的にアウトな強硬手段を取りながら、それを隠蔽して強引に目的を達成するという手段をしばしば用いています。体制側だからこそできる手段ですが、それがどのようにして行われたかを、少し考えてみたいと思います。

(1)デラーズ紛争及びガンダム開発計画の隠蔽
 正確にはティターンズ発足前のものですが、ジャミトフが絡んでいるのは明白なので、これが隠蔽工作の原点として挙げてみます。そして一番隠蔽設定に無理があるものでもあるのですが(苦笑)

 設定上、明確に隠蔽されたことが明らかになっているのは、コロニー落としとガンダム開発計画についてのみです。前者は単なる事故とされ、後者は完全になかったこととされました。
 後者については、開発責任者であるコーウェン中将や運用責任者であるシナプス大佐が抹殺され、開発元であるアナハイムとしても、オサリバン常務のデラーズ・フリートへの協力というスキャンダルが会社にとって致命的であった以上同調せざるを得ず、抹消せざるを得なかったでしょう。おそらく一般公開もしていなかったので、データ上なかったことになれば、存在を証明することはできなくなります。唯一、デラーズ・フリートの宣戦布告時にGP02Aが公開されていますが、そもそもそれが連邦のMSであると証明する手段がないため、問題なかったということでしょう。
 前者についてはそれほど簡単ではなく、コロニー落下が事故だったとしても、なぜそれを阻止できなかったのかという批判がついてまわることになるため、根本の解決にはなっていません。ただ実際に落ちてしまったものの言い訳としてはそれ以上なかったのでしょう。またそれを阻止できなかった正規軍の怠慢をフォローするためにティターンズが発足したという方便にも使われています。

 ただ、一つ明らかになっていないのは、デラーズ・フリートの蜂起そのものが抹消されているのかどうかということです。デラーズは、思いっきり世界中に向けて宣戦布告しています。それに対しては、なかったことになっていたとも、いないとも明言されていないようです。(過去に実はその宣戦布告は報道統制が敷かれていて作中で描写された以外の地域には流れていなかった、という話を聞いたことがあるのですが、ソースがありません)
 とはいえ、ガンダム強奪の事実とコロニー落とし、そしてGP01が戦闘した記録も抹消されたとなると、デラーズ・フリートが行った行動で記録に残っている可能性があるのは、トリントン基地の襲撃と観艦式への攻撃くらいでしょうか。基地襲撃は残党軍の攻撃により甚大な被害を被るも迎撃し撃破、で済みます(ガトー以外の残党軍はほぼ全滅しているため)。観艦式については明らかにGP02Aのせいなのでどう対処したのかは謎ですが、おそらくジャミトフ側が宇宙軍の重鎮たちを一掃するためにあえて野放しにしたのでしょうから、これ自体をなかったことにはしていないはずです。本来シーマが情報を流して観艦式襲撃は阻止するはずでしたが、その情報を入手したバニングが爆死してしまったため、実行に至ってしまったという経緯があります。となるとコロニー落下と同様言い訳ができないので、単純にジオン残党からの核攻撃があったということにするしかないでしょう。そうであるならば、デラーズ・フリートが行ったのも観艦式への核攻撃テロ、というのが公式記録だったと考えられます。
 そうなると、ティターンズ発足が「ジオン残党の脅威に対抗するため」という名目であることにも公的な説得力が認められることになります。(過去に同じことをくっきーもんすたーさんが述べていますが)

 いずれにせよ、核武装のガンダムを奪われる失態、それを運用され観艦式を襲撃される失態、コロニー奪取を許し落下させる失態、すべて連邦軍にとって致命的であることから、これはジャミトフの力どうこうの前に隠蔽するしかなかったことではあるのかなと思います。
 ただこれがジャミトフ一派とシーマにより初めから「仕組まれていた」というのが重要で、これにより一気にジャミトフが成り上がる土壌が出来上がったことと、大規模な隠蔽の前例を作ったことが、その後のティターンズの暴走のきっかけともなっていたりします。

(2)30バンチ事件
 Zガンダムにおける一週間戦争にあたるエピソードと言えるでしょうか。エゥーゴ結成の直接的な原因となった事件です。
 サイド1の30バンチコロニーで行われていた反連邦集会を、ティターンズがコロニーごと毒ガスで全滅させて阻止し、しかもそれを疫病の蔓延と発表したという前代未聞の大事件でした。
 これは、コロニーが閉鎖環境であったことからできたことで、実際に毒ガスを注入しているシーンは当事者以外見ておらず、コロニー内の人間も全滅していることから、ほぼ完全に隠蔽することができたのだと思います。何より外部による証拠がなかったため、「AOZ」においてその作戦に参加した本人が法廷で証言する以外に証明されることはなかったようです。
 しかし反連邦活動家からすれば、集会の当日に偶然疫病が蔓延するなどあり得ず、ピンポイントで狙われたのは明らかであると確信できたでしょうし、毒ガスのボンベはコロニーに残されていたようですから、決定的な証拠はないもののティターンズによるG3ガス使用があったと判断していたのだと思われます。
 そもそもそこまでして集会を阻止する必要があったのだろうかという気がしますが、ジャミトフの目的を考えると、おそらくわざとそこまでやったというだけなのだろうと思います。ここまでやってみせることで、具体的にエゥーゴという軍事組織の設立につながったわけですからね。

(3)ガンダムMk-IIの強奪・エマの脱走
 ティターンズのシンボルとして開発されていたガンダムMk-IIが、テスト中であった3機すべてをエゥーゴに奪取されてしまうという、ティターンズの顔に泥を塗るような事件です。
 Zガンダム劇中では、特に隠蔽されていた描写はありませんが、「AOZ」によると、他のティターンズのメンバーにはその事実は伝えられていないようでした。となると、やはり隠蔽されていたのだと思います。
 エゥーゴが直接目視で確認するまでその存在が不確定だったようなので、開発は極秘だったのだと思います。また、エゥーゴが奪取後にMk-IIの存在を公に発表するようなこともしていないと思われることから、ティターンズ内部での隠蔽ができれば、それ以上の工作は必要なかったと考えられます。
 とはいえ、グリーンノアにいたほぼ全ての人間が、Mk-IIが奪われたことは知っていたのではないかと思います。ただTV版だと一度奪回した上で、エマ・カミーユ・フランクリンによる一斉脱走で再度喪失していることから、このことを知っている人間以外は皆奪回したものだと思っていたのかもしれません。ファの家族などはカミーユの容疑のために強制労働送りになっているわけですから、カミーユによるMk-IIの奪取自体はあったことになっているはずであり、その後奪回したというのが公式記録となっている可能性があります。
 むしろ隠蔽すべきは、エマの脱走の方だったと考えられます。おそらくエマの脱走は当時のアレキサンドリアとボスニア及びその僚艦のクルーしか知らないでしょうから、情報統制は容易だったことでしょう。その後、これらの艦はジャブロー降下阻止作戦に投入されていることから、もはや捨て駒同然であったと考えることもできます。エマは戦死扱いでカミーユはエゥーゴに残ったまま、フランクリンはヒルダとともに息子の責任を取って自殺ってところですかねぇ。

(4)ジャブローの核爆発
 ジャブローに攻撃を仕掛けたエゥーゴだったものの、すでにもぬけの殻となっていた上、地下に仕掛けられていた核爆弾でジャブローは消滅…という超大規模ブービートラップ(?)です。
 TV版・劇場版ともにその後の言及がありませんが、「カイレポ」や「AOZ」などではエゥーゴの核攻撃として報道されていたことになっています。これが虚偽であったと証言できるのは、スイッチを入れたところを見たと言っているシドレ少佐だけですね。
 これもジャミトフの策略と思えるのですが、一体いつ仕込んだのだという疑問がついてまわります。ただブービートラップという単語を使って思い当たったのですが、そもそも一年戦争の時点で、ジオンにジャブローまで攻め込まれた場合の最後の手段として核爆弾を用意しておいた可能性もあるのではないでしょうかね。それが残っていたので、利用しただけとか。

(5)グラナダへのコロニー落とし
 ジャマイカンの独断によるこの行為については、むしろエゥーゴの方が隠蔽に積極的でした。TV版ではっきり言及されていますが、市民がエゥーゴに不信感を抱かないようにするため、避難指示を出さないようグラナダ市長に依頼しています。このあたりがティターンズとどっちもどっちなんですが(苦笑)、その後実は今のコロニー落下はティターンズによるもので、エゥーゴが阻止しましたと誇らしげに報道したのかどうかは不明です。ジャマイカンはこの後ヤザンに殺されているのですが、生き残っていても処罰されていたかもしれません。小説版では、実際にそうなっていますし(劇場版では、いつのまにか登場しなくなっていました…)。

(6)フォン・ブラウンでの爆弾テロ
 サラが行ったただのテロです。隠蔽されたかどうかなどのその後の描写は全くありません。劇場版でのシロッコの台詞から、アーガマの補給と修理の阻止が目的だったようですが…。確かに一度アポロ作戦で制圧したとはいえ、基本的に中立都市なので直接攻撃することは現実的ではなく、内部から爆弾で攻撃するというのはわからなくはないのですが…。色々突っ込みどころの多いエピソードです。
 ただ、サラという少女を使ってやった以上、ティターンズがやったという証拠はおそらくないので、そういう意味ではエゥーゴを良しとしない一般人が攻撃した=エゥーゴに味方しない市民もいるという意識づけのためにやったのかも…しれません…たぶん…。

(7)サイド2への毒ガス攻撃・コロニーレーザー攻撃
 このあたりになると、ティターンズはもはやなりふり構っていないので、隠蔽する気などまるでありません。むしろ非人道的手段を脅しの道具として使っています。30バンチ事件が誰の仕業だったとしても、この事実だけで討伐の対象ですね。



 こうして見ていくと、ティターンズの隠蔽工作はそこまで手が込んでいないように思えます。本気で政治力を駆使しているのはデラーズ紛争関連のみと言ってもいいかもしれません。
 どちらかというと、怪しさ満点でも「100%ティターンズがやったと証明できるだけの証拠だけは残さない」という手段でブラックな行為を行っているように思えます。まぁ政治家がそんな感じですが、このあたりは安保闘争とかやってた頃の体制側の悪徳な部分を参考にしているんでしょうね。状況証拠しかないから裁判には負けない、みたいな。

 どちらかというと、ティターンズの脅威というのは隠蔽力というよりも、積極的に法的アウトな行為を証拠を残さず実行する、CIA的な側面なのかもしれません。それまでの連邦軍は、起きた脅威に対処するという受け身の組織でしたが、それに対し政府の意に沿わない団体に対して先制攻撃を仕掛けられるという点がティターンズの特徴であり、反連邦側にとって脅威だったのだろうと思います。
 こういったものは通常であれば行き過ぎた規制とみなされるはずなのですが、一年戦争後という状況で、ジオン残党を駆逐するためという目的であれば、やむなしと考える人が多かったということなのでしょう。ただ実際の(ジャミトフの)目的は、スペースノイド側の一致団結とそれによるさらなる全面戦争の開始だったわけですが。
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コメント
コメント
ティターンズ設立のお題目って観艦式テロを防げなかったからコロニー落下という「災害」を防げなかった、という二段階の非難って感じですから、戦後のジオン残党組織としてはデラーズ・フリートの存在は記録に残ってはいると思いますね。

時代的な背景もあるんでしょうが、ZやW、OOあたりは情報の秘匿が徹底されていますよね。
2013/01/18 (金) 21:05:44 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
いつも考察楽しみにしております。
・ジャブロー降下戦で投入されたティターンズの部隊は、まさに捨て駒な感じでしたね。
一応、ティターンズの主力部隊のはずなのに、TV版では何度もアーガマ追討に失敗してますし、MkⅡ奪われて取り返せてないし、エマ脱走とかビダン家絡みの諸々に触れてるし、ジェリドなんかは特に失態ばっかりだし、主な機体はハイザックとタダでもらったマラサイだし。
あくまで自分の想像ですが、バスクやジャマイカンにすればジャブロー戦はティターンズを再編する絶好の機会じゃん、くらいに思ってたのではないかと(もちろんエゥーゴを壊滅できれば御の字でしょうが)。ダメな兵と凡庸な機体は戦闘で一掃し、消耗分を補う+ジャブローを核攻撃するほど増大したエゥーゴの脅威に対抗するとして戦力を増強すると。ジャブロー戦の後に制服が新しくなったり新型機やドゴスギアをどんどん投入していくのも、この戦いでの消耗と再編を見越して事前にスケジュールを組んで計画していたんではないかと。
・ジャマイカンは自分は映画でも更迭されたと脳内補完してます。コロニー落とし作戦はジャミトフの意図しないものでしたし、バスクに諸々の責任を押しつけられたと。ていうか、バスクは末端部隊が云々と言い訳してる時点で失敗時に押しつける気満々ですね。
・ティターンズ末期のコロニーレーザー照射とか毒ガス作戦は確かに隠す気ゼロでしたね。戦後ティターンズが反乱部隊に定義されていく過程で追求の格好のネタになったであろう気がします。あれは現行の連邦体制への挑戦だ、とか、いずれ地球でも同じ事を行いかねなかった、的な感じで。そういえば、ジャマイカンはヤザンに殺されず更迭された場合、おそらくグリプス戦に参加してない=死亡していないので、この戦後処理で引きずり出されて責任を追求されていたんでしょうね。
2013/01/19 (土) 02:42:05 | URL | bellissima90 #9DD8ZWDM[ 編集 ]
話はそれますがガンダムカタナという漫画では観艦式に出席した生き残った艦隊の存在は行方不明という事で秘匿されてましたね。ティターンズが情報操作に大きく関わったのは間違いないですね。同作からのティターンズの将校の言動から、隠蔽について知っているのは、ジャミトフに近い人物だろうと思います。
デラーズフリートの核攻撃から生き残った将校の存在がなかった事になってるのはそこから足がつくのを恐れたからなのだと思います。
そんな体制側に憤慨したから、生き残った艦隊はシンフェデラルを名乗り、世界を変革するに至りましたね。
2013/01/19 (土) 13:42:45 | URL | ぎがれんじゃー #-[ 編集 ]
ガンダムエースのカタナで観艦式に出る艦隊は遭難して行方不明とされていました。カタナの敵組織は観艦式の生き残りをまとめた組織でした。
2013/01/19 (土) 20:17:56 | URL | 飛竜 #ojLMocTU[ 編集 ]
デラース紛争自体も隠蔽されているようですね。
確かAOZのティターンズの旗のもとにの方で、連邦軍将校がデラース絡みの話をしていたら部下がそれはなかった事になったからやめてほしいと注意していた場面があったはずです。
2013/01/22 (火) 17:07:09 | URL | 匿名希望 #-[ 編集 ]
あと、ホンコンシティでの騒動もですよね
「アウドムラを渡さないと人質(ブライト一家)を虐殺するぞ」って体制側が言う台詞じゃないですし、ベン・ウッダー大尉も相当短絡的だなと…
2013/01/28 (月) 00:44:50 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
>ドクトルKさん
デラーズ・フリートに関しては、記録は残っているけど詳細はタブー、という感じなのかもしれませんね。
観艦式に出ていた艦艇にどのくらい被害があったのか、とかそういう記録は残ってなさそうですし。

>bellissima90さん
劇場版ではライラも投入されたあたり、ジャブロー戦での捨て駒具合はさらに強化されている気がしますね。
ジャマイカンが地球に帰れるぞと兵たちに言っている時の言い方も、ジャブローで何が起こっているかわかってて言ってる感じです。

終盤のティターンズはバスクがグラナダを潰すことしか考えていなくて、そのためなら手段を選ぶ余裕がなくなっていたイメージです。
ジャミトフ、バスク、シロッコの誰かでも生き残っていたら、すべてその誰かの責任になっていたでしょうね。

>ぎがれんじゃーさん
>飛竜さん
そういえばシン・フェデラルは観艦式の生き残りでしたね。
個人的には観艦式の被害は伏せられていたのだと思います。
GP02の核の威力自体が当初のスペック以上だったのも問題だったみたいですしね。

>匿名希望さん
AOZでそういう描写がありましたっけ。
たぶんどこまでがOKでどこまでが抹消されているかがすごいデリケートなんでしょうね。
絶対この辺を追いかけてるジャーナリストとかいそうですけど。

>コンラッドさん
ホンコンシティの件は全てベン・ウッダーの責任ってことになったんじゃないかと思いますね。
このことで、ニュータイプ研究所のティターンズに対する立場は大きく下がったんじゃないかと思います。
2013/01/31 (木) 19:16:25 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
劇場版コミカライズだとジャマイカンの死亡が示唆されている部分があります。

月面にコロニーが衝突し残骸が舞っている中で、撤退を始めるアレキサンドリアに残骸に隠れて接近するギャプラン→シロッコがヤザンに対して、ジャマイカンのように〝たまたま″コロニーの残骸に、ぶつかりたくないと話す。

コミックが手元にないので、正確ではないかもしれません
2014/03/21 (金) 08:48:14 | URL | チタン #OOy8wYYM[ 編集 ]
確認しました。ありがとうございます。
ヤザンがアレキサンドリアを潰した上でシロッコに合流したことになってるんですね。
ヤザンがコロニー落としを良く思っていなくて反乱を起こした、というのはTV版と同じということですね。
2014/03/28 (金) 21:20:59 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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