がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
月初のガンダム以外の話「踊る大捜査線」
 プロフィールにも入れてたりして、実は結構このドラマのファンだったりします。今回の映画で一応ファイナルということになって、見てきたのでこれを機にシリーズごと語ってみようと思います。

 当然ネタバレ上等ですのでそこにご留意くださいませ。

 まず今回の映画の感想ですが、全体的には面白かったという印象です。特に、前作の3に比べればはるかに。ただ物語の割合を考えると、序盤のネタを削ってでも「青島と室井が辞めさせられる」という部分をもっとクローズアップした方が、最終作っぽくなったような気がします。あと見た人のほとんどが思っているようですが、最後に青島の危機を救う存在の描き方がどうにも・・・話を締めくくるのが面倒になってしまったんだろうか、と思いました。
 総じて、面白い映画ではあったけど、作りが雑だったかなと言う感想を受けました。劇場版の1と2、それとTVドラマと2時間スペシャルは、もっと綿密に作られていた印象があったんですが。

 このドラマの魅力っていうのは、極めてガンダムっぽい刑事ドラマってところにあると思います。元々映画やら漫画やらアニメやらのネタを流用して面白おかしく新しい刑事ものをやってみようっていう感じで始まったものなので、どこか漫画っぽく、わかりやすい物語になっています。
 ただそれだけではなく、一定のリアリティがあるからこそのガンダムっぽさなんですよね。犯人以上に警察上層部が敵だったりとか、主人公がついこの間まで一般人だったことによる警察に対する違和感、事件に対する青臭さだったりとか、そういう部分が実にガンダムっぽかった。
 またそれだけでなく、一般受けしたのはキャラ配置がしっかりしていることと、盛り上げるべきところで音楽をふんだんに使って盛り上げるところ、そしてコメディ部分かなと思います。

 また、フジテレビ系連続ドラマにしては(というと失礼でしょうかね)テーマが深く、また一本筋が通っているところも非常に魅力でした。登場人物それぞれが過去にトラウマを抱えていたり、それが理由で想定外の行動を取ってトラブルに繋がったり、事件解決に繋がったり、あるいは1話の被害者がトラウマを克服して警察官を志す過程が描かれたり、1話完結でありながらちゃんと毎回伏線が張られて次回へ続いていくという作風が見事だったと思います。
 そうやって丁寧にシナリオが作られていたから、続編やスピンオフを作る余地があって、ここまで続いてこれたという部分もあると思います。

 この作品の根幹っていうのは、サラリーマンから転職して警察官になった青島(織田裕二)と、己の正義をしっかりもっているエリート官僚警官の室井(柳場敏郎)が、衝突して和解して認め合いながら共に自分の道を往くっていうところにあるわけです。
 最初のTVドラマでは、目先の事件やその時の感情を優先して動いてしまう青島と、大局的に物事を判断して指示を出している室井が衝突するんですが、その度に事件をなんとか解決してしまう青島に、己の感情に正直であれという部分を感化されていき、最終的には室井が「本部と所轄のギャップをなくすべきである」という結論に至ってそのために警察内部で偉くなって変えていこうとする話になっていました。
 劇場版第一作では、相変わらず本部の指示が不適切であるがゆえに、青島自身が負傷してしまうという物語になっていて、根本的には進展せずこれからも頑張っていこうという感じで終わりました。
 劇場版第二作では、当初の指揮官が犯人に裏をかかれ、室井が急遽指揮を取って青島と共に事件を解決させ、本部と所轄が連携すればうまくいくという実例を作って見せます。

 ここまでは一応筋が通っていたのですが、この後のスピンオフ作品と劇場版第三作は、本筋とは離れた物語になっていた事は否めません。それに対し、最終作では一応この流れにピリオドが打たれましたが、それもちゃんと当初の流れを引き継いでいたとは、言い切れなかったかなという気がします。
 というのも、結果的に警察の隠蔽体質が暴かれ、室井を中心とした警察の改革が始まるという終わり方にはなったのですが、そうなったのは鳥飼(小栗旬)による辞職覚悟の犯罪を利用した策略とマスコミへの告発によるもの、という内容だったからです。踊る大捜査線の結末ってそれなのかよ、と思わざるを得ません。せめて告発の方くらいは、もう隠すか隠さないかの瀬戸際のところで室井さんがマスコミに暴露するような感じにはならなかったものか。

 やっぱり総じて、凄まじく脚本が雑です。それまでのシリーズと比べて明らかに作り込みが浅いし、キャラクターが生きていないです。脚本家の問題というより、企画段階ですでにアウトであるような気がします。ただ、やれば儲かる仕事だから一通りやっとけというような内容でした。ファイナルならもう少しスタッフの思い入れが見えるのかなと思ったんですが、OPとEDくらいでしたね…。
 作品としての完成度とかよりも、それまでのキャラクターを生かしきれていないのが一番歯がゆいです。真下は親のコネで警察官になったボンボンだったのに、交渉人になったりスリーアミーゴスの後釜になったりキャラがぶれすぎです。すみれさんは元々担当が違うからとはいえ捜査に全然参加しないし、他の青島の新しい部下にはバックグラウンドが足りなすぎる。TVスペシャル発のキャラ(ある意味最初のスピンオフですよね)の内田有紀(役名忘れたよ)は女青島っていう設定のキャラだったのに全然そういうノリじゃないし。「踊る」の売りは青島の破天荒な活躍だのマニアックな小道具や過去キャラだのよりも、何よりキャラクターの軸がはっきりしていることなのに、そこが劇場版第2作を境にくっきりと質が落ちてしまったのが残念でなりません。

 室井が地道に昇進してその時点での権力を適切に使って警察を変えようとしているのに対し、鳥飼は急進的な手段で一気に警察を変えようとしているキャラだというのはわかります。要するにシャアみたいなキャラではあるんですが、それは自分とは関係ない犯罪が起きた時に、それを利用する形でやってもよかったんじゃないかと思います。過去の誘拐事件の母親の弟なんて設定はいらなかったですね。
 青島は事件に乗じて変な陰謀を絡めて適切な指示を送ってこない上層部に対して憤っていて、室井もそんな組織を変えようとしていました。それに対し、鳥飼は上層部とは別の陰謀をめぐらせて指揮系統を混乱させる、これを機に上層部を陥れて一気に潰すんだと言って、それよりも目の前の事件だと青島に叱咤されるくらいでよかったんじゃないかと思います。
 もっと言えば、そこに和久さんの甥が絡んできても良かった。室井の理想をより急進的な形で進めようとする鳥飼に対し、青島の青臭さ(と和久さんの若い頃の青臭さ)を引き継いだキャラとして登場させて、鳥飼とライバル関係になるくらいでよかったんじゃないかと思います。で、室井-鳥飼と青島-和久という師弟関係ができあがる。だから新たなる希望だと思ったんですが。まぁ鳥飼とは完全に和解しないで、今回はうまくいかなかったけどこれからも警察を一気に変える可能性を模索してやるって感じで生涯ライバルっぽく終わってもよかったですけど。

 そんな感じで、今回の映画にはキャラクター描写についての問題と、そもそもの作り手の練り込み度に不満を感じました。それくらい、そこの部分に力を入れたシリーズだったんですよね。
 そう考えると、もう踊る大捜査線という作品は売れすぎて無理矢理続編を作らされていたのかなぁ、とさえ感じました。作り手の情熱がついてこなかったのかなと。そういう意味ではここで終わってよかったかなと思うし、なんとなくまたシリーズが再開しそうな気もしますが、どうか予算よりも情熱をかけた作品をお願いしたいです。
 そういえば、相棒とかと違ってこの作品はTVドラマとしての続編がありませんでしたね。フジテレビってそういうのは基本的にやらない方針があるんでしょうか。他のドラマでも、シリーズものになること少ないですよね。

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コメント
コメント
テレ朝系、あるいはTBS系の刑事ドラマをよく見るんですが、どうもこれは性に合わなかったんですよね。

正直な話、警察の上の方とやりあってるだけで終始してて犯人だとか謎解きの部分がわりとどうでもいいのかな。

どうも印象に残らないんですよね、犯人と、その追い詰め方というところでうまくいかない作品なんだと思うんですが。

フジ系列って、シーズン重ねるよりは一気に映画とか大掛かりにする癖がありますよね。で、そうすると作りが大味になる傾向も。
2012/10/08 (月) 19:22:18 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
先日、シネマハスラーで踊る3、4の批評やってましたがなかなか的を得ていて面白いですよ
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/07/_the_movie_3.html
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/09/929_the_final.html
このシリーズの問題点を的確にまとめていてなるほどって思いました
2012/10/11 (木) 11:02:44 | URL | 名無しさん #-[ 編集 ]
たしかに踊る大捜査線シリーズはどことなくアニメ的な作風がありますよね。
自分は最初にこれ見たときは刑事物マンガのドラマ化だと思ってました。 たしか監督が機動警察パトレイバーの影響を受けいると言ったのは有名な話しでしたっけ?
2012/10/16 (火) 15:18:50 | URL | 化石 #mQop/nM.[ 編集 ]
>ドクトルKさん
どっちかというと犯人を追いかけてるときの青島の暴走とか頑張りとかがメインになってますよね。
まぁ犯人を捕まえることが目的のドラマではないと思います。

民放系は全体的に無駄に大掛かりにする印象がありますね。ゴールデン特番なんかもそうですが。
予算がたくさんつくと、とりあえず使いたくなっちゃうんでしょうかね。

>名無しさん
ラジオですね、教えていただきありがとうございます。
なかなか痛快な指摘で面白かったです。
個人的には、作が進むごとにシナリオ以外の部分に力を入れることが目的となってしまったんだろうなぁと思いました。
やればそれだけで稼げるから、中身より話題性とか枝葉の部分に力を入れるようになってしまったのかなと。

>化石さん
自分はパトレイバーを見た事ないのであまりわからないのですが、
知ってる人ならわかるネタはかなり多いみたいですね。
パトレイバーもそうですし、ガンダムやエヴァやその他アメリカ映画とか様々な要素が含まれているようです。
そういう趣味的な部分をどれだけ刑事ものに入れられるか、という実験作品だったようで。
2012/10/16 (火) 20:11:08 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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