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ガンダムネタだけを語るブログです。
ガンダム世界における地球と月の関係の歴史
 ガンダムといえば、人類がスペースコロニーに移住したという世界観がベースになっており、基本的に地球とコロニーの間での物語になるのですが、その間に月という天体が存在していることはあまり目立って語られていません。

 ここで、宇宙世紀を中心に、地球と月がどのような関係にあったかを考察してみたいと思います。

 まず宇宙世紀において(他のアナザーガンダムでもほぼ同様だと思いますが)、月の開発はコロニーよりも先に始まったと考えられます。何故ならば、コロニー建造のための資源の多くは月から採掘されたと思われるからです。
 「ガンダム・センチュリー」によると、コロニーに使われた資源の多くは、月からマスドライバーで射出され、L2(サイド3宙域)に一旦集約した上でL5(サイド1宙域)へ運ばれたとされています。
 このことから、コロニーの建造が始まる前(つまり、宇宙世紀元年より前)に、まず月面の採掘基地の開発が行われ、資源の採掘が行われたと考える事が出来ます。

 つまり、この時点では月は地球から見て鉱山のようなもので、月で働く労働者もまた、いわゆる鉱山夫のようなものであったと考えられます。ただ地球の鉱山と違うのは、地球に住む人間は特殊な訓練をしなければ宇宙空間や月の1/6重力下で活動するのが困難であるということです。そのため、出稼ぎ労働者のような人種とはまた違う人々が派遣された可能性が考えられます。
 となると、月面開発のプロジェクトはあらかじめ綿密に作られた計画に沿って作られており、そのために育成された人材が集められ、派遣されたと推測できます。ある程度、使命感を持った人間が月で働いていたということです。

 公式年表によると、サイド3の建造開始が0035年となっているので、宇宙世紀元年の時点で完成していたのは多くてもサイド1とサイド2の2つのみであったと考えられます。これらはそれぞれ地球・月・L2の直線のそれぞれ両サイドに位置するL4、L5宙域なので、同じ作り方で建造されたのでしょう。
 そして、0027年には初の月面恒久都市であるフォン・ブラウンが完成します。このことから言えるのは、月において永住できる環境はコロニーよりも後に完成した、ということです。つまりそれまで月の労働者たちは月面に永住しているわけではなく、今の宇宙ステーションのように交代制であったのではないかと思います。またサイド1,2完成後は、そちらに居住していたとも考えられます。つまりサイド1、2は地球からの純粋な移民者よりも、月面労働者とその家族がメインの移住者であったのかもしれません。そう考えると、後のエゥーゴの支持者が月とサイド1・2であったことには納得がいきます。この3つの環境は、それぞれ同じ月面開発スタッフの末裔が中心に構築されているということになるからです。
 但し、月からL2経由で資源を輸送していたとすれば、その資源は主に月の裏側から採掘されたものであると考えられます。Zガンダムに登場した月都市アンマンは資源採掘でかつて栄えた都市であるとされていましたが、これは月の裏側の代表都市グラナダの近隣でした。フォン・ブラウンはその反対側の表側に設置された都市です。となると、人の流れとしては月の裏側→サイド1,2→月の表側の順番で開拓されていった可能性があります。月の裏側で作業に従事していた人間がサイド1・2に定住し、その後より近いフォン・ブラウンに移住したということも考えられます。
 月の裏側のグラナダは一年戦争ではジオンの拠点となり、その後エゥーゴの拠点となり、アナハイムのグラナダ工場はネオ・ジオン用のMSを製造していました。一方で表側のフォン・ブラウンはジオンに接収することなく中立を貫いていました。フォン・ブラウンは地球とコロニーの間に位置する都市として、バランスを取っていたのかもしれません。
 そもそもコロニーは連邦政府の領地ですが、フォン・ブラウンについては不明瞭です。おそらく月の全土が連邦領という考え方なのだとは思いますが、それにしては大きな政治力を持っているようです。このことは後述します。

 またそれ以前に、0010年には木星開発事業団が発足しています。それまであった木星エネルギー船団を再編したものだそうですから、それ以前から木星への船団派遣は行なわれていたことになります。サイド1,2を拠点としていたとは考えにくいので、これらの船団はやはり月から派遣されていたと考えるべきでしょう。つまり木星船団も月にルーツがあるということです。
 なお、EBに掲載された年表によると、木星エネルギー船団が出発したのは2026年であり、月軌道上から出発したとのことです。あと14年…(笑)

 0035年に作られたのが、月とコロニーの資源輸送の中継点であるL2宙域に作られたサイド3です。ここは月の裏側にあるため太陽光が届きにくく、太陽光を直接内部に取り入れる開放型コロニーの設置が困難であるため、内部に人工太陽を持つ密閉型コロニーが設置されました。そのため、エネルギー源も太陽光発電ではなく原子力(核融合)発電がメインであり、そのための燃料としてのヘリウム3は他のサイドよりも多く必要であったと考えられます。連邦から独立し国交を断つのであれば、独自のヘリウム3供給ルートを確保する必要があり、そのためにジオンは独自の木星船団を結成したのだと考えられます。
 サイド3は月資源の中継地点ですから、その資源を各ラグランジュポイントに配分する役目を負っていたのだと思われます。そのため基本的には月の裏側の採掘基地と連携していたと考えられます。また地球から最も遠いという意味では、地球圏外から運ばれてきた小惑星の管理を行っていた可能性もあります。ソロモンやア・バオア・クー(そしてペズン)という小惑星を有し、一年戦争後もア・バオア・クーの管理をしていたことからも、サイド3が小惑星の管理を担っていた可能性は高いように思えます。

 そして0051年には、新規コロニー建造計画の凍結が政府により発表されます。そのため、この時点でサイド6までのコロニーの建造が完了していたと考えられます。その前年の0050年には、総人口110億人のうち90億人が移民したとされていることからも、明らかでしょう。完全な移民完了は、翌0052年でした。
 つまりこの時点で、月の資源採掘の多くの役目が終わったことになります。つまり、直接採掘に関わっていた人々の多くが、失業したということです。

 しかし、実際にはフォン・ブラウンには多くの企業が集っていたとされています。おそらく長年のコロニー開発によって生じた利益や利権によって儲けた人々が、この都市で多くの企業を経営していたのでしょう。
 コロニーは連邦政府によって厳密に区画された人工都市であり、おそらく個人が急に大きな建物を建てようと思っても、難しかったのではないかと思います。農業や工業に特化したコロニーもあったでしょうが、それは国策により設置されたものであり私企業のものはそうなかったと思われます。しかし、月はそうではなかったのではないでしょうか。
 つまりフォン・ブラウンがコロニーよりも後に設置され栄えたのも、コロニー開発の特需にあやかって儲けた人たちが宇宙で商売していくために必要な土地だったからということが推測できるのです。そのため資源採掘の仕事がなくなっても、また別の仕事がすでに月にはあったのではないかと思います。

 とはいえ、月の利益の大半がコロニー開発の利益で得たものであることは確かです。その利益がなくなるとなると、よほど大きな企業に成長しないとその後も経営を続けることは困難であったかもしれません。もっと他の特需があれば…。

 ジオン・ズム・ダイクンがサイド3に移住したのがサイド6までの移民が完了した0052年。共和国として独立したのは0058年でした。ジオンが思想を広め始めたのは0045年でしたが、おそらくジオンは自分の思想に共鳴してくれる人々を探していたのだと思います。そしてめぐり合ったのがサイド3だったのでしょう(もしかしたらデギンが主となって受け入れたのかもしれません)。そしてサイド3は独立への道を走っていくことになります。
 この動きは、政治的にはジオンが主導し、物理的にはデギンが主導していたとされていますが、その裏で経済的に支えていたのは、月であった可能性が非常に高いです。0072年にジオンはアクシズの建設を開始しますが、これは月企業連合体との共同開発であったとされています。すでに0069年に公国化し連邦政府との対立が明らかとなっている時点で月がジオンの環境開発に協力していることを考えると、ジオンへの月企業の関与度はかなり高いと思えます。

 つまり、コロニー開発が終わり特需がなくなった月企業にとって、次に求めたのが戦争特需だったのでしょう。そのためジオンの独立に乗っかったと考えられます。
 連邦政府は0067年にサイド7の建設を発表していますが、コロニーは1基しか建造されず、その後もサイド3から持ってきて2バンチにしただけで開発は止まっていました。実質軍事基地としてしか機能していなかったことを考えると、月企業の関心を引くための政策だったのかもしれません。コロニー開発を続けるから、戦争なんて考えるなよ、という連邦のメッセージだったということです。形だけだったので意味を成しませんでしたが。

 その後の歴史はご存知の通り、一年戦争は終わり、一時月の代表的大企業であるアナハイムが連邦軍と蜜月を築きかけるも、ジャミトフの一派にそれを崩され締め出され、代わりにエゥーゴに協力してティターンズを撃破、アクシズも瓦解しようやく真の蜜月時代を築くに至ります。
 この背景には、これまでも何度か触れていますが、月企業が復興特需にあやかれなかったことが一因としてあったのではないかと思います。連邦政府は地球の復興を優先してコロニーの復興に力を入れなかった上、ジャミトフの一派が政府に食い込んで地球至上主義を加速させているので、これを取り払って宇宙の開発を再開させないとならないということで、エゥーゴの設立に全面協力した、という流れです。

 その後、連邦軍本部が月に移転したのも、フロンティアサイドの建造が開始されたのも、月の経済活動にプラスになっていたと考えられます。このことを考えると、月の影響力は本当に大きかったのではないかと思います。

 では、何故月企業はそこまで大きな力を獲得するに至ったのでしょうか。もともとコロニーの開発は公共事業であり、私企業によるものではないのに。
 しかしこれは、公共事業の仕組みを理解すれば答えはすぐに出ます。公共事業というのは、元々私企業が実行するものです。公務員が直接現場で働くわけではない、ということを考えればわかるかと思います。実際には、企業が省庁や自治体などと直接契約を結び、委託料などをもらうことでその企業が事業に従事します。そして、公共事業は利益を出すのが目的ではないため、収支のバランスを考えてコストを削る、ということはほとんどしません。そのため、その委託料の計算は民間で普通に計算される金額よりもかなり高めに設定されることが多いです。つまり企業にとって、公共事業はめちゃくちゃ儲かるドル箱のようなものです。また公共の予算の決定権は議会が持っているため、政治家にその決定権があります。つまり政治家と繋がれば、より高い委託料をもらう事も不可能ではありません。こうして公共事業を推進したい政治家とそのバックにいる企業が生まれます。
 コロニー移民計画は、おそらく人類史上最大の公共事業です。世界中の税金がそのために捻出されたと考えられますが、そのお金の大半は、その開発に従事した企業に流れています。もちろん公社的なものもあったでしょうが、コロニーの開発には様々な材質や加工技術、機械などが必要でしょうから、多くの民間企業の参加があったことは間違いありません。その恩恵を受けて成長した企業が、フォン・ブラウンに拠点を築き、スペースノイドの経済の中心に栄えていたのではないかと思われます。

 しかし、地球に残った人々の多くがエリート層であったことから、古くから地球で栄えていた企業も多く残っていたと思われます。また月を中心に新たな経済圏ができたとしても、それまで地球にあった経済圏がなくなるわけではありません。アメリカという国ができ、世界的な経済大国になったとしても、ヨーロッパにはまた別の経済圏があるように、地球の経済圏と宇宙の経済圏が並立していたと考えられます。そして政府が地球にあり、多くの政治家も地球に住んでいるとなると、主導権は地球の側にあることは間違いありません。しかし人口規模からして明らかに宇宙の方が多いわけですから、活発なのは宇宙の経済の方です。
 宇宙世紀の歴史は、コロニー移住によって生まれた月中心の経済圏が、地球から主導権を少しずつ奪っていく歴史なのかもしれません。


 で、ここまできてやっと他のガンダム世界に触れます(笑)。

 Gガンダムの未来世紀については、月がほとんど出てきませんのでよくわかりません。ただコロニーそれぞれが国として独立している世界ですので、月が経済の中心になっているようなことはないかと思います。連邦政府が創られずに各国がそのままコロニー開発を行った先の世界ですので、どういう資源配分の仕方を行ったのは気になるところではあります。まぁ考えても仕方ない世界観なんであんまり触れないでおきます。国土と同じ形のコロニーがある世界だし。

 ガンダムWのアフターコロニーについても、コロニーの開発は各国が競って行ったことになっており、地球圏統一連合が発足したのは最初のコロニーが完成してから30年ほど後のことでした。そのため月の領地配分も地球の国家と同様にばらばらであったと考えられます。

 ガンダムXの世界は、宇宙世紀に極めて近い世界ですので、ほとんど同様の経過を辿っていたと考えられます。ただ最大の違いはサテライトシステムの中枢が月の表側に設置されている事で、このことから少なくともその部分については連邦軍が完全に制圧し管理下に置いていたということになります。

 ∀ガンダムの世界も設定は少ないですが、月の首都ゲンガナムは月の裏側にあったため、宇宙世紀のパワーバランスの延長線上ではないようです。おそらく恒星間航行の準備として、月の裏側に拠点を移していたのではないでしょうか。

 ガンダムSEEDの世界では、中立都市もあるものの、基本的には地球連合軍の管理下にありました。SEEDの世界も地球に統一政府が作られていないため、基本的には地球の国家が所有しているものと考えられます。

 ガンダムOOの世界では、そもそも人類がコロニーへ全面的に移住していないため、月面の開発もあまり進んでいないと考えられます。そのため、イオリアが巨大な基地と宇宙船ソレスタルビーイングを建造する余地があったのでしょう。

 ガンダムAGEの世界は宇宙世紀の延長っぽい世界観なので、多分経過も宇宙世紀に近いのだと思います。きっと。


 このように考えると、コロニー開発を統一国家が行ったか、それぞれの国家が行ったかで辿る歴史が多少が違うように思えます。各国家で行ったG、W、SEEDのうち、Gは国家間の戦争が続くから代わりにスポーツで決めようぜということになり、Wは移民が始まった後に統一連合が発足して国家間の紛争を強制的に終わらせて、SEEDではコーディネイターという別人種が生まれたために国家間の争いが小さくなった、という流れでしょうか。
 月の存在意義についても、宇宙世紀だけが特別に強い力を持ったように思えますが、これはそれだけコロニー開発に費やされた資金が集中していた証なのかもしれません。
 XやAGEは描写がないので不明ですが、宇宙世紀同様強い力を持っていたのかもしれません。…AGEのマッドーナ工房って月資本なんじゃないですかね、見てないんでよく知らないんですけど(笑)
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2012/07/15 (日) 20:13:15 | | #[ 編集 ]
月から資本提供を受けていたサイド3の活動家(政治家)連中が、一時期は内ゲバをしていたの理由は

①月からの援助で軍事力を付けて、本気で武力による独立運動をしよう派



②威勢のいい事を言って援助は受けるが、連邦政府に勝てる訳がないから、程々にしておこう派

の二つに分かれていたような気がします。そして最終的に①派が勝って開戦、と。
2012/07/15 (日) 21:32:51 | URL | #-[ 編集 ]
月は原油もなくレアメタルも無い石と砂だけの天体ですね。
レアメタル・レアアースがあるのはルナツーなど小惑星です。
月は重力は地球の6分の1ですが
自転と公転によって太陽光発電は地球上と同様に時間が限られて効率が悪いですからね、コロニーであれば24時間365日いつでも発電できるので効率が良いですが。
重力が6分の1しかないので大気も保持できません(まいても宇宙に飛んでいってしまう)から、カプセルのようにガラス等で都市全体が覆われていなければなりません。
そういう意味でただ小さいコロニーではなく地球上でもないまったく異質な居住環境が必要ですね。
2012/07/15 (日) 21:49:24 | URL | #-[ 編集 ]
Gガンの場合だと、一応ながら超国家組織も存在している(グラハムの話で触れた連邦警察とか・・)ので月も、ガンダムファイトの優勝国がその主権者となるんでしょうね。

SEEDの歴史は国家連合体単位のコロニー開発競争、L5住民組織結成、一元支配体制のための連合結成という流れだから月も国家連合単位であれこれ拠点があって、連合結成で一元化したってところでしょうかね。
2012/07/17 (火) 00:39:22 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
>内ゲバ
武力行使してでも独立すべき派と平和的に独立する派の対立はザビ家とダイクン家の構図でしたね。
月としては、戦争になってくれた方が嬉しかったのだと思います。

>月の居住環境
月でどうやって住むのかというのはコロニー以上に難しいんですよね。
特に重力の問題が如何ともし難いのですが、ガンダム世界ではそれに触れない方がいいみたいですね…。

>ドクトルKさん
G世界は実際のところどのくらいの主導権があるのかってのはありますね。
戦争の場合、特定の2国が対立したとしてもその背後に別の国の支援があることがほとんどなんで、
本当に全ての一流国家が全力で取り組んでいたのかなという怪しさはあります。

SEEDは連合が出来てからも一枚岩ではなくて、その後の歴史でも簡単にはまとまれない気がしますね。
2012/07/19 (木) 18:29:12 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
AGEのマッドーナ工房は、マッドーナのオヤジが一代で立ち上げたものですが。

そもそも、AGEの宇宙社会がどうなってるのかの描写がまったくないなんで
なにがどうなのかわかりませんね(笑)

月もルナベース以外の存在は語られていないし
2012/08/16 (木) 10:10:17 | URL | 青鼻 #HfMzn2gY[ 編集 ]
まぁその辺は今後外伝絡みで掘り下げられ…ないかもしれないですね(笑)

マッドーナ工房は一代でできたものですか、それはびっくりです。
ベースとなる後ろ盾とかなかったんでしょうかねぇ。
2012/08/25 (土) 16:50:21 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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