がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ハマーン・カーンは持てる能力を調和と協調のために使えたか?
 ジュドーは一騎打ちにファンネルを最小限しか使わなかったハマーンに対し、「その潔さを、なんでもっと上手に使えなかったんだ!持てる能力を、調和と協調に使えば、地球だって救えたのに!」と叫びました。
 調和と協調という言葉は、おおよそハマーンに似つかわしくない言葉の代名詞のようなものですが、それを上手に生かす人生はあり得たのか?ということを考察してみます。

 そのためにはまず、ハマーンがどのような行動を取れば、調和と協調のために能力を使ったことになったのか、を考えてみます。
 ハマーンが周囲の融和を目指すのであれば、まずアクシズの統一と地球への平和的帰還を目的とするはずです。シャアとも良好な関係を築こうとし、その能力を上手に利用してアクシズのために使おうとするでしょう。目的のためであれば既存の概念に囚われず大胆な行動を取れるのがハマーンですから、平和的といっても多少強引な手は使うはずですが、それでも連邦政府とも直接の軍事対立は避けた上でサイド3へ帰還し、合法的に現ジオン共和国と合流することでしょう。

 …なんか、実際にハマーンがやったこととそんなに変わりませんね。

 ただハマーンにはできなかったことがいくつかあります。それは「グレミーの叛乱を防げなかった事」「ジュドーらと分かり合うことが出来なかった事」「シャアとの関係を維持できなかった事」であるのかなと思います。これらを成し遂げるためには、持てる力を調和と協調のために使う必要があったように思えます。

 まずグレミーの叛乱を防ぐ事が出来たのか、ということについては、ハマーン自身が古いジオンを作り直して自分中心の新しいジオンに作り直す、ということを考えていた節があるため、古いジオンを信奉する層から反感を買ってしまったことが問題であるかと思います。
 ハマーンがそのような選択肢を選んだのは、ザビ家を見返したいがためのことであり、その要因は姉がザビ家に酷い目にあわされたことにあるようです。要するにドズルの妾だったとされる姉に対する仕打ちが反ザビ体制構築のモチベーションになっているということになります。
 この背景はシャアがザビ家に反感を抱く理由に似ています。そのシャアはニュータイプの現実的な覚醒というテーマを得たことで復讐から解き放たれました。ハマーンにも、同じような新たなモチベーションが生まれれば、また違っていたかもしれません。

 またジュドーと分かり合うことができたか、ということについては、ハマーンが少なからず戦争を行い、リィナのような無関係な人間を巻き込み(リィナの場合は極めて偶然に近い物ですが)、コロニーを落としたりしている以上、あり得ない事でした。極力戦争を避け本来の目的に無駄な犠牲を出さずに率直な姿勢を見せていれば、おそらくムーン・ムーンの姉妹のような関係を築けたのではないかと思います。
 理想はクロスボーン・バンガードのような極力犠牲を出さずに連邦軍の戦力のみを撃破する思想です。指揮官クラスに「騎士」という名前を使ったり、当初のコロニーへの懐柔姿勢を見ると、かなり貴族主義に近い方向性を持っていたような気がするのですが、まぁ部下を見る限りそれを浸透させる事が難しかったのかも知れません。所詮ジオン残党ですし。

 そしてハマーン最大のテーマである、シャアとの関係を維持できたかという点。これについてはシャアがシャアなので、惚れた男が悪かったとしか言いようがない気がするのですが(笑)、一応考えてみます。
 ナナイのように大人な年齢だったわけでもなく、性格を考えてもシャアとの相性が良かったとはとても言えないのですが、別に恋愛関係を維持しなくてもいいわけで、クェスのようにパイロットに特化するか、シロッコにとってのサラのようなポジションに落ち着くこともできたと思うのですが、それにしてはハマーンはアクシズ内での立場が高すぎたというのが仇となりました。一パイロットでしかないシャアよりも偉い立場なわけです。そのためシャアに従うのではなく、シャアを従わせようとしたことにより関係維持ができなくなったという見方もできます。
 かといってハマーンが一歩引いたとしてもシャアが指導的立場を取ろうとする事はないでしょうから、シャアとの和解はかなり難しいですね。
 どちらかというと、まだエゥーゴのクワトロ大尉になったシャアとの方が和解の可能性があるかもしれません。ミネバの育て方を間違えなければ、シャアとあそこまで対立する事もなかったでしょうし。

 ミネバを偏見の塊にしてしまったのは、それこそ反ザビの考えがあったからであり、それを回避するためには別のモチベーションが必要でした。シャアにとってのニュータイプの希望となり得る存在、つまりララァに近しい存在に希望を見出していれば、反ザビ家に固執した政略はなかったかもしれません。
 ところでハマーンにとってのララァ的存在が誰だったかというと、それがジュドーなんですね。ハマーンが「帰ってきてよかった」と言えるほど強い子であった彼は、ハマーンにとって希望の象徴、こういうニュータイプがもっといれば世界は変わる、自分もこうありたかった、とくらい思えるほどの存在だったようにも思えます。

 つまりハマーンが調和と協調のために持てる能力を使うためには、それを指摘した本人であるジュドーが必要だったのです。しかしその時すでに戦いの決着はついており、ハマーンの命は消える寸前でした。全ては遅すぎたのです。
 ハマーン・カーンがもっと早くジュドーのような存在に出会っていれば、彼女は救われたかもしれません。



 …実はそれが実現したのが、ラクス・クラインとキラ・ヤマトの関係だったりして。
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コメント
コメント
オリジンで否定されちゃったけど、ZZ本編でのハマーンの言を察するにやっぱりゼナ・ザビがハマーンの姉としたほうがしっくりくるんですよね。ミネバに対する感情も、ミネバがハマーンに対する感情も実の身内だからこそって感じもあるんですよね。

ジュドーが保身に汲々としている連邦のお偉いのを見てきているわけだし、それに比べればやり方も目的もあれだとしても、己の手を汚すことも厭わない姿勢は潔かったんでしょうかね。

2012/03/31 (土) 08:10:36 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
#大人な年齢
一応ツッコミです。
ナナイは、ハマーンと同世代(1歳年上)ですよ。
2012/03/31 (土) 19:44:25 | URL | くっきーもんすたー #tBF1tvso[ 編集 ]
>ドクトルKさん
ハマーンに姉がいる、という設定が出来た時点ではゼナを想定していたとは思うんですよね。
ただゼナ自身がそこまで不幸だったようには見えなかったのでちょっと説得力が薄かったのかもしれません。
マハラジャにはデギン派の重鎮みたいな別の設定がくっついちゃいましたし。

組織の論理や原理原則に頼るのではなく、自分の才覚と行動で世の中を動かせるのは、ある意味ニュータイプの特徴なのかもしれません。
富野監督はそういう存在として描きたかったのかなと最近思います。

>くっきーもんすたーさん
え、ナナイってそんなに若かったんですか…愛人キャラだったんでもう少しシャアに近い年齢だと思っていました。
ナナイの方が精神的には成熟したキャラだった、ということにしておきます。
2012/04/01 (日) 01:40:04 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
一騎打ちとか、前線に立ったりする描写に潔さを感じますね。潔さよさの方は活かせたのでしょうかね?

ハマーンにとってシャアはララァのような存在になれなかったのでしょうか?
2012/04/03 (火) 01:37:21 | URL | #-[ 編集 ]
潔さというのは、どちらかというと素直さという意味で言っていたような気がします。
ハマーンは普段から潔い判断をしてそうですし。
ツンデレじゃなくて素直になってればもっとシャアともうまくやれた…という感じかなと。

ハマーンはわかってほしいタイプ、ララァはわかってあげるタイプで間逆なので多分無理だったと思います。
ナナイならなれそうでしたけどね。
2012/04/03 (火) 18:27:29 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
初めましてルロイ様。
初めてコメントさせて頂きます。

ナナイとハマーンは一歳違いですがシャアと出合った歳と言う要素が抜けているのではないかと思います。
ハマーンは大体現代で言う中学生ぐらい、ナナイは20代前半の社会人ぐらい恋愛も男女の関係もシャア以外と経験があると思うのでそのへんも違うのではないでしょうか。
シャアにとっても20代と30代では女の扱い、あしらいかたも違うと思いますし。

ハマーンがジュドーが早くに会って成功したのって自分はガロードとティファじゃないかと思ってます。
ディファがガロードとあの時期出合っていなかったら、後年ハマーンみたいになるのかと言われるとちょっと想像がつきませんが。
中学生時分に自分ではどうにもならない運命・境遇を抱えていて誰かに壊して欲しい、もしくは連れ出して欲しい等そんなときに出会ったのが、ハマーンはシャアでしたが。
ルロイ様の言うようにハマーンは能力・地位共に有りシャアも自分に着いて来いという状態ではなくあげくに自分だけ逃げてしまった。
このとき一緒に逃げるもしくは一緒に立ち向かえたのがガロードとティファでありそれが成功したと思える理由です。

初コメントで長文失礼しました。
ジュドー絡みの考察をされている人が少ないのでそれを読めるのはとても嬉しいです。
2012/04/03 (火) 18:49:17 | URL | 川上健治 #WpB2m58s[ 編集 ]
初めまして、書き込みありがとうございます。
仰る通り年齢は違いますね。特にシャアが成長している点が大きいと思います。
レコアの扱いとナナイの扱いは天地の差ですからね(笑)

なるほど、ガロードとティファですか。確かにガロードみたいな「好きだ!俺と来てくれ!」というキャラだったらハマーンも全然違ったかもしれませんね。
CDAハマーンは心閉ざしがちなところとかティファっぽい側面を持っていましたし。
ジュドーは妹のことで頭がいっぱいでしたが、お互い違う境遇だったらあのようになれたかもしれませんね。
2012/04/07 (土) 13:20:05 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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