がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
腕に推進器を持つモビルスーツについて考える
 MSの推進器配置は、第一に背中(バックパック)、第二に脚部(足裏・ふくらはぎ)、第三に腰部というのが一般的です。基本的には、主推進器が背中でベクタードノズル的な可変推進器として脚部、腰部は補助もしくは背部に別の装備がある場合の代替という役割かと思います。
 しかし、一部のMSは腕に推進器を持っています。これは主に何のためにあるものなのか、ということを考えてみます。

 おそらく、腕に推進器を装備した最初のMSはゲルググです。このMSは腕部に熱核ジェットエンジンを搭載していました。あくまで重力下用の装備ではありますが、ゲルググの場合推進器が腰から下に集中しているので、重力のある空間でバランスを取るために必要だったのではないかと考えられます。
 ゲルググの腕部のそれは熱核ジェットですから、そのための核融合炉を備えていることになります。おそらく、ゲルググは腕に融合炉を搭載した最初のMSであったはずです。(サイズが小さすぎることが問題ですなんですけどね。融合炉そのものは肩にあったとかそういうオチでもないだろうか)

 次に登場するのが、GP02Aです。このMSは背中が核弾頭の収納庫なので推進器を搭載できず、またドムやゲルググのように腰部にも推進器を備えていないため、代わりに肩に装着されている巨大なバインダーが実質的な主推進器となっています。
 ゲルググと共通しているのは、背部に推進器を持っていなかったということです。そのために推進器配置的に、腕部にも設置せざるを得なかった、という苦肉の策だったことになります。

 GP02のバインダーは、シールドブースターという形でオプション化します。これはTR-1ヘイズルにより実験が行われたものですが、そのコンセプトは「破棄せずシールドとして使えるシュツルム・ブースター」でした。入れ物だけのプロペラントタンクと違い、推進器を内蔵しているシュツルムブースターは破棄するのはちょっともったいない代物だったということで、再利用法が考案されたのかもしれません。
 目的はシュツルムブースターと同じですので、戦場に到達するまでの推進源、いわばベースジャバーの代わりです。つまり主推進器ではなく、スピードアップと航続時間延長のための装備だったと言えます。

 シールドブースターそのものは実用化されませんでしたが(いやウーンドウォートには採用されたんですけどね)、エゥーゴに流出した事でリック・ディアスのバインダーの参考にされたと思われます。そもそも必ずしも腕につけなくてもいい装備だったので、バインダーという形で実用化されたと言ってもいいかもしれません。

 また、シールドブースターはギャプランのシールドバインダーという形でも実用化されました。これは更にビーム砲としての機能も追加したもので、ギャプランの推進機としても主武装としても装甲としても機能した万能装備です。
 特徴としては、シールドブースターと違い腕とは別に回転軸を持っていることで、急旋回が可能となっています。元々爆発的な推力を持っている機体であるために方向転換が困難なため、そのような仕様になっているのだと思いますが、そのために強大なGがかかるため、強化人間でなければ耐えられない仕様になってしまったのでしょう。
 つまりシールドバインダーは、可変MSの方向転換のための装備だったと言えます。

 GP02型の外付け推進器はこのような発展の系譜を辿っていますが、ゲルググ型の腕部一体型推進器をもつ機体としてはガブスレイが挙げられます。このMSは他にも腰部、脚部にも推進器を備えており、MAに変形する事でこれらの推進器が全て同じ方向を向くという構造になっていますが、実は背部に推進器を持っていません。その意味でも、まさにゲルググの延長線にあるMSと言えるでしょう。
 ゲルググとの違いは、推進器の数が圧倒的に違うということです。ガブスレイのコンセプトはMA形態で爆発的な推力を得ることですから、より多くの推進器が必要だったということでしょう。そのため、腕部にも3基ずつのノズルが確認できます。腕に推進器があるのも、より多くの推進器を搭載するためと言っていいかもしれません。
 ガブスレイは、実はコンセプト的には、ギャプランに似たものがあります。推力重視というのもそうですし、ギャプランがバインダーにビーム砲を持っているように、ガブスレイには肩に持っており、運用としても似ています。宇宙用特化かそうでないかという違いもありますが、機体構造を見ると、ギャプランは腰部スカートに推進器を持たない連邦系スタイル(胸部形状もそうですよね)なのに対し、ガブスレイは先述のようにジオン系スタイルです。同コンセプトを連邦系ベース、ジオン系ベースの両方で追求した機体なのかもしれません。ついでにメッサーラも似たコンセプトですね。こちらはシロッコ(ジュピトリス)系同コンセプト機と言えるでしょうか。
 ただギャプランのシールドバインダーは方向転換が可能な仕様ですが、ガブスレイは一極集中のための仕様でした。ガブスレイはブースターなどにも頼らず、単独での一瞬の推力を重視していて、ギャプランはブースター含めて長距離航行を視野に入れているという点が違うかもしれませんね。要するに想定している航続距離、運用領域が違うということでしょう。まぁ、MSとMAですしね。

 このように見ていくと、腕部の推進器の存在意味は各機によりだいぶ違うことがわかりますが、最終的には可変機の構造に集約していったと言えるのかもしれません。エゥーゴのバインダーも可変機のための装備に繋がっていきましたしね。
 また、腕部推進器の影響というのはもう一つあって、それは腕部に推進エンジンがある=腕部に融合炉があるということであり、ここから腕部にビーム砲を持つ機体に繋がっていった可能性があります。
 腕部にビーム砲をもつMSとしては、ハンブラビやバイアラン、キュベレイなどが挙げられます。バイアランとキュベレイはそもそも肩に巨大な主推進器を備えているのでそこからエネルギーを引っ張れそうですが、ハンブラビはそうでもなさそうです。あ、メタスも腕部にビームガン持ってますね。この2機はデザインされた経緯もありますし、基本的に設計が似ているのかもしれません。
 また腕部にビームサーベルを持っているMSというのも結構いて、バーザムやνガンダムのほか、ジェガンにも腕部に装備するタイプがあります。この辺は構造的に胴体からエネルギーを引っ張ってきているような気もしますが、ゲルググの時点で腕部に熱核エンジンを積めたのなら、サーベル用のコ・ジェネレーターくらいは十分搭載できたような気もします。
 そもそもゲルググJやガンダム4・5号機の時点で腕部にビームガンを持っていたので、そこからの技術継承はあったのかもしれません。

 となるといずれにせよ、腕部にエンジンを持つ機体の系譜はゲルググとガンダムから始まっているとも言えます。ある意味では、高級機の証明だったのかもしれませんね。
スポンサーサイト
コメント
コメント
>腕部の推進機
ZZも思い出してあげて下さい。

>サイズが小さすぎる融合炉
「昔の資料では、ビームサーベルの柄にも融合炉が入ってたなぁ」などと考えてしまい、自分がいい歳したオッサンであることを自覚したりして。
2012/03/01 (木) 09:22:21 | URL | 銘無し #ckV/exIQ[ 編集 ]
ジムキャノン2も腕部にビームサーベルが配置されてますね。まぁ、ジムスナイパーカスタムの段階で腕にビームサーベルが装備されてましたし、胴体のメインジェネレーターからエネルギーを引っ張ってくる技術くらいは確立してたんでしょうけど。
2012/03/02 (金) 02:37:55 | URL | 梅安 #ziwa4Zsw[ 編集 ]
ムーバブルフレームの開発で一番スペースが空いてるのが腕だったんでしょうね、骨と筋肉に当たるフレームと外装の間は活用しやすいところだったんでしょう。

ご先祖様のエルガイムからして近接兵器は腕に収納していましたし。
2012/03/02 (金) 17:51:38 | URL | #-[ 編集 ]
最近刻に抗いし者で発表されたリック・ディアスのバリエーション機体がシールドブースター装備してますね。時期が時期だけにリック・ディアスシュトゥッツァー用ロングシールドブースターのデータ取り目的もあったんでしょうか。

抗いし者繋がりでガンダムケストレルは腕部ビームガンの他にシールドを介して高出力ビームサーベルを発振できるようですし、腕部ジェネレーターはグリプス戦役時代は勢力問わずある程度基本仕様になっていたのかもしれません。
2012/03/03 (土) 19:23:53 | URL | 匿名希望 #-[ 編集 ]
アレックスも下腕部はスカスカでしたし、
ほかのモビルスーツでも特別な機能がなければ
積めるスペースはありそうですよね。
2012/03/06 (火) 21:24:01 | URL | カセクシス #HfMzn2gY[ 編集 ]
>銘無しさん
ZZは変形すると推進器になるんでしたね、MS形態に出てこないんですっかり忘れてました。

融合炉がサーベルに入ってることになってる資料もあるんですね…まぁこのあたりは突っ込むと結構厳しいんですよね。

>梅安さん
そもそもライフルのエネルギーが腕を通って来てるわけですから、
その中継部分に色々仕込むのはそこまで難しくはなかったんでしょうね。

>名無しさん
MSの脚はベクタードノズル、腕はウェポンラッチということなんだと思っています。
だから一番構造的に余裕があるのは腕なんでしょうね。

>匿名希望さん
脚にもジェネレーター仕込んで、胴体は色々スペースをとられるとなると、次は腕だったんでしょうね。

>カセクシスさん
基本的に腕は武器を持つ以外の機能がありませんからね。
Zガンダムの腕もマルチラックみたいな感じに設計されてましたし。
2012/03/26 (月) 22:30:38 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 がんだまぁBlog all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.