がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ハマーン・カーンはいかにしてアクシズのトップでい続けたか
 ハマーン絡みが続きます。今回はハマーン自身が、20歳という若さで何故ジオン残党軍のリーダーであり続ける事が出来たか、という話です。

 これは、ハマーン自身が有能であったかどうかの問題ではありません。普通の社会では、若い女性がどんなに有能であっても、継続的に組織のトップでい続けることは非常に困難です。もっと歳を取った男性が何人もいる組織ならなおさらです。
 組織のトップにいるには、能力以上に信用が重要です。それもトップに次ぐ地位の人間、大御所と呼ばれるような過去のトップクラスの人間など、権力と経験と年齢を重ねている人間達からの信用です。

 ハマーン・カーンは何故、軍人中心の組織でリーダーとして君臨し続ける事が出来たのでしょうか。

 まずハマーンがアクシズのトップになる過程を順を追って整理する事にします(CDAはとりあえず無視します)。

 ハマーン・カーンはデギン派の有力者であるマハラジャ・カーンの娘であり、一年戦争時にはニュータイプの素養が認められフラナガン機関に所属していた少女です。
 一年戦争後はアクシズに落ち延び、そこでシャアと出会い一定の交流を深めたとされます。しかしアクシズの実質的指導者になっていた父マハラジャが死亡したことで、ハマーンの運命は変わります。
 結果として、アクシズはマハラジャの次の指導者として、まだ3歳程度であるはずのミネバ・ザビを選びます。当然現実的な指導力はありませんので、ミネバに代わる実質的な指導者が必要となります。そこで選ばれたのが、ハマーンでした。

 まず、ここで一つ不可解な事象が発生しています。実権のないミネバという幼児を代表に据え、その代理として据えたのもまた15,6歳の少女というのは、普通に考えてリーダーとして不適格な人間の代理にさらに不適格な人間を据えている事になります。
 アクシズの周囲の大人たちは、何故そんな判断を下したのでしょうか。

 コミックのCDAでは、その背景として「すでにアクシズ内の反マハラジャ派が一掃されており」、「その過程でハマーンがアクシズの人間達から大きな支持を得た」というエピソードを作ることである程度無理がないように描いています。
 つまり、本来マハラジャに次ぐ地位になり得る人間がほぼ全て排除されており、またハマーン自身がリーダーとなったとしても誰も異を唱えないくらい信頼を得ていた、ということで、ハマーンが指導者に選ばれたということです。

 しかし、このコミックのエピソードがなくとも、ハマーンがリーダーとなり得た理由は推測できます。それは、ハマーンが摂政になれたのは「シャアの推薦」があったからだとされているからです。
 おそらく、マハラジャが死亡した時点で本来次に指導者になるべきだった人間は、シャアだったはずです。軍人としての統率能力に加え、父譲りの政治力を持ち(?)、階級的にもキシリアの懐刀マ・クベや地球攻撃軍司令だった当時のガルマと同等、そして実際にマハラジャと共にアクシズを支えていたであろうからです。
 その実質的次期指導者のシャアがハマーンを選んだとすれば、それは事実上の権限委譲ということで周囲を納得させる事も出来たでしょう。もちろんCDAのようにハマーン自身に信頼があればなお適当です。
 CDAにおいても、シャアが推薦することでハマーンが摂政になることができたように描かれています。ただ、その時点でシャアはあくまで立場上そうしただけであり、シャア本人どころか周囲の人間もシャアでなくハマーンが代表になることを望んでいました。

 少なくとも名目上は、現実的にはシャアが代表だが、シャアは地球に向かう事になったため、その間の代表者としてハマーンを置く、ということであったのではないかと思います。
 そういう前提であれば、マハラジャの実子である(=マハラジャの派閥を引き継ぐ事が出来る)上、ミネバと現実的にコミュニケーションを取れる立場と年齢と性別であるハマーンは適当であると言う事もできます。あくまでもシャアと合流するまでの現状維持のための代表、ということです。

 しかし、周囲の思惑とは裏腹に、ハマーンはその立場を最大限に活用し指導力を発揮、アクシズの地球圏への移動と地球侵攻への準備を始めました。
 これはハマーンがGOサインを出しただけで、準備そのものはずっと行われていたでしょうから、必ずしもハマーンだけの力ではありません。ただそのGOサインを出せるか否かというのはまさに指導者の資質を問われる部分です。最悪、ハマーンにはミネバの気持ちを最も代弁できる立場にあるということを利用し、ミネバの意志なのだと言えば大半の人間を従える事ができたでしょう。
 また、ハマーンを良く思わない人間がいたとしても、この時点ではまだそういった人間が実力を行使してでもハマーンを止めなければならないと思うほどまずい決断を下していたわけではなかったということもあったと思います。

 そして、アクシズは地球圏へと帰還。本来の代表者であるシャアはアクシズに戻らなかったため、そのままハマーンが指揮権を持ったまま組織はグリプス戦役へ介入することになります。
 シャアが戻らない事が明らかになった時点で、反ハマーン派はハマーン降ろしの準備を始めていたのではないかと考えます。そのために担ぎ上げられたのがグレミーです。

 過程はどうあれ、現実にアクシズの代表者となったハマーンを失脚させる手段として、ミネバ以上にザビ家の名代になり得る人物がいればその人物がミネバより代表に相応しく、その摂政たるハマーンもまた地位を失う、とすることができます。
 グレミーはギレン(もしくはデギン)の嫡子であると言われていますから、三男ドズルの娘であるミネバよりも王位継承権は上です。つまりグレミーを担ぎ上げれば、ハマーンの権力を無効化できるのです。

 実際にクーデターが発生したのは、アクシズがサイド3に帰還した後でした。これは、そこまではハマーンにやらせた方が早いと判断されたからなのではないかと思います。やることをやらせた後で、用済みになったハマーンを始末すればそれで終わりです。
 ただ現実的には軍事的な衝突となり、ハマーンを政治的に失脚させる事はできませんでした。これは、グレミーがザビの姓を名乗っていない事から、正しくザビ家の嫡子であることを証明する手段がなかったからなのではないかと思います。


 つまり、ハマーンが代表でいることができたのは、当初は「真の代表者であるシャアが選んだ人間であり、あくまでその留守を守ることが目的であったから」であり、その後は「実際に正しい決断力を発揮していたから」であり、最後は「時が来るまで泳がされていたから」だったのではないかと考えます。
 またもう一つ、「いざとなればグレミーという代理がいたから」という理由も考えられます。ハマーンが何も行動しなかったり、あるいは間違った行動を取ったとしても、その時点でグレミーを担ぎ上げてしまえばよかったのですから。しかし能力的にはグレミーよりもハマーンの方がまだ優秀であったと思われるので(グレミー初登場時の描写を考えると…)、むやみにそうできなかったのかな、と思います。

 個人的にはマハラジャとシャア以外にもっとまともな人間はいなかったのか、という気もするんですが、まぁギレンだって20代だったことを考えると、シャアもあの中ではトップレベルの人物だった事は間違いないのかなと思います。一応連邦の大統領になるべきだと言われるくらいの人物ですからね。
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コメント
ZとZZでのアクシズの描写を見ていると、アクシズで一番「しっかりしている」人間がハマーンなんですよね。ていうかハマーン以外にまともに動ける人間がそもそもいないわけで。。。

アクシズは漂流船みたいな存在ですから、社会的ににも物理的にも生存が直にかかってる極限状況ではあったはずです。

そういう中でまず動けて、ていうか動こうとしたのがハマーンしかいなかったのではないかと・・・

シャア:理由をつけて他人に丸投げしようとする
ラカン、オーギュスト:便乗するタイプ
デラーズ:星の屑命。そもそも話を聞かない。
グレミー:何からやったらいいのか、全体像を見る能力が絶望的
デラフリ残党:間借りしてる立場なのであまり強くものをいえない

あくまで映像「だけ」からの判断ですが、ジオンで生き残ってアクシズにいった大人は技術者や研究者だけで、政治に興味がある大人はいなかったように思います。

というのが、ハマーンはアクシズという群れの中では能力が傑出し、それゆえに孤独な指導者として描かれていて、彼女の師なり先達になったであろう人物の影響がシャア以外全く出てこないからです。
(なお、ネオジオンはアクシズ以外の要素を吸収したことでだいぶ構成が変質しています)


じゃあ何で大人がいないの?って話ですが、ジオンの敗戦時ないしはアステロイドに行く過程で死んじゃった、というとそうでもなさそうです。なぜならハマーンの物言いが独力で道を開いた人間のものだから。

じゃあどういう状況かな、と考えると、そもそもアクシズ自体が脱出先として「ありえん」ってレベルのハズレだったんじゃないでしょうか。ジオン版のバイファムみたいな感じで。

この場合、シャアは子守をさせられそうになったので口実をつけて脱走、といったところ。連邦はこうした内幕を知らない&ジオン側としてもアクシズの内情(=ガキだけの難民船)をわざわざ教えてやることもないんで都市伝説的に吹聴して政治利用、といった形で、外敵としてアクシズは都合の良い存在になったと思います。

地球圏にいたジオン系の連中にしてみれば、問題にもしてなかったアクシズがいきなり大兵力を擁して戻ってきた上に快進撃をはじめたので泡を食ったのではないでしょうか。

その大兵力自体もガザを使ったハッタリで、登場時の効果的な演出によってジオン残党を糾合&急ピッチでMSを再編していったのが内情だと思われます。開発速度や投入速度を考えると、アクシズは兵の集団ではなく、本質は工廠だったのではないでしょうか。


ということで、ボーイスカウトみたいな連中がハマーンの下でプロジェクトXばりの努力をして帰還にこぎつけたのがアクシズ、という説を押してみます。
2011/08/10 (水) 12:26:29 | URL | ナタル #.ZWFf9ps[ 編集 ]
ハマーンって父のマハラジャを殺して下克上したんじゃないんですか?
それかグレミー派に殺されたから父の仇討ちでグレミーと戦争したんじゃないんですか?

シャアもニュータイプの素養がありますから(ハマーンには負けるでしょうけど)、ハマーンがアクシズを地球圏に発進させたことは連絡が来なくても気づいていたのですか?(発進の指示をハマーンが出したとか)
2011/08/10 (水) 19:47:08 | URL | #-[ 編集 ]
確かジオンの幻陽だと、カイゼル伯とかいう反ハマーン派の重臣がいて、その他そこそこの高齢の人物が居た気が。

ハマーンが権力を手にしえたのは自身の才覚やシャアの後援は勿論ですが、父マハラジャというより、カーン家自体がジオンではそれなりの名家で、ある程度の名望や勢力基盤があってマハラジャの派閥(デギン寄り)による後援があったとは思う。

一方のグレミーもギレン暗殺計画でトト家の御曹司として育った描写があるので、割と名家としての声望が物を言う世界だったのではと思います。
2011/08/11 (木) 07:49:56 | URL | #-[ 編集 ]
>ナタルさん
自分としては基本的に「映像にあった以外の事象は存在し得る」というのが考察スタンスですし、MSV以降のガンダムの設定遊びはそれが前提だと思っています。
なので「他にも候補はいたけど、あえてハマーンが選ばれた」ということにしてきたいところです。

ただアクシズは軍人と王族と技術屋に偏った集団なので、それらを総合的に俯瞰視点で管理できる人材がいたかという点で、ハマーンしかいなかった可能性はあるかなと思います。
優れた将軍や事務方はいたかもしれないけど、政治家は少なかったのかもしれません。
政治家でアクシズに逃げた人ってザビ家に寄生してた人でほんとに保身しか考えてなさそうですし。

>マハラジャの死因
病死というのが基本設定です。ジオン・ダイクンのように謀殺の可能性は特に示唆されてないですね。

またいくらニュータイプでも、火星の向こうの小惑星が動き始めた事までは感知できないかと思います…。

>ジオンの家柄
ジオン公国は王制ですしザビ家専制主義ですから、基本的に貴族主義に近いものがあったんでしょうね。
アクシズにおいてもザビ家頂点という権力構造は変わっていませんから、
ザビ家に認められた家柄じゃないとダメ、という意味で摂政となり得る人物はかなり限定されたのかもしれません。
2011/08/11 (木) 23:42:56 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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