がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
月初のガンダム以外の話「ロックマンとロックマンX」
 カプコンの激ムズアクションゲームの代表作、ロックマンシリーズは、実はそれなりに真面目にロボットSF的世界観をモチーフにしていた作品でもあったりします。
 いわゆる「人間とほぼ同等の知能を持ったロボット」が存在する世界として考えると、なかなかに考察する価値があるように思ったので、ここは元祖「ロックマン」と、その100年後の世界を描いた「ロックマンX」シリーズのつながりあたりを中心に、ロックマン世界のロボットについて考えてみたいと思います。

 まず、ロックマン世界におけるロボット工学の第一人者は、ロックマンの生みの親であるトーマス・ライト博士です。実質的に、この時点では人間に近いロボットを完全な形で作れたのは、ライト博士のみでした。
 そして、そのライト博士の学生時代からの友人でありライバルであったのが、常にラスボスの座にいるアルバート・ワイリーです。彼は常にライトの次席に甘んじ続けており、ライトほどの完成度のロボットを作ることができませんでした。そんなワイリーが、ライトの作ったロボットを洗脳して、世界征服の尖兵に作り変えてしまったところから物語が始まります。

 世界で最も優れるライト博士の作ったロボットが皆ワイリーの手下になってしまったため、それらに対抗できるロボットは世界に存在しませんでした。そこで、非戦闘用(というか家事手伝い用)ロボットであるロックが、戦闘用への改造をライトに志願し、ロックマンとして生まれ変わる事になります。
 ロックはライト博士が作った人型ロボットの第1号機ですが、この時点で人工知能の完成度が非常に高いことが伺えます。なんせ、ロボットが自己の判断で、自ら与えられた役割を超えた存在に改造されることを望んだのですから、その思考能力は単なる作業用の域を超えていると言えます。ライト博士はこの時点で、かなり人間に近い思考回路を作り出すことに成功しているのです。

 さて、ワイリーが悪用したライト博士のロボットは、基本的には作業用のロボットであったためか、純粋な戦闘用に改造されたロックマンにはかないませんでした。その後ライト製ロボットを解析したのか、ワイリー独自の戦闘用ロボットも開発していますが、ベースがライト製の作業用機なので、やはりロックマンにはかなわなかったのだと思います。
 その後ワイリーは、行方不明になっていたロックのプロトタイプであるブルースを解析し、またロックマンとの交戦データも反映させる事で、ロックマンと同等の戦闘力をもつフォルテというロボットを開発します。いわゆる典型的なライバルキャラの性格をもつフォルテは、しかしワイリーの言う事をちゃんと聞かない、ロックマンを倒す事ばかり考えるロボットになってしまいました。戦闘力ではロックマンに追いついたものの、人工知能の完成度についてはまだライト博士に及んでいなかった、とも考えられます。

 ワイリーはさらに、フォルテを発展させ究極のロボット「ゼロ」を開発します。この「ロックマンX」シリーズで準主役、そして「ロックマンゼロ」シリーズでは主役となるロボットは、元々はロボット破壊プログラムという機能を与えられた悪魔のロボットでした。そのプログラムの詳細については明らかになっていないのですが、このプログラムこそが「ロックマンX」シリーズのラスボスを担当するシグマを狂わせた原因であり、シグマをコンピューターウイルス化させた元凶だったことになっています。
 ワイリーは元々、無からロボットを作り出す技術よりも、既存のロボットを操る技術に長けていたようです。そのためか、自身オリジナルのロボットを世界征服に使用したのは2、5、7、8の4回だけで、あとは他人の作ったロボットを流用しています(まぁぶっちゃけ資金が無いだけという説もありますが)。その際たる物がロボット破壊プログラムなのでしょう。ゼロ自身が他のロボットにプログラムを感染させ、世界征服の尖兵を自動的に増やしていく仕組みだったのではないかと思います。
 ワイリーがそうまでしてゼロを作った理由は定かではありませんが、彼の行動の原点はライトに対するコンプレックスですから(世界征服自体、自分がライトより優れていることを認めない世界を変えるための行動…だったはず)、ライトの作ったロボットを超える、あるいは大半がライト製ロボットをベースとしている世界中のロボットの存在を否定するためにゼロが作られたとすると、なんとなく繋がるような気がします。

 さて、それに対しライトが最期に作った究極のロボットが、「ロックマンX」、通称「エックス」でした。これは家庭用ロボットをベースとするロックマンとは異なり、初めから純粋に戦闘用に設計された最初で最後のライトナンバーズです。平和を愛するライトが、何故純粋な戦闘用ロボットを作ったのでしょうか。
 最近の設定では、ロックマン10に登場したロボットエンザ(ロボットの風邪)により暴走したロボットを止める、ということが念頭に置かれているようです。極端な話、ロックマン自身が暴走してしまった場合の抑止力とでもいったところでしょうか。
 しかしこのエックスは、ライト博士の存命中に完成することはありませんでした。その理由が、いわゆる「苦悩回路」と呼ばれる物の存在です。
 それまでのロボットは、いかに人間に近いと言えども、予めブロックされた機能は絶対に使う事が出来ませんでした。例えば、人間に危害を加える、ということはできないようになっています(ワイリーは、それを外してしまう事が出来たのですが)。それに対し、「悩む」ことができるエックスは、全てのプログラムについて見直しをかけることができるので、当初の機能を越えた判断を下す事ができる可能性を秘めています。つまり、人為的にではなく、自己の判断で人間に危害を加える事もできる、ということです。
 ライト博士はその危険性を認識していたので、最後まで苦悩回路の調整を行うため、エックスをカプセルに入れたまま封印していました。
 苦悩回路なるものを開発した理由は、ライト博士の最後の作品、つまり最も人間に近いロボットを目指したからなのではないかと思います。1号機であるロックの時点ですでに与えられた機能以外の行動を取るロボットは完成しているのですから、その純粋な発展型を作ろうとしただけなのでしょう。
 問題は何故戦闘用のエックスにそれを組み込んだのか、ということです。ライト博士の性格から考えて(またロックマンXに登場するライト博士の台詞から察するに)、本来はそれを戦闘用として作りたくなかったし、出来れば戦闘用に運用されるような未来は望んでいなかったのだと思います。戦闘用にせざるを得ない事情があった、と考えるべきでしょう。

 もしかしたらライト博士は、ゼロの存在を知っていたのかも知れません。ゼロによって全てのロボットが敵になってしまった世界で、唯一戦える抑止力として必要としたのがエックスであったと。またゼロの存在を知らずとも、ロボットエンザの存在を知っていれば、最悪のケースとして全てのロボットの制御が不能になった世界というのが想定できたのでしょう。そんな最悪の未来の希望として、エックスを開発したのかもしれません。
 また、ロックマンXの世界には、オリジナルのロックマンは存在していません。もしかしたらすでに何らかの戦いで破壊されてしまい、そのために必要としたのがエックスであったと考える事も可能です。外伝作品ではありますが、平和になり非戦闘用に再改造されたロックマンがタイムマシンでやってきた過去のワイリーに捕えられ、洗脳されて過去のロックマンの敵となるという展開もありますしね。

 実際にはエックスは、100年後の未来に発掘され、その時代のロボット工学の権威である、ケイン博士により解析される事になります。エックスは、苦悩回路を含むであろう根幹部分がブラックボックス化されていたものの、その時代のどのロボットよりも人間に近い設計であったために、ケイン博士により流用され同様の知能を持つロボットが複数開発されることになります。人間とほぼ同等の人権を持つレプリロイドの誕生です。
 しかし、完全には解析されていない苦悩回路をコピーしているレプリロイドは、その機能ゆえに自らの判断で反社会的行為に出てしまうようになります。これをイレギュラーと呼ばれ、そのイレギュラーを処理する部隊としてイレギュラーハンターと呼ばれる戦闘用レプリロイドの組織が出来上がります。これが「ロックマンX」の世界です。

 一方でまた、ゼロも遅れて発掘されることになります。目覚めた当初より破壊衝動のままに暴れまわるゼロは、ケイン博士の最高傑作である最強のレプリロイド、シグマとの戦闘後におとなしくなり、以後ノーマルなレプリロイドとみなされるようになりました。その要因については完全には明らかにされていませんが、この時点でゼロにあるはずだった機能が、シグマに移っていることは間違いありません。
 破壊衝動の消えたゼロは、シグマに匹敵する優秀なイレギュラーハンターとなり、エックスと知り合います。エックスとゼロは互いに認め合う関係になるのですが、おそらくは世界で唯一苦悩回路を持たないレプリロイドであるゼロと、唯一オリジナルの苦悩回路を持つエックスは、互いに(無意識的に)対照的であると認識したのではないでしょうか。

 元祖「ロックマン」は、限りなく人間に近い思考回路を持つが故に、自分がロボットであることを誰よりも理解し、それ故に人としての生活ではなくロボットとして戦う道を選んだロボットの物語です。敵はロボットを私欲のために悪用する科学者、生みの親は「人間とロボットの共存」を目指す科学者です。
 「ロックマンX」は、「人間とロボットの共存」が果たされた世界で、全てのロボットの抑止力のために開発されたロボットと、全てのロボットを狂わせるために開発されたロボットが、開発者の意図を超えて共存する物語です。
 実際はただのクソ難しいアクションゲームでしかないのですが、その裏にはそんな背景がある、という話でした。本当はロックマンXの結末まで書きたかったのですが、長くなりすぎたので来月に回そうと思います。もちろん、「ロックマンゼロ」も含めた上で。
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このあたり、人工の「心」についてはキカイダーの(特に原作漫画の)良心回路の発展といった感じですね。

おそらくエックスの最大の危険性とはロボット三原則さえも場合によっては無視してしまうようなことになると考えたからでしょうね。

ロックマンの段階ではまだその三原則の縛りはあるのだと思います。一度だけ、ワイリーを本気で殺そうとした事はあるのですが、結局それは果たせませんでしたし。

ワイリーはむしろ多様な要素に対する応用力は確かだと思います、むしろその方面ではライトは全く相手にならないと思いますよ、ロックマンが強いのは半分は敵の能力をゲットできるという事もありますしね。

逆にライトは一点豪華主義というか、ロックマン自体のオーパーツ並みの性能が評価されてますが、後は割と普通のロボットばかりですし。

まあ、ワイリーの性格に問題があるんだろうなあというのは間違いないんですが、でもライト博士、なんだかんだで一番の親友なんだよなあ。
2010/12/07 (火) 00:16:08 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
個人的にはワイリーはロボット破壊というより、自身の作った(もしくは改造した)ロボットの優秀さを見せ、ライトをぎゃふんと言わせたいが為に世界征服をやっていたように思えます。

確かロックマン10のロボットエンザは、宇宙から飛来した未知のコンピュータウィルスが原因とあるんで、もしかしたらゼロのロボット破壊プログラムもそれの延長線上で突発的に生まれてしまったのではないかと自分は踏んでます。

そしてロボット破壊プログラムの存在を危惧したワイリーは、ゼロを世に出さぬまま封印し、自身の死後、サーゲスやアイゾックなどを使ってゼロを管理しようとしたのかもしれません。

……まぁ結果はΣフルボッコとか、色々ありましたが。

有賀先生のメガミックスやギガミックスなどを見てると、どうにも絶対的な悪人に見えないんですよね、ワイリーって。
2010/12/11 (土) 18:21:40 | URL | ナイチンゲイル #NkOZRVVI[ 編集 ]
>ドクトルKさん
ロボット三原則に基づいた世界観みたいですからね。

ライト博士は擬人化にこだわりすぎている部分があるのかなと思いますね。
一方でまっとうな人間ではないワイリーには人間を再現するという点では永遠に勝てないと(笑)
そこを除くとワイリーの方が優れて要る部分も多いような気がしますね。

>ナイチンゲイルさん
確かに考え方によっては、ウイルス撒くためにゼロを作ったというより、
ゼロが感染しちゃったから封印したと解釈する事も出来ますね。
だから一生懸命ゼロを直そうとあの手この手で干渉するワイリー…

ワイリーの分身と思しきサーゲスやアイゾックは、それぞれゼロの復活に関わっているわけですが、
その割に悪のゼロには戻しきれていないんですよね。
ワイリー的には「エックスより強く」できればOKなのかもしれませんね。
2010/12/11 (土) 23:51:48 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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