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ガンダムネタだけを語るブログです。
ヘクタ・ドナ社について考える
 過去にホビージャパンから刊行されたゲームブック、「機動戦士ガンダムZZ」三部作には、ヘクタ・ドナ社というMSメーカーが文章中に登場します。
 これは、ジオン系MSを開発したとされる企業で、ジオニック社やツィマッド社という設定を完全に無視して作られているため、いわゆる「公式設定と矛盾する非公式設定」ということになります。
 当時はまだジオニック社自体がメジャーではなかった(ガンダム・センチュリー発の設定ではあるものの、その後はMSVハンドブック3で触れられたくらいで、あとはガンダム・センチネルまでほとんど設定資料などには出てきません)ためにこのようなことが起きたのだと思うのですが、発想次第では、ヘクタ・ドナ社の存在は完全に否定されるべきものでもないのではないか、と思い当たりました。

 ヘクタ・ドナ社は、大まかに分けてGシリーズ、Zシリーズ、Dシリーズという3種類の機種を開発されていたとされています。それらの内訳は以下の通りです。

Gシリーズ:一年戦争時代からあるモデル。当初は固定武装中心の白兵戦用シリーズだったが前線の評判が悪く、その後ビーム兵器を搭載した制空用シリーズに一新され、新型反応炉とビームサーベルの実験機であるギャンを経てゲルググ、ガルバルディが開発されている。その後、更なる高火力を重視した設計のガザ系が開発された。しかし地上戦に難があるため、ゲルググ・ガルバルディは未だに生産されている。

Dシリーズ:局地制圧・支援モデル。最新モデルはドライセン。宇宙ではGシリーズの支援を担当するが、Gシリーズの大型ビーム兵器の効果が低い地上では主力となる。

Zシリーズ:汎用モデル。最新モデルであるザクIIIは、Dシリーズ並の重装甲をもつ。


 ゲームブック中に書いてある記述はこれくらいのはずです。基本的にMSの頭文字を使って分類しているのですが、ジオンの全てのMSをこれで説明する事は出来ません。例えば、頭文字Zのズサは決して汎用モデルではありませんし、頭文字GのガルスJは大型ビーム兵器を搭載しているわけでもありませんし、そもそも地上用です。
 つまり、少なくともヘクタ・ドナ社が開発したMSは、最低で以下のMSだけということになります。

Gシリーズ:グフ(推測)、ギャン、ゲルググ、ガルバルディ、ガザ
Dシリーズ:ドライセン
Zシリーズ:ザクIII

 この中で言えることは、アクシズにおいてはAMX-000番台のMSを開発している、ということです。キュベレイなどのサイコミュ系を除くと、ほぼこれらのMSが含まれますからね。ズサ・ダインもズサを汎用化した機体なので、元々別のところで開発したズサをヘクタ・ドナ社が再設計したものとすると辻褄が合います。グザはガザの欠点を解消した機体ということでしょうか。

 グフも実は生産企業がはっきりしていない部分があるので、それがヘクタ・ドナ社であると解釈する事は出来ます。固定武装仕様を開発したことは間違いないので、YMS-07A→YMS-07Bの改修を同社が行ったのかもしれません。

 ガルバルディも開発企業の明言はないので問題ないでしょう。問題はギャンとゲルググです。これらは明らかにツィマッドとジオニックが開発したことになっています。
 しかし、ヒントはあります。ヘクタ・ドナ社が開発したとされるドライセンやザクIIIは、かつてのドム、ザク(あるいはゲルググ)の延長にあることは明らかです。また上記のズサ・ダインやグフについても、すでに完成した機体の改設計を担当しただけであると考えられます。このことから、ヘクタ・ドナ社はゼロから新型MSを開発した実績はあまりなく、唯一の例がガザシリーズであると言うことができます。
 となれば、ギャンとゲルググについても、オリジナルがヘクタ・ドナ社製であるとは限らないわけです。例えば、ギャンをマ・クベ仕様に改装したのがヘクタ・ドナ社だったとしたら。あるいは、R・ジャジャのベース機であるギャン改を開発したのがヘクタ・ドナ社だったら。ゲルググのバリエーション機、特にガルバルディとの類似点が多いゲルググJを開発したのがヘクタ・ドナ社だったとしたら。
 特にゲルググは、複数の企業がライセンス生産を行っていたとされています。これがゲルググに限らないとすれば、さらにこれらの推測を補強する事が出来ます。

・ジオニック社からYMS-07のライセンスを取得し、YMS-08の設計を導入したモデル「グフ」を開発。
・ツィマッド社が開発したYMS-15の試作機を用い、反応炉とビームサーベルの実験機に改装、マ・クベ専用機「ギャン」として実戦配備。
・ジオニック社が開発したゲルググのライセンスを取得し、ギャンから得たデータを使用しゲルググJを開発。
・ペズン計画において、ゲルググJをさらにギャン寄りに改設計した「ガルバルディ」を開発。
・終戦後、アクシズにおいて作業用MS「ガザ」を開発。戦闘用への転用も行う。
・アクシズにおいてドライセンを開発(名称が違うのでドムのライセンスは取得していない)
・アクシズにおいてザクIII開発(名称がザクなのでザクのライセンスは取得している?)
・ガザの欠点を解消し汎用性を向上させたグザを開発
・ズサのライセンスを取得し、汎用機に再設計したズサ・ダインを開発

 このように考えると、決してヘクタ・ドナ社という存在があり得ない設定どころか、「グフの開発メーカーが明示されていない」「ゲルググJがガルバルディに似ている」「アクシズで開発されたMSのメーカーが不明」「ズサとズサ・ダインで型番の100の位が異なる」という部分を一挙に説明する事が出来るようになるのです。
 ヘクタ・ドナ社は成長の過程を見る限り、ジオニックとツィマッドのライセンスを取得する事でその技術を習得し、独自のMSであるガザを開発したということになりそうです。また独自のザク、ドム発展機としてドライセンとザクIIIを開発したとも言えますね。

 ドーベン・ウルフやゲーマルクもDシリーズ、Gシリーズのサイコミュ対応機である可能性がありますが、キュベレイが例外になることから、これらサイコミュ派生機もヘクタ・ドナ社製に含めるかどうかまでは判断できないかな、と思います。ただキュベレイは神話から取った名称なので例外とも考えられますし、DシリーズがGシリーズの支援機なら、ドーベン・ウルフはゲーマルクの支援用に開発されていたということになりますね。

 とにかく、一年戦争時代はジオニックとツィマッドの陰に隠れ、アクシズにおいては一手に新型機の開発を請け負った企業、それがヘクタ・ドナ社だったのではないでしょうか、という話でした。


 しかしそれはさておき、ジオン系MSの大半がZ、G、Dの頭文字の名称になっているというのはちょっと興味深いですね。ざっと見ても、例外はアッグシリーズとケンプファー、キュベレイ、ハンマ・ハンマ、R・ジャジャ、バウ、カプールくらいですからね。
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コメント
コメント
きっと、一年戦争後AEに吸収され本社機能などグループ企業組織の大半を失ったAxisの旧ジオニック社がヘクタ・ドナ社なんですよ。(WWII以後の東西ドイツに分かれたカール・ツァイスみたいなイメージで)

同様にAxisの旧ツィマッド社->カムダック社とか・・・
2010/11/25 (木) 01:45:07 | URL | 通りすがり #-[ 編集 ]
なるほど、そういう考え方もありますね。
ヘクタ・ドナはギャンとかドム系とかのツィマッド製MSとも関わってるのが微妙なところなんですよね…。
2010/11/26 (金) 23:48:26 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
アクシズってアナハイムなんじゃないんですか?
グリプス戦役初期はエゥーゴに肩入れ
グリプス戦役末期および第一次ネオジオン抗争ではエゥーゴとアクシズ(ネオジオン)の両方に肩入れしているのだと思っていました。
アナハイムからすればティターンズら地球至上主義の追い出し、アナハイムと親密な縁があるエゥーゴとアクシズの宇宙同士・スペースノイド同士の利権争いで、連邦政府に対して実戦での新兵器コンペができるのだと思っていました。
なので、少なくともティターンズから鹵獲したMSであるガンダムMKⅡとサイコガンダムMkⅡを除き全てアナハイム製だと思っていましたけどね。
2010/11/27 (土) 00:00:22 | URL | #-[ 編集 ]
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2010/11/27 (土) 19:07:14 | | #[ 編集 ]
アクシズのMSがアナハイム製だったら、さすがに名言されていると思います。
メラニーはアクシズを潰そうとしていましたし、
技術的な観点から見ても共通点に乏しいので、
直接の支援はしていなかったのではないかと思いますね。

ダミー企業を介して間接的に支援していた、というくらいならあり得ると思います。
2010/11/30 (火) 21:50:59 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
シュツルムディアスやバウなどはどうなるんですか?
グリプス戦役終戦前後ぐらいにアクシズ(ネオジオンになってから?)に流れ、アクシズで量産されています。
バウはともかく、シュツルムディアスはリックディアスの改良型ですから、もろにアナハイムのエゥーゴに肩入れした技術をそのままアクシズにも提供して
(衰退して連邦の実権を掌握しきれなかったエゥーゴを見限ったのか、はたまたハマーンが力を持っていて魅力に感じたのか知りませんが、どちらにしても宇宙にある企業としてティターンズさえ排除してしまえばこっちのものですから)
エゥーゴとアクシズに両方に提供しているのだと思いました
少なくとも第2次ネオジオン抗争ではシャアのネオジオンと連邦の両方ですが。
グリプス戦役および第1次ネオジオン抗争のハマーンのネオジオンにも提供していると思っていました。
2010/12/01 (水) 21:02:40 | URL | #-[ 編集 ]
シュツルム・ディアスがアナハイム製であることは間違いありませんが、
それ以外のMSについてアナハイム製と明言されているものはありません。
明言されていない以上、それらをアナハイム製とみなすことはできないと考えます。

無論アナハイム製ではないという根拠もないのですが、
ガザやキュベレイなどはアクシズが独自に開発したと言われることが多いですし、
少なくとも全てのアクシズ製MSがアナハイム製だと考えるのは無理があるのではないかと思います。
2010/12/06 (月) 23:46:06 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
ゲームブック
ご無沙汰しております。

まさかのHJ製ゲームブックを題材にされるとは、さすがルロイさんですね!!興味深く読ませて頂きました。

こうなると、ケイブンシャ版ゲームブックにもいろいろネタ(シャアの帰還での残存ジオン組織やジェリド出撃命令でのティターンズの訓練学校&ホバー空母「グラーフツェッペリン」の存在等)が散見されますw
ルロイさんの料理した論を読ませてもらいたいものですw!
2010/12/08 (水) 23:05:54 | URL | ドッゴ #EBUSheBA[ 編集 ]
ケイブンシャ版のゲームブック設定も面白いのは多いですよね。
「ジェリド出撃命令」のアムロ・シャアコピーはその後のF90搭載コンピューターに繋がるとか、
「最期の赤い彗星」のガルバルディに搭載されたサイコミュはシュベールサイコミュのプロトタイプだとか。

ZZ~逆シャア時代の地上での描写や設定は複数の作品で共通して要る部分が多いので、
このあたりを網羅的に扱うことも考えてます。
整理に時間かかりそうですが…。
2010/12/11 (土) 23:58:34 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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