がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
アクシズの「忌わしい記憶」とは何か
 シャアがアクシズを地球に向けて発進させるときの台詞、「アクシズ、行け!忌わしい記憶と共に!」は有名な台詞の一つですが、そもそもアクシズの忌わしい記憶って何?という話。
 まぁなんとなく分かるんですが、よくよく考えると具体的に何がそうなんだ?と疑問に思ったわけです。そもそもシャアが直接アクシズに関与している描写というのがあまりないんですよね。一年戦争後にアクシズにいた頃、ZZの頃の動向がはっきりしないので、いまいちイメージがつかめません。
 単純にアクシズが地球圏に帰ってきたことで色々と混乱が起きた、ということかもしれませんが、シャアが一人で呟いた台詞であることを考えると、シャア個人の感情から来る台詞のような気がします。

 というわけで、この台詞を言った時のシャアの心理的背景を考察してみます。

 シャアがアクシズを忌わしいと思う要因は、いくつか考えられます。そのいくつかをそれぞれ考えてみます。

(1)ハマーンとの関係
 シャアにとってアクシズで起きた一番大きなイベントというのは、やはりハマーン・カーンとの出会いなのではないかと思います。どのような接し方をしたのかはともかく、Zガンダム劇中での描写を見る限り、円満な関係で終わらなかったことは明らかです。
 では、シャアにとってハマーンという女性とうまくいかなかったことそのものが「忌わしい記憶」かというと、そこまででもないと思うんですね。それで言えばララァとの死別の方がよほど辛い記憶でしょうし、シャアの素振りを見ても、ハマーンとの過去はそれほど引きずっていないように思います。
 むしろ、シャアがハマーンについて思う感情は、「自分がもっとうまく接していれば、アクシズが地球圏に戻って来なかったかもしれない」という点なのではないでしょうか。

 アクシズは、結果的に地球圏へ帰還し、ティターンズとエゥーゴの共倒れを引き起こし、それに乗じて連邦首都を制圧、コロニー落としまで行い、実質的に地球圏を掌握する寸前まで事を進めました。これらはすべて一年戦争終結時にアクシズに脱走した、元公国軍の集団によるものですが、その筆頭にいたのはハマーン個人です。
 そしてハマーンはシャアに対して、強い憎しみと恋慕を抱いていたように描写されています。ある意味では、勝手に一人で地球圏に戻ったシャアを、追いかけてきたようにも思えます。
 仮に、シャアがハマーンと協力してアクシズを統治していれば、もう少し違うやり方で地球圏に戻ってきたのではないかと思います。シャアがダイクンの名を名乗り、ミネバ・ザビとキャスバル・ダイクンが協調して公国軍残党を平和的にジオン共和国へ帰還させる…というシナリオを描くこともできたはずです。
 シャアにその気がなかったからそうはならなかったのだと思いますが、それでも結果的に自分が捨ててきた女が世界を混乱に陥れたということは事実なわけで、そういう意味ではアクシズの所業を清算できるのはシャアだけ、だったのかもしれません。

(2)ザビ家との関係
 シャアにとってもう一つ、アクシズで思い入れを持っていたのが、ミネバ・ザビという存在です。アクシズが地球圏に帰還し、ハマーンの傀儡となり果てたミネバを見てシャアが激怒したことからも、その思い入れが伺えます。
 シャアのミネバへの感情というのは、以前に考察しましたが、そもそもアクシズという小惑星そのものが、ジオン公国の共和国化により追い出された旧ザビ派の拠り所になったことは間違いなく、その意味ではザビ家残党の旗印そのものです。つまり、アクシズとは、一年戦争を起こしたザビ家の墓標のようなものでもあり、それはシャアにとって父の敵、永遠の宿敵の墓標ということにもなります。
 つまり忌わしい記憶とは、アクシズにまつわる記憶に限らず、ザビ家そのものについての記憶全てを意味するのかもしれません。

(3)シャア個人の過去との関係
 アクシズにいた時代のシャアは、再起の時を待ち潜伏する時期であったように思います。一年戦争においてジオン公国の英雄の一人であったシャアは、その正体がジオン・ダイクンの息子ということがジオン共和国や連邦政府に露見することを恐れてアクシズへ逃げたのだと思っているのですが、そうは言っても大したことは何もできず、せいぜいハマーンと知り合ったことくらいしか特筆すべきことはなかったのだと思います。ましてや、そのハマーンとはうまくいかなかったわけです。
 自分の人生を省みた時に、「あの時期の自分は思い出したくない」というような過去がある人は多いと思います。∀ガンダムの言葉に倣ってネット上では「黒歴史」と表現されることも多い恥ずかしい過去が、ちょうどシャアにとってはアクシズ時代だった、と考えることもできます。
 つまりアクシズ落としは、シャアにとって抹消したい恥ずべき過去の清算を兼ねていたのかも、しれないのです。


 3つほど挙げましたが、この3つは全て複合していると考えることもできます。ハマーンとの過去、ザビ家残党の集団の中にいたという過去、これらはシャアにとって抹消したい記憶でもあり、キャスバル・ダイクンとしても清算しなければならない「業」だったのかもしれません。

 考えてみて思ったのが、運動による革命を目指していたジオン・ダイクンに対し、その息子は、結果的に武力による革命を目指してしまったんだな、ということです。その背景には、ジンバ・ラルの教育の影響があったのかな…と思うのですが、これは今後の考察テーマかなと思います。特に、そのジンバ・ラルにより反ザビ家思想を植えつけられたシャアが、そのザビ家残党に交じってアクシズにいた、ということがどれほどの苦痛だったのか、というのも少し考えてみたいと思いました。シャア考察は楽しいな~。
スポンサーサイト
コメント
コメント
この台詞、アクシズに絡んで嫌な事があったというような意味合いでは無いような気がしました。
ララァやアムロ、エゥーゴ時代なんかの諸々を含めて地球と一緒に潰してしまおう、的な印象を受けた覚えがあります。
2010/08/22 (日) 22:33:45 | URL | #-[ 編集 ]
カッコいいはずなのにネタにされやすいのがシャアのシャアたる所以ですね。今回、取り上げられた何気なくいった台詞でさえネタや絞殺、もとい考察の対象になってますから。
2010/08/23 (月) 11:54:13 | URL | 巨炎 #mQop/nM.[ 編集 ]
忌わしい記憶ね……アクシスにて活動中に様々な事件に遭遇する事になり、内ゲバに発展した事件もあり彼も大きく関与してます。

“機動戦士ガンダム G.D.A 若き彗星の肖像”はまさしく空白の7年間を補完する話になっており、アクシスで起きた動きが描かれてます。

(ただこれ公式扱いかな?)

シャアにとって忌まわしき記憶……それは自分の“子供”を身籠っていた女性士官ナタリー.ビアンキを守れなかった事ではないのかな?他にも幾多の流血惨事があったんですがシャアがララァを戦死させたと同じ位に後悔したとなればこれしかない。

その方はハマーンの親友で姉の様な存在だったんですがハマーンもシャアに片思いしていたんですが、彼はハマーンの心情を知る事も無く(知っていたけどララァの事や自分の立場上踏み切れなかった?)、ナタリーと“関係”を持ってしまった。

(シャアはナタリーが死んで漸く彼女の中に子供が居て、ハマーンと対立していた事を知ります。ハマーンが直接手をかけた訳ではない)


仮に彼女が早い時期に子供が出来た事をシャアに告げていれば、これこそジオンの内部情勢が激変する可能性が高く、グリプス戦役にシャアがエゥーゴに参加してないかも……。


2010/08/27 (金) 21:39:36 | URL | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo[ 編集 ]
>名無しさん
確かに、そう解釈する事も出来ますね。
シャアがこれまでの人生で背負った全てのものを清算するのが目的だったとすれば、
その先に実の妹がいるというのも家柄全てを捨てるためと考える事もできそうです。

>巨炎さん
思わせぶりな台詞としっかりした背景設定が共存しているキャラですからね。
これだけ人格形成の背景を推測できるだけの設定を持ったキャラというのも珍しい気がします。

>YF-19kさん
CDAでのシャアはともかく、その周囲に起きた事件というのはかなり違和感があるものだったんですよね~。
特にナタリーみたいな女性の想いを受け入れてしまうようなキャラではなかったように思うのです。
ナタリーとの経験があるからこそレコアの気持ちを受け入れられなかった、と解釈する事も出来ますが…
基本的にシャアは女性不信だと思うんですよねぇ。
2010/08/28 (土) 23:10:56 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
別解:忌まわしい記憶
アクシズって結構、質量兵器として使われているなーと振り返ってみました。

1:ゼダンの門にどっかーん
2:グラナダにぼかーん(未遂)
3:コア3にずぎぎぎぎ

グリプス戦役以降、アクシズ自身が主要な戦いのときに必ず戦場になって人を殺したり翻弄されたりしています。

逆シャアのときのシャアの主張だと、こういう戦争の元凶は地球の重力に惹かれた連中なわけで、その戦争に振り回されたもう一方の被害者とも言える石ころを最後に地球に落とす、というのは一種の意趣返しになるのかなぁと。

てことで、忌まわしい記憶
=アクシズに染み込んだ、過去の動乱での多くの血

という説を押してみます。ちょっとこじつけだけど。
2011/11/02 (水) 13:13:20 | URL | ナタル #.ZWFf9ps[ 編集 ]
確かに散々兵器として使われてますね、アクシズ。
これで最後だからもうひと頑張りよろしく、という意図があったと解釈できない事もないですね。
2011/11/04 (金) 20:30:16 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 がんだまぁBlog all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.