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ガンダムネタだけを語るブログです。
アニメ版機動戦士ガンダムUC 第1話「ユニコーンの日」
 友人にDVDを借りてやっと見ることが出来ました。今まで、「動画」として最も優れたガンダム作品は0083だと思っていたのですが、これはそれを上回る勢いがありますね。さすが時間をかけているだけはあると思いました。

 シナリオ自体は小説と大きく変わりませんので、小説との比較から見るガンダムUCという作品についてと、新作アニメとしての映像を見ての感想を書こうと思います。

 まず小説との比較についてですが、かなり説明を端折っているのがよくわかりました。ロンド・ベル側の描写が全くありませんし、「袖付き」についての描写も最小限にとどめられています。これは時間内に収めるためには仕方のないことなのですが、個人的には小説1巻の部分は説明が長すぎる印象がありましたので、むしろよかったのではないかと思います。そういえばこのシーンで情景や心情の説明がやたらとされていたなぁ、なんて思ったシーンが一瞬で終わったりしてましたし。
 逆に説明描写が減った事で、シナリオ構成自体が、かなりご都合主義であることが浮き出てきた印象がありました。バナージとオードリーの出会い方とか、バナージがユニコーンの場所にたどり着いてしまう理由とか、そもそもラプラスプログラムがMSに組み込まれなければならない必然とか、小説を全部読んだ上でもちょっと強引かなと思います。
 あと、やっぱりバナージは最初からスペシャルすぎますね。ニュータイプ的な感性を初めから持ちすぎているような気がします。オードリーの危機の察知のしかたはちょっとやりすぎかな、と思いました。
 ただ説明描写がないと、小説そのままの台詞の重みがだいぶ減ってしまいますね。「あんなの人の死に方じゃないですよ!」とか、それまでの死の描写から比較するとちょっと説得力が足りなかったです。

 映像としては見事の一言。やられ役をただのやられ役として描かないで、スタークジェガンやリゼル隊長機にちゃんと華を持たせるところに監督の心意気を感じました。どこかのF監督にも見習って欲しかったですね(笑)
 コロニーの内外の描写もかなりゾクゾクするものがありました。こういうのを見ると、あぁ、これが宇宙世紀の世界なのか、と感慨深く感じるところがあります。どうしても昔のTVアニメや、設定資料だけでは伝わりきらないスペースコロニーの世界が、こうして技術と年月の進歩によって具現化するというのは、ガンダムが長く続いてきた成果なんだろうなと。
 極端な話、世界設定やMS戦闘の描写を現在のクオリティにした上で、既存のガンダム作品をリメイクするだけでサンライズは10年儲けられそうな気がします(それだけだと10年経ったらは破滅でしょうけど)。
 現状、UCのような「宇宙世紀の続編」を富野監督以外が作る事ってほとんど不可能だと思うんですよね。外伝ですら、なかなか普通の監督には任せられないでいるくらいですし。それってやっぱり作家として富野監督に近い感性を持ってる人がいないからだと思うんですよ(いてもガンダムはやりたがらないだろうけど…)。そういう意味では、福井晴敏という人間がちょうどそれに相応しいとみなされたのは、それ以外に人材が居ない裏返しでもあると思うんですよね。正直、福井氏は小説家としてはともかくガンダムのシナリオライターとしてはちょっと富野監督とは違うと思うので(ロボットものとしての、ユニコーンモードの扱いが下手すぎる)、今後も宇宙世紀ものは福井氏の領分になってしまうというのは勘弁願いたいのですが、なかなか新作を作るのは環境的に難しいのかな、という気がするんです。そうなるとリメイクしかないのかな、と…。

 ガンダムUCが今後宇宙世紀の公式設定として取り込まれていくのもちょっと抵抗がありますね。これはこれとして成り立つとしても、実はこいつらが世界を裏から牛耳ってましたみたいなアストレイの「一族」のようなネタですから、ねぇ。
 個人的にUCでどうしても許せないのは、宇宙世紀移行の瞬間にテロがあったってことなんですよね。世界のセキュリティを甘く見すぎだろうと。宇宙世紀がそんな間抜けな始まり方をしたのか、と思うとかなりやるせないです。この辺も含めてどうして宇宙世紀元年から始めるような話にしちゃったんだと思ったら、付属のブックレットをみる限りサンライズ側の意向みたいですね。福井氏はもっと規模の小さい外伝もの(それもZZと逆シャアの間の)を考えていたのに、どうせなら宇宙世紀を総括する話を、と言ってしまうとは。
 この辺も含めて、必ずしも福井氏個人の意向だけで作られているわけではないこのガンダムUC、どういう着地の仕方をするのかはちょっと気になるところです。
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私もおおむね同意見です。
ユニコーンは、宇宙世紀の歴史に大胆な改変をしたという点では非常に「大規模」な作品ですよね。こうしてみるとセンチュリーやムーンクライシスの歴史改変って非常に小規模ですから。
小説版は何周もして、作品としては大好きですが、アナハイムの台頭の裏にあるのがラプラスの箱の存在だ、というのはどうしても許せません。
2010/05/16 (日) 22:38:46 | URL | いつもはROM専 #4shtMUW.[ 編集 ]
映像表現的には何と言っても
ビームが表面に当ったらボン!
ではなく
ビームが装甲を溶断していって…
ってのが意識されていたのが
凄く好感触でした。
2010/05/16 (日) 23:28:25 | URL | スウ #-[ 編集 ]
>いつもはROM専さん
宇宙世紀元年に秘密があった、というだけなら何の問題もないのですが、
過去の話がみんなそこに帰結するような設定にはしてほしくなかったな、と思いますね。
∀の黒歴史とは似て非なるものです。

>スウさん
あれ良かったですよね。あの辺はコマ数を多くとれるからこそなんでしょうけどね。
TVアニメだとどうしても、バンク前提になっちゃいますし。
2010/05/18 (火) 21:33:18 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
ユニコーン レンタル借りようと先日ビデオ屋行ったらレンタルは夏とか 汗 見たいなら買え的な
みたくて仕方ないのに
こういう戦略はなんだか 寂しいですよね
2010/05/19 (水) 01:35:52 | URL | ロウ #tiNayQ1w[ 編集 ]
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2010/05/19 (水) 20:27:56 | | #[ 編集 ]
結局レンタルで見ればいいやという人がそれだけ多いということなんですよね。
ユニコーンは映画上映をやったりと普通のOVAよりもプレミア感があるイメージ作りをしていますので、
まだ受け入れられるのかなという感じがします。
そういうことをやっていなかったら、非難ごうごうでしょうね。
2010/05/20 (木) 22:32:15 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
BD買ったんですが、まあ、画質とか最高ですわ。うん。

MSの慣性表現とか、強化人間の身体性能とか、これまで設定でしかなかった描写が、ナマモノのように細かに描かれとる。

これが見たかった「宇宙世紀の解像度」ってヤツ。
2010/05/23 (日) 23:25:47 | URL | 叡天 #-[ 編集 ]
そういうところにしっかり気を配られているだけでも結構価値ありますよね。
終盤のサイコマシンバトル乱舞をどう描くのかも楽しみです。
2010/05/26 (水) 23:43:35 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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