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ガンダムネタだけを語るブログです。
「スナイパー」と「キャノン」の違い
 スナイパー系MSと、キャノン系MSは、両方とも遠距離からの攻撃を主体とする機体ですが、その違いはどこにあるのか、という話。
 そんなの「狙撃」と「砲撃」の違いに決まってるだろというのはその通りです。相手の察知範囲外から確実に攻撃を命中させ、極力一撃で仕留めるのが狙撃であれば、遠方から攻撃を行い、必ずしも命中させるのが目的ではなく、回避や警戒をさせることで相手の進撃を妨害したり、近距離で戦っている味方への注意を逸らすなどの牽制が主なのが砲撃、ということになります。
 MSの特徴で言うのであれば、射程の他にスナイパー系に特に求められるのは命中率=センサーの精度、キャノン系に特に求められるのは手数=装弾数の多さ、ということになります。

 これは、あくまで単体スペックを見ての話。実際に部隊に配備して運用するときに、どういう差が生じるのか、というのが今回のテーマです。

 ここで言うキャノン系MSというのは、ガンキャノン、GMキャノンに代表される連邦製中距離支援型MSを指します。ジオンにもザクキャノン、ゲルググキャノン、最近はドムキャノンというのもありますが、これらはとりあえず無視します。後述するので。

 とりあえず連邦のキャノン系MSの特徴は、機種において主力機と区別されている事です。ガンダムとガンキャノンは全く別の機体であり、パーツを60%共有するGMとGMキャノンも分類上は別機体です。連邦軍のMSの特徴は、近距離と遠中距離で機種を分けていることで、これによりGM系はGM系のみで小隊を構成し、キャノン系はそれのみで小隊を構成するのが基本となっています。その方が、小隊内の機動力に差が出ず運用しやすいはずだからです(少数の実験部隊などは例外のようですが)。
 これに対しスナイパー系というのは、まぁGMスナイパーカスタム系列のことなのですが、基本的にはGMの強化版であり、機種として通常のGMと区別されてはいません。つまり、キャノン系と違いGM系と区別された上で運用されるということはない、と言えます。

 ここに、スナイパー系とキャノン系の違いがあると思うのです。スナイパー系はGM系の一部であるが、キャノン系はGM系ではない…要するにスナイパー系は分類上は「白兵戦用」であり、キャノン系は「中距離支援用」なのです。スナイパー系は白兵戦用MSをカスタマイズして狙撃能力を強化しただけ、ということですね。

 更に言うのであれば、スナイパー系は白兵戦用でありながら射程にも優れているわけで、またほとんどの機種は機動力も強化されています。つまりスナイパー系は同一機種のみで小隊を組むのが基本であると同時に、キャノン系からの支援を前提にしているわけでもない、と言えるのではないでしょうか。
 GMはボールとの連携が前提でしたが、GMスナイパーカスタムは決してキャノン系との連携を前提にしてはいない、ということです。それ故に単体スペックを向上させ、特殊な任務に用いられる事が多かったのではないでしょうか。逆に言えばキャノン系の支援を受けられない(受ける必要がない)任務に特化しているのが、スナイパー系の機体なのではないか、ということです。ある意味ではジオン系のMSに近いコンセプトとも言えますね。
 もちろんこれは原理原則のレベルであって、実際にその通りに運用されたかというと微妙なところなのではないかと思います。それこそGMキャノンがGMと同一小隊内で運用されている例はありますし、スナイパー系とキャノン系が同じ部隊に配備される事もあると思います。が、コンセプトとしてはそういう意味合いの元に作られたのではないか、と思うのです。
 そう考えると、GMカスタムはGMキャノンIIとの連携を想定していたようですから、決してスナイパー系列ではないのだな、と言うことができるのです。またネモがスナイパー系の意匠を受け継いでいるのも、後方支援を前提としない仕様だからなのではないか、と説明できます。


 さて、それに対してジオン軍のキャノン系というのはどうなのか、というと、ゲルググキャノンなどは、むしろ同一機種での運用を前提にしていると思えます。キャノン砲が付いている以外、バーニアの数・質は特に高機動型ゲルググに劣っていないなど、明確な機能的差異がありません。
 また、ドムキャノンもホバー移動可能な機体であるという意味では、同じくホバー移動可能なドム系との運用を前提としているように思えます。
 この点から考えると、ジオン軍のキャノン系というのは、あくまで同一機種の同一小隊内での支援砲撃を担当していると考えられます。元々ジオン軍はザクだけで戦争を始めたわけですから、基本的に異なる機種を同時に運用するという考え方はあまりないんですよね。
 その意味では、ジオンにスナイパー系と言う機種がほとんどないのは、実質キャノン系がその役目を背負っているからなのかもしれません。連邦におけるキャノン系というもの自体が存在しないんですね。

 …と言いたいところなのですが、実はザクキャノンがそれにあたる機体だったりします。ザクキャノンは元々対空用として開発されていたものが、V作戦の情報が入りガンキャノンに倣って中距離支援型として完成したという設定ですし、実際に試作機は同一機種のみの部隊に編成され実戦投入されています。
 ザクキャノンは腕部や脚部推進器にグフからのフィードバックを受けており、近距離戦主体のグフの支援を特に想定していたのかもしれませんね。
 しかし、ザクキャノンはバックパックを換装すれば通常のザクと同等の運用が可能ということにもなっています。もしかしたら、連邦流の中距離支援機としての運用はあまり成果が挙げられず、ゲルググやドムのように同一機種での運用を前提として、通常バックパック仕様のザクキャノンというのが検討されていたのかもしれません。そこから派生したのがハイザックだったのかも…。

 というわけで、GMとGMキャノンは相互補完の関係だけど、GMスナイパーカスタムは単独で完結する仕様なんだよ、ということと、ジオンのキャノン系は同時運用が前提だよ、という話でした。
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コメント
コメント
スナイパーは敵に発見されたら集中砲火を浴びるわけですから
機動性による戦域脱出と回避力、装甲の防御力、敵に囲まれたときに敵を破って包囲網を突破する攻撃力などあらゆる能力が必要ですからね。
ですから隊長クラスの人がやるのでしょう、警戒は隊員が補佐するのでしょう。

キャノン系はガンキャノンのように支援砲台として機動性を犠牲にしてでも装甲を強化して弾数を確保すればいいですけど。

スナイパー系で実弾砲はないですよね、全てビームな気がしますが
実弾だと遅くて敵に避けられてしまうのですか?、それとも曲がってしまうとかですか?

発射位置から目標が見えなくても、見える位置に観測手を置いて、座標を固定すればミノフスキー粒子散布下でも有効射撃になりますけど。

スナイパー系は宇宙限定で地上とコロニー内はありませんね、月面も。
まあ地球なら視界が5kmほど、コロニーなら円筒の反対側でも6km(円筒の直径)ほどですからキャノン系や普通の砲撃で十分当たりますからね。
2010/03/30 (火) 23:52:25 | URL | #-[ 編集 ]
>そこから派生したのがハイザック

・・・銀狼
最近ではとうとうMS-06GR型番まで。
2010/03/31 (水) 05:06:16 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>名無しさん
狙撃には弾速が速く直線に攻撃できるビームの方が向いているんでしょうね。
地上だとビームは減衰して射程が落ちますので、そもそもMSによる狙撃ということ自体が難しい環境なのかなと。
アプサラスを一撃で沈めるほどの超威力ビームなら問題ないんでしょうけど。

>とっぱさん
MS-06GRなんて型番が出てきたんですが?
ググっても出てきませんでしたが、ダムAあたりでしょうか。

銀狼は胸部くらいしかザクキャノンと類似点がないんですよね~…。
2010/03/31 (水) 23:02:41 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
ジムスナイパーカスタムなんて、狙撃手というよりは性質上は完全に「選抜射手」なんですよね。また、遠距離と近距離の溝を埋めるという点ではガンキヤノンこそが選抜射手の始祖であり、あのガンキヤノンのライフルは「DMR(Designated Marksman Raifle)」であったと(ボツ案でが、0083のジムキヤノンIIがまんまDMRであるL86LSWを装備)。ジムスナイパーカスタムのR-4ライフルの組み替え機構がH&K XM8と同様だったり(というか、R-4ライフルこそがまさにマークスマン・ライフルである)、ジムスナイパーIIの実体弾ライフル(及び08小隊版のビームライフルも「狙撃銃」というよりは「バトルライフル」に近い使われ方してたり…

てゆーか、これって「リアルがフィクションを模倣する」ってやつ?(違

ま、どうせ実銃丸パクりのデザインやってんだから、これくらいは当たり前に思い付くじゃんってね
2010/04/01 (木) 11:37:58 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
なるほど。選抜射手というのは初めて知りました。確かにスナイパーカスタムな感じですね。
そのうちジムマークスマンカスタムなんて機体が出たりして(笑)
2010/04/01 (木) 21:26:40 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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