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コスモ・バビロニア戦争の経過を推察する
 「機動戦士ガンダムF91」で発端が描かれて以降、詳細な経過が記されていないコスモ・バビロニア戦争。「もしもF91の続編が作られたら」ということを念頭に、その後の経過を推測してみます。

 ちなみにF91の続編は「クロスボーンガンダム」だろ、という人がたまにいますが、それは劇場版ガンダムIの続編が逆襲のシャアだ、といっているようなものです。その後の話ではあっても、続編とは言えません(最低限の伏線回収は行ったように見えますが)。本来は哀・戦士に続くはずのものが、そこで終わってしまったのがF91という作品なのです(実際は劇場としての続編ではなく、TVシリーズでの続編が予定されていたのですが)。

 さて、F91のラストシーンでの世界の状況は以下の通りです。

・フロンティア・サイドは完全にクロスボーン・バンガードが制圧
・駐留の連邦軍、及び月から派遣された援軍は壊滅
・スペース・アークは200名あまりの難民を乗せフロンティア・サイドを脱出。艦載機は半壊のF91のみ

 また、外伝作品「シルエット・フォーミュラ」からは、以下のような現状が推察されます。

・アナハイムはサナリィからの技術盗用により開発した新型機を次期主力候補とする予定
・連邦軍の一部とアナハイムは癒着しており、クロスボーンの蜂起を容認している
・シルエット・フォーミュラプロジェクトはクロスボーンへの予期せぬ接触とエイジャックス隊との交戦により抹消
・RX-F91の実働データはアイリスが持ち逃げしアナハイムは回収できず(ゆえにRX-F91改で追試?)
・アナハイムの次世代機であるネオガンダムは2機とも大破

 そして「クロスボーンガンダム」では、以下の結末が説明されています。

・シーブックはF91を駆って反クロスボーンのレジスタンスのエースとして活躍した
・セシリーはベラ・ロナとしてコスモ貴族主義を否定する演説を行い、コスモ・バビロニアを崩壊させる
・0128年にクロスボーン旗艦マザー・バンガードが行方不明に

 マザー・バンガードの完成はコスモ・バビロニア崩壊後であるとされていますが、本来はコスモ・バビロニアのために開発されていたと考えると、かなり長い間コスモ・バビロニアは存在していた事になりそうです。ジオン独立戦争が1年だった事を考えると、かなり長続きしたと言えるでしょうか。


 さて、ではF91の結末以後どのような推移であったかということですが、それを考えるにはまずその後のクロスボーン・バンガードが何をしようとしていたか、ということを考える必要があります。

 クロスボーン・バンガードはコスモ・バビロニアを建国するための尖兵であり、コスモ貴族主義を体現する存在です。このコスモ貴族主義の名の元に新たな統治システムを作り上げるというのが、ロナ家の至上の目的のようです。
 そのため、まずロナ家の長であるマイッツァー・ロナは、フロンティアサイドを中心としたコスモ・バビロニア帝国を、更に拡大させる方針であったと考えられます。小説版においても、カロッゾの進言ではありますがフロンティアサイドのほかにサイド1,2,3の制圧を計画していました(特にサイド1,2は連邦の中心なんだそうです。かつてこの2つのサイドはエゥーゴを支援していたサイドでした)。
 となると、クロスボーン・バンガードはフロンティアサイドに腰を据えた上で、これら3つのサイドの制圧を狙う事になると思われます。ただ、おそらくはかつてジオンがやったような強引な手法はとらないでしょう。

 クロスボーンは、フロンティアサイド制圧戦において、極力市街地への被害を少なくする方法で戦っていました。一方の連邦軍は被害を省みず拡大させてしまうような戦い方をしていました。この点で、民衆にはある意味連邦軍よりクロスボーンの方がまともだ、という意識を植え付けることが出来ます(その後バグで台無しにしてるんですが、あれを知っている一般市民はいないはずなので)。
 貴族主義は気高き者が責任を多く背負い、一般民衆を守るという考え方ですから、基本的にはコロニーの市民には支持されるはずです。いや、支持されるように行動するでしょう。

 また、コスモ・バビロニアはクロスボーン・バンガードによる軍事力だけの国家ではなく、コスモ・クルス教という宗教をすでに確立していますし、またかなり前からロナ家は連邦政府に政治的基盤を築き上げており、政府内でもそれなりの発言力を持っていたようです。「シルエット・フォーミュラ」から察するに、アナハイムとも繋がっていると思われますし、ジオン公国やジオン共和国よりも強いバックグラウンドを持っているように思えます。なにせ政治・軍事・宗教において強力な基盤をもっているわけですからね。
 アナハイムとしては戦乱が起きた方が儲かる上、サナリィを出し抜くチャンスが生まれるという意味でクロスボーンへの協力も行うでしょうし、中央政府はあまり危機感を持っていなかったようですから、コスモ・バビロニアの拡大はおそらく急速に行われていったのではないかと思います。

 基本的にアナハイム寄りの政治家も絡んでいる事情ですから、連邦政府はこのコスモ・バビロニアに対して有効な対処はできずにいたと考えられます。そして連邦よりもどうも頼りになりそうだということで、民衆の支持も徐々に増やしていったのではないかと思います。

 しかし、コスモ・バビロニアには、バグという汚点があります。フロンティアIの住民を全滅させたその行為は、かつてのティターンズの30バンチ事件に近いものであり、その実態が晒されれば急激に支持を失う事になりかねません。
 バグを用いたラフレシア・プロジェクトは、鉄仮面の死により頓挫した可能性があり、またバグの攻撃を受けた人間は全て死んでいます。例外はスペース・アークにいた人間だけです。そしてそのデータを記録しているのもおそらくはスペース・アークとガンダムF91だけでしょう。
 シーブックがレジスタンスのエースとして活躍したとされていますが、このレジスタンスとはコスモ・バビロニアに対してのものであり、かつて30バンチ事件により活性化したエゥーゴに近い組織であったと推測されます。そしてベラ・ロナによる演説というのは、クワトロによるダカールでの演説に近いものがあったのでしょう。
 その意味で、このコスモ・バビロニア戦争というのはある側面ではグリプス戦役に非常に似ていた可能性があります。もしかしたら、シロッコのような木星帰りの男がクロスボーンに参加した事をきっかけにして、シーブックたちは木星帝国の存在に気づいたのかも知れません。

 エゥーゴの最大の支持者はアナハイムでした。ではこの反コスモバビロニアのレジスタンスの支援者は誰だったのでしょうか。一つはサナリィでしょう。これはシーブックが(おそらく軍人ではなく)レジスタンスとしてサナリィ製のF91を駆り続けていたことから、その運用支援があったはずであるということ、またその後の新クロスボーン・バンガードへの支援も、サナリィが行っていたことから推測できます。
 もう一つ、可能性があるとすればコロニー公社です。コロニー公社は連邦の体制の中でコロニーの利権をむさぼっていた組織であり、コロニーがコスモ・バビロニアに支配されてしまっては困る立場にいます。しかし上に立っている連邦政府がうまく動いてくれないのであれば、彼らはレジスタンスの支援に走るでしょう。ちなみにマイッツァーの兄エンゲイストはコロニー公社の副総裁だったりして、ロナ家とコロニー公社はむしろ近しい関係にあったのですが、最終的な利害は一致しないことも小説版では語られています。エンゲイストの後継者であるマイッツァーの息子ハウゼリーも暗殺されてしまっていますし、フロンティアサイド建設までの関係だったのかもしれません。
 とにかく、軍事力ではサナリィの、政治力ではコロニー公社の力を借りてシーブックたちはコスモ・バビロニアに対抗したのではないかと思います。宗教に対する対抗力はセシリー=ベラのカリスマ性ですかねぇ。

 連邦政府としてはコスモ・バビロニアを早急に潰すつもりがなく、むしろジオンに代わるゆるやかな戦乱の火元として適度に対応しておく予定だったのかもしれません。一方で、コスモ・バビロニアはバグにより月と地球の住民を抹殺する予定でした。その目論見がジレによって引継がれていたかはわかりませんが、いずれにせよ月と地球は倒すべき敵だったようです。しかし、コスモ・バビロニアの誤りをベラが指摘する事で崩れ、結果的に「コスモ・バビロニアはダメだったが、連邦政府もダメだった」という世論が形成されていったことで、後のコロニー戦国時代に繋がっていくのではないでしょうか。

 ところで、小説版F91を読む限りでは、確実にスペースノイドには選挙権があります。コロニー全てが選挙区で、選挙本部がサイド2にあるとされていますからね。これとガンダムUCでの設定を整合させるのであれば、やはりラプラスの箱の解放後に、スペースノイドの参政権が認められたということになるのでしょう。というか、大部分の人類はコロニーへ移住しているようですね。フロンティアサイドの建設もそのためだったのでしょうし。
 地球への再居住を企図するなど、相変わらず地球寄りの保守層の影響力は強かったようですが、その中でもかつてのエゥーゴに同調していた政治家の活動もずっと続いていたんでしょうね。無論、ラプラスの箱の解放というのも一つのターニングポイントだったんでしょうけど。

 もしF91の続編が作られるのであれば、基本的にはシーブック視点の話になるのだと思いますが、個人的には別の主人公を立ててアナハイム側の新型ガンダムに乗る話になっても面白いのではないかと思います。最初はF91は敵なんだけど、そのうちSEEDみたいに味方に見捨てられてレジスタンスに参加、みたいな。
 とても魅力的な設定が多く、続編が作られなかったのはとても惜しいのですが、一方で書いていて厳しいなと思ったのは、固有名詞が難しいということですね。クロスボーン・バンガードとかコスモ・バビロニアとか名前が長いんですよ。今でこそソレスタル・ビーイングなんて単語もありますが、富野監督の固有名詞はやや難解が過ぎる傾向にあると感じます。MSの名前もベルガ・ギロスとかでしたし、ジオンだザクだと言っていた頃に比べると新世代のガンダムは敷居が高すぎたように思いました。主要ターゲットは既存のガンダムファンではなく新規ファンだったはずなのに。
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コメント
コメント
>F91の続編
え…F95JD…

完璧、柳瀬氏の黒歴史ですが…
2010/02/27 (土) 11:54:19 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
おそらくですが、CBが軍事的に決定的な敗北をすることがなかったことが組織が長く存続した要因かもしれませんね。

CB系統のMSは当時の最新鋭機のレベルを見てもかなり高くまとまった感じですので、局地戦ではともかく、大軍決戦では少なくとも負けはなかったのでしょう。

最大のポイントはベラ・ロナとマイッツアーの思想的対峙による部分が大きかったのだと思います。

マイッツアーが存命の間はベラもそこまで強い影響力を行使できなかったのかもしれないですが、彼が死んだことで勝負あったとなったような感じがします。(生死については語られないですが、存命とは思えないですしね。)

そもそも、ベラは外道に走ったとさえ吐き捨てられるナディアの娘でもありますので、シンボルとしてはマイッツアーの思惑はともかく問題があったのかもしれないですね。
2010/02/27 (土) 17:14:41 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
>コンラッドさん
知らなかったのでググってみたら、なんと同人誌で独自に続編を作っていたとは…。
しかし絵が描ければ話も作れるというわけではないですね、やっぱり…。

>ドクトルKさん
そもそも武力だけで勝負していませんからね。
武力を行使しなければならない自体を極力政治力で回避していたように思えます。

マイッツァーはF91本編ではほとんど関わってこなかったので、
その後どういう行動を取るかはなかなか予想しづらい部分がありますね。
どうも本当の意味でマイッツァーの理想を理解していたのはカロッゾだけっぽいので、彼の死後思い通りに世界を動かすのは難しかったのかもしれませんね。

マイッツァーはベラにディアナのような存在になって欲しかったのかも知れませんが、
実際はセイラに近かったんでしょうねぇ。
2010/02/28 (日) 20:46:40 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
うん、この時代。

Z放映の時はまだまだガキすぎたし、色々分かってきた頃に見たガンダムってF91辺りなんです。

ホント、埋もれさせるには惜しい重厚な設定が成されてますよね。

この時代を背景にした本格的作品を見てみたいものです。
2010/03/01 (月) 20:35:07 | URL | 叡天 #-[ 編集 ]
F91って、TV放映が頓挫した後劇場公開になったらしいですね。知らなかった・・。

CBやコスモバビロニアの設定は小説版の影響で気に入ってるので、その後は気になったなぁ。

マイッツァーやドレルはどうなったのとか・・クロスボーンではあえて触れなかったですし。

バグの証拠隠滅やベラの奪還?を目指す敵に、
シーブック達が追われるような展開とかあったんだろうか。


フロンティアサイド制圧では
バグの汚点を残し、象徴となるはずだったセシリーのほかにも、
優れた手腕を持っていた司令官カロッゾを失っています。
ジレも粛清され旗艦も爆破され、仲間割れで黒の戦隊にも被害が出たようですし、

コスモバビロニア建国に痛手となったのかも。
2010/03/03 (水) 16:23:09 | URL | ネイ #leF2ecbc[ 編集 ]
F91はTV版として作る予定だったシナリオで劇場版にしちゃってるからまとまりがないんですよね。
その後TV版として続行するつもりだったらしいのですが、
結果的に見ればこれは大失敗でしたね。
今流行しているように、TV版で人気が出たら映画化、の方が普通にうまくいったように思います。

クロスボーン側としてはシーブック達は抹消しなければならない存在だったように思います。
そうでなければそれこそ作中のザビーネのように、見逃していい存在だったわけですし。

鉄仮面ってなんかドゥガチみたいに複数居るような事を何かで示唆されていたような気がします。
その後新たな鉄仮面がラフレシアプロジェクトを続行するような展開もあり得たのかなと。
2010/03/03 (水) 23:17:24 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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