がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ゲルググのライセンス生産とOEM生産
 以前MGゲルググのインストを読んだ時に、ゲルググはライセンス生産とOEM生産の両方が同時に行われていたことを知りました。
 簡単に言ってしまえばライセンス生産は他社のブランドを自社で作って売る事、OEM生産は他社が生産した製品を自社のブランドで売る事で、作った側が売るところまでするかどうかがどうかが違いです。これはジオニック社とツィマッド社の関係で考えた場合、ライセンス生産とは「ツィマッド社が独自にゲルググを生産すること」で、OEM生産とは「ツィマッド社が生産したゲルググをジオニック社が軍に納入する事」であると言えます。一体何故そのようなことになったのでしょうか。

 MGインストの元文章はこんな感じです。

 MS-14の基本的なアビオニクスはZIONIC社のものだが、装備されるスラスター類はZIMMAD社の技術が援用されており、MA用の武装を開発していたMIP社なども、ビームライフル開発の際にMS開発局に編入され、同系統の機体を何機種かOEM生産している。さらに、各部品の調達の都合によって、各メーカーは独自のライセンス生産も行うようになっていった。この機体は各部が独立した構造となっていたため、生産自体もブロックごとに開発することが可能だった。だからこそ、頭部や脚部は先行して部品の供給がなされ、短期間で量産することができたのである。

 これだけ読むと、特にOEM生産の場合などは、機体のブロックごとに生産企業を分けていたりしていた可能性があります。例えば下半身はツィマッド社でもOEM生産を行っていて、ビームライフルはMIP社も生産を行っていた、とか。
 というのも、ゲルググという機体は大戦末期にやっとラインに乗った機体であり、その量産は急務であったと考えられます。そのため、ジオニック社だけではなく、複数の企業で同時に生産するために、OEMが行なわれたのだと推測できます。依頼元にとってのOEMのメリットの一つは、自社以外の生産ラインを活用できる事ですからね。
 OEMの場合最終的に生産されたものはジオニックのものになりますから、どの部品をどの企業がつくろうとも、あるいは1機まるまる他社がつくろうとも、最終的にジオニック製ゲルググとして軍に納入される事になります。つまり、OEM生産で他社が作ったゲルググが、純粋ジオニック製のゲルググと仕様上区別される事はあまりないと思われます。もっとも、100%OEMの仕様というのがあり得ないわけではありませんが。

 一方で、形状がかなりアレンジされた機体については、他社によるライセンス生産である可能性があります。ジオニックのから権利を取得し、「ゲルググ」という機種でさえあればいいという契約にすれば、かなり自由度の高い設計を行うことが可能となります。
 しかし、見た目が大きく違えばライセンス生産だ、と言い切ることは出来ません。OEM生産はジオニックが他社製の機体をゲルググとして売りつけるための手段であり、ライセンス生産は他社が新型機をゲルググという機種で売りつけるための手段とさえ言うことができます。いずれにせよ、他社が作った機体をゲルググと呼ぶことは間違いないため、かなり外見の異なる機体をゲルググと呼ぶケースにしても、そのままその通りのゲルググであるケースも、どちらの生産方式でも存在しうる事になります。
 ただ、ゲルググの場合は元設計がジオニック側にあるので、基本的にジオニックが最終的に権利を持つOEM生産のゲルググの方が元設計に近い仕様になる可能性は高いと言えます。というか、元設計そのままのゲルググをわざわざ(同じ軍を納入先とする)他社がライセンス生産で行うメリットはあまりありません。あるとすれば、地球でゲルググを生産する場合でしょうか。宇宙で作って地球に下ろすより、地球の企業にライセンス生産させた方が安くつくかもしれません。ZZに登場するレプリカ機なんかはそういう意味でレプリカと呼ばれるのかも。

 つまり、やはり外見がかなりアレンジされた機体は他社によるライセンス生産機と考えた方が良さそうだということになります。個人的にはゲルググMがツィマッド製、ゲルググJがMIP製と考えたいところです。前者は高機動型の派生機(MSV-RでBR型はツィマッド製とされましたので)、後者は狙撃型とも呼ばれるビーム兵器の運用に特化した機体だからです。
 ゲルググという機種は、配備当初はOEMを活用して複数の企業で同時に生産を行い、その後、各企業が独自にライセンス生産で新たなゲルググを開発したため、短期間で多数のバリエーションが発生した、と解釈する事が出来るわけです。というかMGインストはそう言っていたわけですね。これGMにも応用できそうです。
 OEMは主に自社生産以上の生産数を確保するために用いられたことになりますが、そうなるとライセンス生産はゲルググという機体を他社がそれぞれ改良し、(現主力機であるゲルググをプラットフォームとした)自社の次期新型機につなげていく狙いがあったのではないかと考えられます。ゲルググJ→ガルバルディβがそんな感じでしょうか。ただガルバルディαは見た目的にはギャンベースであるため、どう解釈してよい物か困ってしまいます。実は17Aはギャンベースで17Bがゲルググベースだったとか?これはまた今度考えましょう。

 同じ機種のはずなのにデザインが大幅にアレンジされている機体の多くは、このような解釈でこじつけることが可能かもしれません。また、ほとんど同じ外見なのに違う名称だったりするのも同様ですね。前者がライセンス生産で、後者がOEMになるでしょうか。ディジェとチャイカとか、MSF-007とRX-166とか、マラサイとグリフォンとか、バーザムとバージムとか、グリプス時代にやたら似た機体が多いのを説明できるきっかけとなるかも。
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コメント
コメント
国家総動員法は戦前から思考されていたでしょうけど
戦争末期はペズン計画などで競合ではなく、協力させたんですね。

ゲルググM(マリーネ)はMIP社ですかね。
ツィマッド社だと頭文字のZがありません、Zはジオニック社も共通ですが。

ZZのリゲルグまでアクシズに設計図などの技術資料を持ち込んで8年間潜伏して、晴れてハマーンのアクシズ・ネオジオンに合流した技術者も大勢いたんでしょうね。
2010/01/14 (木) 23:16:31 | URL | #-[ 編集 ]
ペズン計画はジオン版V作戦だったというのが持論です。
遅すぎて反攻には全くなりませんでしたけど。

アクシズは元々ガザを生産するくらいの設備しかなかったでしょうから、
そこで多くの新型機を開発したということはそれだけの技術者がいたんでしょうね。
2010/01/15 (金) 23:21:53 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>ライセンス生産は他社のブランドを自社で作って売る事、OEM生産は他社が生産した製品を自社のブランドで売る事で、作った側が売るところまでするかどうかがどうかが違いです。

違いますよー。
ライセンス生産は、「他社の製品の生産許可を受けて生産すること」、OEM生産は「自社の製品を他社のブランドで生産出荷すること」です。

もし、ツィマッドがゲルググをOEM生産をしたのだとしたら、ツィマッドがゲルググのライセンスを持っていることになり、ツィマッドが開発したことになっちゃいます。
ゲルググがジオニックの開発であることは明らかで、とするとOEMをしたのであれば、ツィマッド製として軍に納品したことになります。そんな訳はないので、OEMってのはあり得ません。

そもそも、ツィマッドはジオニックに推進器の提供をしているので、OEMする必要性はありません。

私が前から軍需産業にOEMはない!と言い張っているのはそういう理由です。

OEMというのは、一般市場向けの言葉であって軍需産業はもともと、餅は餅屋の概念が強く、パーツ毎にさまざまなメーカーが絡んで組み上げられるのが普通です。
ジオニック社がメーカーとされるのは、ジオニック社が設計したからであり、ジオニック社が生産したからではないです。
重要な組み上げの部分はジオニック社が行うでしょうが、推進器はほとんどの機体でツィマッド社のものが使われていたんじゃないでしょうかね。
グフもツィマッドの推進器を使っていますし。

MIPなんかはメガ粒子砲を得意としてますし、アルベルト社はビームライフルですよね。
スーズ社(アンテナ他)とかもある訳で。

つまりOEMって言葉は「誤用」なんですよ。
2010/01/18 (月) 03:41:48 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
なるほど、ツィマッド製のゲルググによく似た機体がゲルググとして納入されるというのは変なので、
その意味でOEMは違う、というのはわかります。
ただそれで「誤用」とか「あり得ない」と断定してしまうのは非常に短絡的だと思いますよ。少なくとも自分はそのような結論は下せません。

OEMとは必ずしも完成品に他社ブランドをつけるだけというわけではないようですし、
それこそ特定パーツが他社製だったりするのではないでしょうか?
B型・C型のバックパックが他社製OEMってのも考えられますし、
そもそも初期型のゲルググは他社OEM製品のつぎはぎで作られていて、純正ジオニック製のゲルググがイェーガーだったとか、
そんな考え方だってできると思うのですが。
2010/01/18 (月) 23:04:36 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>OEMとは必ずしも完成品に他社ブランドをつけるだけというわけではない

それはそうですが、ツィマッドがOEMでゲルググを作ることはできません。

ツィマッドが作ることができるのは、ライセンス生産か生産委託された(受託したもの)だけですから。

ので、ツィマッドがOEMしたとすればゲルググの推進器についてだ…という限定的な言い方になり、ゲルググを生産したということにはならないですよ。

バックパックや推進器がツィマッド製だからといって、ゲルググはツィマッド製にはならないでしょう?

車の○○製というのだって、「生産メーカー」ではなく「開発メーカー」のことですし。
2010/01/19 (火) 14:38:11 | URL | 陰鏡斎宗地 #nL6A2.tM[ 編集 ]
要は「同系統の機体を何機種かOEM生産している」というMGインストの表現が間違っていると仰りたいわけですね。
これ、主語がどこにあるのかいまいちわからないんですよね。
そのまま読むとMIP社が主語のようなんですが、そうなると「同系統の機体」がビームライフルを指すように読めてしまったり。
MIP社がビームライフルをOEM生産しているならわかりますが、ゲルググの実機をOEM生産しているという意味だったらおかしいのでしょうね。
2010/01/24 (日) 23:47:42 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
はじめまして、ずいぶんな亀レスになりますが失礼します。
確かにそのインストの記述を見た限りでは、書き手さんのほうに「OEM生産」という言葉の意味について何か誤解があるようにも見受けられますね。
というのも、OEMという手法のメリットは主に「そのままでは名前も知られないような会社の製品が大手の有名なブランド名を名乗る事ができる」とか「自社の流通ネットワークを持たない生産者が製品を大手の販売網に委託する」「販売側からしてみれば自社の生産では追いつかない、あるいはそもそも自社内では生産できないものを他社に委託して生産してもらう」といった商業戦略的な意図から生じる物なんですよね。
現実世界にある例で言えばスズキがMRワゴンという自動車を作ったが、スズキの販売網だけでは弱いので、ほぼ同一設計の車を販売大手の日産自動車に納入して『日産モコ』の名前で売り出すといった例があります。
この場合スズキ側はとしては強力に全国展開する日産のブランドと販売網を利用して自社の製品を販売でき、日産側にとっては自社では生産していないタイプの製品(この場合は『軽自動車』)をラインナップに加える事ができるわけです。
つまりOEMとは製造元を名乗る権利を他者に譲り渡すという行為の事を指すので、これは「ライセンス生産」、すなわち製造する権利を買い取って自社で生産し、自分の元で流通させる行為とは相反する行為となってしまいます。
現実世界の兵器産業では「自国に兵器の設計技術はないが、自国防衛のための兵器を他国からの輸入に依存するのは好ましくない」といった判断でライセンス生産が選ばれる事が多いようです。日本の航空自衛隊のF-15なんかは典型的ですね。

ただ、上で陰鏡さんがおっしゃっているような「軍需産業にOEMはない」と言い切るのはさすがに極論に過ぎるのではないかとも思います。
例えば、これは厳密にはOEMではありませんが、欧州共同開発戦闘機のユーロファイター・タイフーンは生産はユーロファイター社・ユーロジェット社が行っていますが、欧州以外の地域への売り込みに関してはイギリスのBAEシステムズ社に委託されています。
また、現在開発中の自衛隊の次期戦術輸送機『川崎XC-2』は民転も含めた海外販売を現在模索していますが、これも海外への販売に際しゼネラル・エレクトリック社にマーケティングを委託するという案も検討されています。
あくまで仮に、の話ですが、例えばもしこの機体の販売の際に権利やブランドの関係で『ゼネラル・エレクトリックXC-2』みたいな名前が付けば、それは「川崎がゼネラルの飛行機をOEM生産する」ことになるわけです。

で、ようやくガンダムに話を戻しますが、仮に「ツィマッドがゲルググをOEM生産する」という文章を成り立たせようとした場合、
・ツィマッドがゲルググそのものの完成機を製造
・その機体をジオニックに納入
・ジオニックが軍に販売
という行程が前提条件となるわけです。

ここから先は完全に想像の世界ですが、おそらくゲルググの生産に関しては個別の部品に関しては各社がそれぞれ違う受け持ちを担当しつつも、それぞれの部品を融通しあう事で機体の最終組み立てはジオニック・ツィマッド・MIPすべての会社の工場で行っていたのではないでしょうか。
そして軍への納入に関しては、当初は権利の関係か何かでジオニックが一元管理して行う事になっていたのでしょう。
つまり、「ゲルググはジオニック製」と言われているのはのはあくまで開発元のみを表したか、あるいは軍への販売の際の単なる「商標」であり、実際の生産状況とは乖離があったとする解釈です。
こう考えればOEM生産という記述もなんとか矛盾無く説明できそうに思えますが、いかがでしょうか。

陰鏡斎宗地さんへ
上の例で出した軽自動車『モコ』は開発・製造ともにスズキですが、でかでかと日産自動車のエンブレムが付けられ、一般にも「日産車」として認知されていますよ。
2010/07/18 (日) 02:00:38 | URL | T-TOC #eN0boxY.[ 編集 ]
初めまして。書き込みありがとうございます。
この辺の知識は付け焼刃程度しかないので、とても参考になります。

ゲルググのOEM生産に関しては一つの答えが出たような気がします。
かなり複雑な事情であったことは間違いないですね。

またMSのOEMについては、戦後のアナハイムが結構やっていたりしたのかな、なんて思ったりします。
無名企業が開発した独創的な機体をアナハイムが連邦にプレゼンするために買い取っていたとか、なんとなくありそうですし。
2010/07/22 (木) 23:02:21 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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U.C.0089.1.17エゥーゴ、ネオ・ジオンを制圧 ハマーン・カーン戦死 。
2010/01/17(日) 08:38:31 | 新訳・偽かげろう日記
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