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MS-Xと統合整備計画から、ジオンのMS運用理論を考える
 ジオンのMS開発計画として後付けされている統合整備計画及びペズン計画ですが、この両計画を比較する事でジオン軍が大戦末期にどのようなMS運用を考えていたのかを考察する、という企画です。
 何故このようなことを考えたかというと、両計画は複数種のMSを並行運用することを前提に進められていると感じたからです。MSVの設定では、ジオンの主力機はザク→リックドム→ゲルググと移行したということになっており、これらの機種は並行の関係にはないように説明されています。しかし、その後の設定ではどうもこの3機種は同時運用されていたようなので、それはどういうことなのか、と疑問に思った事が始まりでした。
 このため、ザク、リックドム、ゲルググという三系統に絞って、両計画の機体の住み分けを検証してみたいと思います。

 まず統合整備計画ですが、これは簡単に言えば、複数種存在しているMSの規格を統一するという計画です。つまり、複数種のMSの同時運用をより円滑化するための計画であるとも言えます。だとすれば、この計画により開発された機種の特徴を考えれば、どのような住み分けで複数種のMSを運用する意図があったかを読み取る事が出来るはずです。
 というわけで、統合整備計画により開発された機種の特徴を挙げてみます。

ザクII改:推進剤の搭載量を犠牲にして性能(特に推力)を大幅に向上
リックドムII:大きな変更点はないが、地上と宇宙のいずれにも対応可能
ゲルググJ:センサー系の強化による命中・射程の向上、及び総合性能の向上

 まずザク改についてですが、これは連邦軍のMSに比べ性能不足が否めないザクの性能底上げを図った機体であると言えます。しかし、そのために稼働時間を犠牲にしており、どちらかというと航続距離を必要としない、拠点配備を前提にしていたのではないでしょうか。つまり、基本的には拠点防衛任務のための機体だったということになります。
 次にリックドムIIについては、性能面よりもドムとリックドムの共有率をより向上させた機体であることが言えます。地上からは主力を撤退させた局面でしたが、それ故に地上への補給は宇宙から行う事になり、宇宙でも生産できるドムという意味でそのような機能が付与されたのかもしれません。いずれにせよ、宇宙用ドムとしての仕様上の大幅な変更はありませんから、運用面ではリックドムと大差ないと考えられます。つまりは艦隊配備の突撃戦用というところでしょう。
 最後にゲルググJについては、ビーム兵器の運用により特化した仕様であったと言えます。ゲルググの最大の特徴を生かした形になりますが、元でさえ高性能機なのに更に高性能化している(しかもザク改のようにデメリットなしに)と考えられることから、コストもより高騰していると言え、どちらかというとザクに対する高機動型ザクのように、ベテランパイロットへの集中配備を前提としているのかも知れません。つまり、エース専用機的な扱いであったということですね。後の騎士用MSなどに通じるものがあります。

 これらの分析からザク、リックドム、ゲルググの3系統の機種の住み分けは、それぞれ拠点配備・艦隊配備・エース配備というような形を考えていたように思います。開戦当初は軍全体が侵攻艦隊、しかも全てエース部隊というような状態でしたが、戦線の拡大と戦局の変化により、それだけではやっていられなくなったということなのかもしれません。

 続いて、ペズン計画です。こちらもまず機体の特徴を列挙します。

ペズンドワッジ:局地戦用。リックドムの後継機。2機連結でビーム砲運用可能。
アクトザク:次期主力候補。マグネットコーティング採用。
ガルバルディ:ギャンの後継機。ゲルググと同じ生産ラインを使用可能。

 まず、アクトザクはゲルググの次の主力機候補であるとされており、戦力的な位置づけとしてはザク改の後継機というよりはゲルググの後継機に近いポジションの機体です。新規開発のゲルググではなく最も信頼性の高いザクをベースにした主力機を、という目的があったものと思われます。
 ペズン・ドワッジは詳細な設定が少ないのですが、外観や武装から察するにリックドムから大きな運用上の変化はなかったと推測されます。局地戦と言われるのですが、どのような地域での運用を想定しているかは不明です。ゲーム等では陸戦用の意味であると解釈される事が多いのですが、巨大な連装ロケット砲や、2機で運用するビーム砲を使用できるという設定があることから、基本的には宇宙用であると考えられます。宇宙用でかつ局地用となると、やはり拠点配備という意味なのかなと個人的には解釈しています。
 ガルバルディは直接的にはゲルググの後継ではないのですが、生産ラインが共有となっているようですので、基本的にはアクトザク採用後の、ゲルググのラインを利用する事を考えていたのかな、と思います。ベースがギャンであるということは基本的に対MS用としての性格が強いと思われ、対MS迎撃機としての運用を想定していたのではないかと思います。

 以上のことから考えられる事は、主力はザク系に戻されているということ、その結果空くザク改のポジションをペズンドワッジが補っている事、そしてエース機ゲルググは対MS機ガルバルディへと変容したということです。
 主力がザクとなったのは生産や運用の都合が大きいと思われ、高価なゲルググは逆に限定的な運用に特化する、という流れのように思います。ゲルググのビーム兵器という特徴は、熟練パイロットの技量が必要となる意味でも対MS戦へ軸足を移すというのが現実的な判断だったということなのでしょう。一方で、推力偏重の機体の系譜に属するドワッジが拠点防衛用に落ち着いた、ということになります。

 これにより、現状の底上げが目的である統合整備計画では、それぞれの機種の特徴を生かした上で現状の部隊配置を行なうことが想定されており、次世代機の開発が目的であるペズン計画では、部隊配置そのものの転換も含めて合理化を想定している、ということなのではないでしょうか。

 この運用理論は、アクシズにおいてはザク改→ガルスJ、リックドムII→ドライセン、ゲルググJ→ザクIIIという形で受け継がれた事になるとすれば、ペズン計画の想定は生かされなかった、ということになるのでしょうか。ガルバルディとR・ジャジャの類似を考えると、当初はガルスJ、ドライセン、R・ジャジャで運用するつもりだったのかもしれませんが。ズサというガッシャの後継もいるし。ギガンのポジションはガザでしょうか。
 そう考えると、アクシズは当初はペズン計画の延長線上で次期MSを考えていたが、実際に運用してみたら統合整備計画の時点での運用にシフトしていった、ということになり、当初の考え方の方が(コストや生産ラインの都合を無視すれば)優れていたと言えたのかもしれませんね。
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コメント
コメント
いつも考察、楽しく読ませてもらっています。

一点気になったのですが、リックドムII→ドライセンの流れはどうなのでしょう。
ドライセンは見た目こそドム系ですが、武装は対MSに特化しているように見えます。
もともと一撃離脱型で作ろうとしたら、そっちの運用は別の機体でやるから仕様変更されたとかなら分かるのですが。
運用面でのドムの後継はガザ系の方が近いと気がします。
ギガンのポジションはガザってのは十分説得力があるので、ギガンの後継→MS形態、リックドムの後継→MA形態って考えはどうでしょう。
(あれ?ガザのMA形態って砲台になるためでしたっけ?)
これだと重力下でのドムポジションが居ないのが難点ですけど。
2009/10/16 (金) 09:39:12 | URL | 銘無し #0BHHApUY[ 編集 ]
プラモのドライセンの解説書によるとまさしく仕様変更しています。
元々は推力と燃料積載量が高く、サブジェネレーターを搭載したランドセルとメガ・バズーカの装備を予定していたものの、地球侵攻作戦を想定するにあたり、対MS格闘を重視した仕様に変更されたそうです。
2009/10/17 (土) 14:51:11 | URL | ゼノタ #-[ 編集 ]
> ゼノタさん
なんと本当に仕様変更だったのですか。
元の仕様通りなら、ドム→ドライセンの流れで良さそうですね。
2009/10/17 (土) 22:23:23 | URL | 銘無し #1B.aTh2s[ 編集 ]
面白い説ですね。
こんなのもどうでしょう?
①統合整備計画がキシリア方の計画なのは文句ないところ。
②ペズンは同時期の別計画なのでドズルかギレンの計画
③ドズルは数量重視、連邦の攻撃が近いと感じていたので既存機の増勢を重視(ゲルググよりリックドム)なのでペズンに関わっていない。
④ギレンの計画?ギレンはソーラレイの威力で勝てると考えており、ズムシティー防衛戦は考量の外?
⑤実はデギンもしくはジオン共和国政府の計画でズムシティー防衛を主眼とする。
⑥ドワッジ コロニー外で砲座としての2機使用ビーム兵器を運用。コロニー内での格闘戦も重視
⑦ギガン、ガッシャはコロニー内戦闘用
⑧ガルバルディー エース用。コロニー内近接戦用に格闘能力を向上
⑨アクトザク 実験機
2009/10/20 (火) 20:27:04 | URL | T #sSHoJftA[ 編集 ]
>銘無しさん
リックドム的な運用としては、攻撃型と名言されているガ・ゾウムがそれにあたるのかなと思います。
ガザEという名称がガ・ゾウムとなったのは、
ドライセンが仕様を変更された事に合わせてのことかもしれませんね。

>ゼノタさん
トライブレード仕様に変更されたのって地球侵攻作戦のためだったんでしたっけ。
単純に当初から陸戦用で開発されていたと思っていました。

>Tさん
「ギレン暗殺計画」を見る限りではペズン計画はギレン直属っぽかった感じがしますね。
当初に比べ宇宙の陣地の防衛という比重は増して来るでしょうから、
宇宙拠点での迎撃に主眼を置いた設計になっているというのはその通りかもしれません。
2009/10/24 (土) 15:23:36 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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