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ガンダムネタだけを語るブログです。
キャスバル・ダイクンとミネバ・ザビ
 ガンダムUCを読んでいて思ったんですが、ミネバがザビ家の正統後継者であるのは明らかなことですが、キャスバルもダイクン家の正統後継者なんですよね。
 ミネバは生まれてまもなくしてアクシズに下った公国軍残党の希望の星となり、歪んだ教育を受けることになりましたが、キャスバルもまた、幼少時にサイド3を追われ、ジンバ・ラルにより歪んだ教育を受け復讐の道に走ることになった男です。

 そう考えると、キャスバルがクワトロ・バジーナとしてハマーン、そして成長したミネバと再会した時に、普段の彼からは想像できないくらい激怒し取り乱したことにも、かなり深い意味があったんじゃないかと思えるようになりました。

 一年戦争後にアクシズに下ったシャアは、ミネバを「ザビ家の娘」としては見ていなかったように思います。赤ん坊に罪はないでしょうからね。むしろ、ザビ家の血筋に生まれてしまったことを、哀れんでいたのかもしれません。
 シャア=キャスバルは、ジオン・ダイクンの息子でなければサイド3を追われることもありませんでしたし、ザビ家を強く恨む必要もなかったという境遇です。ダイクンの血が流れていなければ、その才能を十分に開花させ社会の表舞台に立つことが出来たかもしれませんし、ガルマとも本当の交友関係を築けたかもしれません。その意味で、「己の生まれの不幸を呪うがいい」というのはある意味自分へ向けた言葉だったと考えることさえできます。

 ミネバが姫ならキャスバルは王子です。それも没落した家系の、というところまで共通しています。キャスバルは生まれたばかりのミネバにかつての自分を重ね、自分と同じ思いはさせるまい、と思っていたのかもしれません。だからこそ、同じように歪んだ教育を受けて育った姿を見たとき、いたたまれなくなってしまったのではないかと。

 ただ、ミネバが幼くしてザビ家の傀儡としての姿を期待されたのに対し、キャスバルがダイクンの象徴として扱われたのはネオ・ジオン総帥となった時でした。これは、ザビ家はあくまでその家系であることに意味があったのに対し、ダイクン家は家柄ではなくその思想に意味があったことに拠るのではないかと思います。
 また、ミネバの場合は幼すぎて自分で物事を判断できなかったのに対し、キャスバルはすでに自己判断できる年齢になっていたことも違いの一つです。ミネバが避けられなかった傀儡の運命を、キャスバルは回避することができたということですね。
 ジオンが公国から共和国に移行した際に、シャアは本名を明かして英雄になることもできたはずなんです。共和制の象徴でもあるダイクンの息子が戦争を終わらせた!ということであれば終戦のムードはもっと盛り上がったかもしれません。流石に年齢を考えても首相になるのは無理でしょうが、軍内部においてかつてのガルマ以上の地位を得ることはできたでしょう。しかし、シャアはその道を選びませんでした。
 以後、シャアはネオジオン総帥になるまで、ダイクンの名を受け継ぐことを避け続けてきました。総帥になった時も、それはあえて道化を演じているものとしています。決して本当の自分であるとは思っていないんですね。
 ジオン・ダイクンの息子であるという運命から逃げ続けてきた男。それが、シャア・アズナブルなのかもしれません。

 一方のミネバは、逆にザビ家の後継者であるという運命に対してもっと肯定的だったように思います(注:筆者はまだガンダムUCの結末を知りません)。これは、避けられなかったが故というのもありますが、育て方の違いによるものでもあるのではないかと思います。要するに、ミネバはザビ家であることを良いことであるとして育てられたということです。
 キャスバルは、ザビ家を恨むように育てられました。恨むということは、相手のせいで自分に不利益が生じていると教えられたことであり、それはつまるところ自分がダイクンの息子であるということを卑下するように仕込まれたということになります。
 ミネバは、ザビ家と敵対した地球連邦やザビ家を出し抜いたジオン共和国を恨むようには育てられなかったようです。むしろ、恨みにかられていたのはハマーンの方であったようにも感じられます。その意味では、シャアがハマーンを拒絶したのは、ある意味自分を見ているようだったからなのかもしれません。同属嫌悪というやつですね。ザビ家への恨みを糧にミネバを育てアクシズを我が物にしたのだとすれば、その行動力は確かにシャアに通じるところがあります。
 そんなハマーンがジュドーという少年に目をかけたのも、ある意味ではシャアがミネバに思ったものと同じものを感じたからなのかも、しれません。境遇がそんなに似ているわけではないけれど。14歳ハマーンがセラーナにベタベタだったらそれっぽかったかもしれませんね。
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シャアにしてはかなり損得抜きで彼女に接していますし、ハマーンへの激昂もまた珍しいことでもありますからね。

シャアにしてみればミネバは敵の子というよりも自分の所為で家族を失ってしまった子供、という意識が強かったのでしょう。彼自身もジンバ・ラルが言っていたことをそのまま信じていたわけでもなかったわけですし。

血のしがらみに人生を決められてしまったという面でもシンパシーを持っていたのかもしれません。ハマーンとは別な意味でシャアにとってもミネバは特別な存在だったのでしょう。
2009/08/13 (木) 16:44:20 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
ミネバの両親に関してはシャアが直接手を下しているわけではないので、
そこに責任を感じているかどうかというのはやや疑問がありますが、
ミネバに心底同情できる立場にあった数少ない境遇の人間がシャアだったということなのかなと思いますね。
2009/08/13 (木) 20:56:36 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
なるほど
そのとおりです。
ミネバが姫なら、シャアはその主君だったスーパープリンス。

て、考えると。
ハマーンも、ザビ家に仕えたマハラジャ・カーンの娘だから、同じ道をたどれたのかも・・・。
2009/08/19 (水) 23:04:48 | URL | シャア! #-[ 編集 ]
ハマーンはシャアがやりたがらなかったことをやったという感じですね。
道化を演じることを完全に割り切っていたというか、
道化でしか他人に自分を見てもらえなかったような感じがあります。
2009/08/20 (木) 21:37:38 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>自分がダイクンの息子であるということを卑下するように仕込まれた

これは逆なのでは?
ダイクンを父に持ったことを誇りに思わせようとするが故に、現在の境遇が酷い状態であると思わせ、その境遇を本来のものに戻させようとする気持ちを植えつけさせるためにジンバ・ラルの教育があったと思うのですが。
2009/08/23 (日) 17:53:34 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
ジンバ・ラルはジオン・ダイクンを讃えていたし誇っていたと思うんですが、
シャアはとてもそう思っていたようには見えないんですよね。
誇りに思っているならシャアは父の跡をもっと早く継いでいたと思うんです。
シャアは一パイロット一市民でありたいという行動理念が見え隠れするので、
本当はジオンの息子という境遇に生まれたくなかったのではないか、と思いました。

また、ジンバ・ラルの最終目的は「その境遇を本来のものに戻させようとする」ことだったと思うんですが、
シャアに伝わったのは「現在の境遇が酷い状態である」ということだけだったようにも思うんです。
2009/08/23 (日) 23:13:35 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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