がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
機動戦士ガンダムUC 8巻
 いや~なかなか面白くなってきましたね。さすがにクライマックスということでしょうか。また、個人的に気になっていた部分が良い方向に進みだしたのも好感触です。

 気になっていた部分というのは、一つはバナージとリディのキャラが微妙に被っていたこと。リディがバンシィのパイロットになって、「劇場版アキト」的な雰囲気になったことでようやく差別化できたかなという気がしました。といっても、別に強化されたわけではないし、やっぱりヘタレてるんですが…。
 もう一つは、あの設定はどうした!?というネタ。議会ネタが沢山出てくるんだからジョン・バウアーも出せよ!と思ってたらちゃんと出てきました。とはいえ、相変わらず会話の中で出てくるだけで、その実体は物語に出てこないんですが(笑)。ブライトとかカイとか好きに動かしまくってるくせに、そこには触れないのが面白いですねぇ。しかし彼、国防族議員だったんですね。妥当なところではありますが。
 あと、ジオン共和国も出してきましたね。気になった部分は後述しますが、できれば戦後~グリプス戦役時代の同国事情も何かの作品で描いて欲しいところです。ジオン共和国が当時全く語られなかったのは、まだ当時は敗戦国を客観的に描く、ということが難しい時代だったからでしょうかね。不思議なくらい、扱う作品が(二次創作も含めて)ありませんでしたが。
 とりあえず、あとは量産型νガンダムが出れば個人的な希望はほとんど果たされたことになります。

 物語としても、敵味方が二転三転したり、いろいろな策謀が動く中で、一瞬のアクシデントを皮切りにプロの仕事をそれぞれが全うする、という描き方が素晴らしいと思います。ガンダムに限らず、ロボットものってどうしても裏方部分がおざなりになっていて、敵も味方も間抜けすぎるが故に失敗する、というパターンが多いんですが、この作品はちゃんとそれぞれの陣営がなすべきことをしていて、不測のアクシデントや一方の懸命な努力によってそれが打ち砕かれるという描き方になっているところに好感が持てます。
 また、今回はキャラクターの描き方に対する疑問もあまりなく、自然にそれぞれが行動していたように感じました。ただ、そこにはどうしても福井氏の個性が出てきてしまいますが。

 今回読んで思ったのは、この物語は「貴族のドラマ」なんだなぁということ。基本的に世界情勢の動きがベースになっているんで、どうしてもトップレベルの人間が主体にならざるを得ないところではあるんですが、ザビ家の王女にシャア総帥(の分身?)、連邦初代首相の家系にアナハイムを陰で操っていた財団、そしてジオン共和国首相の息子まで出てきてしまうと、もうこれは貴族物語としか言い様が無いですね。
 基本的にガンダムって主人公サイドは小市民である場合がほとんどで、セレブが出てくるにしても主人公は一般人なんですが、この作品だと主人公がまず財団の息子ですからねぇ。そういうところに違和感は感じざるを得ません。
 だからなのか、どうしても議論が理念対理念になってしまって、地に足が着かないところでそれぞれが理想論を言い合うだけになってしまっているように見えます。普通なら、そういう理想論をぶっとばす現実論とか感情論が間に挟むんですが、それがこの作品にはあまり見受けられない。代わりに、民族対立や思想対立という根深く歴史が深い感情や主義主張を理想論の対立軸に描いているんですよね。政治家と思想家が戦っているようなものでしょうか。フロンタルにしても、ミネバにしても、バナージにしても。
 意図としては、メインターゲットが青少年よりももうちょっと上なので、世界や政治といったものに読者の関心を向けようとしてるのかなとは感じます。それでいてロボットものとしてのドラマもやってるというのは凄いと思いますし、アニメでない分ガンダムOOのような制約もないおかげなんだろうとも思います。

 もう一つ気になったのは、やっぱり福井氏が露骨に現実の延長線上のネタを引っ張ってくるところですね。ジオン共和国に思いっきり戦争放棄ネタをやってきたのはさすがに引いてしまいました。もう少しオブラートに包めよというか、ちゃんと空想世界っぽくアレンジしろよと言いたくなってしまいます。
 他にも、表現として「学校のグラウンドくらい」っていう言葉を使っていたんですが、これは富野監督だったら「スペース・コロニーのハイスクールの標準的なグラウンドのサイズくらい」なんて言い方をすると思うんですよ。富野監督って、あくまで宇宙世紀の常識の上で文章を書くんですけど、福井氏は現実世界の日本という国で文章を書いてるんですよね。そのあたりが凄く引っかかります。それが純文学作家というものなのかもしれませんが、それにしても、連邦にもジオンにも日本の生々しい現実を反映させるのは、ジオン軍にドイツ軍を露骨にダブらせるのよりもよほどたちが悪い気がします。まぁ、富野監督がファンタジー作家だったということも同時によく分かりましたが。というか、ガンダムってきっとSFじゃなくてファンタジーなんですよね。

 物語的には、特別突っ込むところはなく。ただ盛り上がるべきところでいまいち乗り切れなかった部分は否定できません。ジンネマンとかミネバとか、自然に描かれすぎて大体行動読めちゃいますしね。連邦とジオンが手を取り合ったがいいが、結局反目することになったというところは面白かったんですが、動機のところがちょっと弱かった気もします。所詮敵同士は敵同士、とはいえ、SEEDやOOなんかだとそこで普通に手を組んじゃいますしね(笑)
 ジオン共和国の人なんかは、ちょっと救いがなさ過ぎて哀れでしたけど。自衛隊もあんなものだよとでも言いたいんだろうか。

 まぁ、とにかく福井氏がガンダムを通して何を見せ、何を語りたいのかというところにだけ注目して結末を迎えたいと思います。
 もしGジェネにガンダムUCが出たら、シロッコ・グレミー・フロンタルで小隊を組んでみたいですね(笑)機体はタイタニア、クシャトリヤ、ナイチンゲールかな。
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>じおん共和国の人達
よく似た名前の団体が実在してるので、そちらのほうがモデルだと思います。
冷たい見方ですが、戦場に変な憧れをもって参加したら痛い目みるのはあたり前です。
あと「みにつけた技能が役に立つ」を他の職業ならともかく軍隊でそれを期待されても。
むしろ役に立つ状況にならないのがベストなんだから。

実際の戦争においてはあの手の血気盛んな連中というのはあまり役には立たないので。
自衛隊も殆どの人がノンポリですからね、まあそうじゃないと使えないんですが。
幾つも現代小説を書いてきた福井氏が自衛隊がどんな組織か知らないはずもないので、あれは自衛隊がモデルではないと思います。
2009/06/19 (金) 23:48:15 | URL | DN #mQop/nM.[ 編集 ]
すみません、話題それますが
Gジェネウォーズが発売されるそうですが、もう軽くスパロボになっちゃいましたねー。
ウォーズブレイクがifだったらよかったのに・・・。
2009/06/20 (土) 21:30:06 | URL | ラナロウ #-[ 編集 ]
>DNさん
なるほど、やけにリアルな描き方だと思ったら、
やはり元ネタがあるわけですね。
確かに自衛隊ネタは他の作品でやってるわけですし、
あんな描き方にはならないですよね。

>ラナロウさん
魂とNEOの中間を狙ったというイメージがありますね。
インターフェイスは魂とほとんど同じみたいなので、
あとはシナリオとMS数で差別化するしかないんでしょうね。
2009/06/22 (月) 20:18:51 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
違和感の拭えないジオン共和国の設定
> もう一つ気になったのは、やっぱり福井氏が露骨に現実の延長線上のネタを引っ張ってくるところですね。ジオン共和国に思いっきり戦争放棄ネタをやってきたのはさすがに引いてしまいました。

自分のblogでも書きましたが、ほんとこの辺りは私も引きました。
なんというか、もう、おいおい…ってな感じで。

日本とオーバーラップさせすぎで、ちょっち食傷しました。

私としてはそれまでが結構評価できていただけに、ショックで。

他とか物語としてはいいんですけど。

貴族物語というスタンスには賛同できます。
2009/06/23 (火) 13:44:22 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
ほんと、日本に重ねすぎですよね。
出来るだけ特定の国の匂いを排除しようとしていた富野監督とはそこが決定的に違うのが気になります。
2009/06/25 (木) 23:12:13 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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2010/05/19 (水) 23:55:27 | | #[ 編集 ]
戦争では後ろのほうが勇ましい。
より具体的に補足しますと。
基本的に自衛隊はハト派で温厚なタイプが多いです。
逆に外務省はタカ派が多いです。
まあこれは日本だけでなく、殆どの国でそうなっております。

何故かというと外交に携わる外務省では国の威光を示したいたいという意思が働きやすいために、タカ派になりやすいです。
そのため、海外派兵とかにも積極的です。

しかし軍隊のほうは有事の際には実際に部下や自分自身を危険な戦場に送り込むという、嫌な役目を押し付けられます。
それに、防衛の任務についている部隊をどこかに移動させるということは、それだけ防備が薄くなるので、有事の備えを考えると出来る限りやりたくないというのが一般的な軍隊の思考です。
それもあって軍隊はハト派が多いです。
2012/01/04 (水) 23:59:31 | URL | DN #mQop/nM.[ 編集 ]
分かる気がします。
実際に体張ってない方が、体張ることによるリスクを負わない分強気になれるんでしょうね。
戦争反対って言ってる人の方がよっぽど闘争本能に火がついてたりしますし。
2012/01/07 (土) 15:08:35 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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