がんだまぁBlog
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ブレックスは何故暗殺されたのか
 このタイトルは、ブレックスが「殺された理由」と、「殺された過程」の両方を意味します。彼が暗殺された理由と、同時に何故ああも簡単に殺されてしまったのか、という点を考察します。

 まず殺された理由についてですが、まぁブレックスは殺されない理由を探す方が難しいキャラですね。エゥーゴが執拗にジャミトフ抹殺を狙っていたのと同じで、ティターンズ側からすれば敵の総大将ですし、またエゥーゴ自体が一枚岩の組織ではなく、それがまとまっていたのはブレックス個人によるものであるというのであれば、そのブレックスを抹殺することが勝利への最短ルートなのですから。

 ただ、殺されたタイミングというのは当然あります。何故連邦総会というそのタイミングで暗殺されたのかと言えば、一つはそれが絶好機だったからでしょう。連邦の首脳陣が一堂に集まるとなれば、誰の指示かも隠しやすいですし、何よりなかなか地球に下りてこないであろうブレックスが地球に下りてくる絶妙なタイミングなわけですからね。
 逆に、ブレックスは何故あえて危険を冒してまで総会に出席したかという話にもなります。立場とか色々あるのかもしれませんが、ブレックスが出たところで会の決定を覆せたようにも見えませんでしたし。フィルムブックの記述を参考にすると、ブレックスは参考人として招致されたようなので、ティターンズの非を議会に訴える機会があるかもしれないと思っていたのかもしれませんが。
 ただブレックスは、殺される前に緊急動議による政治家の宇宙移民の提案を考えていました。それが認められたとはとても思えませんが、ティターンズに連邦軍を管轄する権限が与えられた法案の可決を遅らせることはできたかもしれません。それを防ぐための暗殺だった可能性もあります。

 要するに、ブレックスが連邦総会の期間中に暗殺されたのは、そのタイミングが絶好機であったということと、ブレックスが総会へ干渉することを防ぐためであったという可能性が考えられるということです。

 さて、そのブレックスがどのようにして殺されたのかという点については、いくつか疑問に思うところがあります。
 まず、ブレックスは殺された際、ベッドの上で布団を被った状態でした。つまり就寝中に撃たれたものと考えられます。就寝中ということは、まず施錠していたでしょうから、暗殺した犯人は部屋の鍵を開けて侵入してきたことになります。
 となると、二つの可能性が考えられます。一つは、マスターキーを使ったことです。これは、ホテルが保有しているものですので、それを何らかの手段で盗み出すか、あるいはホテル側がティターンズの手に落ちていて自由に犯人が使用できる状態にあったかでないと使用できません。エゥーゴの人間のふりをして緊急事態だからキーを貸してくれということも出来ますが。
 もう一つの可能性は、本来の鍵を使ったということです。ブレックスと同室の人間が鍵を持って外に出て施錠した場合、鍵は部屋の外に出ることになります。これを犯人が奪うか、もしくは同室の人間自身が犯人と繋がっていた場合というケースが考えられます。これは、もしブレックスがシャアと同室であったならまずあり得ない話になります。シャアはブレックスが撃たれた時外にいましたし、そのときシャアが鍵を所持していないということはあまり考えられないからです。ただ、ブレックスとシャアが同室であったかは劇中からは断定できません。

 いずれにせよ、犯人は鍵を簡単に手に入れることはできなかったはずです。犯人がティターンズのサポートを受けていたならば、ホテルそのものがティターンズの支配下にあったという可能性が一番高いでしょう。
 もう一つとして、エゥーゴ側のサポートを受けていたケースも想定できます。いくらティターンズと言えども、エゥーゴの総大将の寝込みを狙えるのかという疑問があり、何らかのエゥーゴ側からの情報やサポートがなければ実現できなかったのではないかとも思えます。
 しかし、エゥーゴ側がブレックスの暗殺を望むということはあまり考えられません。先に述べたようにエゥーゴはブレックスの力で結束できているような組織ですし、それを失ってまで得たものはあったようにも思えません。

 ここで発想を変えます。エゥーゴはブレックスを失うことで、後ろ盾を失い大きく勢いを鈍らせたものと考えられます。一方ティターンズは正規軍を配下に置くことに成功し、事実上連邦軍と同一の存在となりました。この時点で、エゥーゴとティターンズのパワーバランスは完全にティターンズ側に傾き、エゥーゴは敗北したも同然の状態だったと言えます。
 しかし、その状況を変えたのは、アクシズの帰還でした。エゥーゴは紆余曲折を経てアクシズと手を結び、ゼダンの門を破壊しコロニーレーザーを制圧しています。エゥーゴはアクシズのおかげでティターンズを倒すことができたようなものです。
 一方で、エゥーゴはティターンズを倒す代わりに壊滅状態となり、結果的にアクシズが漁夫の利を得る形になります。アクシズの視点で見ると、弱体化したエゥーゴに手を貸すことでティターンズに対抗するきっかけを与え、両者を戦わせて共倒れにしたということになります。
 そう考えると、風が吹いて桶屋が儲かるような感じではありますが、ブレックスが殺されたことでアクシズが得をしたことになるのです。

 つまり、ブレックスの暗殺はアクシズの意図するものであったのではないか、と考えることも出来るのです。
 シャアが地球圏へ戻ってきたのは、アクシズにとっては地球圏の調査のためです。あわよくば、地球圏においてアクシズを支援する組織を確保しておくことも目的のうちにあったのかもしれません。そして、それがエゥーゴだったのではないでしょうか。
 エゥーゴという組織の中に入り込んだ上で一定の位置を得てそのトップを謀殺。代わりにトップになった上でそれを手土産にアクシズへ戻る…そんなシナリオも描けなくはありません。
 が、その通りにエゥーゴのトップになったシャアが、本当にそれを望んでいたかということを考えると、否定的な解釈を取らざるを得ないでしょう。どう見てもシャアはエゥーゴのすべてを掌握したそうには見えませんでしたし、ブレックスを殺そうとしていた節も見られません(というかほとんど絡んだシーンが無いだけですが)。また、アクシズとの同盟を拒んだのはむしろシャア自身です。ブレックス暗殺がアクシズの意図だったとしても、それがシャアの望むところであったとは到底思えません。

 ここで一つ推論を。ブレックスが殺された際、ホテルの外にいても聞こえるほどの銃声が聞こえました。部屋に侵入して就寝中の人間を撃つという堂々たる暗殺方法であれば、サイレンサーを装着するくらいの手間は惜しむ必要はなかったはず。あえて銃声を鳴らしたのであれば、それは誰かに気づかせるためなのではないでしょうか。
 また、シャアが駆けつけた時、ブレックスはまだ息がありました。寝込みを襲えるタイミングなら、頭でも撃って即死させることも不可能ではなかったはずです。ならば、わざと即死させなかった可能性が考えられます。
 しかし、即死させなかった場合、犯人がばれてしまう可能性があります。そしてブレックスは「ティターンズにしてやられた」と明言しています。何故犯人がティターンズだとわかったのでしょうか。自分を狙うのはティターンズくらいしかいないと思っていたからでしょうか。まず暗殺の犯人は自分が何者であるかを悟られないようにするはずです。それがティターンズだとバレバレだったということは、わざとティターンズであるとわかるようにしていたのかもしれません。そうであるなら、むしろ犯人はティターンズではない…ということも考えられます。
 ブレックスは死の間際にシャアを後継者として指名します。犯人が、ブレックスが死ねばシャアが後を継ぐとわかっている人間であったならば?息を残してシャアに発見させれば、ブレックスがシャアに後を託すとわかっていたならば?その犯人は、ブレックスではなく「シャアにエゥーゴの代表になってもらいたかった人物」ということになります。
 これに、「当初のアクシズの目的はエゥーゴを取り込むこと」であったかもしれないということを考えると、何者かが「エゥーゴの代表をシャアとし、アクシズとの合流を促すため」にブレックスを殺したという図式が見えてきます。つまり、犯人はシャアと一緒にアクシズから戻り、エゥーゴに参加した人物…なのではないでしょうか(この場合の犯人はブレックスを直接殺した人物ではなく、それを指示した首謀者ということですよ)。
 もしこの説が事実だったとするのであれば、連邦総会というタイミングで暗殺したのも、「ティターンズがやったと見せかけやすくするため」だったのかもしれません。

 ちなみに「カイレポ」ことコミック「デイアフタートゥモロー」では、ブレックスの暗殺はジャミトフの意志であることが明言されており、実行犯はシンタとクムの父親だったということになっています。が、これは新訳前提でTV版とは明らかに異なるシナリオで展開しているものなので、TV版ベースで考えるなら無視しても構わないものです(笑)。

 下手な推理小説みたいになっちゃいましたけど、一つの可能性として考えられるんじゃないかなというネタでした。当初の予定通りブレックスを殺したシャアだったが、成長したミネバを見てぶち切れたシャアがアクシズとの共闘を拒み、予定調和から外れて自分達だけで戦うことを決意する、なんて演出だって決して不可能ではなかったのかもしれないのですよ。実際は違うんでしょうけど。

 単純にティターンズの意志でブレックスが殺されたのだとすれば、ホテルを手配した時点ですでにティターンズの罠にかかっていたということになります。その状態でティターンズがブレックスだけを殺し、シャアを狙わなかったのは、単にいることを知らなかったからなのかもしれません。しかしそのシャアによってティターンズは大きなダメージを受けることになるのですから、この場合「エゥーゴが甘かったように見えて、実は詰めが甘いのはティターンズの方だった」ということになりますね。それはそれで、因果のめぐる面白い図式です。
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歴史を紐解くと暗殺というものは大きく二つの要因から怒るようですね。

利益のためか、暴走によるものか。

ブレックス暗殺が利益によるものならばこの結果最大の利益を享受した勢力が主犯と言う事になります。

ティターンズがこれによって利益を得たとは考えにくいでしょう。ジャミトフは合法的にティターンズの権限強化を果たしましたし、ブレックスをわざわざ殺さなければならないメリットもそれほどありません。新訳ではバスクのやり方にさえも不満を抱いていたぐらいです。

ではアナハイムでしょうか?これ以降エゥーゴはアナハイムの影響力が格段に上がってきます。ブレックスはエゥーゴの装備関係に関しては連邦軍からもあてがあったかのような台詞もありますのでアナハイムとしてはやや扱いにくかったのではないでしょうか・・・しかし、ジュピトリスをはじめとして各研究機関がティターンズに協力し始めた段階ではアナハイムに依存する部分も少なからず増えていることを見ると、これも説得力は薄いでしょう。

となるとジオン残党の可能性が最もありそうなんですが・・(アフリカがジオン残党の最も多い地であることも踏まえても)目的はシャアをブレックスの後継者とするためということになりそうです。ただし、地球のジオン残党が少なくともアクシズ期間などのスケジュールを知っていたかも疑問ですし、シャアとハマーンとの確執も問題になります。シャアが劇中で接触した人間もどちらかといえばシャアの個人的な信望者と言う印象もありますし。

面白みはないんですが、僕としてはティターンズ武闘派の暴走と言う線を押します。

ジャミトフ自身がもはやバスクを押さえ切れなくなっているということはこのあたりで顕著になります。それは末端レベルでの暴走を意味するのではないでしょうか。

手際の杜撰さも実は発作的なもので計画性が無いからという説明も出来そうです。

ブレックスが即死しなかったのも、サイレンサーを使っていないのもそういったかっこつけた暗殺にはよくあることですので。
2009/05/30 (土) 14:37:49 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
なるほど。確かに元々計画性もなく杜撰なものだったと考えることも出来ますね。
ブレックスの暗殺は、ティターンズの地位が磐石となった裏で組織を抑えられなくなってきた予兆だったと考えると、
それはそれで歴史の転換点としていいコントラストになる気がします。
2009/06/03 (水) 23:42:49 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
デイアフターで
シンタ クムパパが
そんな人物だとは
読んでないので驚きです。
自分的にはシンタとクムのその後が気になります。
2009/06/06 (土) 23:00:23 | URL | ロウ #-[ 編集 ]
シンタとクムっていつまでアーガマに乗ってたのかも忘れてしまいました(苦笑)
調べて見ると一応ネェル・アーガマに乗り換えるまではいたんですね。
ブライトあたりがどうにか生きていけるように手ほどきをしてあげたと思いたいところですが、
カツレツキッカみたいにカミーユとファが養子にもらってたりしても面白いかなとか思ったりして。
2009/06/07 (日) 15:14:45 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
はじめまして
いつも楽しく拝見させてもらっています。 アクシズはエゥーゴとティターンズを戦わせて連邦の戦力が消耗するのを狙っていたので、あの段階でアクシズが暗殺するならジャミトフを狙うのでは? 元々MSメインのエリート部隊であるティターンズは暗殺専門部隊を持っていなかったので、ブレックス暗殺実行犯は鍵明け名人以外は暗殺の素人だったとか。 あとパイロットが携行する拳銃だったので暗殺用にサイレンサーの使用ができない銃だったのかも。
2009/06/10 (水) 12:14:19 | URL | ナスオ #Vo3Z0rzY[ 編集 ]
初めまして、書き込みありがとうございます。

アクシズが初めから共倒れを狙っていたのなら、確かにジャミトフを狙ったかも知れません。
ここではアクシズが当初はエゥーゴの戦力を吸収する予定だったという前提の元でしたので、
アクシズがブレックスを殺すメリットがあったのではないか、という話になりました。

ブレックスを暗殺した人間がどこの所属だったとしても、どうもプロではなさそうだ、とは思いますね。
2009/06/11 (木) 20:22:40 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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