がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ニュータイプと強化人間の違い
 ニュータイプと強化人間の相違点は、一般には「ニュータイプ能力を人工的に付与されているか否か」であるとされています。これは、間違いないでしょう。

 しかし、一方で、それ以外にもニュータイプと強化人間には相違点があるように思います。というのも、ガンダム世界(ここでは宇宙世紀)における「強化人間」は、必ずしも「ニュータイプ能力の付与」だけを目的に作られているとは、限らないからです。

 例えば、強化人間に施されている「強化」には、2つのパターンがあります。

(1)肉体的強化
 薬物投与などで常人ならざる身体能力を持っているパターン。単純な身体能力だけでなく、ロザミアのように肺が強化されていて高地でも普通に活動できる能力が付与されている場合もあります。反応速度の強化やGへの耐性なども含まれていると言えます。

(2)精神的強化
 暗示やマインドコントロールなどで精神面を強化しているパターン。雑念を排除した強力な意志を発し、操る者の意図通りに動くように調整されていることが多いですね。

 このうち、(2)の精神的強化は、必ずしも強化人間だけが施されるものではなく、例えばクェスは一般人から即兵士となる際に、軽い強化が施されたとされており、おそらくは戦闘への恐怖感の緩和など、常人を兵士として戦わせるための措置であると考えられます。
 このことから考えられるのは、「強化」には、「一般人をニュータイプ化する強化」と、「一般人を戦闘員化する強化」の2種類があるということです。強化人間の場合は、意に反して強化された場合が多いために、後者のための強化の比重がより大きくなってしまうことから、精神面のバランスが崩れやすいとも考えることが出来ます。逆に言えば、「元々兵士である人間を強化」あるいは「自ら戦うことを望んでいる者を強化」することにより、より揺らぎの少ない強化人間を作ることが出来るのではないでしょうか。
 これは精神的強化に限らず、肉体的強化についても同じことが言えます。過酷な訓練の末兵士となった者と同等以上の能力を発揮することを求められるわけですから、それ相応の強化が必要になると思われます。

 何が言いたいのかというと、強化人間の「強化」というのは、「オールドタイプのニュータイプ化」だけでなく、単純に思い通りに動く兵士の創造や常人のレベルを超えた能力の付与など、様々な目的の元に行われているということです。そのあたりがいろいろごちゃ混ぜになっている印象があります。
 アムロ等の普通のニュータイプは、高地で活動できる肺も持っていませんし、高すぎるGへの適応能力があるわけでもありません(ビグロの加速で気絶してるし)。ただ、サイコミュを稼動させることができ、また高い空間認識能力・危機察知能力・意志伝達能力をもっているだけの存在であるはず、です。逆に言えば、強化人間はニュータイプ能力「だけ」を持つ存在ではないのです。

 そこで気になるのが、いわゆる「ニュータイプ固有の能力」を、強化人間はどのような強化で得ているのか、ということです。肉体強化や暗示でそれらを得ているとは、考えにくいものがあります。
 そもそも、強化人間は本当にニュータイプと同等の能力を持っているのでしょうか。例えばフォウやロザミアが、サイコミュを搭載していない機体に乗ったとしてアムロやカミーユと同等レベルの操縦ができるのか?ということです。
 強化人間が非サイコミュ機に搭乗した例が少ないのでなんとも言い難いのですが、ロザミアのギャプランとヤザンのギャプランに大差があったようには見えませんし(地上と宇宙なので単純比較は出来ないのですが)、プルがガンダムMk-IIに乗った時はボコボコにやられていました(スペックも数も劣っていたので無理はないのですが)。
 ここで気づくのが、強化人間とサイコミュは常にセットであるということです。つまり、強化人間という存在は、「ニュータイプ化」が目的というよりも、「サイコミュとのマッチング」が目的であると言った方が正しいのではないでしょうか。用兵上としても、強化人間はスーパーなパイロットを作りたいのではなく、サイコミュを使用した機体の操縦が主目的であるように思います。

 つまり、ニュータイプと強化人間の違いを述べるのであれば、それは「自然とサイコミュに適合できる人間」と「強制的にサイコミュと適合するよう調整された人間」であるとした方がより正確なのではないかと思ったのです。
 ニュータイプがサイコミュと適合するのは、特殊な感応波をもっているからだという設定ですが、これを強化人間に置き換えた場合、「特殊な感応波が出るように改造された」のではなく、「(微弱であれば誰でも持っている)感応波を強制的に引き出しやすくなるよう改造された」と考えた方が良いのかなと。要するに、能動的にサイコミュに適合できるようになったのではなく、受動的にサイコミュから感応波を引き出されるようにされたのが強化人間なのではないかということです。

 そう考えると、強化人間用に調整された機体の描写の仕方ともイメージが合うんですよね。サイコガンダムは戦いを強制するマシーンと言われてますし。おそらく、強化人間用のサイコミュは、通常のサイコミュよりもパイロットへの干渉度が高いのではないかと考えられます。
 ただ、通常のサイコミュも基本的にはパイロットへ干渉するシステムであると考えることも出来ます。旭屋フィルムコミックの解釈は、原理はともかく「パイロットがサイコミュに意志を伝える」のではなく「サイコミュがパイロットの意図を読み取る」としたところが斬新で、この考え方は合理的だと思うんです。
 その考え方を前提でいくと、ニュータイプはサイコミュが十分読み取れる感応波をもっていて、強化人間はサイコミュ側が強制的に引き出さないと感応波を読み取れない存在であると言うことができます。ついでに言うと、システムに能動的に干渉できるのがネクスト・ワンであるということですね(笑)

 このように考えると、強化人間とニュータイプの違いがわかりやすくなるのではないでしょうか。
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コメント
コメント
>一般人を戦闘員化する強化

ゲーツ・キャパが比較的まともだったのは彼が元々兵士で、その手の強化を施されてないからとかだと繋がりそうですね。


>サイコミュがパイロットの意図を読み取る

ララァ初出撃の時、彼女が頭痛を訴え、その理由として「サイコミュの干渉が強い」事としていました。
それを抑えるための代償として大遠距離でのビット操作が出来なくなった事からも、サイコミュ側がパイロットに干渉する力が大きいほど操作能力が上がること、そしてそれがパイロットの負担を増大する事が伺えます。

この事から一連の強化人間用MSの調整とは「各パイロットの最も強い感応波受信用に一部だけ極限まで感度を上げた干渉波を出す」事だったのではないかと。

強化人間の方はその一点に絞って局所麻痺状態にしていると考えるのは如何でしょうか?

そのため脳波が乱れて感応波のパターンが狂うとそのピンポイントに強すぎる受信波が強烈な頭痛となってパイロットを襲う、と。

2009/05/15 (金) 00:15:09 | URL | 人型生命Q #-[ 編集 ]
ニュータイプの素養がある人はやはり 少なかったんですかね?人工的なものより本当のNTを育てたりの方が確実 地球の人間が考え出した機関だから人工的に作るという始まりだったんですかね?
2009/05/15 (金) 14:18:05 | URL | ロウ #-[ 編集 ]
サイコミュ側からすると、NTとは言葉が通じて、会話ができるけど、
非NTは翻訳を挟むか、あるいは学習(強化)してもらう必要がある感じですね。
あと、NTでも複雑な言い回しになると、会話が通じなくなるみたいですけど。
2009/05/15 (金) 20:42:10 | URL | カセクシス #fuefdQ6A[ 編集 ]
>人型生命Qさん
なるほど、強化人間は特定の精神状態でしか感応波を引き出せなくて、それ故に情動が乱れるとサイコミュをうまく扱えなくなると考えると、
劇中の描写とも繋がりますね。良い解釈だと思います。

>ロウさん
アクシズでもニュータイプが少なくてクローンを作ったりしてますし、
基本的にニュータイプは希少だったのだと思います。
全国民に健康診断と称してNT検査でもしたらもう少し発見できたのかもしれませんが、
発見された人が兵士になってくれるとも限らないでしょうし。

>カセクシスさん
学習が強化人間で、翻訳は準サイコミュというわけですね。
バイオセンサーを人と通常のサイコミュの間に噛ませてるのが準サイコミュなんですかね~。
2009/05/16 (土) 00:16:09 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
ネオ・ジオンの強化人間には、大別してクローンNT系と一般兵士強化系の2種があります。
クローンNT系は平行して肉体強化も行っており、そのあたりは戦闘マシーンとしては必須だった感じですね。
一般兵士強化系の筆頭はマシュマーとキャラですが、こちらは無理な強化が祟って精神的にアレでした。

で、本題。ネオジオンの強化人間にはもう一種、比較的軽い強化を施したらしき例があります。
文献「リターン・オブ・ジオン」によると、イりア・パゾム、ランス/ニー・ギーレン(ZZ)、ソニア・シェスター(ROZ)がそうらしく、彼らは、マシュマーやキャラの監視のため強化されたらしい。
彼らは精神的には安定しており、無線誘導兵器やバイセン搭載機等を扱ったわけではないので、NT的強化ではなく、肉体的強化のみ施されていた可能性はありますね。

尚、地上残存ネオジオン軍には、ゲー・ドライやギラ・ドーガに搭乗した名無しの強化人間が存在していた模様。(アドバンスドOP)。
2009/05/16 (土) 08:12:12 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
ニュータイプという概念を外せば、強化人間というのがむしろわかりやすい存在なのかもしれませんけどね。

ガンダムに限らずロボットアニメにおいて時折登場するする概念ですが、どれも最新鋭兵器を運用するために必要な人為的な改造を加えたものですし。

宇宙世紀の場合はサイコミュという最新鋭技術のためだと考えれば・・・ですかね。

まあ、富野御大の発想から見るとちょいと夢がないのかもしれないですが。
2009/05/16 (土) 17:00:09 | URL | ドクトルK #-[ 編集 ]
>とっぱさん
クローンの方はともかくマシュマー・キャラ型の方は、
元から戦闘用の兵士を改造したという意味では理に適ってますね。
イリアはわかりませんがニー・ランスは元々ロイヤルガードなわけですから、
肉体強化のみであった可能性はありますね。
監視している強化人間を物理的に抑えられるように強化したのかもしれませんが、
イリアなんかはジュドーと感応してましたし、
サイコミュ面でも強化人間を抑えられる力があった可能性も否定できないかなと思います。

>ドクトルKさん
強化人間自体は確かに色々なSF作品にも見られるものですね。
そういう普遍的な意味での強化人間と、人工ニュータイプとしての強化人間がごっちゃになっているのがガンダムの強化人間なのですが。
2009/05/16 (土) 19:47:21 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
時代的な背景としては
強化人間はアメリカで流行した「インスタント禅」をモチーフにしてるのかなと。
インスタント禅とは麻薬を利用してお手軽に「サトリ」を得ようとするものです。
禅の修業の過程で脳が麻薬を使用したのと同じような状態になるのでそれを利用したものです。
もちろんそれは途中の段階でして、そこから抜け出す必要があるのですが。
オウムなんてのは敢えてそこでとめることによって洗脳に利用しました。
まあ言わずもがなな気がしますが、結果は悲惨なものでした。

薬物の力でサトリを得ようとすること、薬物等の力でニュータイプの力を得ようとすることを対比させたのかなと。
まあ能動的、受動的の違いはありますが。
Zにおける強化人間の描写もトリップ中のそれに近い気がします。
ニュータイプもトミノ的なサトリの理解と考えれば。
2009/05/17 (日) 00:55:49 | URL | DN #mQop/nM.[ 編集 ]
小説版ではニュータイプが達人の境地にように描かれているので、
確かにそのようなモチーフもあるかもしれませんね。

しかし、アメリカではそんなものが流行ったこともあったんですねぇ…。
2009/05/19 (火) 21:27:25 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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